
- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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「歯並びが原因で頭痛が起こる?」
「矯正中にこめかみや後頭部が痛くなるのはなぜ?」
歯列矯正中の頭痛は、噛み合わせの変化や歯の食いしばり、ストレスが関係していることがあります。
特に、ワイヤー矯正やマウスピース矯正による力のかかり方も影響を与えます。
本記事では、歯並びと頭痛の関係、矯正中に痛みが起こる理由、対処法を詳しく解説します。
適切なケアを取り入れて、快適に矯正期間を過ごしましょう。
- 1.歯列矯正中に頭痛が起きるのはなぜ?歯並びとの関係
- 1-1.歯並びの乱れが頭痛を引き起こすメカニズム
- 1-2.歯列矯正が頭痛を引き起こす理由
- 1-3.側頭筋・顎関節・神経の影響
- 1-4.マウスピース矯正とワイヤー矯正で頭痛の出方は違う?
- 2.歯列矯正中に頭痛が生じやすいタイミング
- 2-1.起床したとき
- 2-2.硬い食べ物を噛んだとき
- 2-3.歯列矯正の始まりや装置を調整(交換)したとき
- 2-4.ゴム掛けのとき
- 3.歯列矯正中に頭痛が起きたら試したいこと
- 3-1.医師に相談する
- 3-2.鎮痛剤を服用する
- 3-3.整体院で体をほぐす
- 3-4.硬い食べ物は食べやすい形にする
- 4.歯列矯正中の頭痛を防ぐセルフケアと習慣
- 4-1.噛み合わせを意識する
- 4-2.ストレスを溜めないリラックス方法
- 4-3.姿勢と歯並びの関係(猫背やストレートネックが影響する可能性)
- 4-4.夜間の歯ぎしりを防ぐ方法
- 5.歯列矯正中に起きる頭痛について「まとめ」
1.歯列矯正中に頭痛が起きるのはなぜ?歯並びとの関係

歯列矯正中に頭痛が起こる原因には、歯並びの変化、噛み合わせの調整、神経や筋肉への影響、ストレス、食いしばりなどが関係しています。
特に、矯正装置の力で歯が動く過程では、顎関節や側頭筋に負担がかかり、頭痛を引き起こす ことがあります。
1-1.歯並びの乱れが頭痛を引き起こすメカニズム
歯並びが悪いと、噛み合わせが不均衡になり、顎の筋肉や関節に負担がかかる ため、頭痛を引き起こすことがあります。
特に、以下のような歯並びの問題がある場合、頭痛が起こりやすくなります。
・出っ歯(上顎前突): 上の歯が前に出ているため、顎がズレやすく、首や肩の筋肉に負担がかかる。
・受け口(下顎前突): 噛み合わせが深くなり、顎の関節に過度な負担がかかる。
・八重歯・乱杭歯: 噛み合わせが不均一になり、片側の筋肉ばかり使うため、筋肉の緊張が頭痛につながる。
・開咬(オープンバイト): 噛み合わせが浅いため、顎が正しく支えられず、頭痛や肩こりを引き起こす。
矯正によって歯並びを整えることで、顎の負担を軽減し、頭痛の改善が期待できる ため、正しい噛み合わせへの調整が重要です。
1-2.歯列矯正が頭痛を引き起こす理由
矯正中に頭痛が発生する主な理由は、矯正装置による圧力、噛み合わせの変化、神経や筋肉の緊張です。
〇歯の食いしばりと頭痛の関係
歯列矯正をしていると、歯の移動による違和感や痛みを無意識に抑えようと、食いしばることが増える ことがあります。
食いしばりによって側頭筋や咬筋が過度に緊張し、頭痛が引き起こされる ことがあります。
特に食いしばりが原因の頭痛の特徴
・こめかみのあたりがズキズキ痛む
・朝起きたときに痛みを感じる
・首や肩も凝る
・噛むと顎に疲労感がある
⇒対策:ナイトガード(マウスピース)の使用や、意識的に力を抜く習慣が効果的。
〇ストレスが頭痛を悪化させる理由
矯正中は、痛みや違和感によるストレス で交感神経が優位になり、頭痛を引き起こしやすくなります。
また、ストレスが原因で 無意識に歯を食いしばる・噛みしめる ことで、筋肉の緊張が強まり、緊張型頭痛の原因となる こともあります。
ストレス由来の頭痛の特徴
・締め付けられるような痛み
・長時間のデスクワークや姿勢の悪さで悪化
・痛みが続くが、特定のタイミングで強くなることは少ない
⇒対策:軽い運動やストレッチ、リラックスできる時間を作ることが大切。
1-3.側頭筋・顎関節・神経の影響
歯の移動により、側頭筋(こめかみ周辺の筋肉)や顎関節に負荷がかかると、三叉神経が刺激されて頭痛が起こることがあります。
・側頭筋の緊張:こめかみ付近が痛む
・顎関節の負担:顎を動かしたときに痛みが出る
・三叉神経の圧迫:偏頭痛のようなズキズキした痛みが出る
⇒対策:顎のストレッチや、温めることで血流を良くすると痛みが和らぐ。
1-4.マウスピース矯正とワイヤー矯正で頭痛の出方は違う?
矯正方法によっても、頭痛の原因や出方が異なることがあります。
ワイヤー矯正
・強い力で歯を動かすため、調整直後に痛みが出やすく、頭痛や顎の違和感を感じやすい
・ゴム掛け(エラスティック)をする時期は、特に頭痛が起こりやすい
マウスピース矯正
・徐々に歯を動かすため、痛みは比較的少ないが、かみ合わせが変わるタイミングで頭痛を感じることがある
・1~2週間ごとにアライナー(マウスピース)を交換するたびに違和感が出やすい
⇒対策:どちらの矯正方法でも、痛みが強いときは 鎮痛剤を活用しつつ、無理に噛み締めないよう意識することが大切。
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2.歯列矯正中に頭痛が生じやすいタイミング

矯正治療中に頭痛を感じるタイミングは、特に新しい力が歯に加わったときに起こりやすくなります。
治療そのものが痛みのきっかけになることもありますが、日常生活の中で歯に圧力を掛けない工夫も大切です。
また、頭痛が起きてしまったときに痛みを和らげる対策も覚えておきましょう。
2-1.起床したとき
睡眠中は、人によって無意識に食いしばりや歯ぎしりを行なっていることがあります。
矯正中は歯根が柔らかいため、歯周にかなりの圧力が掛かりやすい状態です。
さらに、矯正によって肩や顎が緊張してしまい、目覚めたときに頭痛を感じることがあります。
2-2.硬い食べ物を噛んだとき
矯正中は、矯正器具の力で歯を移動させているため歯根は柔らかく不安定な状態です。
そのため、硬いものを噛んでしまうと刺激となって、歯痛や頭痛を引き起こすことがあります。
治療が終わるまでは、せんべい・硬い肉・スルメのような食べ物は控えたほうが良いでしょう。
2-3.歯列矯正の始まりや装置を調整(交換)したとき
歯列矯正を言葉で表すと、歯根で固定されている歯に力を加えて移動する治療です。
そのため、矯正治療を開始してからの数日間がもっとも痛みを感じやすいタイミングです。
人によっては頭痛の原因になりますが、一般的には日にちが経つと痛みは落ち着いてきます。
マウスピース矯正の場合は、新しいアライナーに交換した直後も痛みを感じやすいタイミングです。
また、ワイヤー矯正の場合は通院時のワイヤーを調整した直後に痛みを感じることがあります。
これは治療を開始したときと同じように、歯周に新たな圧力が加わるためです。
2-4.ゴム掛けのとき

ゴム掛けとは、小さいゴムを矯正器具に引っ掛けて歯列矯正をサポートする処置です。
歯科医師が必要と判断した場合は、上顎と下顎の器具にまたがるように引っ掛けて、歯や顎を正しい位置に誘導します。
個人差はありますが、ゴムを掛けるときや外すときに頭痛や歯に痛みを感じることがあります。
ただし頭痛を感じたとしても、大抵の場合は1〜2週間ほどで落ち着くことが多いです。
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3.歯列矯正中に頭痛が起きたら試したいこと

歯列矯正中の頭痛は、痛みの強さや人によってはストレスになる可能性があります。
頭痛は身体的な負担だけでなく、ストレスになった場合は精神面にも影響しやすい症状です。
そのため、矯正中に頭痛が起きてしまった場合は、我慢せず早めに対処する必要があります。
3-1.医師に相談する
矯正治療による頭痛は、仕事や日常生活に影響してしまうことがあります。
頭痛がひどく耐えられない、または日にちが経っても治らない場合は通院中の歯医者さんに相談しましょう。
装置に不具合がないか確認してもらい、異常があれば必要な処置をしてもらいます。
また、あまりにも痛みがひどい場合は、装置を調整して負荷を和らげてもらうこともできます。
マウスピース矯正を行なっている人は、痛いからと装置を外すような行為は行わないでください。
場合によっては歯が後戻りしてしまったり、治療が予定通り進まなくなったりする可能性があります。
3-2.鎮痛剤を服用する
我慢できないような頭痛の場合は痛み止めの服用も効果的です。
市販の鎮痛剤でも構いませんが、通院中の歯科医院で処方してもらうこともできます。
また、服用の際は飲み過ぎに注意して、必ず用法・用量を守るようにしてください。
鎮痛剤を飲み過ぎてしまうと、次第に効かなくなったり、逆に頭痛を引き起こす原因になったりすることがあります。
3-3.整体院で体をほぐす
矯正治療中の頭痛は、首や顎周りの血流の悪化と筋肉の緊張が原因になることが多いです。
そのため、筋肉の緊張をほぐすようなマッサージを行うと頭痛が和らぐ可能性があります。
また、家庭ではシャワーではなく浴槽で身体を温めたり、ストレッチや軽い運動をしたりしましょう。
身体がほぐれると、筋肉の緊張も和らぐので頭痛の緩和にも効果的です。
3-4.硬い食べ物は食べやすい形にする
矯正中の頭痛を避けるためには、柔らかくなっている歯根に圧力をかけないことが重要です。
そのため、治療中は硬い食べ物を避けるか、食べる場合は細かく切り分けるようにしてください。
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4.歯列矯正中の頭痛を防ぐセルフケアと習慣

歯列矯正中に起こる頭痛を防ぐためには日常の生活習慣を見直し、歯や顎に負担をかけないことが重要です。
特に、噛み合わせの意識、ストレス管理、姿勢の改善、夜間の歯ぎしり対策を行うことで、頭痛の予防につながります。
4-1.噛み合わせを意識する
矯正中は歯が少しずつ移動するため、噛み合わせが変化しやすく、無意識に力を入れて噛んでしまうことがあります。
これが、側頭筋や顎関節に負担をかけ、頭痛を引き起こす原因になることも。
噛み合わせのズレによる頭痛のサイン
〇噛むと顎やこめかみに違和感がある
〇片側だけで噛むことが多い
〇食事の際にスムーズに噛めず、顎が疲れやすい
⇒対策
・左右バランスよく噛むことを意識する(片側ばかり使わない)
・硬いものを無理に噛まない(柔らかいものを選ぶ)
・違和感が続く場合は、歯科医に相談し、調整してもらう
4-2.ストレスを溜めないリラックス方法
ストレスが溜まると、無意識に食いしばりや歯ぎしりが増え、頭痛が悪化することがあります。
矯正中は口腔内に違和感を感じやすいため、ストレス管理が特に重要です。
矯正中のストレスによる頭痛の特徴
〇頭全体が締めつけられるような痛み
〇こめかみや後頭部がズキズキする
〇歯ぎしりや食いしばりが増える
⇒対策
・深呼吸やストレッチを取り入れる(筋肉の緊張をほぐす)
・湯船にゆっくり浸かる(リラックスすることで歯の緊張を解く)
・就寝前に軽いマッサージを行う(側頭筋・首・肩をほぐす)
特に、夜間の食いしばりや歯ぎしりはストレスと関係が深いため、リラックスできる習慣を作ることが大切 です。
4-3.姿勢と歯並びの関係(猫背やストレートネックが影響する可能性)
実は、姿勢の悪さが歯並びや噛み合わせ、さらには頭痛に影響を与える ことがあります。
猫背やストレートネック(首のカーブが失われた状態)になると、顎の位置がズレ、噛み合わせに影響を与えやすくなります。
姿勢が悪いと起こる問題
〇顎の位置が後ろに下がり、噛み合わせがズレる
〇首や肩の筋肉が緊張し、血流が悪くなる
〇頭痛や肩こりが慢性化しやすくなる
⇒対策
・スマホやパソコンを使うときは、背筋を伸ばす(猫背にならないよう注意)
・デスクワークの合間にストレッチを取り入れる(肩や首をほぐす)
・寝るときの枕の高さを調整する(高すぎる枕は顎の位置をズラす原因に)
特に、猫背のまま食事をすると、噛み合わせがズレやすくなる ため、正しい姿勢を意識することが重要 です。
4-4.夜間の歯ぎしりを防ぐ方法
矯正中は噛み合わせが不安定になるため、無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりが増えることがあります。
これが、側頭筋や顎関節に負担をかけ、朝起きたときの頭痛の原因 になることも。
夜間の歯ぎしりが起こる原因
〇矯正中の違和感によるストレス
〇噛み合わせの変化による筋肉の緊張
〇日中の食いしばりのクセ
⇒対策
・ナイトガード(マウスピース)を使用する(歯や顎の負担を軽減)
・寝る前にリラックスする時間を作る(ストレッチやマッサージが効果的)
・カフェインやアルコールを控える(筋肉の緊張を悪化させることがある)
特に、朝起きたときにこめかみや顎に違和感を感じる人は、歯ぎしりの可能性が高いため、ナイトガードの使用を検討するのがおすすめ です。
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5.歯列矯正中に起きる頭痛について「まとめ」

矯正歯科治療は、歯に圧力をかけながら歯列を整える治療法です。
そのため、人によっては一時的に感じる頭痛は珍しいことではありません。
しかし、歯列矯正は頭痛を引き起こすだけでなく、逆に「矯正治療によって頭痛や肩こりが改善された」という人もいます。
歯並びの乱れ方によっては、噛み合わせの悪さが肩こりや頭痛の原因になるケースがあるのです。
歯列矯正は、理想的な歯並びにすると同時に身体的な問題も改善できる可能性があります。
歯並びが気になる方は、まずは矯正歯科やクリニックに相談してみましょう。
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