- この記事の監修者
-
歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

歯列矯正に興味はあるものの、「費用って実際いくらかかるの?」「矯正は金額が高すぎて踏み切れない」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか?
歯列矯正と一言でいっても、歯並びは人それぞれ違い、矯正にかかる値段も異なります。
また、歯列矯正は自由診療が一般的となっており、同じ施術でもクリニックによって料金設定が違うため、値段がわかりにくいと感じても無理はありません。
この記事では、2025年の最新データをもとに
・歯列矯正の平均費用と装置別の相場
・矯正前・中・後にかかる費用の総額と内訳
・医療費控除や分割払いなど費用負担を抑える方法
をわかりやすく解説していきますので、歯列矯正を検討する際の参考にしてみてください。
\信頼できる矯正医を探すなら
「WE SMILE」/
- 1. 全国の歯列矯正費用の平均(自由診療の相場)は80~120万円程度
- 2. 矯正の種類ごとの費用相場
- 2-1. 表側矯正(ワイヤー矯正):30万~130万円
- 2-2. 裏側矯正(ワイヤー矯正)
- 2-3. ハーフリンガル矯正:35万~150万円
- 2-4. マウスピース矯正:10万~100万円
- 3. 矯正の種類以外に値段を決める3つのポイント
- 3-1. 矯正の対象範囲:部分矯正・全体矯正
- 3-2. 矯正時の年齢:成人矯正・小児矯正
- 3-3. クリニックの立地:都市部・地方
- 4. 歯列矯正治療の段階別費用(総額の内訳)
- 4-1. 矯正前にかかる費用
- 4-2. 矯正中にかかる費用
- 4-3. 矯正後にかかる費用
- 5. 歯列矯正の値段がクリニックによって違う理由
- 6. 安すぎる歯列矯正は大丈夫?
- 6-1. 費用が安いからといって質が低いとは限らない
- 6-2. 信頼できる矯正専門医を選ぶ
- 7. 歯列矯正費用の支払いシステム
- 7-1. 処置別払いシステム
- 7-2. トータルフィーシステム
- 8. 歯列矯正の費用を抑える3つの方法
- 8-1. 院内分割(クリニック独自の分割制度)を利用する
- 8-2. 医療ローン(デンタルローン)を活用する
- 8-3. 医療費控除の対象になるか確認する
- 9. 自分に合った料金プランを選ぶための3つのポイント
- 9-2. カウンセリングを受ける
- 9-3. 治療内容を理解する
- 9-4. 支払いプランを確認する
- 10. 歯列矯正費用に関するよくある質問
- Q1. 上の歯や下の歯だけ矯正する場合、費用はどうなりますか?
- Q2. 治療中に追加費用が発生することはありますか?
- Q3. 矯正装置を一時的に外したい場合、費用はどれくらいかかりますか?
- Q4. 再矯正をする場合の費用は?
- Q5. 引越しなどで通院できなくなった場合、費用は返金される?
- Q6. 低価格の矯正(激安矯正)って安全?
- 11. まとめ|歯列矯正の費用を理解して、自分に合った治療法を選ぼう
1. 全国の歯列矯正費用の平均(自由診療の相場)は80~120万円程度

※以下の費用相場・内訳は2025年時点の全国的な傾向をもとにしています。
最新の治療動向に基づいた情報としてご活用ください。
日本矯正歯科学会によると、歯列全体を矯正する場合、初回カウンセリングから保定期間の通院までを含めた総額の目安はおおよそ「80万~120万円程度」といわれています。
とはいえ、あくまでもこれは全体矯正の目安です。
前歯のみの部分矯正の場合だと10万円程度で矯正できる場合があります。
一方、コストがかかるといわれている裏側矯正で全体矯正を行なうケースだと、170万円程度かかることも珍しくないでしょう。
歯列矯正の値段は、治療部位や治療方法、クリニックによって異なるため、一概にいくらとはいえないのが実情です。
また、歯列矯正の多くは自由診療であり、地域や設備によっても値段は変動します。
【全国の費用相場】
| 価格帯 | 費用相場 | 補足 |
| 最低価格帯 | 約10万円 | 前歯のみなどの部分矯正の場合 |
| 標準価格帯 | 約80万~120万円 | 全体矯正の場合 |
| 最高価格帯 | 約170万円 | 全体矯正かつ裏側矯正など、コストがかかる場合 |
2. 矯正の種類ごとの費用相場

歯列矯正は、矯正方法によって費用が大きく異なります。
ここでは、矯正方法ごとにそれぞれの費用相場を見ていきましょう。
| 矯正方法 | 費用相場(全体矯正) | 費用相場(部分矯正) | 治療期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 表側矯正(ワイヤー矯正) | 60万~130万円 | 30万~60万円 | 1年~3年 |
| 裏側矯正(ワイヤー矯正) | 100万~170万円 | 40万~70万円 | 1年~3年 |
| ハーフリンガル矯正 | 80万~150万円 | 35万~65万円 | 1年~3年 |
| マウスピース矯正 | 60万~100万円 | 10万~60万円 | 半年~2年半 |
2-1. 表側矯正(ワイヤー矯正):30万~130万円

相場:全体矯正60~130万円、部分矯正30~60万円
表側矯正とは、歯の表面にブラケットという装置を付け、そこにワイヤーを通して歯並びを整える矯正方法です。
ワイヤー矯正や、ブラケット矯正と呼ばれることもあります。
表側矯正の金額も決して安くはありませんが、矯正治療のなかでは負担を抑えられる方法の一つです。
歯列矯正のなかでも歴史がある治療法であり、歯並びが悪くても、ほとんどの場合治療できるという大きなメリットがあります。
一方、表側の見える位置にブラケットとワイヤーが設置されるため、矯正中はどうしても目立ってしまい、ほかの人の視線が気になってしまうという声があるのも事実です。
・関連記事
2-2. 裏側矯正(ワイヤー矯正):40万~170万円

相場:全体矯正100万~170万円、部分矯正 40万~70万円
裏側矯正は、名前の通り歯の裏側に矯正装置を付けるため、見た目が気にならない治療方法として知られています。
リンガル矯正や舌側矯正とも呼ばれます。
目立ちにくい反面、歯の裏側の形は複雑で一人ひとり異なるうえ、狭く見えにくい場所に施術する必要があり、表側矯正に比べて歯科医師の高い技術力が欠かせません。
時間もかかることから、表側矯正の約1.3倍から1.5倍程度高い価格帯になるのが一般的です。
・関連記事
2-3. ハーフリンガル矯正:35万~150万円

相場: 全体矯正80万~150万円、部分矯正35万~65万円
上の歯は裏側、下の歯は表側に装置を付けて矯正する方法です。見た目を重視しつつもコストを抑えたい方向けの矯正方法ともいえます。
下顎の装置が表側に付いているため、裏側矯正(上下フルリンガル)に比べると口のなかの違和感が軽減されて発音への影響も少ないというメリットがあります。
ハーフリンガル矯正は、裏側矯正と比べると費用は抑えられますが、表側矯正やマウスピース矯正と比べると費用がかかるのが一般的です。
・関連記事
2-4. マウスピース矯正:10万~100万円

相場:全体矯正60万~100万円、部分矯正10万~60万円
透明なマウスピースを使った、取り外しが可能な矯正方法です。
マウスピース矯正では、治療の進み具合に応じて、形状の異なるマウスピースを装着していくことで歯を動かします。
ほかの矯正方法に比べるとコストが抑えられ、目立ちにくく審美性に優れていることでも知られています。
マウスピース矯正は、装置やブランドにいくつかの種類があり、ブランドやクリニックごとに対応できる症例や通院スタイル、費用が異なることを覚えておきましょう。
また、矯正といえば歯科医院に定期的に通院して進めていくのが一般的ではありますが、オンライン診療で矯正を進めていけるケースもあります。
・関連記事
3. 矯正の種類以外に値段を決める3つのポイント

歯列矯正の費用を決めるのは、矯正方法だけではありません。
ここでは、矯正の種類以外に値段が変動するポイントを3つ見ていきましょう。
3-1. 矯正の対象範囲:部分矯正・全体矯正
列矯正には「部分矯正」と「全体矯正」の2種類があります。
部分矯正の方が歯を動かす範囲が狭い分、コストを抑えられる傾向にあります。
| 治療範囲 | 費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 部分矯正(前歯のみ) | 10万~60万円 | 軽度な歯並びの乱れを修正 |
| 全体矯正(すべての歯) | 60万~170万円 | 咬み合わせの改善を含む本格的な治療 |
✅ 部分矯正が向いている人
・軽い歯並びのズレを治したい
・短期間で矯正したい(半年~1年)
✅ 全体矯正が向いている人
・噛み合わせも含めてしっかり治したい
・2~3年以上かけてでも理想的な歯並びを目指したい
部分矯正と全体矯正、実際にどちらにするかはクリニックでカウンセリングを受けて医師と相談して決めなければなりません。
仮に部分矯正を希望していたとしても、上下の歯のバランス全体を見直す必要がある場合は、全体矯正でしか治療できないケースがあることも覚えておきましょう。
・関連記事
3-2. 矯正時の年齢:成人矯正・小児矯正

何歳で歯列矯正を始めるかによっても、価格は変動します。
大人と子どもの歯列矯正の目安となる費用は下記のとおりです。
| 対象 | 平均費用 | 治療の特徴 |
|---|---|---|
| 子ども(12歳以下) | 30万~60万円 | 骨格の成長を利用して矯正できる |
| 大人(12歳以上) | 60万~150万円 | 歯を抜く矯正も多く、治療期間が長い |
大人に比べて12歳以下の子どものほうが、矯正費用が抑えられるのが一般的です。
子どもの矯正は6~12歳頃に行なう「第一期治療」と、12歳以降に行なう「第二期治療」に大きく分けられます。
二期治療は永久歯が生えそろってから表側矯正やマウスピース矯正で歯並びを整える施術方法です。
一方、早期に行なう一期治療では、床矯正と呼ばれる矯正方法を取ります。
床矯正とは、取り外し式の床装置(マウスピースなど)を用いて顎を広げることにより、永久歯が生えるスペースを確保する治療法です。
一期治療では、顎の成長を促して永久歯がきれいに並ぶ土台を作ることが可能で、約10~30万円程度でできるケースも珍しくありません。
お子さんそれぞれの骨格や歯並び、成長度合いによって、矯正が必要なタイミングや治療方法は異なるため、気になる場合には早めの相談がおすすめです。
・関連記事
3-3. クリニックの立地:都市部・地方
歯列矯正の範囲や年齢以外に、地域による価格差もあります。
矯正費用は、地方に比べて都市部の方が高くなる傾向があります。
都市部の方が高くなる主な理由は、下記の3点です。
☑賃料や人件費が高い傾向にある
☑設備やサービスが充実しているクリニックが多い
☑競争が激しく、質の高い治療が求められる
歯列矯正は自由診療であるため、家賃や人件費などのコストが矯正費用に反映されるのは当然ともいえるでしょう。
また、都市部ではクリニック同士の競争もあることから、最新の設備やサービスを提供して差別化を図るクリニックも存在します。
設備や治療の質を考えると都市部のクリニックがよいのでは、と感じる方もいるかもしれません。
しかし、地方のクリニックにも専門性の高い矯正医や最新の治療を行なう医院は存在するので、必ずしも都市部のクリニックが優れているわけではないと理解しておきましょう。
4. 歯列矯正治療の段階別費用(総額の内訳)

矯正にかかる費用を理解するには、治療段階ごとにどのような費用がいくらかかるのかを知っておくことも重要です。
ここからは、歯列矯正治療の具体的な費用を「矯正前」「矯正中」「矯正後」の大きく3つに分けて見ていきましょう。
4-1. 矯正前にかかる費用
矯正を始める前には、初回カウンセリングや精密検査、歯周病治療などが必要です。
| 項目 | 費用相場 | 内容 |
|---|---|---|
| 初回カウンセリング | 無料~1万円 | 歯並びの状態や施術方法、治療の流れ、費用の目安などの説明を受ける。 |
| 精密検査 | 1万円~6万5000円 | レントゲン撮影や歯型採取などにかかる費用。 |
| 虫歯や歯周病治療 | 1500円~1万円/回 | 矯正治療の前に歯の健康状態を改善しておく必要がある。 |
| 抜歯 | 5000円~1万5000円 | 矯正前の抜歯は原則自由診療。重度の虫歯や歯周病に罹患しているケースでは、保険適用となる可能性もある。 |
初回カウンセリングと精密検査は、クリニックによっては同時に行なわれます。
いずれも、矯正を進めるか判断するために、歯科医師にとっても患者本人にとっても欠かせないステップです。
歯の状態によっては、虫歯治療や抜歯が必要となることもあります。
初回カウンセリングや精密検査時に、虫歯治療の必要性や抜歯の有無を確認しておきましょう。
4-2. 矯正中にかかる費用
矯正中は、装置料や調整料が必要です。
| 項目 | 費用相場 | 内容 |
|---|---|---|
| 矯正装置料 | 20万円~170万円 | 矯正方法や内容によって変動する |
| 調整料 | 3000円~1万円/回 | 通院のたびに発生する。通院頻度は1~2カ月に1回が一般的。 |
矯正中は、装置の調整や交換を行ないながら、歯を少しずつ動かしていきます。
なお、クリニックによっては調整料が矯正装置料に組み込まれています。
4-3. 矯正後にかかる費用
歯列矯正では、矯正が終わったあとも歯が元の位置に戻らないようにするための保定期間があります。
この期間中に発生する費用も、矯正治療の一部と考えておきましょう。
| 項目 | 費用相場 | 内容 |
|---|---|---|
| 保定装置料 | 1万~6万円 | リテーナーと呼ばれる保定装置を使用し、歯並びを固定する。 着脱式や固定式があり、それぞれ費用が異なる。 |
| 観察料 | 3000円~5000円 | 保定期間中は数ヵ月~1年に1度の通院で経過観察を行ない、装置が適切に機能しているか歯科医師が確認する。 |
矯正後は、リテーナーを使用することで、後戻りのリスクを抑えることができます。
ちなみに、保定装置は大きく次の2つに分類されます。
固定式リテーナー:歯の裏側に固定され、外れないようにセットされます。目立たず装着感も少ないですが、取り外しができないため歯磨きを十分に行なう必要があります。
着脱式リテーナー:透明なマウスピース型やワイヤー入りのものがあります。取り外しができるため、食事や歯磨きの際に便利ですが、装着時間を守らないと後戻りのリスクが高まります。

\信頼できる矯正医を探すなら
「WE SMILE」/
5. 歯列矯正の値段がクリニックによって違う理由

ここまで紹介したように、歯列矯正の費用は一概にいくらとは断言できません。同じ施術方法であったとしても、クリニックによって費用が異なることはよくあります。
それは、歯列矯正の多くが自由診療だからです。
歯列矯正で保険適用になるのは特定の症例に限られています。
例えば、先天的な口唇口蓋裂や顎変形症、そのほかの病気やけがによる治療のように医療上必要とされた場合などです。これらの治療は健康保険の対象となり、国によって費用の基準が決められています。
一方、一般的な噛み合わせの改善や美観を目的とする矯正は保険適用外であり、全額自己負担が原則です。保険治療と異なり、クリニックが自由に金額を決定できるため、治療費に差が生じやすくなっています。
保険適用外と聞くとマイナスに聞こえるかもしれません。
しかし、自由診療であることから、医師と相談したうえで矯正方法や治療期間を柔軟に選択可能です。審美性や快適さなど要望に合った歯列矯正を受けられるのは、自由診療の大きなメリットといえるでしょう。
・関連記事
6. 安すぎる歯列矯正は大丈夫?

歯列矯正の費用はクリニックや矯正方法によって大きく違いますが、コストを抑えたい反面、低価格であることに不安を感じる方もいるかもしれません。
ここでは、安価な歯列矯正の安全性や注意すべきポイントを見ていきましょう。
6-1. 費用が安いからといって質が低いとは限らない
歯列矯正は自由診療が一般的なため、同じ施術内容であってもクリニックによって10万円以上の価格差が出るケースもあります。
歯列矯正は、安いからだめということはありません。
高い施術力を持ちながらも低価格で矯正を行なってくれるクリニックは存在します。
とはいえ、費用の安さだけを重視して歯列矯正を選ぶと、後悔する可能性があるため注意が必要です。
専門家によると、費用相場よりも極端に安価な治療では「装置の品質」や「医師の経験・技術力」が十分でないケースも存在するとのことです。
実際に、「安価なクリニックを選んだら、装置が頻繁に壊れた」、「歯が期待通りに動かなかった」という声もあります。
結果、治療途中でクリニックを変えたり再矯正が必要になったりと、当初よりも多くの費用や時間がかかってしまうこともあるため注意が必要です。
6-2. 信頼できる矯正専門医を選ぶ
治療費用を比較検討する際は、金額はもちろんですが、矯正専門医がいるか、必要な診断装置や設備が整っているかなど、総合的な視点でも判断するようにしましょう。
例えば、クリニックのこれまでの歯列矯正の実績やアフターサポートの有無を確認しておくことで、矯正開始後の「こんなはずじゃなかった」というトラブルの防止になります。
歯列矯正の実績はホームページに記載している医院もありますが、実際にカウンセリングの際に質問することも可能です。
低価格で不安を感じた場合は、価格の理由を訊ねてみるのもいいかもしれません。
例えば、ウィ・スマイルの提携クリニックのように、コスト削減や取り扱い症例数の多さから低価格を実現できるケースもあります。
・関連記事
\信頼できる矯正医を探すなら
「WE SMILE」/
7. 歯列矯正費用の支払いシステム

矯正費用を比較検討する際には、矯正費用に特有の支払いシステムも理解しておきましょう。
歯列矯正の支払いには、主に「処置別払いシステム」と「トータルフィーシステム」の2種類があります。それぞれのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
7-1. 処置別払いシステム
処置別払いシステムは、治療のたびに発生した費用を都度支払う方法です。
矯正装置料に関しては一定の金額を支払うことになりますが、その後にかかる再診料や調整料などは毎回支払いが必要です。
☑メリット
・支払いが分割されるため、毎回の負担額が少なくて済む
・支払い方法がフレキシブルで、計画的に費用を管理できる
☑デメリット
・最終的な総額が不透明になりやすい
・通院のたびに費用を準備する必要がある
処置別払いシステムでは、治療期間が予定よりも早く終わった場合には再診料や調整料の支払いを抑えられます。
一方、治療が予定通りに進まないケースでは総額がかさんでしまう可能性があることも覚えておきましょう。
7-2. トータルフィーシステム
トータルフィーシステムは、治療開始前に全体の費用を提示し、一括または分割で支払う方法です。
調整料や追加費用が含まれていることが一般的で、治療の途中で予期せぬ費用が発生しにくいのが特徴です。
☑メリット
・総額が明確で、治療期間中の費用計画が立てやすい
☑デメリット:
・初期費用が高くなることがあり、一度に大きな支払いが発生する可能性がある
トータルフィーシステムと称する場合でも、クリニックによっては調整料や保定装置(リテーナー)代は別途必要であるケースもあります。
カウンセリングや見積もりの際に、何が含まれているのか、ほかに必要な支払いはないのか十分に確認しましょう。
8. 歯列矯正の費用を抑える3つの方法

歯列矯正の具体的な費用やシステムを紹介していましたが、矯正費用は決して安くない金額であり、矯正治療を希望する多くの方が歯列矯正の費用に懸念を抱えています。
ここでは、歯列矯正にかかる費用を抑えるための具体的な方法を3つご紹介します。
8-1. 院内分割(クリニック独自の分割制度)を利用する
支払い総額が変わるわけではありませんが、院内分割を活用すれば無理のない支払い計画を立てることが可能です。
院内分割とは、クリニックが独自に提供する分割払い制度です。
クレジットカードを使えば分割払いは可能ですが、手数料がかかってしまいます。
一方、院内分割では信販会社を通さないため、分割手数料がかからないことも珍しくなく、その分費用を抑えられるというメリットがあります。
院内分割の有無はクリニックによって異なります。希望するクリニックで院内分割が可能か、分割回数や金額も含めて確認しておくと安心です。
・関連記事
8-2. 医療ローン(デンタルローン)を活用する
院内分割と同様に、デンタルローンも矯正治療の費用を数回に分けて支払える便利な方法です。
デンタルローンは、歯科医院と信販会社が提携して提供する歯科治療費専用のローンです。
借入した金額に応じて利息が発生しますが、高額な矯正費用を一度に支払わずに済むため、治療開始時の経済的負担を軽減できます。
デンタルローンを利用するには、信販会社の審査を通る必要があります。未成年や、本人に収入がない場合、一般的には利用できません。
また、院内分割と同様に、対応しているかはクリニックによって異なるため、希望する場合は提携しているローン会社の有無や、年利、支払い条件を確認しましょう。
月々の負担額の例:
100万円の治療を年利4.0%で5年間のローンを組んだ場合、月々の返済額は約1万8,000円になります。
8-3. 医療費控除の対象になるか確認する
歯列矯正にかかった費用は、歯科医師が「医学的な必要性がある」と判断すれば、年齢に関係なく医療費控除の対象になります。
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告をすることで所得税や住民税の一部が還付される制度です。
目安となる医療費は年間10万円ですが、所得によっても異なるため、詳しくは税務署で確認しましょう。
例えば、噛み合わせの改善を目的とした治療や、発達段階の子どもなど、矯正の必要性があると医師が判断した場合は医療費控除の対象になるのが一般的です。
しかし、見た目の改善だけを目的とする場合は控除対象外になります。
医療費控除の対象になるか、事前に医師に相談してみることをおすすめします。
確定申告で医療費控除を申請するには、下記のものが必要になります。
・治療費の領収書
・医療費控除の明細書
例: 年収500万円の方が歯列矯正に120万円を支払った場合、控除額は約11万円となり、税金の一部が還付される可能性があります。
・関連記事
9. 自分に合った料金プランを選ぶための3つのポイント

歯列矯正をどこのクリニックで受けるか、料金プランをどう選べば良いか迷った際に、取り組むべき3つのポイントを紹介します。
カウンセリングを受ける

複数のクリニックで無料カウンセリングを受け、治療方針や費用の見積もりを比較しましょう。
カウンセリングでは、総額の見積もりはもちろん、治療方法や期間、使用する装置などを詳しく確認できます。
不明点があれば、カウンセリングに具体的に質問してみましょう。
よくある質問として、次のようなものがあります。
☑質問の例
・治療期間はどのくらいですか?
・追加費用は発生しますか?
・保証制度はありますか?
その際、歯科医師やスタッフの対応が親切か、説明がわかりやすいかもチェックしておくと安心です。
歯列矯正では長期間通うことになるため、費用面での不安がないことも大事ですが、気兼ねなく相談できるクリニックを選びましょう。
治療内容を理解する

治療方法によって得られる結果や費用は異なるため、自分に合った矯正方法を選ぶことも重要なポイントです。
例えば、部分矯正で済む場合は、全体矯正よりも費用が大幅に安くなることがあります。
しかし、部分矯正では噛み合わせ全体を改善することはできません。
治療内容を理解せずに料金プランだけで歯列矯正を始めてしまうと、後悔する要因にもなります。場合によっては「費用が思っていた以上にかかってしまった」といったトラブルにもなりかねません。
歯並びは人それぞれ異なるため、治療方法と費用も異なることを理解したうえで、希望に合った治療ができるクリニックを選びましょう。
支払いプランを確認する

クリニックが提供する支払いプランを確認し、 自分の経済状況に合った支払い方法を選びましょう。
先に述べたように、歯列矯正の支払い方法は一括払いだけではありません。
デンタルローンや院内分割などの方法を選択することで、治療開始時の費用負担を軽減しながら無理なく治療を進めることができます。
ですが、分割払いには回数に制限がある場合もあります。金利やキャンセル時の対応も確認したうえで、どの支払方法がご自身に合うのか見極めましょう。
・関連記事
歯列矯正費用に関するよくある質問

ここでは、矯正治療についてよく寄せられる質問をまとめました。
Q1. 上の歯や下の歯だけ矯正する場合、費用はどうなりますか?
片顎のみの矯正は、全体矯正に比べて費用が抑えられることも多くあります。
一般的な片顎矯正の費用は10万~40万円程度です。
ただし、片顎矯正が適用できる症例は限られるため、クリニックでの相談が必要です。
・関連記事
Q2. 治療中に追加費用が発生することはありますか?
治療中に追加費用が発生するケースは少なくありません。
例えば、矯正装置の破損や紛失による再作成費用、クリーニング代、ホワイトニングを併用する場合などがあります。カウンセリングや契約時など、事前に追加費用の有無や金額の目安を確認しておくと安心です。
Q3. 矯正装置を一時的に外したい場合、費用はどれくらいかかりますか?
特別なイベントや重要な行事がある際に、矯正装置を一時的に外したいと考える方もいるでしょう。
矯正方法によって費用は異なりますが、例えばワイヤー矯正の場合では、装置を外す手間と再装着のため下記の費用がかかることが一般的です。
☑費用の目安
・装置を外す際の料金:1個につき3,000円程度
・外した期間に装着するマウスピースの費用:1万円程度
取り外しの処置を希望する際には、クリニックによって対応が異なるため、事前に担当医に相談しましょう。
Q4. 再矯正をする場合の費用は?
歯列矯正後に歯が後戻りしてしまい、再度矯正が必要になるケースもあります。
再矯正にかかる費用は、1回目と同様に発生することもありますが、クリニックによっては保証制度を設けている場合があります。保証期間内で条件を満たしていれば、無料や割引価格で再矯正を受けられることがあります。
☑保証が適用される条件
・指示通りにリテーナーを装着している
・定期的な経過観察に通っている
☑再矯正の費用の目安:
軽度の後戻りであれば、比較的安価で対応できることもありますが、一般的に20万~50万円程度かかることがあります。
Q5. 引越しなどで通院できなくなった場合、費用は返金される?
矯正治療中に引越しや転勤などで通院が難しくなった場合、進行状況に応じて一部返金を受けられることがあります。
ただし、返金ポリシーはクリニックによって異なるため、治療を開始する前に確認しておくことが重要です。
また、新しいクリニックで治療を再開する際には、新たに費用が発生することも覚えておきましょう。
☑転院時のポイント
・転院先のクリニックに治療経過を引き継ぐための紹介状を作成してもらう
・新しいクリニックでの治療方針と費用について確認する
Q6. 低価格の矯正(激安矯正)って安全?
「〇〇万円で矯正可能!」といった広告を見かけることもありますが、安さだけで選ぶのは危険です。
⚠️注意すべきポイント
☑部分矯正のみで全体矯正ができないケースの存在
☑追加費用(調整料・保定装置費など)が発生する可能性
☑矯正専門ではない歯科や経験の少ない医師による治療のリスク
☑アフターケアが不十分で後戻りやトラブルの対応が不安
低価格の矯正を選ぶ際は、治療範囲・総額費用・医師の実績をしっかり確認し、複数のクリニックを比較することが大切です。
まとめ|歯列矯正の費用を理解して、自分に合った治療法を選ぼう

歯列矯正の費用は、治療方法やクリニックによって大きく異なります。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正、部分矯正や裏側矯正など、矯正方法にもよりますが、相場は10万円~170万円と非常に幅広く、一概にいくらとはいえないのが実情です。
人それぞれ向いている矯正方法や矯正期間も異なるため、まずはカウンセリングで大まかな費用と治療方法を把握してみるとよいでしょう。
また、費用を検討する際は初診料・検査料・調整料・リテーナー費用など矯正にかかる総額を正しく把握することが大切です。
支払いシステムや支払方法も、クリニックによって異なりますが、医療費控除や分割払いを活用することで、負担の軽減も可能です。
📝 この記事でわかったこと
・矯正方法によって費用が大きく異なる(10万~170万円)
・初診・検査・装置・調整・保定など、総額には複数の費用が含まれる
・医療費控除・デンタルローンなど費用を抑える手段がある
ウィ・スマイルでは、LINEやWEBで気軽に相談でき、お近くのクリニックを簡単に予約できます。
クリニックによっては相談・検査・診断料が0円から可能で、治療費定額制で追加費用もかからないため、費用面での不安も軽減できるでしょう。
矯正費用が気になる方、矯正しようか迷っている方は、まずはお気軽にご相談ください。
\信頼できる矯正医を探すなら
「WE SMILE」/






















