- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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近年では、歯医者に行かなくても自宅で手軽に歯を白くできる「ホワイトニングシート」が注目されています。
貼るだけで簡単にケアでき、1回あたりの費用も比較的リーズナブルです。その手軽さから、美容習慣として取り入れている人も増えています。
しかし、ホワイトニングシートを自己判断で使用する場合、思わぬトラブルや危険性が潜んでいることをご存じでしょうか?
この記事では、ホワイトニングシートのリスクと副作用について詳しく解説するとともに、何に気をつけて選べば安心して使えるのか、そして歯科ホワイトニングとの違いまで分かりやすくご紹介します。
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- 1. ホワイトニングシートに危険性はある?
- 2. ホワイトニングシートの危険性|知っておきたい5つのリスク
- 2-1. 薬剤の刺激で起こる知覚過敏や痛み
- 2-2. 歯や歯茎への刺激による炎症・薬傷
- 2-3. エナメル質損傷のリスク
- 2-4. 密着ムラによる色ムラ・不均一な仕上がり
- 2-5. 未承認・高濃度の海外製品によるトラブル
- 3. ホワイトニングシートのデメリットと副作用
- 4. こんな人は注意!ホワイトニングシートが向かないケース
- 4-1. 知覚過敏がある人
- 4-2. 虫歯・歯周病がある人
- 4-3. 歯に欠け・ヒビ・詰め物・被せ物がある人
- 4-4. 歯並びが悪く、シートが密着しにくい人
- 4-5. 無カタラーゼ症の人
- 4-6. 妊娠中や授乳中の人
- 5. ホワイトニングシートと歯科ホワイトニングの違い|安全性と効果を比較
- 6. ホワイトニングシートを安全に使うためのポイント
- 7. まとめ|ホワイトニングシートの危険性を理解して、安全に白い歯を目指そう
1. ホワイトニングシートに危険性はある?

ホワイトニングシートとは、過酸化水素や過酸化尿素などのホワイトニング成分が含まれたシートを歯に貼ることで、歯の着色を漂白するセルフホワイトニングアイテムです。
メリットとしては、
・歯医者へ通うよりコストを抑えられる(1回の費用が安い)
・いつでも自宅で使えて手軽
・貼るだけなので難しい操作がいらない
などがあります。
しかし、ホワイトニングは薬剤を使って歯を漂白する医療行為に近いもの。プロの診断がなくあくまで自己判断で行うため、使い方次第で危険性が高まることがあります。
「安い」「手軽」という言葉に惹かれて安易に使用する前に、まずはリスクを正しく理解することが大切です。
2. ホワイトニングシートの危険性|知っておきたい5つのリスク

ホワイトニングシートにはどのようなリスクがあるのでしょうか。
主な5つのリスクを紹介します。
2-1. 薬剤の刺激で起こる知覚過敏や痛み
ホワイトニング成分である「過酸化水素・過酸化尿素」などが象牙質に刺激を与えることで、冷たい飲み物や風が歯にしみるようになるといった、「知覚過敏」が起こることがあります。
特に、
・虫歯
・歯周病
・歯の欠損などある部分
などがあると、知覚過敏が悪化しやすいので注意が必要です。
一時的な症状で済む場合が多いですが、使用を続けると悪化するケースもあります。
2-2. 歯や歯茎への刺激による炎症・薬傷
薬剤がシートから漏れたり、長時間使用したりすることで、歯肉や口内粘膜に直接触れてしまい炎症の原因となることがあります。
・ピリピリとした痛み
・白っぽい斑点が出る
などしたら、すぐにすぐに使用を中止する必要があります。
使用時間を短く、毎日使わない、歯茎につかないようにするなどといった対策が必要です。
2-3. エナメル質損傷のリスク
ホワイトニングシートに使われる過酸化水素は漂白力が強いため、長時間の使用で表面のエナメル質が一時的に軟化しやすいことがあります。
エナメル質が軟化すると、
・歯の表面のざらつき
・着色しやすい歯になる
・酸への耐性が下がり、虫歯リスクが上がる
などのデメリットがあります。
特に日本人は欧米人に比べてエナメル質が薄いため、傷つきやすいと言われています。
2-4. 密着ムラによる色ムラ・不均一な仕上がり
シートタイプは歯列の凹凸や歯の大きさの影響が受けやすく、密着ムラが起こりやすいという注意点もあります。
歯の一部だけ白くなり、白さが均一でないという残念な結果につながる可能性もあります。
2-5. 未承認・高濃度の海外製品によるトラブル
日本では、過酸化水素濃度6%を超える製品は医療機関のみ使用可能と決められています。
参考:歯科用漂白材等審査ガイドラインについて(◆令和05年04月21日薬生機審発第421001号)
しかし、最近では安全性が確認されてない海外製品も多くあります。
特に安全性が確認されていない、個人輸入品は特に注意が必要です。
・濃度が基準外
・成分表示が不正確
・副作用が報告されている
といったリスクが潜んでいます。
価格は安いものが多いですが、安さだけに惹かれて購入するのはとても危険です。
3. ホワイトニングシートのデメリットと副作用

ホワイトニングシートは、歯に貼るだけで気軽にケアができる便利なアイテムです。
しかし、その手軽さゆえに見落とされがちなデメリットや副作用も存在します。
【主なデメリット】
・即効性が弱く、効果の持続も短い
・セルフケアのため管理が難しい
・色ムラが起こりやすい
・歯への悪影響のリスク
まず、デメリットとして挙げられるのは、効果の限界です。ホワイトニングシートは市販品である以上、薬剤濃度が低めに設定されています。
そのため、効果が出るまで時間がかかり、白さを維持できる期間も短い傾向があります。
また、歯並びに凹凸や段差があると、シートがきちんと貼り付かず、一部分だけ白くなるなど色ムラの原因になることもあります。
その他、使用頻度、貼る位置、時間などを誤ってしまうと、研磨剤や薬剤の影響で歯の表面にダメージを与え、むしろ見た目を悪化させてしまう可能性もあります。このような理由から「コスパが悪い」「続けにくい」と感じる人も少なくありません。
【主な副作用】
・知覚過敏
・口内炎・歯茎の炎症
・アレルギー反応
・歯の表面の荒れ、乾燥
上記のような副作用が出る方もいます。
少しでも違和感やしみる感覚が出た場合は、無理に使い続けず、すぐに使用を中止してください。改善しない場合は歯科医院へ相談することをおすすめします。
4. こんな人は注意!ホワイトニングシートが向かないケース

また、ホワイトニングシートの使用が向かない人もいます。口内の状態によっては、薬剤が思わぬ刺激を与え、痛みや炎症などのトラブルにつながることがあります。
以下に当てはまる方は、まず歯科医へ相談した上で使用の可否を判断することが大切です。
4-1. 知覚過敏がある人
冷たいものがしみるタイプの知覚過敏は、歯の内側にある象牙質が露出しかけている状態です。そこへ過酸化水素などの刺激が加わると、
・ズキっとする痛み
・熱い飲み物がしみる
・風を当てただけでツーンとする
などの症状が強く出やすくなります。
一時的な痛みで済む人もいますが、使い続けることで症状が悪化するケースも多いため、特に慎重な判断が必要です。
4-2. 虫歯・歯周病がある人
虫歯で穴が空いた部分や歯周病で弱った歯茎は、薬剤に対して非常に敏感です。
そのため、
・しみる程度の悪化
・歯茎のただれ
・腫れや出血
といった症状が出る可能性があります。
まずは治療で口内環境を整えてから、ホワイトニングを検討するのがおすすめです。
4-3. 歯に欠け・ヒビ・詰め物・被せ物がある人
一見分からないような歯のヒビでも、薬剤が入り込むと神経に刺激が届き、痛みが出やすくなります。
さらに、詰め物・被せ物・セラミック・インプラント部分は薬剤の効果を受けにくく、色ムラの原因になり、本来の歯だけ白くなり色ムラが目立つことも。「白くするつもりが悪目立ちした」という声も実際にあります。
特に前歯の審美領域に人工物がある場合は注意が必要です。
4-4. 歯並びが悪く、シートが密着しにくい人
ホワイトニングシートは歯の形状に完全一致しているわけではないため、ガタつき(叢生)やすきっ歯の場合、どうしても隙間が生まれます。
起こりやすい問題としては、
・白くなる場所とならない場所ができる
・仕上がりの均一性に欠ける
・歯茎にシートが当たり炎症を起こす
などがあります。
特に前歯部の凹凸が強いと、満足いく効果を得ることが難しくなります。
4-5. 無カタラーゼ症の人
無カタラーゼ症は、過酸化水素を分解する酵素「カタラーゼ」が欠損した非常に稀な疾患です。
過酸化水素が体に残ることで、口腔内の細胞が壊死してしまう危険性があるため、ホワイトニング剤の使用は禁止されています。
症状の自覚がない場合もあるため、
「家族に無カタラーゼ症がいる」「体質の指摘を受けたことがある」
という人は、必ず事前に医師へ相談しましょう。
4-6. 妊娠中や授乳中の人
妊娠中はホルモンの影響で歯茎が腫れたり出血したりしやすい時期です。そこに薬剤刺激が加わると、炎症リスクが上昇してしまいます。
また、ホワイトニング成分が胎児や母乳へ影響を与える可能性について、明確な安全性が立証されていないため、推奨されていません。
妊娠や授乳は限られた期間です。その間は、歯磨きや定期検診などのセルフケア中心で、口内を健やかに保つことが安心です。
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5. ホワイトニングシートと歯科ホワイトニングの違い|安全性と効果を比較

ホワイトニングシートを使ってホワイトニングする方法と、歯科でホワイトニングする方法では、どのような違いがあるのかまとめました。
| 項目 | ホワイトニングシート(セルフ) | 歯科ホワイトニング(クリニック) |
|---|---|---|
| 安全性 | 自己判断で使用するため、知覚過敏や歯茎の炎症などのリスクがある。 特に海外製の高濃度タイプは刺激が強く注意が必要。 | 歯科医が歯や歯茎の状態を確認しながら行うため、安全性が高い。 薬剤濃度や照射時間も管理されており、副作用リスクが低い。 |
| 効果 | 軽い着色には効果が出やすいが、白さの度合いには個人差がある。 持続期間は1〜2週間程度で、色戻りしやすい。 | 高濃度薬剤を使用するため、1回でも効果を実感しやすい。 効果が長持ちし、約2〜3ヶ月以上白さを維持できる。 |
【ホワイトニングシート】
手軽に自宅で歯を白くできるセルフホワイトニング。
ただし、全て自己判断のため、使用方法や頻度など誤ると副作用がでやすいのがデメリットと言えるでしょう。
また、シートを密着できていないと色ムラの原因になります。
【歯科ホワイトニング(オフィスホワイトニング・ホームホワイトニング)】
歯科医の診断のもとで薬剤濃度や使用時間を管理するホワイトニング方法。
施術前に虫歯・歯周病・知覚過敏の有無をチェックし、薬剤濃度や照射時間を調整するためトラブル(しみる・腫れる・色ムラ)の発生率が低く、安全性が高いのが特徴です。
ただし、歯科への通院が定期的に必要です。
6. ホワイトニングシートを安全に使うためのポイント

ホワイトニングシートは、正しく使えばとても便利なものです。以下、4点のポイントを守って、安全に使用しましょう。
・安全性が高い商品を選ぶ:薬剤の濃度の確認・国内正規品や薬機法の表示があるかの確認
・正しい使用時間と頻度を守る:長時間使用や回数オーバーを避け、説明書通りの使用
・使用後や普段からの口腔ケアを徹底する:使用後は口をすすぎ、丁寧なケアをする
・痛みや違和感が出たときは即中止する:トラブルを感じたら、歯科へ相談
使用する前、または使用中に不安がある場合は、歯科医に相談することをおすすめします。
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7. まとめ|ホワイトニングシートの危険性を理解して、安全に白い歯を目指そう

ホワイトニングシートは手軽に使えるものではありますが、その成分濃度や使い方によっては危険性があるものです。
特に過酸化水素の濃度が高い製品(6%以上)は医療機関限定であり、個人での使用は刺激や炎症のリスクが高まります。
そのため、安全に歯を白くしたい人は歯科医でのホワイトニングがベストと言えます。
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