- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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ケガや虫歯などが原因で前歯二本が欠けてしまい、噛み合わせや見た目に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。また、矯正治療で歯並びを整えようと思っていた矢先に前歯二本を欠損してしまい、どうすればよいか困っているケースもあるでしょう。
そこでこの記事では、前歯二本を差し歯にする際の費用相場や、素材ごとの特徴や価格の違いを解説します。差し歯がある状態で矯正治療を行なう際の注意点も紹介するので、前歯二本を差し歯にするかお悩みの方はぜひ参考にしてください。
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- 1. 前歯二本を差し歯にする際の費用相場
- 2. 前歯の差し歯が必要なのはこんなとき
- 3. 差し歯は保険の適用範囲内
- 4. 差し歯の種類ごとの特徴と費用相場
- 4-1. 硬質レジンクラウン
- 4-2. ハイブリッドレジンクラウン(CAD/CAM冠)
- 4-3. メタルボンドクラウン
- 4-4. オールセラミッククラウン
- 4-5. ジルコニアクラウン
- 5. 前歯二本を差し歯で治療する際の流れ
- 5-1. 根元をしっかり治療する5-2
- 5-2. 土台を作る
- 5-3. クラウンを製作して取り付ける
- 6. 差し歯でも矯正治療は可能!気を付けるべき注意点
- 6-1. 矯正装置や差し歯が外れやすくなる場合がある
- 6-2. 差し歯を作り直さなければならない場合がある
- 6-3. 矯正方法の選択によっても状況が変わる
- 7. まとめ|前歯二本の差し歯や矯正治療のご相談は信頼できる矯正医へ!
1. 前歯二本を差し歯にする際の費用相場

前歯二本を差し歯にする場合のおおよその費用相場は次のとおりです。
| 保険適用の可否 | 一本当たりの価格 | 二本の場合の目安 |
|---|---|---|
| 保険適用可 | 5,000~1万5,000円程度 | 1~3万円程度 |
| 保険適用外 | 8~20万円程度 | 16~40万円程度 |
保険適用の可否は、差し歯の素材によって決まります。そのため、保険適用外の素材を選ぶと、費用が高くなる点に留意しましょう。
なお、差し歯の素材ごとの特徴や価格の違いは後述します。
2. 前歯の差し歯が必要なのはこんなとき

前歯に差し歯治療が必要になるのは、虫歯の治療で歯を大きく削ったときや、ケガにより歯が欠けてしまったときなどです。差し歯治療では、残った歯の根に人工の歯を被せることで、元の状態に近い噛み合わせと見た目を実現します。治療方法の特徴から、「被せ物」と呼ばれることもあります。
歯がどれだけ欠けたとしても、歯根が残っていれば、差し歯治療が可能です。しかし、歯根まで失われている場合は差し歯治療では対応できないため、インプラント治療を検討する必要があります。
また、出っ歯や反対咬合(受け口)など噛み合わせや見た目の改善を目的に差し歯治療を行なうケースもありますが、骨格に起因する問題がある場合は、矯正治療を検討したほうがよいでしょう。
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3. 差し歯は保険の適用範囲内

差し歯治療を検討する際に、まず気になるのは費用ではないでしょうか。
差し歯は、使用する素材によって保険適用の可否が異なり、条件を満たせば自己負担額を抑えて治療を受けられます。ただし、保険で使える素材の種類が前歯から犬歯までと奥歯とで異なる点に注意が必要です。
前歯二本を差し歯にする場合は、後述する「硬質レジンクラウン」や「ハイブリッドレジンクラウン(CAD/CAM冠)」が保険適用となります。これら以外の素材を選ぶと自由診療扱いとなり、保険適用時に比べて費用が大幅に高くなるため、注意しましょう。
4. 差し歯の種類ごとの特徴と費用相場
先述のとおり、差し歯治療の際はどの素材を選ぶかによって保険の適用可否が異なります。素材ごとに仕上がりが変わるのはもちろん、保険適用か否かで大きな金額差が生じるため、見た目とコストのバランスを考慮したうえで自分に合った素材を選びましょう。
ここでは、差し歯治療に用いられる素材別に特徴と費用相場を解説します。
4-1. 硬質レジンクラウン
硬質レジンクラウンは、金銀パラジウム合金(金、パラジウム、銀、銅などからなる合金)の表面にプラスチック製の素材・レジンを貼り付けて作られたクラウン(被せ物)です。
硬質レジンクラウンを使った差し歯治療には保険が適用されるため、自己負担3割の場合、一本当たり約5,000~8,000円と比較的リーズナブルな価格で治療を受けられます。内部が金属構造のため、強度や耐久性に優れている点も特徴です。
一方で、金属アレルギーを発症するリスクがあるほか、レジン部分が変色しやすい、裏側の金属が透けて見える場合があるなどの点がデメリットとして挙げられます。
4-2. ハイブリッドレジンクラウン(CAD/CAM冠)
ハイブリッドレジンクラウンは、セラミックとプラスチック製のレジンを配合して作られた被せ物です。
従来、差し歯は歯科技工士が手作業で製作しており、品質にばらつきがありました。しかし技術の発達にともない、コンピューターシステムを駆使して安定した品質の差し歯を製作できるようになったのです。これが「ハイブリッドレジンクラウン」で、CAD(設計ツール)とCAM(機械を動かすプログラム作成ツール)を用いることから「CAD/CAM(キャド・キャム)冠」とも呼ばれます。
前歯にハイブリッドレジンクラウンを被せる場合は保険が適用され、自己負担3割の場合、一本当たり9,000~1万5,000円程度が相場です。
ハイブリッドレジンクラウンは透明度が高く、色調が豊かなので、天然の歯に近い質感を実現できます。ただし、後述するオールセラミックに比べると強度がやや劣る点には注意が必要です。
4-3. メタルボンドクラウン
メタルボンドクラウンは、金属でできたフレームの表面にセラミックを貼り付けて作られる被せ物です。表面がセラミック素材のため、食べ物や飲み物による着色が起こりにくく、変色しにくい特徴があります。また、強度が高く、耐久性にも優れています。
ただし、セラミックの透明度が高いため金属フレームの色が透けて見えやすく、やや暗い色調になりやすい点に注意が必要です。金属アレルギーを引き起こすリスクにも注意しましょう。
メタルボンドクラウンは保険適用外となり、一本当たり8~15万円程度が費用の目安です。
4-4. オールセラミッククラウン
オールセラミッククラウンは、その名のとおり、すべてがセラミック素材で作られる被せ物です。高い透明度と自然な色合いが特徴で、周囲の歯になじみやすく、天然の歯に近い仕上がりを実現できます。経年による変色も起こりにくいため、長期間にわたって美しい見た目を保ちやすい点も魅力です。
ただし、強い力や衝撃が加わると破損する恐れがあるため、扱う際には十分な注意が求められます。
オールセラミッククラウンも保険適用外であり、一本当たりの費用相場は8~15万円ほどとなっています。
4-5. ジルコニアクラウン
ジルコニアクラウンは、セラミックの一種であるジルコニア製のフレームの表面に、セラミックを貼り付けて作られる被せ物です。ジルコニアは高い硬度と優れた耐久性から「人工ダイヤモンド」と呼ばれることもあります。
セラミック特有の自然な見た目や変色のしにくさに加え、ジルコニア由来の高い強度を兼ね備えている点が特徴です。見た目と機能性の両方を重視したい方に適しています。
ただし保険適用外となるため、一本当たりの費用相場は12~20万円程度と高めなのがデメリットです。また、オールセラミックよりも透明感がやや劣るほか、強い衝撃で表面のセラミック部分が割れる可能性もある点に注意しましょう。
5. 前歯二本を差し歯で治療する際の流れ

虫歯やケガなどで前歯二本が削れたり欠けたりした場合、どのような手順で差し歯治療が行なわれるのでしょうか。
ここでは、一般的な治療の流れを3つのステップに分けて紹介します。
5-1. 根元をしっかり治療する
差し歯は、「支台歯(歯根)」「土台」「クラウン(被せ物)」の3つの部分で構成されています。このうち、歯根が健康であることが差し歯治療の前提条件です。もし差し歯を装着したあとに歯根の状態が悪化すると、差し歯を外す、あるいは壊して再治療を行なわなければなりません。
そのような事態を防ぐため、まず歯根部分をしっかりと治療したうえで、差し歯の製作・装着を行なうのが一般的な流れです。
5-2. 土台を作る
歯根の治療が完了したら、次に差し歯の土台を製作します。
まず、歯型を採取して土台を製作し、その後、専用の接着剤で歯根に固定する流れです。土台の素材は、金属やファイバー樹脂などさまざまです。保険適用外の素材を選ぶ場合は、土台の製作工程から自由診療扱いとなる点に注意しましょう。
5-3. クラウンを製作して取り付ける
土台の装着が完了したら、クラウンを製作する流れへと進みます。
まず、土台が付いた状態で型取りを行ない、その形に合わせてクラウンを製作します。保険適用のクラウンを選んだ場合、完成したクラウンを専用の接着剤で土台に固定したら治療は完了です。
一方、保険適用外のクラウンを選んだ場合、製作前に仮歯を装着して土台との適合具合を確認するケースがあります。また、クラウンの完成後もすぐに本付けするのではなく、一度仮付けで装着感や噛み合わせをチェックするケースが一般的です。問題がなければ、最終的に専用の接着剤で本付けを行ない、治療が完了します。
6. 差し歯でも矯正治療は可能!気を付けるべき注意点

「差し歯があると矯正治療はできないのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、前歯二本を差し歯にしている場合でも、矯正治療を受けることは可能です。ただし、差し歯には天然歯と異なる性質があるため、治療計画や矯正装置の選び方に注意が必要です。
ここでは、差し歯がある場合に矯正治療を行なう際の注意点を解説します。
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6-1. 矯正装置や差し歯が外れやすくなる場合がある
ワイヤー矯正の場合は、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる矯正装置を接着剤で固定します。
しかし、オールセラミッククラウンやジルコニアクラウンのように表面が滑らかな素材は接着剤が十分に密着しにくいため、治療中に装置が外れやすくなる点に要注意です。
一方、マウスピース矯正の場合は前歯二本が差し歯でも大きな問題はないものの、アタッチメント(歯に突起を付けて動きを補助する装置)を装着できない場合がある点は押さえておきましょう。
また、マウスピース矯正中に差し歯が取れることは基本的にありませんが、差し歯が古くなって強度が落ちていたり、食いしばりの癖があったりする場合には外れるリスクがあります。こうしたトラブルを未然に防ぎたいなら、矯正治療と併せて食いしばり対策を講じることをおすすめします。
6-2. 差し歯を作り直さなければならない場合がある
差し歯は、矯正治療を始める前の歯並びや噛み合わせに合わせて製作されたものです。そのため、矯正治療によって歯並びや噛み合わせが改善されると、差し歯の形や角度が合わなくなる可能性があります。
このような場合は、新しい歯並びに合わせて差し歯を作り直す必要が生じます。
差し歯のある状態で矯正治療を受ける場合は、治療後に作り直しが必要になる可能性も見越して、あらかじめ治療計画や資金計画を立てておくことが大切です。
6-3. 矯正方法の選択によっても状況が変わる
先述のとおり、矯正治療方法によって差し歯との相性は異なります。
例えば、インビザラインなどのマウスピース矯正は透明なマウスピースを段階的に交換することで少しずつ歯を動かしていく治療法のため、前歯二本が差し歯でも、大きな影響はほとんどありません。
一方、ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して少しずつ歯を動かしていく仕組みですが、表面が滑らかな差し歯には装着しにくいことがあります。接着強度が不足すると装置が外れる恐れがあるため、前歯二本がすでに差し歯という方は、マウスピース矯正を選ぶとよいでしょう。
7. まとめ|前歯二本の差し歯や矯正治療のご相談は信頼できる矯正医へ!
前歯二本を差し歯にする際は、選ぶ素材によって費用が大きく変わります。
保険適用の硬質レジンクラウンやハイブリッドレジンクラウンであれば、1~3万円程度と比較的リーズナブルに治療が可能です。
一方、保険が適用されないオールセラミッククラウンやジルコニアクラウンなどは16~40万円ほどと高額になる点に注意しましょう。
また、前歯二本が差し歯でも矯正治療は可能ですが、選ぶ矯正方法によってリスクや注意点が異なります。治療中のトラブルを防ぎたい場合は、装置の着脱がしやすく差し歯にも負担が少ないマウスピース矯正を選ぶと安心です。
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