
- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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「大人の歯列矯正は危険?」そんな不安を感じていませんか?
「大人になってからの矯正はリスクがある」「治療が大変そう」
といった情報を耳にし、矯正を始めるべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
たしかに、大人の矯正治療は子どもと異なり、歯根吸収や歯茎の後退、噛み合わせの変化などに注意が必要です。
しかし、これらは適切な診断や治療計画によって リスクを最小限に抑えることが可能 です。
この記事では、大人の矯正治療で起こりうるリスクや副作用を詳しく解説し、安心して矯正治療を受けるためのポイント を紹介します。
矯正治療を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 1. 大人になってからの歯列矯正は危険なのか?
- 1-1. 大人の矯正は本当に危険なの?
- 1-2. 歯列矯正を控えた方がいいケースとは?
- 2. 大人の歯列矯正で起こりうる危険と副作用
- 2-1. 歯根吸収(歯が溶けるリスク)
- 2-2. 歯茎が下がる(歯肉退縮の危険性)
- 2-3. 噛み合わせが悪化するリスク
- 2-4. 矯正後の後戻りとその原因
- 2-5. 矯正治療による頭痛・顎関節症のリスク
- 2-6. 金属アレルギー・装置による炎症
- 3.【歯科矯正】マウスピース矯正のリスク
- 3-1. 1日20時間以上の装着が必要(自己管理が大変)
- 3-2. 虫歯や歯周病のリスク
- 3-3. 適応症例が限られる
- 4.【歯科矯正】ワイヤー矯正のリスク
- 4-1. 矯正装置が目立つ
- 4-2. 発音しづらくなる
- 4-3. 口内炎ができやすい
- 5.【歯科矯正】舌側矯正(裏側矯正)のリスク
- 5-1. 舌に違和感がある
- 5-2. 舌が傷つきやすい
- 5-3. 治療費が高め
- 6. 副作用やリスクを回避する大切なポイント
- 6-1. 信頼できる歯科医院で治療する
- 6-2. リスクを減らすための矯正治療計画の立て方
- 7. 大人の歯列矯正、リスクだけじゃない!メリットも知って賢く選択する
- 8. まとめ:大人でも安全に歯列矯正を受けるために
1. 大人になってからの歯列矯正は危険なのか?

1-1. 大人の矯正は本当に危険なの?
「大人の歯列矯正は危険」と聞いたことがあるかもしれません。
しかし、実際のところ、大人が矯正を受けること自体が危険というわけではありません。
ただし、治療を進める上で知っておくべきリスクや注意点があるのは確かです。
例えば、「大人の歯は動きにくい」と言われることがあります。
子どもと比べると確かに骨の成長が止まっているため、歯の移動に時間がかかることはありますが、それでも矯正治療は十分に可能です。
また、「忙しい社会人には、長期間の矯正治療は不向きだ」という声もあります。
しかし、これも事実とは異なります。矯正治療中には定期的な通院が必要ですが、通院頻度は月に1回程度です。
「頻繁に休暇を取らないといけない」と考える方もいますが、そのような必要はありません。忙しい日々を送る方でも、仕事を続けながら無理なく矯正治療を受けることができます。
ただし、すべての大人に矯正治療を勧められるわけではありません。
特定の条件によっては、矯正が適さない場合もあります。
1-2. 歯列矯正を控えた方がいいケースとは?
「大人になってからの歯列矯正は危険なのでは?」と不安に感じる方も多いですが、実際にはほとんどのケースで問題なく治療を受けることができます。
ただし、以下のような状態にある方は、慎重な判断が必要です。
✅ 矯正を始める前に確認すべきポイント
・虫歯や歯周病の治療が必要な方
→ 進行した虫歯や歯周病がある場合、矯正装置をつけることで症状が悪化する恐れがあります。まずは治療を優先しましょう。
・歯茎が下がっている(歯肉退縮が進んでいる)方
→ 矯正による歯の移動で、さらに歯茎が下がるリスクがあります。【詳しくは👉 2-2. 歯肉退縮の危険性】で解説します。
・噛み合わせに問題がある、顎関節症を持っている方
→ 矯正治療がかえって噛み合わせのバランスを崩し、症状を悪化させる可能性があります。【詳しくは👉 2-5. 矯正治療による頭痛・顎関節症のリスク】で詳しく説明します。
・骨が薄い、または硬すぎる方
→ 歯を動かしにくく、矯正の効果が出にくい場合があります。事前にCTなどで骨の状態を確認してもらいましょう。
・インプラントが入っている方
→ インプラントは固定されているため、矯正で動かすことができません。矯正可能な範囲が制限されるため、事前に相談が必要です。
・金属アレルギーのある方
→ ワイヤー矯正では金属を使用するため、金属アレルギーがある場合は注意が必要です。【詳しくは👉 2-6. 金属アレルギー・装置による炎症】で詳しく解説します。
・まとまった費用を準備するのが難しい方
→ 矯正治療は高額なため、経済的な負担を考慮する必要があります。デンタルローンや医療費控除を活用する方法もありますので、事前に支払い計画を立てましょう。
大人の歯列矯正は、多くの人にとって効果的な治療法ですが、個々の口腔環境によってはリスクが伴う場合もあります。
まずは、専門の歯科医院でしっかりとカウンセリングを受け、自分の状態に合った治療法を検討することが大切です。
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2. 大人の歯列矯正で起こりうる危険と副作用

大人になってからの矯正治療には、見た目の改善だけでなく、噛み合わせの調整や健康面でのメリットもあります。
しかし、リスクや副作用を理解せずに治療を始めると、思わぬトラブルに直面することも。
ここでは、矯正治療中に起こり得る代表的なリスクを紹介します。
2-1. 歯根吸収(歯が溶けるリスク)
矯正治療で歯を動かす際、まれに 歯の根(歯根)が短くなる ことがあります。
これは 「歯根吸収」 と呼ばれる現象で、歯の寿命に影響を与える可能性 があります。
🛑 特にリスクが高い人
・ もともと歯根が短い人
・ 長期間にわたる矯正を受けている人
・ 強い力で急激に歯を動かしている場合
⚠️ 歯根吸収が進行すると…
歯がぐらついたり、最悪の場合抜け落ちる可能性があります。
2-2. 歯茎が下がる(歯肉退縮の危険性)
矯正治療によって 歯が移動すると、歯茎が下がることがあります。
特に 歯茎がもともと薄い人や、矯正後に大きく歯が動く人 は、歯茎が下がるリスクが高くなります。
🛑 こんな症状が出る可能性も
・ 歯が長く見える(歯肉が下がるため)
・ 知覚過敏が起こる(歯の根が露出するため)
・ 歯周病のリスクが高まる(歯茎が薄くなると炎症を起こしやすい)
⚠️ 重度の歯肉退縮は、審美面だけでなく健康面にも影響を与える ため注意が必要です。
2-3. 噛み合わせが悪化するリスク
矯正治療の途中で 噛み合わせが一時的に悪化 することがあります。
これは、歯が動いている最中に上下の歯の位置が合わなくなるためです。
🛑 特に注意が必要なケース
・ もともと顎関節症の症状がある
・ 強い食いしばりや歯ぎしりの癖がある
⚠️ 放置すると…
噛みにくさが長引いたり、顎の負担が増えて 顎関節症の悪化や頭痛を引き起こす可能性 も。
2-4. 矯正後の後戻りとその原因
矯正治療が終わった後に 歯が元の位置に戻ってしまうことを「後戻り」 といいます。
特に 保定装置(リテーナー)をしっかり使わなかった場合、後戻りのリスクが高くなります。
🛑 後戻りが起こりやすい人
・ 矯正後すぐにリテーナーを装着しなくなった
・ 強い舌癖(舌で歯を押す癖)がある
・ 矯正前の歯並びが極端に悪かった
⚠️ 後戻りが起こると…
「せっかく時間とお金をかけたのに、また歯並びが乱れてしまう」なんてことに。
2-5. 矯正治療による頭痛・顎関節症のリスク
矯正によって噛み合わせが変わると、一時的に顎のバランスが崩れ、頭痛や顎関節症の症状が出ることがあります。
🛑 こんな症状が出ることも
・ 顎の痛みや違和感
・ 口を開け閉めするとカクカク音がする
・ 頭痛や肩こりが悪化する
⚠️ 症状が悪化すると…
日常生活に支障をきたすこともあるため、矯正中に異変を感じたらすぐに相談することが大切 です。
2-6. 金属アレルギー・装置による炎症
ワイヤー矯正の装置には 金属が使用されているため、金属アレルギーのある人は注意が必要 です。
🛑 特にリスクが高い人
・ ピアスやアクセサリーで金属アレルギーが出たことがある
・ 口内炎ができやすい体質
⚠️ 装置による炎症のリスク
・ワイヤーやブラケットが粘膜に擦れて 口内炎が頻発することがある
・金属アレルギーの症状が出ると 装置の交換が必要になることも
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3.【歯科矯正】マウスピース矯正のリスク

マウスピース矯正は、目立たずに歯列矯正を受けられる非常に人気の高い矯正方法です。
食事も治療前のように食べられる上に、歯磨きも普通に行うことができます。
しかしマウスピース矯正にも注意すべきリスクがいくつかあります。
3-1. 1日20時間以上の装着が必要(自己管理が大変)
マウスピース矯正は 1日20時間以上の装着 が必要です。
自己管理ができないと計画通りに歯が動かず、治療期間が延びる 可能性があります。
また、装着時間が短いと後戻りしやすい ため注意が必要です。
■参考記事:マウスピース矯正めんどくさい
3-2. 虫歯や歯周病のリスク
マウスピースを装着したまま飲食をすると、虫歯や歯周病のリスクが上がります。
特に 糖分を含む飲み物を飲んだ後にマウスピースを装着すると、細菌が繁殖しやすくなる ため、毎回歯磨きをする習慣が必須 です。
3-3. 適応症例が限られる
マウスピース矯正は、すべての症例に対応できるわけではありません。
例えば、抜歯を伴う大きな歯の移動や重度の噛み合わせの問題には向かないことがあります。
適応症例を見極めるために、事前の診断が重要です。
4.【歯科矯正】ワイヤー矯正のリスク

ワイヤー矯正は、歯をしっかりと動かせるメリットがある一方、装置の特徴に由来するリスクがあります。
4-1. 矯正装置が目立つ
ワイヤー矯正は、金属製のブラケットとワイヤーを使用するため、装置が目立ちやすい です。
最近では、透明や白色のブラケットもありますが、金属部分はどうしても見えてしまいます。
4-2. 発音しづらくなる
ワイヤー矯正を装着すると、特に舌がワイヤーに当たりやすい「サ行」や「タ行」が発音しにくくなる ことがあります。
慣れるまでに1週間~1ヶ月ほどかかる ため、接客業や人前で話す仕事の人は考慮が必要です。
4-3. 口内炎ができやすい
装置の金属部分が頬の内側や唇に擦れることで、口内炎ができやすくなる ことがあります。
特に、矯正を始めたばかりの時期は口内炎ができやすいですが、ワックスなどで保護すれば軽減できる ことが多いです。
5.【歯科矯正】舌側矯正(裏側矯正)のリスク

舌側矯正(裏側矯正) は、歯の裏側に装置をつけることで目立ちにくい矯正方法ですが、特有のデメリット もあります。
5-1. 舌に違和感がある
舌側矯正は 装置が舌に直接触れる ため、特に 治療開始直後は舌の違和感が強い です。
また、舌が装置に当たることで、発音がしにくくなる ことがあります。
(特に「サ行」「ラ行」などの音が発音しづらくなることが多い)
5-2. 舌が傷つきやすい
食事や会話中に 装置が舌に当たり、傷がつくことがあります。
特に矯正開始直後は痛みを感じやすいため、矯正用ワックスを使うことで軽減できます。
5-3. 治療費が高め
舌側矯正は 一般的なワイヤー矯正よりも治療費が高いことが多いです。
裏側に装置を取り付けるため、高度な技術が必要であり、治療費が割高になる 傾向があります。
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6. 副作用やリスクを回避する大切なポイント

歯列矯正を受ける際は、事前に正しく知識を得ることでリスクを避けることが重要です。
リスクは費用に関する金銭面と、順調に治療を進めるための身体的な面に分かれます。
いずれも治療を始める前に、しっかりと計画を立てておくことがポイントです。
6-1. 信頼できる歯科医院で治療する
歯列矯正を成功させるには、信頼できる歯科医院選び が最も重要です。
近年では、初診無料やカウンセリング無料 の歯科医院も増えているため、複数のクリニックで相談を受け、比較する ことをおすすめします。
📌 1. 矯正専門の歯科医がいるか?
矯正治療は ミリ単位の精密な調整 が求められるため、矯正を専門とする歯科医 がいるクリニックを選ぶことが大切です。
チェックすべきポイント:
✔ 矯正専門の歯科医がいるか
✔ 日本矯正歯科学会の認定医・専門医資格を持っているか
✔ 年間の矯正治療の実績がどれくらいあるか
📌 2. 最新の設備が整っているか?
設備の充実度 も、矯正治療の成功に大きく影響します。
✅ CTスキャン(CBCT) → 骨の状態を正確に把握
✅ 3Dデジタルスキャン(iTero, セレック) → 精密な歯型データを取得
✅ デジタルシミュレーション → 治療後の仕上がりを事前に確認
設備が整っている歯科医院を選ぶことで、治療の精度が向上し、リスクを軽減 できます。
📌 3. 医師との相性も重要
矯正治療は長期間にわたるため、医師との相性やカウンセリングの質 も重要です。
✔ 治療のリスクやデメリットも正直に説明してくれるか
✔ 治療費の総額が明確に提示されるか(追加料金が発生しないか)
✔ 口コミや評判はどうか(実際の患者の体験談も参考に)
▶ さらに詳しく知りたい方は
➡ 歯列矯正の病院選び|成功するための10のチェックポイント をチェック!
6-2. リスクを減らすための矯正治療計画の立て方
リスクを減らして歯列矯正を行うためには、しっかりと治療計画を立てつことが重要です。
✔ 治療計画をしっかり確認する
・ 矯正治療の 具体的なスケジュールや予想される副作用 を事前に確認する。
・ 「治療途中で歯が動かなくなった場合の対処法」 などを質問しておく。
✔ 自分に合った矯正装置を選ぶ
矯正装置にはいくつか種類があり、ライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
✅ 目立たない矯正を希望する → マウスピース矯正
✅ 自己管理が苦手な人 → ワイヤー矯正(固定装置)
✅ 人前に出る仕事の人 → 舌側矯正(裏側矯正)
それぞれの特徴やメリット・デメリットについては
👉 マウスピース矯正 vs ワイヤー矯正|違い・メリット・デメリットを徹底比較 をチェック!
✔ 治療中のリスク管理
・ 「歯根吸収」 → 定期的なレントゲン撮影で歯根の長さを確認する。
・ 「歯茎の後退」 → 矯正前に歯周病がないかチェックし、歯茎の健康を維持する。
・ 「噛み合わせの変化」 → 途中で違和感を感じたら早めに医師に相談する。
✔ 金銭的リスクを回避する
・ 治療費の総額を事前に確認する
・ 矯正治療には装置代だけでなく、調整料・診断料・保定装置代 などの費用がかかる。
・ 「総額でいくらかかるのか?」をしっかり確認し、追加料金が発生しないか事前に把握 しておく。
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7. 大人の歯列矯正、リスクだけじゃない!メリットも知って賢く選択する

矯正治療にはリスクが伴いますが、適切に対策すれば安全に治療を進めることができます。
しかし、大人の歯列矯正には、単なる「歯並びの改善」以上の大きなメリットがあるのをご存知ですか?
例えば、
✔ コンプレックスの改善
✔ 噛み合わせが改善され、食事がしやすくなる
✔ 口腔内のケアがしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが減る
✔ 発音が改善され、話しやすくなる
ただし、矯正治療にはリスクも伴うため、メリットとデメリットの両方を理解したうえで判断することが重要です。
詳しくは
👉 大人の歯科矯正は遅くない!治療のメリット・費用・注意点を解説 でご紹介しています。
8. まとめ:大人でも安全に歯列矯正を受けるために

大人であっても、歯列矯正は危険ではないということがおわかりいただけたでしょうか。
歯列矯正は子どもでも大人でも少なからずリスクを伴う治療です。
大切なことは、治療方法によって異なる特徴を知ることでリスクを避けられるということです。
その結果、もし治療中に問題があってもきちんと対処できるため危険なことはありません。
治療計画をしっかり立て、信頼できる歯科医院で適切な方法を選べば、安全に治療を進めることができます。
不安な点がある場合は、まずは専門医に相談しましょう。
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