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ワイヤー矯正の期間は?歯列矯正が長引くケース・治療をスムーズに終えるポイント

湊 寛明
湊 寛明
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

歯列矯正を考え始めると、気になるのは「どのくらいの期間がかかるのか」「どのような治療が必要なのか」ということではないでしょうか。なかでもワイヤー矯正は、歯に力をかけて少しずつ歯を動かしていく方法で、治療期間が長期にわたる傾向があります。

 

そこで今回は、ワイヤー矯正や矯正にともなう保定期間の目安期間が長くなるケースを解説します。治療全体の基本的な流れや、ワイヤー矯正をスムーズに進めるためのポイントも紹介しますので、ワイヤー矯正を検討する際の参考にしてください。

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1. ワイヤー矯正にかかる期間の目安

ワイヤー矯正は、見た目の改善だけでなく歯や骨の位置をしっかりと整えるために、時間をかけて取り組む必要があります。また、矯正装置を外したあとの「保定期間」も、治療の成功を左右する大切な期間です。

 

この章では、治療期間と保定期間の目安について解説します。

1-1. 治療期間の目安

ワイヤー矯正の一般的な治療期間は1年〜3年ほどです。ただし、これはあくまでも目安であり、歯並びの状態や骨格、装置の種類によって大きく変わります。

 

短いと1年未満、長いと3年を超える場合もあります。例えば、部分矯正は全体矯正よりも歯の移動距離が短いため、数ヵ月から1年半程度で治療が終わるケースもあるでしょう。また、抜歯が必要な場合は歯の移動距離が増えるため、治療期間は長期化します。

 

矯正の方法によっても治療期間は異なり、ワイヤー矯正はマウスピース矯正に比べてより長期的な計画が必要な治療法です。治療前には医師と相談しどのくらいの治療期間になる予定かを確認しておきましょう。

1-2. 保定期間の目安

保定期間とは、歯列の矯正を終えたあとに歯列を固定させるための期間です

 

矯正治療後の歯は動きやすく、何もせずにいると元の位置へ戻ろうとします。これを「後戻り」といい、保定装置(リテーナー)を装着して歯並びを安定させることで、後戻りを防止します。

 

保定期間は矯正治療期間とだいたい同じか、それ以上必要とされており、およそ2年が目安です。その間は3ヵ月に1回ほど通院し、医師によるチェックを受ける必要があります。また、保定装置の装着時間は1日20時間以上で、歯列が安定してきたら少しずつ装着時間を減らしていくのが一般的です

 

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2. ワイヤー矯正で歯を動かす仕組み

私たちの歯は「歯槽骨(しそうこつ)」という骨に支えられており、歯と歯槽骨の間には「歯根膜(しこんまく)」と呼ばれるクッションのような膜があります。この歯根膜に力を加え、少しずつ歯を動かしていくのが、ワイヤー矯正で歯を動かす仕組みです

 

治療ではまず歯の表面にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して力を伝えます。力がかかった側の歯根膜は圧縮され、破骨細胞によって骨が吸収されていきます。反対側では、歯根膜が引っ張られて伸び、元の厚さに戻ろうとする過程で骨芽細胞が新しい骨を作り出すのです。

 

この骨の吸収と再生」が繰り返されることで、歯は少しずつ理想的な位置へ移動していきます。そのため、定期的なワイヤーの調整が欠かせません。歯科医師の指示にしたがって通院を続けることが、矯正治療を成功させる大切なポイントです。

 

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3. ワイヤー矯正にかかる期間が長い理由

ワイヤー矯正が長期間におよぶのは、歯を1ヵ月に0.5〜1mm程度しか動かせないためです。先ほど述べたとおり、歯に力をかけている裏側では「骨の吸収と再生」が繰り返されています。治療を急ぎ、強い力を一度に加えてしまうと、歯茎や神経が損傷したり、歯根が吸収されたりするリスクが高まるため、少しずつ慎重に進めなければなりません

 

さらに、治療を始める前の検査や矯正装置の準備にも時間がかかります。矯正前に虫歯歯周病が見つかれば、そちらの治療を優先する必要があり、矯正開始を遅らせる要因となります。

 

そして忘れてはならないのが、装置を外したあとに必要な「保定期間」です。矯正期間と同程度か、それ以上必要とされるため、結果的に工程全体が長期化します。

4. ワイヤー矯正の治療期間の長さにかかわる要素

ワイヤー矯正にかかる期間には個人差があり、次のような要素が影響します。

 

●年齢

●歯並びの状態

●治療の範囲(部分か全体か)

●装置の種類

●患者さんの協力度

●生活習慣

 

これらは単独ではなく、複数が組み合わさって治療期間に影響を与えます。

 

例えば、子どもは骨がやわらかく歯が動きやすいため比較的短期間で治療が終わりますが、大人は骨代謝がゆるやかで歯の移動に時間がかかるのが一般的です。また、歯並びや噛み合わせのズレが軽度であれば早く終わる一方、大きなねじれや骨格性の問題がある場合、抜歯をともなうなど治療が複雑になり、長期化しやすいでしょう。

ワイヤーを付ける位置でも治療期間が異なります。一般的な表側矯正に比べ、裏側矯正ハーフリンガル矯正(上の歯は裏側、下の歯は表側に装置をつける方法)は、調整が難しいため治療期間が長くなる傾向があります

 

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5. ワイヤー矯正の期間が長くなりやすいケース

矯正治療の期間は人によって異なり、なかには長期化しやすいケースがあります。

 

ここでは、ワイヤー矯正で治療が長引く代表的な例をご紹介します。

5-1. 歯並び・噛み合わせの乱れが重度の場合

歯並びの乱れが大きいほど、矯正にかかる期間は延びやすくなります。特に「叢生(そうせい)」と呼ばれる、歯が重なり合ってデコボコになっている状態だと、歯を大きく移動させる必要があるため時間がかかるでしょう。

 

また、出っ歯受け口といった骨格的な問題があり、抜歯や外科的な処置が必要な場合は、歯の移動距離が長くなって治療も複雑化・長期化しやすくなります。

 

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5-2. 歯の動きが遅い場合

実は、歯の動くスピードには個人差があります。骨や歯の状態、代謝、体質などによって歯の動き方が変わるためです。

 

一般的に若い人は骨密度が高く代謝も活発なため、歯が動きやすいといわれています。ただし、若ければ必ずスムーズに進むわけではありません。また、歯を動かすスペースが確保されやすい人は、比較的スムーズに治療が進むこともあります。

5-3. 通院やセルフケアを怠った場合

ワイヤー矯正では通常1〜2ヵ月ごとのワイヤー調整が必要です。通院を怠るとワイヤー調整ができず、治療は進みません。さらに、ブラケットが壊れたり虫歯治療で装置を外したりすると、その間は矯正がストップしてしまいます。

 

加えて、口腔ケアが不十分で虫歯や歯周病になれば、治療を中断せざるを得なくなります。定期的な通院と丁寧なセルフケアが、矯正をスムーズに進めるために欠かせません。

5-4. 口周りの癖がある場合

舌で前歯を押す唇を噛む頬杖をつくといった口や顔周りの癖は、歯の動きを妨げて矯正治療を遅らせる要因となります。歯に余計な力がかかってしまい、計画通りに歯が動かなくなるためです。矯正をスムーズに進めるためには、こうした癖を意識して改善しておくことが大切です。

 

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5-5. 歯科医師が技術不足の場合

歯列矯正は専門知識と確かな技術を必要とする分野です。それゆえ、医師による診断や治療技術が不十分だと、治療が計画通りに進まずに長引いてしまうおそれがあります

 

また、予約が取りにくいクリニックにも注意が必要です。予約が取りにくいのは人気がある、つまりクリニックの信頼度が高い証拠ですが、あまりに取れないと通院間隔が空きすぎて、結果的に治療が遅れてしまいます。通いやすく、経験豊富で信頼できる歯科医師を選ぶことが、治療期間の短縮につながります

6. ワイヤー矯正をスムーズに進めるためのポイント

矯正治療は、歯科医師の技術だけでなく、患者さん自身の日常的な取り組みによっても進み方が大きく変わります。予定通りに治療を進めるためには、日々の習慣や意識がとても大切です。

6-1. 定期的な通院を怠らない

矯正中は、1〜2ヵ月に1回程度のペースで通院し、医師によるワイヤーの調整を受ける必要があります。調整をしないまま時間が経つと、歯の移動が計画よりも遅れ、せっかくの治療も伸びてしまうでしょう。歯科医師が立てたスケジュールをしっかりと守り、予定通りに通院を続けることが大切です。

6-2. セルフケアを継続する

矯正装置をつけての食事では、装置の間にどうしても食べかすがたまりやすくなります。放っておくと虫歯歯周病につながり、矯正を中断しなければならないこともあります

 

そうならないためには、丁寧なブラッシングが欠かせません。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシタフトブラシも使うと、装置のすき間をきれいにできます。歯科医院で受けるブラッシング指導も参考にして、毎日清潔な口内環境を保ちましょう。

 

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6-3. リテーナーの装着を適切に行なう

矯正装置を外したあとには「保定期間」が待っています。この時期に使うリテーナーは、矯正の成果を守るための大切な相棒です。

 

もしリテーナーの装着を怠ると、歯は後戻りを起こし、これまで続けてきた矯正治療が無駄になりかねません。もう一度歯列矯正をやり直さなければならないケースもあります。装着方法や使用方法など、歯科医師の指示をしっかりと守りましょう。

 

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6-4. 食べるものや食べ方を工夫する

矯正中は、歯にブラケットとワイヤーが常に装着されています。これらは強い力や粘着性のあるものに弱く、食べ物が破損の原因となることがあります。装置が壊れると、治療が止まるだけでなく口の中を傷つけてしまうリスクもあるため、十分に注意しましょう。

 

硬い食べ物は小さく切る、キャラメルのような粘着性の高いものは避けるなど、日常のちょっとした工夫が治療を守ることにつながります。もし装置が壊れてしまったら、そのままにせず早めに歯科医院で受診しましょう。

7. ワイヤー矯正の基本的な治療の流れ

ワイヤー矯正の大まかなステップは次のとおりです。

 

✔ カウンセリング・検査・診断

✔ 事前治療

✔ ワイヤー矯正開始

✔ 定期通院(ワイヤー調整)

✔ 保定期間

 

まずは歯科医師によるカウンセリングを受け、レントゲン撮影や口内の写真撮影、歯型取りなどの検査を経て、治療計画が立てられます。検査結果がそろうまでには、1〜2週間ほどかかるのが一般的です

 

虫歯や歯周病が見つかった場合は、矯正を始める前に治療を終える必要があります。軽度であれば数日から1ヵ月ほどで済みますが、重度の場合は半年ほどかかることもあるでしょう。

 

準備が整ったら、いよいよワイヤーとブラケットを装着して矯正治療のスタートです。治療中は1〜2ヵ月に1回のペースで通院し、ワイヤーの調整を受けながら少しずつ歯を理想の位置へと動かしていきます

 

ワイヤー矯正が終わったら、リテーナーを装着して歯を固定する保定期間が始まります。少しずつ装着時間を減らしていき、歯並びが安定したら治療終了です。

8. まとめ|通院やケアを継続してワイヤー矯正をスムーズに進めよう

ワイヤー矯正は時間と手間がかかりますが、正しい方法で計画的に進めれば、美しい歯並びと健康な口元を手に入れることができます。治療期間や保定期間をしっかりと理解し、定期通院やセルフケアを丁寧に行なうことが、スムーズな矯正の鍵です。焦らず、歯科医師の指示に従いながら、自分に合った治療を着実に進めていきましょう。

 

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