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矯正治療で理想のビフォーアフターを実現するための全ポイント

丹谷聖一
丹谷聖一
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人聖礼会理事長。ICOI国際インプラント学会認定医・指導医、日本口腔インプラント学会認定医・専門医、臨床研修指導医、インプラントフェロー認定、iACD歯科総合認定医・研究指導医。
https://www.us-shika.com/

歯科矯正は、歯並びや噛み合わせを改善し、美しい笑顔と健康的な口腔環境を手に入れるための重要な治療法です。多くの矯正歯科クリニックのウェブサイトでは、治療前後の写真(ビフォーアフター)が掲載されており、その劇的な変化に驚かれる方も多いでしょう。しかし、実際に自分も同じような結果を得られるのか、不安や疑問を抱く方も少なくありません。
本記事では、理想的な歯並びを実現するために患者さんが注意すべきポイントや、矯正歯科医院の選び方ビフォーアフター写真の見方などを詳しく解説します。これから矯正治療を検討されている方や、現在治療中の方にとって、有益な情報となることを願っています。

1. 理想的な歯並びを実現するためのポイント

ポイント

矯正治療で理想的な歯並びを手に入れるためには、患者さん自身の取り組みも非常に重要です。以下のポイントを押さえて、治療に臨みましょう。

1-1. カウンセリングで疑問を解消する

矯正治療を始める前のカウンセリングは、治療の成功に直結する大切なステップです。この場で、自身の悩みや希望をしっかりと伝えることで、適切な診断と治療計画が立てられます。

例えば、出っ歯やすきっ歯、噛み合わせの問題など、具体的な悩みを伝えることで、医師は最適な治療法を提案できます。また、治療期間や費用、使用する装置の種類、日常生活への影響など、気になる点はすべて質問し納得のいく説明を受けることが大切です。

カウンセリングでのコミュニケーション不足は、治療後の仕上がりに対する不満や、治療中の不安につながる可能性があります。そのため、遠慮せずに疑問や希望を伝え医師との信頼関係を築くことが、理想的な歯並びへの第一歩となります。

1-2. 装置の装着時間を守る

特にマウスピース矯正(インビザラインなど)を選択した場合、装置の装着時間を守ることが治療効果に直結します。一般的には、1日20時間以上の装着が推奨されています。装着時間が短いと、計画通りに歯が動かず、治療期間が延びたり、期待した結果が得られないことがあります。

食事や歯磨きの際に取り外すことができる利便性がある反面、自己管理が求められるため、意識的に装着時間を守る努力が必要です。スマートフォンのアラーム機能を活用して装着時間を管理するなど、自分なりの工夫を取り入れてみましょう。

1-3. 指示通りに通院する

矯正治療中は、定期的な通院が必要です。ワイヤー矯正の場合は月に1回程度マウスピース矯正の場合は1~3ヶ月に1回程度の通院が一般的です。これらの通院は、治療の進捗を確認し、必要な調整を行うために欠かせません。

通院を怠ると、装置の調整が遅れ、治療期間が延びるだけでなく、計画通りに歯が動かないリスクも高まります。また、装置の不具合や口腔内のトラブルを早期に発見・対処するためにも、指示通りの通院が重要です。

1-4. オーラルケアを徹底する

矯正治療中は、装置の影響で歯磨きが難しくなり虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。そのため、オーラルケアを徹底することが重要です。

ワイヤー矯正の場合、固定された装置と歯の間に食べ物が詰まりやすく、歯ブラシだけでは清掃が不十分になることがあります。このような場合には、歯間ブラシやワンタフトブラシなどの補助清掃用具を併用すると良いでしょう。一方、マウスピース矯正では、装置を外して通常の歯磨きができるため、虫歯や歯周病のリスクは比較的低いとされています。しかし、マウスピースにアタッチメント(歯の表面につける突起物)が付いている場合、その周辺に汚れが溜まりやすいので注意が必要です。

矯正中に虫歯や歯周病になると、治療を一時中断する場合もあり、予定通りに矯正が進まない可能性があります。ビフォーアフター写真のような理想的な歯並びを予定通り手に入れるためには、日々のオーラルケアを怠らないよう心がけましょう。

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2. 矯正歯科医院選びのポイント

歯列矯正の治療期間の目安

理想的な歯並びを実現するためには、信頼できる矯正歯科医院を選ぶことが重要です。ここでは、クリニックを選ぶ際のポイントをご紹介します。

2-1. 複数のクリニックを比較検討する

矯正治療は長期にわたる治療です。そのため、事前に複数のクリニックでカウンセリングを受け、比較検討することをおすすめします。クリニックごとに治療方針や費用、医師の対応が異なるため、自分に合ったクリニックを見極めることが大切です。

カウンセリングを受ける際には、実際にクリニックの雰囲気やスタッフの対応も確認しましょう。また、理想の歯並びについてしっかり話し合えるかどうかも重要なポイントです。医師と患者の認識のズレが少ないほど、満足のいく結果を得られる可能性が高まります。

2-2. 疑問に対して丁寧に説明してくれるか

信頼できるクリニックかどうかを見極めるためには、医師が患者の疑問に丁寧に答えてくれるかどうかが鍵になります。カウンセリングで質問した際に、納得がいくまで丁寧に説明してくれるクリニックであれば、矯正中の不安や疑問も解消しやすいでしょう。


反対に、質問に対して曖昧な回答しかしない場合や、忙しそうに対応される場合は、別のクリニックも検討したほうが良いかもしれません。

2-3. 長期間の通院が苦でないか

矯正治療は一般的に1~3年と長期にわたるため、通院が苦にならないクリニックを選ぶことも重要です。自宅や職場からのアクセスが良い場所にあるクリニックや、休日や夜間にも対応しているクリニックであれば、通いやすさが向上します。

また、予約が取りやすいかどうかも確認しておきましょう。予約が取りにくいと通院のタイミングがずれ、治療計画に影響を及ぼす可能性があります。

2-4. あらかじめ費用目安がわかるか

矯正治療を受ける際、費用の明確さも大切な要素です。カウンセリング時に総額費用の目安を確認し、追加料金の有無もあわせて確認しましょう。一部のクリニックでは、治療計画に基づいた固定価格制を採用している場合もあります。このようなクリニックであれば、治療途中で予算を超える心配が少なく安心です。

治療費の詳細を事前に把握することで、「予算不足で治療を中断する」といったリスクを避けることができます。

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3. ビフォーアフター写真を見る際のポイント

矯正歯科のビフォーアフター写真を見る際、単に見た目の変化だけを評価するのではなく、いくつかのポイントを確認すると、より正確に治療の成果を理解できます。

3-1. 上の歯が下の歯に覆いかぶさる度合い

理想的な噛み合わせは、上の歯が下の歯に2~3ミリ覆いかぶさる状態です。これを専門的には「適正被蓋(ひがい)」と呼びます。この程度の被蓋があれば、前歯でしっかりと物を噛み切る力を得られると同時に、見た目のバランスも良くなります。

一方で、被蓋が浅すぎる場合、噛み合わせが弱くなり、咀嚼(そしゃく)の効率が低下することがあります。逆に深すぎる場合は、「過蓋咬合(かがいこうごう)」という状態になり、以下のような問題を引き起こす可能性があります。


・下の歯が上の歯で覆われすぎて歯肉に接触し、炎症や痛みが生じる。

・噛む力が偏ることで顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こす。

・横顔のバランスが崩れ、口元が突出して見えることがある。


ビフォーアフター写真を見る際には、被蓋の深さが深すぎないか」「浅すぎないか」を注意深くチェックしましょう。また、医師に相談する際は、自分の被蓋の状態が理想的かどうかを確認すると良いでしょう。

3-2. 上下の正中

正中とは、歯並びの中心線を指し、上の歯と下の歯の中心が揃っているかどうかを評価する基準です。この正中がズレていると、以下のような問題が発生する可能性があります。


・噛み合わせのバランスが崩れることで、特定の歯に過剰な負担がかかる。

・顔全体の左右対称性が失われ、見た目のバランスが悪くなる。

・顎関節に負担がかかり、痛みや違和感が生じることがある。


ビフォーアフター写真では、正中がどの程度揃っているかを確認することで、治療の精度を判断できます。また、正中のズレが大きい場合は、矯正治療が必要なケースが多いので、事前のカウンセリングで相談してみましょう。

3-3. 噛み合わせ

噛み合わせは歯並び以上に重要な評価ポイントの一つです。美しい歯並びが実現していても、噛み合わせが正しくないと、以下のような問題が発生することがあります。


・咀嚼機能の低下による消化不良や胃腸への負担。

・特定の歯が過剰に摩耗し、将来的に虫歯や歯周病のリスクが増加。

・顎関節症の発症や悪化。


ビフォーアフター写真を見る際には、前歯だけでなく、奥歯の噛み合わせがしっかりと揃っているかを確認しましょう。特に横顔の写真が掲載されている場合は、奥歯が噛み合った状態で顎の位置が自然に収まっているかをチェックするのがおすすめです。

3-4. Eライン

Eライン(エステティックライン)とは、美しい横顔を判断するための基準となるラインのことで、鼻の先端と顎の先端を結ぶ線を指します。このEラインに対して上下の唇がどの位置にあるかを確認することで、横顔の美しさを評価できます。


・理想的なEライン

上唇と下唇がEラインの内側に収まっていると、美しい横顔とされます。

・Eラインの外側に唇がある場合
上唇や下唇がEラインの外側に突き出している場合、口元が突出して見え、「口ゴボ」や「出っ歯」といった印象を与える可能性があります。

矯正治療の結果を確認する際には、正面からの歯並びだけでなく、横顔のEラインの変化もチェックしましょう。Eラインが改善されることで、横顔のバランスが整い、全体的な美しさが向上します。

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4. まとめ

矯正歯科のビフォーアフター写真のような理想の歯並びを実現するためには、適切な矯正歯科医院の選択や、患者自身の努力が重要です。特に、カウンセリングでの疑問解消や、装置の適切な使用、オーラルケアの徹底などは、治療を成功させるための鍵となります。

また、治療前後の写真を見る際には、単に見た目の変化だけでなく、噛み合わせやEラインなどのポイントもチェックすると、より正確に治療の効果を理解できるでしょう。

歯科矯正はドクターと患者が協力して進めていく治療です。自分に合ったクリニックを選び、治療に向けて前向きに取り組むことで、理想の歯並びを手に入れることができます。

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