叢生という言葉を聞いてもピンとこない方もいるかもしれません。しかし、様々な乱れ方を指す叢生は、日本でいちばん多いとされている症状です。また、審美的な悩みだけでなく、お口の不具合を引き起こすケースもある叢生は、治療したほうが良い歯並びでもあります。
そこで今回は、叢生の症状を改善するための矯正方法についてご説明します。さらに、叢生の治療例や矯正方法の特徴などもわかりやすくご紹介します。
- 1.叢生(そうせい)矯正の費用
- 1-1.叢生とは
- 1-2.叢生の矯正治療にかかる費用
- 2.叢生の矯正方法
- 2-1.部分矯正
- 2-2.全体矯正
- 2-3.叢生を改善するための抜歯
- 3.叢生の治療に用いる矯正装置の種類
- 3-1.マウスピース矯正
- 3-2.ワイヤー矯正(表側)
- 3-3.裏側矯正
- 4.叢生の歯列矯正について「まとめ」
1.叢生(そうせい)矯正の費用
叢生と聞いても、一般的にはあまり馴染みのない言葉かもしれません。上顎前突(出っ歯)や反対咬合(受け口)、開咬とはどう違うのか、また自分が叢生に当てはまるのかわからない方もいらっしゃいます。このように叢生には様々な症状があり、その状態によって治療費や治療内容が異なります。
1-1.叢生とは
叢生は乱杭歯(らんぐいば)とも呼ばれ、デコボコに乱れている歯並びを指します。一般的には、歯が並ぶスペースが足りないことから一部が飛び出すように乱れている症状です。要因としては遺伝による先天的なものと、生活習慣によって起こる後天的なものに分けられます。また、叢生は全体的に乱れているものだけでなく、捻れた歯や八重歯も叢生のひとつです。
叢生の症状には以下のようなリスクがあります。
・隙間の歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病になりやすい
・歯周病になってしまうと口臭の原因になる
・八重歯などが頬の内側に当たって口内炎ができやすくなる
・乱れ方によって口元の見た目がコンプレックスになる
・重度の叢生は噛み合わせが悪く、咀嚼機能が低下する
1-2.叢生の矯正治療にかかる費用
叢生を改善する治療費については、程度や治療内容によって約20~150万円と金額に開きがあります。これは1~2本だけが乱れているケースや、ガタガタで噛み合わせまで乱れているなど、症状によって異なるためです。また、矯正治療は原則として保険が適用しないため、クリニックによっても治療費が異なります。
あまりにも上下の噛み合わせがひどく、顎変形症と診断されるケースでは健康保険が適用となる可能性があります。ただし、健康保険が適用されるケースは国の定める基準を満たしている症状に限られます。
矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは(引用:公益財団法人日本矯正歯科学会)
2.叢生の矯正方法
叢生の矯正治療については、症状に合わせて部分矯正か全体矯正のいずれかで改善します。問題の歯が数本など、乱れ方が軽度であれば部分矯正で対応できる可能性があります。一方で乱れている本数が多かったり、ガタガタだったりする場合は全体矯正で治療します。
2-1.部分矯正
軽度な叢生については問題となる歯をピンポイントで改善できる可能性があります。特に、惻切歯など上の前歯が1〜2本だけ捻れているような症状には、部分矯正が適用されることが多いです。部分矯正の治療期間は数ヶ月~半年ほどですが、症状やクリニックによって異なります。
注意点としては、叢生の部分矯正は問題の本数が少なくても行えない可能性があります。例えば、八重歯だからといって犬歯の移動だけではなく、全体のバランスを整えるケースもあるためです。
2-2.全体矯正
中度~重度の叢生については、全体矯正での改善が一般的です。また、お口の状態によっては抜歯を必要とするケースもあります。これは、歯をきれいに並べるスペースを確保するために行う処置です。また、抜歯をするほどの状態でない場合、ヤスリで歯の表面を削ってスペースを確保する症例もあります。
叢生を全体矯正する場合、矯正期間の目安は1~3年程度で症状や歯科医院によって異なります。
2-3.叢生を改善するための抜歯
叢生の矯正歯科治療の場合、症状によって抜歯矯正になることがあります。基本的には、奥歯ではなく第一小臼歯(犬歯のひとつ後ろ)を抜歯することが多く、健康に影響を与えることはありません。
抜歯と聞くと「永久歯なのにもったいない」「悪くもないのに抜きたくない」と思うかもしれません。しかし歯の健康を考えた場合、歯の並ぶ顎の面積と歯の数は一致している状態が理想的です。上の歯と下の歯で適切に咀嚼できますし、左右のバランスも偏らずに均等に力が分散されます。そのため、結果的に年齢を重ねても歯全体の健康を保ちやすくなります。
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3.叢生の治療に用いる矯正装置の種類
叢生の改善に利用する矯正方法は、主にマウスピース矯正・ワイヤー矯正・裏側矯正の3種類です。それぞれの装置には特徴があり、お好みの矯正器具で叢生を改善できます。ただし、叢生の程度や乱れている本数によって、希望する治療法では対応できない可能性があります。
3-1.マウスピース矯正
アライナーという、透明のマウスピースを使用して叢生を改善します。装置が透明なので、見た目を気にせずに矯正治療できるという特徴があります。また、自分で着脱できるため、矯正治療中でも食事や歯磨きなどが簡単に行えます。
矯正中は1日20時間以上の装着が必要なので、食事と歯磨き以外は忘れないよう注意が必要です。メーカーによって異なりますが、治療中は約2週間ごとに新しいマウスピースに交換します。また、叢生の症状によってはマウスピース矯正が適応しない可能性があります。
3-2.ワイヤー矯正(表側)
ワイヤー矯正は一般的に昔から知られている金属製の矯正装置です。ブラケットを歯の表面に装着し、ワイヤーの力で歯を移動する矯正方法です。様々な症状に対応しているため、ほとんどの叢生を改善することができます。
デメリットとしては、頬の内側に装置が当たってしまい、痛みや不快感を持つケースがあります。また、金属が目立ってしまうため審美性もあまり良いとは言えません。見た目が気になる方は、白や透明の審美ブラケットを利用して目立たなくすることもできます。ただし、一般的な金属のワイヤー装置に比べて費用は割高です。
3-3.裏側矯正
裏側矯正は、歯の裏側に装着するワイヤー矯正で、リンガルブラケットや舌側矯正とも呼ばれている矯正方法です。治療の仕組みはワイヤー矯正と同じで、ワイヤーの力で歯並びを整えていきます。歯の裏側に装着するため、周りの人に知られずに治療できる点がメリットです。
注意点としては、歯の裏側にある装置で舌や歯ぐきを傷つけてしまうことがあります。また、人によっては滑舌に影響してしまうため、会話を重視するお仕事の方などは注意が必要です。
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4.叢生の歯列矯正について「まとめ」
叢生はガタガタに乱れているケースでない限り、自分でも気づかない方がいらっしゃいます。ただ、軽度の叢生でもブラッシングが行き届かない場合、虫歯や歯周病のリスクは高くなってしまいます。そのため、矯正治療によって叢生を改善したほうが、長期的な歯の健康を維持しやすいです。
叢生は軽度であっても不正咬合の一種なので、改善したほうが良い症状と言われています。また、噛み合わせに影響している場合、最近では肩こりや片頭痛の原因にもなると考えられています。症状が気になる方は、矯正歯科の無料カウンセリングでの相談をおすすめします。
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