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歯の部分矯正とは?全体矯正との違い、値段と治療期間の目安

湊 寛明
湊 寛明
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

部分矯正は「前歯のすき間だけ治したい」「笑ったときに見えるちょっとしたガタつきが気になる」という場合に適した治療法です。

 

この記事では、部分矯正の基礎知識からメリット・デメリット、全体矯正との違い、部分矯正ができる歯並び・できない歯並びの例まで詳しく解説します。部分矯正を検討していて、ご自身の歯並びが対応かどうか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

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1. 部分矯正とはどんな治療法?

部分矯正とはその名のとおり、歯並び全体ではなく気になる一部分だけを動かす矯正治療です。主に前歯を対象としており、軽度の歯並びの乱れを改善することを目的としています。

 

治療できる本数は、一般的に1本から6本程度までです。奥歯の噛み合わせに大きな問題がなく、少しの移動で歯並びを改善できる場合に適しています。

2. 部分矯正と全体矯正の違い

部分矯正と全体矯正には、以下のような違いがあります。

 

部分矯正全体矯正
主な目的見た目の改善噛み合わせを含めた全体の機能改善
治療範囲前歯などの一部のみ奥歯を含めた歯列全体
抜歯の有無基本的に行なわない症例により必要となる
適した症例軽度のすきっ歯、ガタつきなど噛み合わせの悪さ、重度の歯並びの乱れなど

 

部分矯正は、見た目を整える「審美的」な意味合いが強い治療法です。一方、全体矯正では、見た目だけでなく歯全体の噛み合わせの改善、抜歯をともなう治療、健康への影響も考慮した調整ができます。

 

ただし、歯列全体に矯正器具を取り付けるため違和感や痛みが生じやすい点に注意が必要です。

3. 部分矯正の値段と治療期間の目安

部分矯正は全体矯正に比べて値段が安く、治療期間も短い傾向があります。それぞれの目安は以下のとおりです。

 

部分矯正の値段と期間の目安

種類値段期間
マウスピース矯正10万円 ~ 50万円約2ヵ月 ~ 1年
ワイヤー矯正(表側)20万円 ~ 60万円約3ヵ月 ~ 1年
ワイヤー矯正(裏側)40万円 ~ 70万円約6ヵ月 ~ 1年

 

全体矯正の値段と期間の目安

種類値段期間
マウスピース矯正50万円 ~ 100万円約1年 ~ 2年半
ワイヤー矯正(表側)60万円 ~ 130万円約1年半 ~ 3年
ワイヤー矯正(裏側)100万円 ~ 170万円約2年 ~ 3年

 

矯正装置の種類で見ると、マウスピース矯正が最も費用を抑えられワイヤー矯正の表側矯正裏側矯正の順に高くなります。

 

ただし、矯正する歯の本数や歯並びの程度、矯正装置の種類などによっても値段は変動します。正確な値段や治療期間を知るためには一度クリニックで診察を受け、見積もりを出してもらうとよいでしょう。

 

4. 部分矯正のメリット

部分矯正は範囲が限られている分、全体矯正よりも「費用・治療期間・痛み」の3つの点で負担が少ないのが特徴です。

具体的なメリットについてご紹介します。

4-1. 費用が抑えられる

一部の歯のみを治療する部分矯正使用する矯正装置の数が少ないため、全体矯正と比較して治療費が安くなる点がメリットです。

 

また、部分矯正は軽度の症例が多いことから治療期間が短く、通院回数も少なく済み、結果的に全体の費用を抑えられます。

 

矯正をしたくても費用がネックとなっていた方にとっては、選択肢が広がるでしょう。

4-2. 治療期間が短い

部分矯正では歯を動かす距離が限定的なため、治療期間が短く済みます。先述のとおり、全体矯正がおよそ1年~3年かかるのに対し、部分矯正の治療期間は2ヵ月~1年程度です。

 

矯正器具装着時の違和感や痛み、見た目によるストレスから早く解放されます。結婚式などの大切なイベントに向けて「気になる部分だけを短期間で治したい」という要望にも応えやすい治療法です。

4-3. 治療中の痛みが少ない

矯正治療中は歯の移動によって痛みが生じます。しかし、部分矯正で動かすのは歯の一部分であり、移動する度合いも全体矯正と比べて小さいため、治療中の痛みが出にくいのが特徴です。

 

また、矯正中はワイヤーやブラケットによる口腔内の刺激や痛み、締め付けを感じることがありますが、部分矯正では範囲が狭いため、痛む部分も限定的で負担を抑えられます。

5. 部分矯正のデメリット

部分矯正は気軽に始めやすい治療法ですが、デメリットもあります。

治療を始めてから後悔しないためにも、メリットとデメリットの両方を理解しておきましょう。

5-1. 噛み合わせの調整ができない

部分矯正は歯並びの一部を整えることを目的としており、噛み合わせを考慮したうえでの全体のバランス調整はできません。そのため、奥歯を含む噛み合わせに問題がある場合は部分矯正の適応外です。

無理に見た目だけを整えようとすると、治療後に噛み合わせのバランスが崩れてしまうおそれがあります。その結果、食事がしにくくなったり、特定の歯に過度な負担がかかったりするリスクも高まります。

 

見た目の改善はもちろん大切ですが、将来起こりうるリスクも想定して治療方法を提案してくれる矯正医を選びましょう。

5-2. 歯の状態によっては対応できないこともある

部分矯正は、軽度の歯のガタつきを治すのに適した治療法です。重度の出っ歯や凹凸などは、矯正後の噛み合わせにも問題が起こりやすいため、部分矯正の適応外となることがあります。

 

また、抜歯をともなう矯正の場合、歯の移動距離が大きくなります。部分矯正で対応するのは難しいため、全体矯正を検討する必要があるでしょう。具体的な症例は、のちほど解説します。

5-3. 後戻りすることがある

「後戻り」とは、矯正後、時間とともに歯が元の位置に戻ってしまうことです。矯正後の歯の周りの骨や組織は、不安定で動きやすくなっています。そのため、歯を固定させておく「保定装置(リテーナー)」を適切に使用することが重要です。

 

また、噛み合わせや親知らず、虫歯や歯周病、舌の癖なども後戻りを起こす原因として挙げられます。リテーナーの使用とともに、これらの原因へのアプローチも必要です。

6. 部分矯正で使われる装置の種類

部分矯正には、主に「マウスピース矯正」と「ワイヤー矯正」の2種類があります。それぞれの特徴をご紹介します。

6-1. マウスピース矯正

マウスピース矯正は、プラスチック製の透明なマウスピースを使用する治療法です。形が異なる複数のマウスピースを1〜2週間ごとに新しいものへと交換し、歯を少しずつ移動させていきます。

 

装置が透明なため周りの人に気付かれにくく、見た目が気になる方に人気があります。また、食事や歯磨きの際は取り外すことができ、痛みや違和感も少ないため、治療中のストレスが少ない点もメリットです。

 

ただし、効果を得るためには、1日20時間以上の装着時間を守ることが重要です。

 

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6-2. ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面に「ブラケット」という器具を取り付け、ワイヤーを通して歯を動かす矯正方法です。

 

装置を歯の表側に取り付ける「表側矯正」と、裏側に取り付ける「裏側矯正」があります。裏側矯正は表面から装置が見えないため、矯正をしていることを知られたくない方に向いています。

 

ただし、裏側矯正は噛み合わせによってはできないこともあるほか、表側矯正よりも治療期間が長くなりやすい点に注意が必要です。

 

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7. 部分矯正が向いているのはどんな歯並び?

部分矯正は、残念ながらどのような歯並びでも改善できるわけではありません。ここでは、部分矯正に向いている代表的な歯並びの例を3つご紹介します。

7-1. 出っ歯:上顎前突(じょうがくぜんとつ)

噛み合わせに問題がなく、歯の角度が少し前に傾いていることによる軽度の出っ歯は、部分矯正で対応しやすい症例の一つです。前歯を少し奥に下げることで、口元の突出感の改善が期待できます。

 

ただし、上下の顎のズレや骨格が原因の出っ歯の場合、部分矯正だけで治すことは難しく、全体矯正や外科手術が必要となる可能性がもあります。

 

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7-2. すきっ歯:空隙歯列(くうげきしれつ)

歯と歯の間にすき間ができる「すきっ歯」は、歯が小さい、あるいは本数が少なく、顎の骨格と歯の大きさのバランスが取れていない場合に起こりやすくなります。歯の並びを整えることでカバーできる軽微なすきっ歯であれば、部分矯正が可能です。

 

ただし、すき間が広い場合は、部分矯正で一部のすき間が閉じても、別の場所に新たなすき間ができてしまう可能性があります。見た目が悪くなるだけでなく、あとから噛み合わせに影響が出たり、後戻りしたりするおそれがあるため、すき間の程度によっては、全体矯正を勧められる場合もあります。

 

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7-3. ガチャ歯:叢生(そうせい)

歯が重なり合ったり、部分的にねじれたりしている「ガチャ歯」も部分矯正の対象となります。「乱杭歯(らんぐいば)」とも呼ばれ、「八重歯」もこの一種です。

 

ガチャ歯は、顎が小さい、歯が大きいなどの原因により、顎のスペースに歯が入りきらない場合に起こりやすくなります。

 

八重歯のように歯並びの一部のみの凸凹や、軽度の歯の重なりであれば部分矯正で対応可能です。

 

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8. 部分矯正ができない症例とは

部分矯正ができる症例は限られており、次のような場合は対応が難しいとされています。

 

◇重度の出っ歯、すきっ歯、ガチャ歯

部分矯正で歯を動かせる距離は短いため、歯の大きな移動が必要な症例では推奨されません。抜歯をともなう場合も歯の移動距離が大きくなるため、部分矯正は不向きです。

 

◇噛み合わせに問題がある場合

噛み合わせに問題がある場合も部分矯正だけでは改善が難しいため、全体矯正が推奨されます。前歯にすき間ができて噛み合わない開咬(オープンバイト)や、上の前歯が下の前歯に覆い被さっている過蓋咬合(ディープバイト)などが挙げられます。

 

◇骨格に原因がある場合

下の歯が上の歯よりも前に出ている「受け口(下顎前突)」、口元が前方に突出している「口ゴボ(上下顎前突)」などは、全体矯正や外科手術が必要となる場合があります。

 

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9. 部分矯正に関するよくある質問

最後に、部分矯正を検討する際によくある質問にお答えします。

Q1. マウスピース矯正、ワイヤー矯正以外の部分矯正はある?

部分矯正の方法には、マウスピース矯正ワイヤー矯正の他に「セラミック矯正」もあります。セラミック矯正は歯を動かすのではなく、ご自身の歯を削ってからセラミックで作られた人工歯を装着する方法です。

 

1~3ヵ月と短期間で治療が完了するのがメリットですが、健康な歯を削るため、歯が弱くなるリスクがあります。また、人工歯には寿命があるため、将来的に作り直しが必要になる点も考慮し、慎重に判断しなければなりません。

 

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Q2. 部分矯正か全体矯正、自分で選べる?

これまで解説したように、部分矯正は適応症例が限られているほか、後戻りなどの注意点もあります。ご自身の歯並びに最適な治療方法は自己判断が難しいため、専門知識と技術を持つ歯科医師に相談して決めることが重要です。

 

口腔内全体の状態や、矯正後の状態まで考えた治療を行なってくれる、信頼できる歯科医を選びましょう。

Q3. 矯正歯科の選び方は?

矯正歯科を選ぶ際に重要な判断基準となるのが「日本矯正歯科学会」の認定医が在籍しているかどうかです。認定医は、歯科学会が定めた厳しい基準をクリアし、豊富な知識と経験を有しています。

 

歯科医院のサイトをチェックするか、日本矯正歯科学会のホームページからも認定医の名簿を確認できます。

 

患者の悩みや希望を丁寧にヒアリングしてくれるか、治療方針についてメリットやデメリットを説明してくれるかなど、コミュニケーションの取りやすさも重要です。

 

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10. まとめ|軽度の歯列の乱れには「部分矯正」も選択肢の一つ

部分矯正は、費用や期間の負担を抑えつつ、気になる一部分の歯並びを改善できる治療法です。しかし、噛み合わせの調整ができない、適応できる症例が限られるなどの注意点もあります。

 

自分の歯並びが部分矯正で治せるのかを知るには、専門家である矯正医に正しく診断してもらうことが大切です。

 

ウィスマイルでは、矯正に関する悩みを相談できる提携クリニックをご紹介しています。部分矯正はもちろん全体矯正にも対応しているため、あなたに合った最適な治療法が見つかります。まずはお気軽にご相談ください。

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