「軽度な出っ歯でも治療したほうがいい?」
出っ歯には、症状が軽いものから噛み合わせに影響するほど重度な症状があります。軽度の出っ歯なら気にしないという人もいますが、長期的には問題を引き起こす可能性がある症状です。そこで当記事では、軽度な出っ歯に対する歯列矯正のメリットについてお伝えします。また、出っ歯を治療する際の矯正方法の種類や費用の相場もご紹介します。
- 1.軽度な出っ歯はどのような状況?
- 1-1.出っ歯(上顎前突)とは
- 1-2.軽度な出っ歯とは
- 2.出っ歯のリスク
- 2-1.見た目にコンプレックスを感じやすい
- 2-2. 噛み合わせが悪くなる
- 2-3. 顎関節症になりやすい
- 2-4. 虫歯や歯周病が進行しやすい
- 3.軽度な出っ歯は自分で治せる?
- 4.軽度な出っ歯を歯列矯正するメリット
- 4-1.虫歯のリスクを減らす
- 4-2.口の中の乾燥を防ぐ
- 4-3.コンプレックスを解消する
- 4-4.滑舌が良くなる
- 5.軽度な出っ歯の矯正方法
- 5-1.マウスピース矯正
- 5-2.ワイヤー矯正
- 5-3.裏側矯正(舌側矯正)
- 6.軽度な出っ歯の矯正方法の期間・費用相場
- 7.軽度な出っ歯の矯正方法はデンタルローンも組める
- 7-1.デンタルローンとは
- 7-2.デンタルローンのメリット
- 7-3.デンタルローンのデメリット
- 7-4.デンタルローンの金利
- まとめ
1.軽度な出っ歯はどのような状況?
出っ歯の症状は、原因や程度も人によって様々です。日常の生活には影響の少ない軽度な出っ歯から、悪影響を及ぼしてしまう重度なものまであります。まずは、自分がどの程度の出っ歯なのかを理解することが重要です。
1-1.出っ歯(上顎前突)とは
出っ歯は上顎前突と言い、八重歯や乱杭歯などの叢生や、受け口など不正咬合のひとつです。正常な噛み合わせは、上下の歯を閉じた時に、上の前歯が下の前歯よりも2~3mm前に出ています。一方で、一般的には上の前歯が下の前歯よりも4mm以上出ている状態を出っ歯と呼びます。
原因は遺伝による先天的な要因と、幼少期の指しゃぶりや前歯を押し出す舌癖のような生活習慣があります。また、出っ歯の症状は上の前歯が全体的に出ていたり、中央の2本だけが出ていたりするケースがあります。さらに、横顔の口元が前方に突出して見えるラインが特徴です。
1-2.軽度な出っ歯とは
出っ歯の状態は軽度なものから、重度なものまで人によって異なります。軽度の出っ歯とは、わずかに歯の出っ張りが見られる程度のものを指します。正面から見るとほとんど気にならず、特定の角度から見ると気になるという場合が多いです。軽度の出っ歯はしっかりと噛むことができていれば問題は少ないと言われています。軽度の出っ歯の症状は以下のようなものです。
・出っ歯を治すために、奥歯などを抜歯しなくてもよい
・出っ歯によって噛み合わせに悪影響がない
・親知らずの抜歯だけで矯正のためのスペースができる
一方、重度の出っ歯では、唇を合わせて口をしっかりと閉じることが難しい、無理に口を閉じると口元が歪んでしまう、前歯でものを噛みにくいといった症状があります。
軽度の出っ歯では、症状によって抜歯をせずに前歯の向きや位置を矯正するだけで改善することがあります。特に全体矯正よりも短期間・安価で済む部分矯正で治すことができるケースもあります。
2.出っ歯のリスク
出っ歯をそのままにしておくことで、何か問題が起こることはあるのでしょうか。もちろん、見た目が気になるという点が挙げられるでしょう。実はその他にも、軽い出っ歯といえども放置してしまうことで健康上の問題へとつながる可能性もあります。以下に出っ歯を放置するリスクを解説します。
2-1. 見た目にコンプレックスを感じやすい
「出っ歯だから、笑うときの口元が気になる」という方も多いのではないでしょうか。出っ歯を放置することは、まず見た目のコンプレックスにつながります。また、出っ歯により口元が前に出ることを口ゴボになるともいい、横顔の美しさを作るライン=Eラインにも影響を与える可能性があります。見た目のコンプレックスは日常の中で感じることも多く、人づきあいの際など、自信が持てなくなってしまう方もいらっしゃいます。
2-2. 噛み合わせが悪くなる
出っ歯の状態では前歯でものを噛みにくくなってしまいます。通常は物を噛み切る際や噛んでいるときには上下の前歯を使っています。しかし、出っ歯になると前歯が正常な状態よりも前に突き出てくるため、上下の前歯で噛むことが難しくなります。これが出っ歯によって噛み合わせが悪くなると言われる原因です。出っ歯によって噛み合わせが悪くなると、一部の歯に過剰に負荷がかかったり、顎関節に負担をかけてしまうことがあります。
2-3. 顎関節症になりやすい
顎関節症とは、口を開けようとするとあごが痛い・音がする・口が開かないというような症状を伴う病気です。出っ歯の状態では奥歯に負担がかかりやすく、顎関節症になりやすいと言われます。具体的には、前歯でものを噛み切ることができず、噛める部分を探して食事をすることで、奥歯などで無理に噛み切る癖がついてしまいます。こうした癖が顎に負担をかけ、顎関節症のリスクとなる可能性があります。また、下顎が小さすぎるか、ゆがみがあるなど、顎の成長が原因で出っ歯となってしまった場合にも、顎関節症を引き起こす可能性があります。
2-4. 虫歯や歯周病が進行しやすい
出っ歯は不正咬合とも呼ばれます。不正咬合とは上下の歯が適切に噛み合っていない状態です。不正咬合にはいくつかの種類がありますが、出っ歯を含むどのようなケースでも、そのまま放っておくと健康上の悪影響が出ることが考えられます。そのうちの一つが、歯ブラシが届きにくくなることで虫歯になってしまう、歯周病が進行してしまうといったリスクです。
3. 軽度な出っ歯は自分で治せる?
インターネットなどで「歯を押していたら、出っ歯が治った」といった話を見かけることがあります。軽い出っ歯の場合、自力矯正の方法も存在します。しかし、本来は出っ歯を専門的な知識や技術なしで治すことはできません。自力で歯を動かそうとすると、最悪の場合、歯が抜けてしまうというリスクさえあります。
出っ歯を自力で治すのが難しいのには以下の2つの理由があります。
・出っ歯を治すためには、歯の位置を動かさなければならない
・歯を動かすためには、力をかけ続けなければいけない
生まれつきの骨格が原因となる出っ歯と、癖などで歯の角度が変わってしまった出っ歯にわけられますが、どちらの場合でもずらしたり、向きを変えたりと歯を動かす必要があることに変わりはありません。
4. 軽度な出っ歯を歯列矯正するメリット
「見た目が気にならない軽度の出っ歯でも治療すべき?」
自分では出っ歯が気にならない程度でも、長期的には問題を引き起こす可能性があります。そのため、軽度の出っ歯であっても放置せずに、歯列矯正を受けることをおすすめします
4-1.虫歯のリスクを減らす
出っ歯の状態によっては、常に歯ブラジが届きにくい隙間のようなポイントがあります。ブラッシングしにくい箇所は、食べ物や歯垢・歯石が溜まりやすいため虫歯のリスクが高くなります。矯正治療で歯列が整うと、日々の歯みがきが行いやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが軽減されます。
4-2.口の中の乾燥を防ぐ
人によっては出っ歯が原因で、特に上唇を閉じにくいケースがあります。唇が閉じにくいと口呼吸になりやすく、口内が乾燥すると様々な菌が繁殖しやすくなります。虫歯菌や歯周病菌だけでなく、口臭の原因となる菌も繁殖しやすくなるため注意が必要です。
4-3.コンプレックスを解消する
重度の出っ歯でなくても、見た目がコンプレックスで自信を持てない人もいます。人によっては、笑うときに口元を手で隠したり、唇を閉じたまま笑ったりしてしまうことがあります。出っ歯の人にとって、歯科矯正治療は悩みを解消するだけでなく、自信にもつながる可能性が期待できます。
4-4.滑舌が良くなる
出っ歯などの不正咬合は、症状によって発音しにくい単語があります。これは、舌が上の歯に正しく当たらなかったり、歯の隙間から息が漏れてしまったりすることが原因です。矯正治療で出っ歯が改善されると、発音しやすくなってスムーズな滑舌が期待できます。
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5. 軽度な出っ歯の矯正方法
軽度な出っ歯を改善する場合、一般的にはマウスピース矯正・ワイヤー矯正・裏側矯正のいずれかのタイプで行います。治療費については、出っ歯を含めた歯列の状態や、矯正方法・矯正期間によっても異なります。治療を検討している方は、矯正歯科や歯科医院で事前の相談をおすすめします。
5-1. マウスピース矯正
マウスピース矯正とは、透明のアライナーという装置で歯並びを整える矯正治療です。装置が透明なので、現在では非常に人気のある矯正方法として知られています。特に、接客業や学生さんなど人と関わることが多い方に人気があります。
アライナーは自分で簡単に取り外せるため、矯正中でも食事や歯磨きなどをストレスなく行えます。そのため、結婚式や面接などのイベントを控えている方にもおすすめの矯正方法です。ただし、1日20時間以上の装着が必要なので、しっかりと装着時間を管理する必要があります。
5-2. ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、金属の装置で従来から広く知られている矯正方法です。歯の表面に装着したブラケットにワイヤーを通し、ワイヤーの力で歯列を整えて行きます。あらゆる症状の歯並びに対応できるため、マウスピース矯正が適応しない歯並びの改善も可能です。
ワイヤー矯正は、金属の装置が目立つことに抵抗感を持つ方もいらっしゃいます。装置を目立たせたくない場合は、白や透明の器具を利用したリンガルブラケットがあります。ただし、通常のワイヤー矯正よりも割高になるケースが一般的です。
5-3. 裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正は、歯の裏側にブラケットを装着してワイヤーを通す矯正方法です。基本的な仕組みは、表側に装着するワイヤー矯正と同じようにワイヤーの力で歯列を整えていきます。器具が歯の裏側にあるため「ワイヤー矯正は目立つからイヤだな」という方におすすめです。
裏側矯正は、歯の裏側に装着するため歯科医師の技術が必要な治療法です。さらに、通院時に行うワイヤーの調整も手間がかかるので、通常のワイヤー矯正よりも治療費が高額になります。
6. 軽度な出っ歯の歯列矯正の期間・費用相場
矯正費用は、症状だけでなく以下のように利用する矯正装置によっても異なります。ただし、矯正治療は原則として自由診療になるため、あくまでも相場の目安として参考にしてください。
矯正の範囲 | 期間 | 費用 | |
マウスピース矯正 | 全体 | 1年~3年 | 60万円~120万円 |
前歯中心 | 5ヶ月~1年半 | 10万円~70万円 | |
ワイヤー矯正 | 全体 | 1年~3年 | 60万円~100万円 |
前歯中心 | 1年前後 | 20万円~40万円 | |
裏側矯正 | 全体 | 1年~3年 | 100万円~150万円 |
前歯中心 | 1年前後 | 35万円~60万円 |
矯正後の後戻りを防ぐ保定期間については、上記の表には含んでいません。これは、歯科医院によって総額表示だったり、検査料や診断料・リテーナー代などが別の負担になっていたりするためです。そのため、詳しい費用については利用を検討しているクリニックへの問い合わせをおすすめします。
7. 軽度な出っ歯の歯列矯正はデンタルローンも組める
矯正歯科治療は自由診療であり、治療費には保険が適用されません。軽度な出っ歯の歯列矯正でも同様です。そのため、支払い方法は自由度が高く、大きく分けると現金払い、クレジットカード払い、分割払い、デンタルローンを選ぶことができます。ここでは歯列矯正目的に用意されたデンタルローンについて見ていきます。
7-1. デンタルローンとは
デンタルローンとは歯列矯正をはじめ、インプラントやホワイトニングなどの歯科治療費を支払うためのローンです。これは「目的別ローン」の一種であり、住宅ローンや自動車ローンと同様に使用目的が限定されています。治療費を複数回に分け、無理なく支払いをしていくことができます。
デンタルローンには「歯科医院を通じて契約する場合」と「金融機関と直接契約する場合」があります。歯科医院での契約では、金融機関が治療費を立て替え、利用者は金融機関に分割で支払いをします。一方、金融機関との契約では、利用者は金融機関と融資契約を行い、融資された金額で治療費を支払います。
デンタルローンは誰でも申し込みできるわけではなく、利用条件や申込対象者が定められており、詳細はローンを提供している歯科医院や金融機関によって異なります。
7-2. デンタルローンのメリット
歯科治療費の支払いを目的としたデンタルローンにはどのような特徴があるのでしょうか。カードローンやクレジットカード利用と比べながら、そのメリットを紹介しておきます。
・カードローンなどと比べ金利が低い
デンタルローンの金利は年利4.0%~8.0%程度で、カードローンなどと比べて低い傾向にあります。低金利のローンを利用すれば、支払総額を抑えることが可能です。
・自身にあった返済計画が立てやすい
デンタルローンの多くは自身で支払いプランを決められます。返済額や支払い利息を事前にシミュレーションすることで、無理のない返済計画を立てることができます。自身の生活や収入にあった返済をしていける点は、デンタルローンのメリットといえるでしょう。
・手元の資金がなくても治療が開始できる
歯科治療には、1年以上の時間がかかる場合もあります。「若いうちに治療をしておきたい」「社会人になるまでに歯をきれいにしたい」といった場合、貯金をしてからの治療開始では間に合わないということも。デンタルローンを利用すれば、手元に資金がなくても早いタイミングで治療を開始できます。
7-3. デンタルローンのデメリット
メリットが多いデンタルローンではありますが状況や使う人によっては、現金やクレジットカード払いなどと比較して、以下の点がデメリットになります。
・ローンの借り入れまでに時間がかかる場合も
カードローンの審査などと比較した場合、デンタルローンの審査には時間がかかります。治療履歴が必要な場合などもあり、手続きに1〜2週間程度の時間がかかることもあります。
・すべての歯科医院で利用できるわけではない
デンタルローンに対応している歯科医院でしか使えないこともデメリットといえます。どうしてもデンタルローンを利用したい場合は、取り扱いのある歯科医院を改めて探す必要があります。
・追加の検診・治療費がローン対象外となることがある
最初に掲示された治療費はデンタルローンで支払っていくことが可能ですが、矯正治療後に発生した検診や治療の費用はローン対象とならず、都度現金などで支払わなければなりません。一部では「トータルフィー制度」を採用している歯科医院もあり、その場合、治療後の定期検診の費用も含まれます。
7-4. デンタルローンの金利
デンタルローンの金利は歯科医院や金融機関によって異なりますが、平均的には4.0~8.0%程度が一般的です。最大で7年84回までの分割が可能で、月々の支払い金額の希望に合わせて回数を設定したり、ボーナス払いを組み込んだりすることも可能です。
借入金100万円・金利8%のシミュレーション
4年返済 | 7年返済 | |
毎月の返済金額 | 24,412円 | 15,586円 |
1年間の返済金額 | 292,944円 | 187,032円 |
返済総額 | 1,171,776円 | 1,309,224円 |
借入金50万円・金利4%のシミュレーション
4年返済 | 7年返済 | |
毎月の返済金額 | 11,289円 | 6,834円 |
1年間の返済金額 | 135,468円 | 82,008円 |
返済総額 | 541,872円 | 574,056円 |
金利や返済回数は、基本的に取り扱いの金融機関によって異なります。ローンで支払う金利はできる限り抑えたいもの。まずは歯科医院やデンタルローンを取り扱う金融機関に問い合わせをしてみましょう。
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まとめ
今回は、軽度の出っ歯を矯正治療するメリットと、放置するデメリットについてご説明しました。軽度であれば急を要することはないケースもありますが、長期的には放置はおすすめできません。症状によっては虫歯のリスクが高くなったり、少しずつ上下顎のバランスがズレたりしていく可能性があります。
きれいな歯並びは、人の笑顔をより魅力的にします。軽度の出っ歯が気になる方は、気軽にクリニックで相談してみましょう。
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