- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人聖礼会理事長。ICOI国際インプラント学会認定医・指導医、日本口腔インプラント学会認定医・専門医、臨床研修指導医、インプラントフェロー認定、iACD歯科総合認定医・研究指導医。
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歯列矯正は人生において重要な投資と言えるでしょう。口元の健康や美しい笑顔は生活の質を向上させ、自信を持って過ごすためにも不可欠です。しかし、その費用は一般的に高額であり、特に日本では自由診療として扱われるため、クリニックによって料金が異なります。
本記事では、歯列矯正の費用に関する細かい情報を掘り下げ、さまざまな視点から解説します。
- 1. 歯列矯正の種類別費用相場
- 1-1. 表側矯正(ワイヤー矯正):30万~130万円
- 1-2. 裏側矯正(ワイヤー矯正):40万~170万円
- 1-3. ハーフリンガル矯正:35万~150万円
- 1-4. マウスピース矯正:10万~100万円
- 2. 治療段階別の費用内訳
- 2-1. 矯正前にかかる費用
- 2-2. 矯正中にかかる費用
- 2-3. 矯正後にかかる費用
- 3. クリニックごとに費用が異なる理由
- 3-1. 保険が適用されない自由診療
- 3-2. 矯正装置や治療方法の違い
- 3-3. 症例の難易度と技術の違い
- 4. 歯列矯正の支払い方法
- 4-1. 処置別払いシステム
- 4-2. トータルフィーシステム
- 5. よくある費用に関する質問
- Q1. 上の歯や下の歯だけ矯正する場合、費用はどうなりますか?
- Q2. 治療中に追加費用が発生することはありますか?
- Q3. 矯正装置を一時的に外したい場合、費用はどれくらいかかりますか?
- Q4. 再矯正をする場合の費用は?
- Q5. 引っ越しなどで通院できなくなった場合、費用は返金される?
- 6. 歯列矯正の費用を抑える方法
- 6-1. デンタルローンを活用する
- 6-2. 医療費控除を利用する
- 6-3. モニター制度を活用する
- 6-4. 学生割引を利用する
- 7. 自分に合った料金プランを選ぶためのポイント
- 7-1. カウンセリングを受ける
- 7-2. 治療内容を理解する
- 7-3. 支払いプランの柔軟性
- 8.まとめ
1. 歯列矯正の種類別費用相場
歯列矯正の費用は、使用する矯正装置や治療の範囲によって異なります。ここでは、一般的な矯正装置の種類ごとの費用相場を紹介し、各装置のメリットとデメリットについても詳しく見ていきます。
1-1. 表側矯正(ワイヤー矯正):30万~130万円
表側矯正は最もよく知られた方法で、金属製のブラケットを歯の表面に装着してワイヤーで歯を動かします。金属製ブラケットは耐久性があり、効果的な治療が行えるため、費用は比較的安価で30万~80万円程度です。一方、審美性を重視する方には、セラミックやジルコニア製のブラケットも選択可能で、費用は60万~130万円と高めです。
・治療の流れ:表側矯正では、最初に歯の型を取ってブラケットを作成し、定期的に通院してワイヤーの調整を行います。調整は月に1度程度で、治療期間は2~3年が目安です。
・メリット:さまざまな症例に対応でき、歯の大幅な移動が必要な場合にも有効です。
・デメリット:装置が目立つため、審美面での悩みを抱える患者さんもいます。
1-2. 裏側矯正(ワイヤー矯正):40万~170万円
裏側矯正は、ワイヤーを歯の裏側に装着するため、装置が目立ちません。このため、ビジネスや接客業を行っている方には人気の高い方法です。しかし、装置が舌に当たりやすく、しゃべりにくさを感じることもあります。
・装置の特性:裏側矯正はオーダーメイドで、精密な技術が必要なため、装置の作成から装着に至るまでの過程が複雑です。そのため、費用が高くなりがちです。
・メリット:周囲に気付かれにくい。
・デメリット:発音が影響を受けることがあり、装着に時間がかかる場合もあります。
1-3. ハーフリンガル矯正:35万~150万円
ハーフリンガル矯正は、上の歯は裏側、下の歯は表側に装置を装着する方法です。目立ちにくさを維持しつつ、費用を抑えたい方に適しています。
・費用の構成:表側と裏側の技術を組み合わせるため、部分的な費用調整が必要です。
・メリット:審美性と機能性のバランスが取れる。
・デメリット:発音に影響がある、費用が高い
1-4. マウスピース矯正:10万~100万円
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを用いて歯を動かす方法で、見た目がほとんど目立たないため人気があります。特に「インビザライン」と呼ばれるブランドが広く知られています。使用するマウスピースの枚数や治療範囲によって費用が変わります。
・治療期間と管理:一般的に2週間ごとに新しいマウスピースに交換し、歯を少しずつ動かしていきます。自己管理が必要なため、患者さんの協力が不可欠です。
・メリット:取り外しが可能で衛生的。
・デメリット:自己管理ができないと治療が進まない可能性があります。重度の歯列不正には対応できないことがあるため、事前に相談が必要です。
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2. 治療段階別の費用内訳
歯列矯正にかかる費用は、治療段階ごとに大きく異なります。矯正治療を理解するには、「矯正前」「矯正中」「矯正後」に分けて費用を確認することが重要です。
2-1. 矯正前にかかる費用
矯正を始める前には、初回カウンセリングや精密検査、歯周病治療などが必要です。
・初回カウンセリング:無料〜5,000円。カウンセリングでは、歯並びの問題点や治療の流れを詳しく説明されます。
・精密検査:10,000〜65,000円。レントゲン撮影や歯型採取など、治療計画を立てるために必要です。
・虫歯や歯周病治療:1,500〜10,000円/回。矯正治療の前に歯の健康状態を改善しておくことが求められます。
・抜歯:5,000~15,000円/本。矯正前の抜歯は原則自由診療です。重度の虫歯や歯周病に罹患しているケースは、保険適用となる可能性もあります。
2-2. 矯正中にかかる費用
矯正中は、装置料や調整料が発生します。
・矯正装置料:10万〜170万円。装置の種類によって変動します。
・調整料:3,000〜10,000円/回。調整料は通院のたびに発生し、通院頻度は1~2か月に1回が一般的です。
矯正中は、装置の調整や交換を行いながら、歯を少しずつ動かしていきます。
2-3. 矯正後にかかる費用
矯正が終わった後も、歯が元の位置に戻らないようにするための保定期間があります。この期間中に発生する費用も、矯正治療の一部と考えておく必要があります。
・保定装置料:1万〜6万円程度。リテーナーと呼ばれる保定装置を使用し、歯並びを固定します。リテーナーには着脱式のものや固定式のものがあり、それぞれ費用が異なります。
・観察料:3,000〜5,000円/回。保定期間中は数か月に1度の通院で経過観察が行われ、装置が適切に機能しているか確認されます。リテーナーを使用することで、後戻りのリスクを抑えることができます。
保定装置の種類
・固定式リテーナー:歯の裏側に固定され、外れないようにセットされます。目立たず装着感も少ないですが、取り外しができないため清掃に注意が必要です。
・着脱式リテーナー:透明なマウスピース型やワイヤー入りのものがあります。取り外しができるため、食事や歯磨きの際に便利ですが、装着時間を守らないと後戻りのリスクが高まります。
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3. クリニックごとに費用が異なる理由
歯列矯正は自由診療であるため、治療費用がクリニックによって異なることはよくあります。費用が異なる理由について詳しく説明します。
3-1. 保険が適用されない自由診療
日本では、歯列矯正の多くは自由診療として扱われます。保険適用になるのは、特定の症例に限られており、例えば先天的な口唇口蓋裂や顎変形症などが対象です。一般的な噛み合わせ改善や美観を目的とする矯正は保険適用外であるため、全額自己負担になります。
保険診療の例:
・病気や怪我による治療
・医療上の理由から必要な場合
これに対し、審美的な理由で行う矯正は、治療にかかる費用がクリニックごとに異なる設定が可能です。
3-2. 矯正装置や治療方法の違い
矯正装置の種類や治療の方法によっても費用は異なります。特に、裏側矯正やマウスピース矯正など、高度な技術が必要な治療法は、経験豊富な専門医が行うため費用が高くなる傾向があります。また、矯正範囲によっても料金が変わります。部分矯正では全体矯正に比べて費用が抑えられますが、対応できる症例が限られます。
使用する材料:金属製、プラスチック製、セラミック製のブラケットなど、素材によっても費用が異なります。審美的に目立たない素材を選ぶと、費用が高くなります。
3-3. 症例の難易度と技術の違い
治療の難易度によっても費用は変動します。例えば、複雑な症例では治療期間が長引き、その分調整料や管理費が増えることがあります。さらに、裏側矯正など特殊な矯正では、装置の作成と装着に高度な技術を要するため、専門的な技術料が加算されることが多いです。
例:噛み合わせが悪く、複数本の歯を抜歯して大幅な移動を必要とする症例では、費用が高くなる傾向にあります。
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4. 歯列矯正の支払い方法
支払い方法はクリニックによって異なり、患者さんにとって都合の良い方法を選ぶことができます。主に「処置別払いシステム」と「トータルフィーシステム」の2種類がありますが、それぞれのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
4-1. 処置別払いシステム
処置別払いシステムは、治療のたびに発生した費用を都度支払う方法です。例えば、矯正装置料を一括で支払い、その後は調整料などを毎回支払います。
メリット:
・支払いが分割されるため、毎回の負担額が少なくて済む。
・支払い方法がフレキシブルで、計画的に費用を管理できる。
デメリット:
・最終的な総額が不透明になりやすい。
・通院のたびに費用を準備する必要がある。
4-2. トータルフィーシステム
トータルフィーシステムは、治療開始前に全体の費用を提示し、一括または分割で支払う方法です。調整料や追加費用が含まれていることが多く、治療の途中で予期せぬ費用が発生しにくいのが特徴です。
メリット:
・総額が明確で、治療期間中の費用計画が立てやすい。
デメリット:
・初期費用が高くなることがあり、一度に大きな支払いが発生する可能性がある。
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5. よくある費用に関する質問
矯正治療についてよく寄せられる質問をまとめました。
Q1. 上の歯や下の歯だけ矯正する場合、費用はどうなりますか?
片顎のみの矯正は、全体矯正に比べて費用が抑えられることが多いです。一般的な片顎矯正の費用は10万~40万円程度です。ただし、片顎矯正が適用できる症例は限られるため、クリニックでの相談が必要です。
Q2. 治療中に追加費用が発生することはありますか?
治療中に追加費用が発生するケースは少なくありません。例えば、矯正装置の破損や紛失による再作成費用、クリーニング代、ホワイトニングを併用する場合などです。
Q3. 矯正装置を一時的に外したい場合、費用はどれくらいかかりますか?
特別なイベントや重要な行事がある際に、矯正装置を一時的に外したいという希望がある場合もあります。ワイヤー矯正の場合、装置を外す手間と再装着のための費用がかかることが一般的です。
費用の目安:
・装置を外す際の料金:1個につき3,000円程度
・外した期間に装着するマウスピースの費用:1万円程度
このような処置を希望する際には、クリニックによって対応が異なるため、事前に担当医に相談しましょう。
Q4. 再矯正をする場合の費用は?
歯列矯正後に歯が後戻りしてしまい、再度矯正が必要になるケースもあります。再矯正にかかる費用は、1回目と同様に発生することが多いですが、クリニックによっては保証制度を設けている場合があります。保証期間内で条件を満たしていれば、無料や割引価格で再矯正を受けられることがあります。
保証が適用される条件:
・指示通りにリテーナーを装着している
・定期的な経過観察に通っている
再矯正の費用の目安: 軽度の後戻りであれば、比較的安価で対応できることもありますが、一般的に20万~50万円程度かかることがあります。
Q5. 引っ越しなどで通院できなくなった場合、費用は返金される?
矯正治療中に引っ越しや転勤などで通院が難しくなった場合、進行状況に応じて一部返金が受けられることがあります。ただし、返金ポリシーはクリニックによって異なるため、治療を開始する前に確認しておくことが重要です。さらに、新しいクリニックで治療を再開する際には、新たに費用が発生します。
転院時のポイント:
・転院先のクリニックに治療経過を引き継ぐための紹介状を作成してもらう
・新しいクリニックでの治療方針と費用について確認する
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6. 歯列矯正の費用を抑える方法
矯正治療を希望する多くの患者さんが費用について懸念を抱えています。ここでは、歯列矯正にかかる費用を抑えるための具体的な方法を紹介します。
6-1. デンタルローンを活用する
デンタルローンは、矯正治療の費用を数回に分けて支払える便利な方法です。高額な矯正費用を一度に支払わずに済むため、患者さんの経済的負担を軽減できます。
ポイント:
・クリニックが提携しているローン会社があるか確認する
・年利や支払い条件を比較し、最適なプランを選ぶ
月々の負担額の例:100万円の治療を年利4.0%で5年間のローンを組んだ場合、月々の返済額は約18,000円になります。
6-2. 医療費控除を利用する
歯列矯正にかかった費用は、特定の条件下で医療費控除の対象になります。1年間に支払った医療費が10万円以上であれば、確定申告を通じて所得控除を受けることが可能です。噛み合わせの改善を目的とした治療が対象で、見た目の改善だけを目的とする場合は控除対象外になることがあります。
医療費控除の申請に必要なもの:
・治療費の領収書
・医療費控除の明細書
例: 年収500万円の方が歯列矯正に120万円を支払った場合、控除額は約11万円となり、税金の一部が還付される可能性があります。
6-3. モニター制度を活用する
矯正治療を提供するクリニックでは、治療モニターを募集していることがあります。治療中の写真提供やアンケートへの協力など、一定の条件を満たすことで通常料金よりも割安で治療を受けられる場合があります。
モニター募集のポイント:
・募集条件を確認し、適合するかどうかを確認する
・症例写真の利用に抵抗がない場合は、費用を大幅に抑えられるチャンスです
6-4. 学生割引を利用する
多くのクリニックで学生割引を提供しており、学生のうちに矯正治療を始めることで費用を抑えることができます。これは、矯正治療を受ける若年層を支援するために設けられたプログラムで、通常料金から10%〜20%の割引が適用されることがあります。
適用条件:
・学生証の提示
・一定年齢以下であること(クリニックごとに異なる)
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7. 自分に合った料金プランを選ぶためのポイント
歯列矯正の費用を比較検討する際、価格だけでなく治療内容やクリニックの評判も重視することが大切です。以下は、最適な料金プランを選ぶ際のポイントです。
7-1. カウンセリングを受ける
複数のクリニックで無料カウンセリングを受け、治療方針や費用の見積もりを比較することをおすすめします。カウンセリングでは、治療方法や期間、使用する装置、総額の見積もりを詳しく確認できます。
質問の例:
・治療期間はどのくらいですか?
・追加費用は発生しますか?
・保証制度はありますか?
7-2. 治療内容を理解する
治療方法によって得られる結果や費用が異なるため、自分に合った方法を選ぶことが重要です。例えば、部分矯正で済む場合は、全体矯正よりも費用が大幅に安くなることがあります。
7-3. 支払いプランの柔軟性
クリニックが提供する支払いプランを確認し、自分の経済状況に合った方法を選びましょう。分割払いが可能な場合、無理なく治療を進めることができます。
以上を踏まえて、歯列矯正を検討する際には、自分のライフスタイルや経済状況、治療の希望に合ったクリニックを見つけることが大切です。費用だけでなく、治療の質や信頼性を総合的に判断して、納得のいく選択をしてください。
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8.まとめ
歯列矯正は、見た目だけでなく噛み合わせや口内全体の健康を改善するための重要な治療です。今回の記事では、歯列矯正の種類ごとの費用相場や治療段階別の内訳、クリニックごとに費用が異なる理由を詳しく解説しました。
特に必要な治療は何かを見極め、自分に合った治療法を選ぶことが大事です。 また、デンタルローンや医療費控除、モニター制度など、費用を重視した方法も積極的に活用しましょう。複数のクリニックでカウンセリングを受け、治療方針や料金プランを十分に比較することで、納得のいく選択ができるはずです。
矯正治療は正しい治療を選択すれば、将来の歯と口腔の健康を大きく向上させる投資となります。 この記事が歯列矯正を検討する方の判断材料として役立ち、理想的な笑顔と健康な口元を手に入れる一助となれば幸いです。
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