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歯科矯正は保険適用される?知っておきたい費用を抑えるための制度

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「やっぱり歯科矯正って高いなぁ・・・」

 

歯科矯正に興味はあっても、やはり費用面において迷う方もいるのではないでしょうか。基本的には、審美性を目的としているため公的医療保険が適用されず、やはり医療費は高額になる傾向があります。

 

しかし、国や医療には様々な制度があり、工夫次第では費用を抑えられるケースもあります。そこで今回は、高額になってしまう歯科矯正の治療費を軽減できる仕組みについてご紹介します。また、制度を利用する際のポイントについても合わせてご説明します。

1. 歯科矯正の保険適用について

マウスピース矯正ができない3つのケース

歯科矯正は医療であっても、原則的に保険適応となっていません。これは歯科矯正を行う理由として、歯並びの見た目を改善するという審美性を目的としているからです。

 

そもそも公的医療保険という、健康保険制度は「ケガや病気を治療して元の健康な身体に戻すこと」を目的としています。ですから、歯並びが悪くても健康な状態には影響しない場合、原則的には保険が適用されないということになるのです。これは民間の医療保険であっても同じです。その一方で、矯正治療が必要であるという症状に当てはまった場合には、保険が適用されるケースがあります。

 

それでは、歯科矯正で保険が適用となる症例についてご紹介します。

1-1. 保険が適用される範囲

原則的には健康保険が適用されない歯科矯正ですが、以下の①〜③のような症状については保険の適用が認められています。

 

①前歯3歯以上の永久歯が萌出不全(ほうしゅつふぜん)に起因する咬合異常(こうごういじょう)の治療

注:埋伏歯開窓術を必要とするケースに限ります

②顎変形症(がくへんけいしょう)の手術前、および手術後の治療

注:顎離断(がくりだん)などの手術を必要とするケースに限ります

③「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する治療

※次のパートで解説します

 

上記のようなケースにおいては、先天性の疾患が多いこともあるため、保険適応の治療を受けることができるということです。ただし、どの歯科医院やクリニックでも良いわけではなく、国の認可を受けた指定医療機関であることが定められています。

1-2. 厚生労働大臣が定める主な疾病

以下の表は、厚生労働省が定める53種類の保険適用となる疾患をまとめたものになります。一覧の疾患に起因する咬合異常に歯科矯正が必要と認められた場合、厚生労働省にて判断のもと保険治療の対象になります。

 

唇顎口蓋裂ゴールデンハー症候群鎖骨頭蓋骨異形成トリーチャ・コリンズ症候群ピエール・ロバン症候群
ダウン症候群ラッセル・シルバー症候群ターナー症候群ベックウィズ・ウイーデマン症候群顔面半側萎縮症
先天性ミオパチー筋ジストロフィー脊髄性筋委縮症顔面半側肥大症エリス・ヴァンクレベルド症候群
軟骨形成不全症外肺葉異形成症神経線維腫症基底細胞母斑症候群ヌーナン症候群
マルファン症候群プラダー・ウィリー症候群顔面裂大理石骨病色素失調症
口腔・顔面・指趾症候群メビウス症候群歌舞伎症候群クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群ウィリアムズ症候群
ビンダー症候群スティックラー症候群小舌症頭蓋骨癒合症骨形成不全症
フリーマン・シェルドン症候群ルビンスタイン・ティビ症候群染色体欠失症候群ラーセン症候群濃化異骨症
6歯以上の先天性部分(性)無歯症CHARGE症候群マーシャル症候群成長ホルモン分泌不全性低身長症ポリエックス症候群
リング18症候群リンパ管腫全前脳胞症クラインフェルター症候群偽性低アルドステロン症
ソトス症候群グリコサミノグリカン代謝障害その他の先天異常(※)

(※)先天異常とは、顎・口腔の奇形、変形を伴う先天性疾患を示す

2. マウスピースの歯科矯正は保険適用となる?

以前の歯科矯正といえばワイヤー矯正の一択でしたが、近年は多くの方に人気のマウスピース矯正があります。では、マウスピース矯正については保険の適用となるケースはあるのでしょうか。

 

結論から言いますと、マウスピース矯正については保険の適用はありません目立たず矯正できるため人気のある治療法ですが、保険適用にて行える治療は器具や装置が指定されているためです。また、マウスピース矯正は歯を移動できる範囲も限られているため、すべての症例に対応できない点もあげられます。

2-1. マウスピース矯正の保険適用の有無

保険の適用となる症例は前の章でご紹介しましたが、原則的にマウスピース矯正については自由診療となります。歯並びの乱れも、特に軽度~中度には医療保険の適用となることが原則ありません。また、大きく乱れている歯並びには対応できないことが多いため、あくまでも審美性を目的にした治療に向いています。

2-2. マウスピース矯正の費用を抑えるには?

マウスピース矯正は原則的に自由診療ですが、医療費控除を利用して費用を抑えられる場合があります。医療費控除とは、1年間に10万円を超えた分の医療費に対して所得税が減額される制度です。さらに1人当たりではなく、生計を共にする1世帯で計算しますので、ご家族がいる場合は合計して申告するようにしましょう。

 

まず、審美性を目的とした矯正治療には適用されません。ただし子どもの成長期において、歯並びに悪影響があると判断された場合は、歯科矯正が控除の対象となります。いずれにしても可否の判断は、お住いの管轄税務署が行いますので、気になる方は事前に税務署まで相談しておきましょう。

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3. 歯科矯正で医療費控除を受ける流れ

実際に歯科矯正で医療費控除を受けられる場合、どのように進めたら良いのでしょうか。まずは申告に必要な提出物を用意して、確定申告のタイミングに税務署で申告します。ただし、給与所得のお仕事で確定申告が不要な場合は、いつでも医療費控除の申告が可能です(5年以内は過去の分についても可能)

 

せっかく控除を受けられるのであれば、しっかりと申告して費用を安く抑えるようにしましょう。

3-1. 医療費控除の申請に必要なもの

医療費控除を申請する際は、以下の①~④を準備しておきましょう。

 

①確定申告書+医療費控除の明細書

 

提出書類については、国税庁のホームページで作成することもできます。

【参考リンク】国税庁・医療控除を受ける方へ

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/iryouhikoujo.htm

 

②医療費の明細書

 

健康保険の医療費通知を添付すると医療費控除の明細書の明細を省略できます。

 

③医療費の領収書

 

医療費として認められているものは、診療費用だけでなく薬や交通費も含まれます(交通費については公共交通機関のみ)

また、通院のために付添人を必要とした場合の交通費も認められています。

 

④給与所得の源泉徴収票

3-2. 医療費控除の申請手続き

医療費控除の申請は以下①~③の流れで行いましょう。

 

①自分が医療費控除の対象かどうか確認

 

1月1日から12月31日までに支払った医療費が10万円(総所得金額が200万円未満の場合、総所得金額の5%)を超えているか計算します。10万円を超えた金額が医療費控除の対象です。診療代のほか、薬や通院にかかる交通費も医療費控除に含みます。

 

②必要書類を揃える

 

③すべての必要書類を税務署に提出

 

上記の流れ以外に、電子申告で確定申告を行うこともできます。手続き方法は「マイナンバーカードとICカードリーダーライター」を利用するか「ID・パスワード」で行う方式の2種類から選べます。電子申告は計算ミスを防げますし、領収書などの添付書類の提出が省略できるなどのメリットもあります。

 

■参考記事:マウスピース矯正は医療費控除の対象?知っておきたい手続きと注意点

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4. 歯科矯正の費用を抑えるための制度と工夫「まとめ」

いかがでしたでしょうか。

 

本来は高額になる歯科矯正ですが、ご自身に該当する症状があれば健康保険が適用される可能性もあります。また、見た目に受け口だったり複雑な歯並びであれば、ご自身で判断せずに歯科医院の無料カウンセリングを利用してみるのもおすすめです。

 

いずれにしても、医療費控除は生計を共にする家族も含みますので、日ごろの医療費や薬局でのレシートは保存しておきましょう。矯正治療だけで費用を抑えることができなくても「全体の医療費を抑える」という意識は持っておくと結果的に節約になります。

 

■参考記事:歯並びを治したいけどお金がない!無理なく歯科矯正する方法とは

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