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矯正中に引っ越しが決まったら?転院の流れや費用など失敗しない続け方

湊 寛明
湊 寛明
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

矯正治療を続けている最中に、引っ越しが決まると、

「このまま治療は続けられるの?」

「転院って面倒そう…今までの治療はムダにならない?」

と、不安になる方はとても多いものです。

 

実際、矯正治療は数年単位で続くことが多いため、転勤・結婚・進学など、人生の変化と重なるのは決して珍しいことではありません。

 

そこで本記事では、矯正中に引越しが決まった際の具体的な転院の流れや費用、またスムーズに続ける方法について紹介していきます。

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1. 矯正中に引っ越しても大丈夫?

矯正中に引越ししても問題がないのかについては、多くの方が不安に思うポイントです。

まずは「続けられるのかどうか」という一番大切な部分から確認していきましょう。

1-1. 矯正治療中でも引っ越し・転院は可能

結論から言うと、矯正治療中でも引っ越し・転院は可能です。矯正は長期間にわたる治療のため、治療途中で生活環境が変わることは珍しくありません。そのため、ほとんどの矯正歯科では一般的なケースとして、「転院」という対応が整っています。

 

ワイヤー矯正、マウスピース矯正いずれの場合でも、原則として治療の継続は可能です。「引っ越す=矯正を諦めなければならない」ということはありませんので、まずは安心してください。

1-2. 実は多くの患者さんが経験している一般的なケース

矯正途中で引っ越しをする理由はさまざまです。転勤や就職、結婚、出産、進学など、人生の節目と矯正期間が重なることはよくあります。特に社会人や大学生の方は、治療中に引っ越しを経験する割合が高い傾向があります。

 

歯科医院側も引っ越し・転院対応には慣れているので途中で引越しするからといって申し訳なく思う必要はありません

1-3. 引越しの時期によって対応が変わることもある

ただし、引っ越しのタイミングによっては、準備の内容が少し変わることがあります。たとえば、調整を行った直後なのか、装置の変更を控えている時期なのかによって、次の医院へ引き継ぐ資料やスケジュール調整の仕方など、時期に応じて手順が変わる場合があります。

 

とはいえ、これは「問題になる」という話ではありません。引っ越しが決まり次第早めに相談しておけばその時期に合った最適な対応を提案してもらえます。

2. どんな治療方法でも転院できる?装置別の違いをチェック

矯正治療と一口に言っても、使用している装置によって転院のしやすさには少し違いがあります。ここでは代表的な治療方法ごとに特徴を見ていきましょう。

2-1. インビザラインなど大手アライナー

インビザラインをはじめとする大手アライナーでの矯正は、世界共通の管理システムを使用しているのが大きな特徴です。治療データがクラウド上で管理されているため、転院先でも情報を引き継ぎやすく比較的スムーズに治療を再開できるケースが多いとされています。

 

そのため、「引っ越しが多い」「将来転勤の可能性がある」という方にはおすすめの矯正方法でもあります。

 

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2-2. ワイヤー矯正

ワイヤー矯正の場合、注意しておきたい点があります。ワイヤーの調整方法や治療計画は、歯科医師ごとの考え方や経験によって異なります。そのため、転院後すぐに治療は再開できても、「ここからは少し方針を微調整しましょう」となる可能性があります。

こうした調整をスムーズに行うためにも、これまでの治療経過や資料の準備がとても重要になります。

 

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2-3. クリニック独自マウスピース・ブランド矯正

オーダーメイドの装置や、専用ラボでのみ作製される装置の場合、転院先が同じシステムに対応していないケースもあります。

 

たとえば、院内や提携ラボでのみ製作されるオーダーメイド装置を使っている、低価格帯のブランド矯正や、特定の歯科グループ専用の矯正システムを使っているなどの場合は、他院ではまったく対応ができないことがあります。

 

その場合、現在の装置は使用できず改めて検査を行ったうえで別の装置に切り替える必要が出てくる可能性があります。装置の作り直しや、治療計画の再設計が必要になる可能性があることは理解しておきましょう。

2-4. 途中から治療計画が変わる可能性

転院すると、担当医が変わるため、改めて検査や診断が行われることがあります。一見すると「計画が変わる=悪いこと」と感じるかもしれませんが、これは新しい医院で安全に治療を続けるための大切なプロセスです。

 

その時点の歯や骨の状態をしっかり確認したうえで進める丁寧な診断の結果だと前向きに捉えてください。

3. 転院の流れ|一般的な手順を解説

実際に転院する場合の一般的な流れを見ていきましょう。

順番を知っておくだけでも、不安はかなり軽くなります。

3-1. まずは今の歯科医院へ相談

引っ越しが決まったら、最初にやるべきことは、今通っている歯科医院へ相談することです。引っ越しの日程が決まり次第なるべく早めに伝えることで、資料準備や治療スケジュールの調整がしやすくなります。

矯正歯科ではよくある相談なので、構えすぎずに相談して大丈夫です。

3-2. 紹介状や治療計画のコピーをもらう

転院時に大きな助けになるのが紹介状や治療計画のコピーです。

これまでどんな装置を使い、どの段階まで治療が進んでいるのかがわかる資料があると、転院先での診療がとてもスムーズになります。必要な資料を確認しておきましょう。

3-3. レントゲン・写真・資料を引き継ぐ

セファロやパノラマなどのレントゲン写真、口腔内写真は、治療方針を判断するうえで非常に重要です。紙でもデータでも構いませんが可能な範囲で引き継げると安心です。紙の場合はそのまま持参すれば確認できますが、デジタルデータの場合は画像が鮮明で拡大もしやすく、転院先での診断や治療計画の説明がスムーズになることがあります。

 

資料が不足している場合、転院先で再検査や治療計画の見直しが必要になることもあります。

3-4. 引越し先で矯正を続けられる医院を探す

資料の準備と並行して、引っ越し先で通える矯正歯科を探しましょう。使用中の装置に対応しているかどうか予約が取りやすいかどうかを早めに確認しておくことが大切です。新しい医院へは早めに予約状況を確認しましょう。矯正歯科は予約が埋まりやすく、初診まで数週間待つケースも少なくないからです。

 

医院選びの具体的なポイントは、第5章で詳しく紹介します。

4. 転院にかかる費用は?

歯列矯正の途中で転院する場合、かかる費用は、どのようなものがあるのかは、多くの方が気になるポイントです。考えられる費用の考え方を整理しておきましょう。

4-1. 返金制度の有無は医院ごとに異なる

矯正費用を一括で支払っている場合、未使用分の返金があるかどうかは医院ごとに異なります。返金ルールが明確に決まっている医院もあれば、契約内容によって判断される場合もあります。

 

まずは契約書を確認しわからない点は医院に直接相談しましょう。

4-2. 新しい医院では改めて検査・診断料が必要になることが多い

転院先では、ほとんどの場合、初回検査や診断料が必要になります。初回検査(セファロ・パノラマなど)はほぼ必須と言えます。これは、現在の歯や顎の状態を正確に把握し、安全に治療を続けるために欠かせない過程です。追加費用が発生する可能性が高いことは事前に理解しておくと安心です。

4-3. ワイヤー調整・マウスピース再作成で追加費用が発生するケース

装置の種類や状態によってはワイヤーの調整やマウスピースの再作成が必要になることもあります。特に、転院先が同じ装置に対応していない場合は、作り直しが必要になるケースも考えられます。

 

あくまで「可能性がある」という段階ですが、事前に心構えはしておくといいでしょう。

4-4. “医院ごとに料金体系が違う”ことを知る

矯正治療は自由診療のため、料金体系は医院ごとに異なります。転院前と転院後で同じ矯正システム、装置で矯正を続ける場合も、追加費用がかかる場合もあります。

 

事前に新しい医院で直接説明を受け納得したうえで進めれば大きなトラブルは防げます

5. 引越し先で医院を選ぶときのポイント

転院を成功させるためには、医院選びがとても重要です。押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。

5-1. 矯正専門医・経験のある医師を選ぶ

矯正治療は専門性の高い分野です。矯正専門医や、小児・成人どちらでも矯正治療の経験が豊富な医師が在籍しているかどうかで、安心感は大きく変わります。

 

公式サイトで経歴や実績持っている資格などを確認するのもひとつの方法です。

5-2. 自分の治療方法(ワイヤー/マウスピース)に対応しているか

現在使っている装置に対応しているかどうかは、必ず確認しましょう。対応している装置の種類が今の治療の継続の可否に直結します。

 

対応していない場合再検査や装置の変更が必要になる可能性があります。初回相談や電話で事前に聞いておくと安心です。

5-3. 治療方針や費用の透明性をチェック

治療方針や費用について、わかりやすく丁寧に説明してくれる医院は信頼しやすいですね。説明が曖昧な場合は、その場で質問し、納得できるかどうかを大切にしてください。

方針が曖昧な医院はトラブルの元になることも多いので注意が必要です。

5-4. 通院のしやすさも重要

引っ越し直後は、新しい生活に慣れるだけでも大変です。通いやすい立地や、無理のない通院頻度かどうかも確認しておきましょう。

 

矯正治療の通院頻度は一般的に1〜2か月に1回程度が目安です。そのため、利便性も治療を続けるうえで大切なポイントになります。

6. まとめ|矯正中の引越しは“正しい準備”でスムーズに進められる

矯正中の引っ越しや転院は、決して珍しいことではありません。多くの患者さんが経験している一般的なケースです。事前に手順を理解し、早めに今の歯科医院へ相談しましょう。そして資料を準備しておけば、治療を中断することなく続けることができます。また、装置について特徴を理解し、新しい医院へも早めに相談することが不安を減らす一番の近道です。

 

引っ越しは生活が大きく変わるタイミングですが、「矯正を続けやすいスタイルってどんなものだろう?」と考える良いきっかけにもなります。

 

ウィ・スマイルでは、通院負担が少なく、環境が変わっても続けやすいマウスピース矯正をご紹介しています。矯正を始めるタイミングがきたとき、その選択肢のひとつとして思い出していただけたら嬉しいです。

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