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要注意乳歯とは?放置するとどうなる?原因や対処法

湊 寛明
湊 寛明
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

「要注意乳歯」という言葉を耳にしたことはありませんか。学校や歯科検診で「要注意」と書かれていると、つい不安になりますよね。

 

しかし、「要注意乳歯」とは必ずしも深刻な病気を意味するものではありません。多くの場合、歯の生え変わりのタイミングや永久歯の成長に少しずれがあるだけで早めに気づいて適切に対応すれば問題ないケースがほとんどです。

とはいえ、乳歯が長く残っていたり、永久歯がずれた位置から生えていたりする場合、そのままにしておくと歯並びや噛み合わせに影響することもあります。将来的に矯正治療が必要になるリスクを避けるためにも、状態を正しく理解しておくことが大切です。

 

この記事では、要注意乳歯」とはどんな状態なのかをはじめ、原因や見分け方治療の流れなどを紹介していきます。

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1. 要注意乳歯とは?その意味と見分け方

乳歯から永久歯への生え変わりは、子どもの成長の中でも大切なステップです。しかし、すべての乳歯が順調に抜けていくわけではなく、なかには「要注意乳歯」と呼ばれるケースもあります。

ここでは、まずその意味と見分け方について見ていきましょう。

1-1.「要注意乳歯」とは?

「要注意乳歯」とは、乳歯が通常よりも長く残っているまたは乳歯が抜けないまま近くに永久歯が生えている状態を指します。本来、永久歯の成長に合わせて乳歯の根(歯根)は少しずつ吸収され、抜ける準備が整います。しかし、何らかの理由で根が吸収されないと、乳歯が抜けるタイミングを逃し、永久歯が生えても共存してしまうことがあります。

このような状態が長く続くと、永久歯が正しい位置に並べず、歯並びに影響することがあります。

1-2. 正常な生え変わりとの違い

通常の生え変わりでは、乳歯が少しぐらついて抜け、同じ場所に永久歯が生えてきます。しかし、要注意乳歯の場合は、乳歯の抜ける時期と永久歯の生える時期がずれています。
永久歯が裏側や内側から顔を出し、乳歯と同時に存在してしまう「二重歯列」になるケースがよく見られます。特に下の前歯で起こることが多いです。

1-3. 見た目や触ってわかるサイン

家庭でも「要注意乳歯かな?」と気づけるサインがあります。

たとえば、

 

・乳歯が長い間残っている
・永久歯が乳歯の裏や内側から生えている
・乳歯がぐらぐらせず、しっかりしている

 

といった場合は注意が必要です。特に、周りの乳歯が次々に抜けているのに、1本だけ残っているようなケースでは、歯科でのチェックをおすすめします。

2. 要注意乳歯が起こる原因

要注意乳歯には、いくつかの原因が考えられます。どの原因かを見極めるには、歯科でのレントゲン検査が欠かせません。

2-1. 歯根吸収が起きないケース

永久歯が乳歯の下で順調に成長している場合、根の部分に自然な刺激が加わり、乳歯の歯根は少しずつ溶けていきます。これを「歯根吸収」と呼びます。

しかし、永久歯の位置が浅かったり、成長のスピードが遅かったりすると、その刺激がうまく伝わりません。その結果、乳歯の根が吸収されず抜ける準備が整わないまま残ってしまうのです。

 

このような状態では、乳歯が抜けにくくなるだけでなく、永久歯が出てくるスペースを確保できず、歯並びが乱れる原因にもなります。

2-2. 永久歯の欠損(先天性欠如)

永久歯の芽(歯胚:しはい)がもともと存在しない場合、乳歯は抜けるきっかけを失って長く残ることがあります。これを「永久歯の先天性欠如」といい、近年では10人に1人ほどの割合で見られるといわれています。永久歯の芽がないと、乳歯は自然に抜けるサイクルから外れてしまうため、大人になっても残っているケースも少なくありません。

 

ただし、乳歯がしっかりしていて噛み合わせに問題がない場合は、そのまま大切に使い続けることも可能です。定期的に歯科検診を受け、状態を確認していくことが大切です。

2-3. 永久歯がずれた位置から生えている

永久歯が本来の位置からずれて、斜めや内側、奥側など異なる方向から生えてくることがあります。この場合、乳歯が抜けずに残り、乳歯と永久歯が並んでいるように見える「二重歯列」になることもあります。見た目だけでなく、歯の並びに偏りが生じ、噛み合わせや口腔内のバランスに影響を与えることもあります。

 

早い段階で歯科を受診し永久歯の生える方向やスペースを確認すれば抜歯や矯正で自然な並びに導くことができる場合もあります。

2-4. 外傷・虫歯・遺伝による影響

乳歯の時期にぶつけたり強い衝撃を受けたりすると、歯根の成長や永久歯の発育に影響が出ることがあります。また、乳歯の虫歯が深く進行すると、根の部分や下に控える永久歯の芽にまで影響を与え、生え変わりが遅れることもあります。

さらに、遺伝的に永久歯の数が少ない家系もあり、兄弟や親が永久歯の欠損を経験している場合、同じ傾向が見られることもあります。

 

こうしたケースでは、単なる「生え変わりの遅れ」と判断せず定期的にレントゲンを撮って発育の状態を確認することが大切です。

3. 要注意乳歯を放置するとどうなる?

要注意乳歯は見た目が「少し変かも?」と思っても、痛みがないとつい様子を見てしまいがちです。

しかし、要注意乳歯をそのまま放置しておくと、歯並びや噛み合わせに深刻な影響を与えることがあります。さらに、清掃がしづらい状態が続くことで虫歯や歯肉炎のリスクも高まります。

 

具体的に放置するとどうなるのか、について確認してみましょう。

3-1. 永久歯が正しい位置に生えない

乳歯が抜けずに残っていると、永久歯が本来の位置から外れて生えてしまうことがあります。これにより、前歯が重なり合ったり、歯が斜めに傾いたりと、歯列の乱れが生じます。

 

このような状態を「叢生(そうせい)」と呼び、見た目の問題だけでなく、噛み合わせの不調や発音のしづらさを招くこともあります。

 

また、歯並びが悪いと歯磨きがしづらくなり虫歯や歯周病の原因になることもあります。早期に乳歯の状態を確認することで、永久歯が自然な位置に生えやすくなる場合も多いため、早めの受診が大切です。

3-2. 将来的に矯正が必要になるリスク

乳歯が長く残ったままだと、永久歯の位置がずれたり、十分なスペースが確保できなかったりして、歯列全体のバランスが崩れやすくなります。

このような場合、将来的に矯正治療が必要になる可能性が高まります。さらに、歯のずれが大きいほど矯正の難易度が上がり、治療期間も長くなる傾向があります。

 

早い段階で要注意乳歯を見つけ、必要に応じて抜歯や経過観察を行うことで、矯正治療の負担を大きく軽減できることがあります。歯の生え変わり期こそ、定期的なチェックが欠かせません。

3-3. 歯茎の炎症や歯周トラブル

乳歯と永久歯が並んで生えている「二重歯列」の状態では、歯の間に汚れがたまりやすく、歯ブラシの毛先が届きにくくなります。

その結果、歯垢や食べかすが溜まりやすくなり、歯肉炎や虫歯のリスクが一気に高まります。特に子どもの場合、自分でしっかり磨くのが難しいので、仕上げ磨きは欠かせません。

 

見た目の違和感だけでなく、歯茎の腫れや出血などのトラブルを防ぐためにも、「二重歯列」に気づいた時点で歯科を受診することをおすすめします。

4. 要注意乳歯かも?家庭で見分けるチェックポイント

子どもの口の中を観察すると、家庭でも気づけるサインがあります。

以下のような様子が見られたら、一度歯医者で相談してみましょう。

 

チェック項目観察ポイント対応の目安
乳歯が抜けずに残っている周囲の歯がすでに永久歯なのに1本だけ乳歯受診を検討
永久歯が裏や内側から生えている二重歯列やずれた萌出が見られる歯科でレントゲン確認
歯の動きがないぐらぐらしないまま数か月経過要注意乳歯の可能性あり
咬み合わせに違和感がある片側だけ浮いた感じ・噛みにくい早めの相談がおすすめ

 

小さな違和感でも放っておくと歯並び全体に影響することがあります。見た目が気になる、または痛み・炎症がある場合は、早めに歯医者を受診しましょう。

5. 歯医者での診断と治療方法

要注意乳歯は、原因によって治療方針が変わります。

まずは歯医者での診断が重要です。

5-1. 診断方法

歯科ではレントゲン撮影を行い、永久歯の有無や位置、乳歯の根の吸収状態を確認します。永久歯が正しく成長しているかどうかによって、「経過観察」または「抜歯」が判断されます。

5-2. 治療方針

・永久歯が正しく生えてくる場合:そのまま経過観察し、数か月おきにチェックします。

・永久歯が欠損している場合:乳歯を長期的に残す方法、または将来的に矯正や補綴(歯を補う治療)を検討します。

 

子どもの成長や歯並びの発達に合わせて、慎重に方針を決めていきます。

5-3. 抜歯が必要なケース

以下のような場合には、抜歯が勧められることがあります。

 

・永久歯の萌出を妨げている
・歯並びや噛み合わせに影響している
・周囲の歯茎に炎症・痛みがある

 

抜歯は局所麻酔をし、短時間で終わる処置です。抜歯後も永久歯の萌出を定期的に確認しながら、歯列のバランスを整えます。

6. 要注意乳歯を防ぐための予防と定期チェック

要注意乳歯は、突然起こるものではなく、日々の観察と定期的なチェックによって早期に気づくことができます。子どもの歯の生え変わりのスピードやタイミングには個人差があり、兄弟姉妹でも違うことが多いものです。

 

だからこそ、「少し遅いかも?」と感じたときや、乳歯がぐらぐらしない・永久歯が内側から生えてきた、などの変化を見逃さないことが大切です。

6-1. 定期検診で早期発見を

半年〜年1回の定期検診は要注意乳歯の早期発見に欠かせません。乳歯の根が吸収されているか、永久歯の準備が順調に進んでいるかをレントゲンなどで確認することで、異常を早く見つけることができます。

 

学校や園で「要注意乳歯」と指摘された場合も、「すぐ抜かないといけないのかな?」と不安に思う必要はありません。実際には、経過観察で自然に抜けるケースもありますが、放置してよいかどうかは専門的な判断が必要です。

 

歯医者で精密な検査を受けることで、今後の生え変わりの見通しを立てることができ、安心して見守ることができます。

6-2. 乳歯期からの正しいケア習慣

乳歯は「どうせ抜けるから」と軽視されがちですが、乳歯の健康状態は永久歯の生え方に大きく関係します。乳歯期から噛み合わせや歯磨き習慣を整えることで、永久歯が正しい位置に生えるためのスペースを守ることができます。

 

特に、毎日の仕上げ磨きは欠かせません。子どもが自分で磨けるようになっても、まだ細かい部分に磨き残しが多く、虫歯や歯肉炎を起こしやすい時期です。

 

また、「よく噛んで食べる」「前歯・奥歯をバランスよく使う」といった習慣も、生え変わり期の歯の発達を促します。
こうした日常の積み重ねが、将来の歯並びや噛み合わせの安定につながっていきます。

6-3. 早めの矯正相談で将来のトラブルを回避

永久歯が生えるスペースが足りなかったり、歯が重なってきたりする場合は、矯正の観点からも早めの相談をおすすめします。子どもの歯や顎の成長は柔軟で、早い段階で適切なサポートを行うことで、将来的に抜歯や大掛かりな矯正を避けられることがあります。

 

歯医者での矯正相談では、歯並びだけでなく、噛み合わせや顎の成長バランス、呼吸・姿勢の影響までを含めて確認します。「今すぐ矯正が必要」というよりも、「今後どう成長するか」「どのタイミングで治療を始めると最も効果的か」を知るための機会として考えると良いでしょう。

 

早めの相談が、将来のトラブルを防ぐ大きな一歩になります。定期検診とあわせて、気になるサインがあれば、かかりつけの歯科医や小児矯正専門医に相談してみましょう。

7. まとめ|要注意乳歯は放置せず、気づいたら相談を

要注意乳歯は、歯並びや噛み合わせに影響するサインです。早期に気づき、適切に対応すれば、抜歯や矯正治療を避けられるケースもあります。
「少しおかしいかも?」と思ったら、自己判断せずに小児歯科・矯正歯科に相談することが大切です。

 

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永久歯が生えそろう時期は、歯並びの土台を整える大切なタイミングです。
将来の噛み合わせトラブルを防ぐためにも、今からできることを一緒に考えてみませんか?

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