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ひどい出っ歯の判断基準は?身体への影響や治療方法も解説

湊 寛明
湊 寛明
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

上の前歯が目立って前に出ていると、見た目だけでなく、食事や会話にも影響が出ることがあります。

噛み合わせや顎の骨格に原因があり、放置すると肩こりや頭痛、口腔内トラブルにもつながる可能性もあるのです。

 

しかし、自分が「ひどい出っ歯」か判断できず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、ひどい出っ歯の判断基準セルフチェック方法をご紹介します。

原因や身体への影響、治療方法も解説しますので、自分に合った治療の選択に役立ててください。

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1. ひどい出っ歯の判断基準

出っ歯と一口にいっても、状態の軽いものから重いものまでさまざまです。

 

ここでは、出っ歯の定義と、「ひどい出っ歯」とはどのような状態を指すのかの判断基準をご紹介します。

1-1. そもそも出っ歯とは

出っ歯とは、上下の歯を噛み合わせたときに、上の前歯が前方に突き出ている状態、またはそのように見える歯並びのことです。

歯科用語では上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれます。

出っ歯は、主な原因によって次の2タイプに分類されます。

 

・歯槽性(しそうせい)上顎前突:前歯の傾きや生え方など、歯並びに起因するタイプ

・骨格性(こっかくせい)上顎前突:上顎の骨が前に出ていたり、下顎の骨が小さかったりするなど、顎の骨格に原因があるタイプ

 

一般的な目安としては、上の前歯が下の前歯よりも約4mm以上前に出ている場合に、出っ歯と判断されます。

1-2. 出っ歯の重症度の目安

「ひどい出っ歯」かどうかは、上の前歯が下の前歯よりどのくらい前に出ているかによって判断されます。

 

上下の歯の、前後の位置関係を「オーバージェット」といい、この値が大きくなるほど重度の出っ歯といえます。

 

具体的な目安は次のとおりです。

 

・軽度:+4mm程度

・中等度:+4~6mm程度

・重度:+6~7mm以上

 

なお、標準的なオーバージェット(出っ歯ではない状態)の値は+2~3mmとされています。

このことから、「ひどい=重度」ととらえると、ひどい出っ歯とは「オーバージェットが+6~7mm以上」の状態といえるでしょう。

 

ただし、見た目の印象や気になる度合いには個人差があり、上記はあくまでも目安です。

2. ひどい出っ歯が身体におよぼす影響

ここでは、ひどい出っ歯によって起こりやすい身体への影響について、詳しく見ていきましょう。

 

2-1. 顔のバランスが崩れやすくなる

上の前歯が前に出ていると、口元が全体的に前へ突き出して見えることがあります。

そのため、横顔のラインや、正面から見たときの印象に違和感が出ることがあるでしょう。

 

口元や唇のふくらみが強調される、いわゆる口ゴボに見えるケースもあるほか、顎のラインや鼻とのバランスにも影響します。

 

また、口元が前に出ていることで唇が閉じにくくなり、口が開いたままの状態が多くなることも、表情や個人の印象に影響を与えます。

人前での会話や笑顔、食事に自信が持てなくなる方も少なくありません。

 

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2-2. 咀嚼しにくくなる

上の歯が下の歯よりも大きく出ていることで、前歯の噛み合わせがずれた状態になるため、前歯で食べ物をうまく噛み切ることが難しくなります。

その結果、無意識のうちに奥歯ばかりを使ってしまい、特定の歯や顎関節に負担がかかる可能性があります。

 

また、片側だけで噛む癖がつくこともあり、顔の筋肉の使い方が偏ってしまうケースもあるでしょう。

しっかりと噛めないまま飲み込むことが増えると、胃腸に負担がかかり、消化不良を起こすこともあります。

2-3. 顎関節症・肩こり・頭痛が起きやすくなる

噛み合わせのずれは、顎の関節にも大きな負担を与えます。

その状態が続くと、顎を動かすときに痛みを感じたり、口を開けにくくなったりする「顎関節症」につながることがあります。

 

また、顎の筋肉の緊張が首や肩の筋肉にまでおよぶと、慢性的な肩こりや頭痛を引き起こしてしまうこともあるのです。

眠りの質の低下や、ストレスによるイライラなど、全身の不調につながることも考えられます。

2-4. 口腔内トラブルのリスクが高まる

上の歯が前に出ていると口が閉じにくくなり、口が開いたままになる時間が増えるため、口の中が乾燥しがちになります。

口腔内の乾燥は唾液の分泌量低下を招き、さまざまな問題の原因となるのです。

 

唾液には、口の中をきれいに保つ自浄作用や、細菌の繁殖を抑える殺菌作用、さらには消化やスムーズな食事を助ける大切な役割があります。

そのため、唾液が減ると口内が不衛生になり、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうのです。

 

さらに、風邪やインフルエンザなどに感染しやすくなってしまうリスクもあります。

2-5. 発音・滑舌が悪くなりやすい

出っ歯の状態では、上下の前歯の間に隙間ができやすく、発音の際に空気がもれやすくなります。

このため、言葉をはっきり発音しにくくなり、滑舌が悪く感じられることがあります。

 

特に「さ行」「た行」「ら行」などが言いにくくなる方が多いようです。

3. 出っ歯がひどくなる原因

出っ歯には、生まれつきの体質や骨格の影響によるものと、成長過程や生活習慣の中で少しずつ進行していくものがあります。

 

出っ歯がひどくなる原因を先天的な原因後天的な原因に分けてご紹介します。

3-1. 先天的な原因

先天的な原因には、次のようなものがあります。

 

・遺伝

・顎の成長過程における異常

・歯の大きさや位置

 

遺伝による骨格の特徴や歯並びの傾向が影響し、出っ歯になりやすいことがあります。

また、顎の発育が上下で均一でなかった場合など、成長過程の異常が前歯の突出につながることがあります。

 

さらに、歯の大きさも原因となり、上の前歯そのものが大きいと目立ちやすいです。

歯が生える位置や角度の違いでも歯並びが乱れ、出っ歯の原因になり得ます。

3-2. 後天的な原因

後天的な原因には、次のようなものがあります。

 

・癖や習慣

・口呼吸

・虫歯や抜歯など歯のトラブルと治療

・管楽器の演奏

 

爪や下唇を噛む癖や、舌で前歯を押す癖は、出っ歯につながる原因の一つです。

子どもの頃におしゃぶりや指しゃぶりをしていた場合も、前歯突出に影響している可能性があるでしょう。

また、口呼吸の癖は口を閉じる筋肉を衰えさせ、上の前歯が前に出やすくなります。

 

虫歯や抜歯も原因になり得ます。歯のトラブルや歯科治療で歯を失うと、できた隙間を埋めようと歯が動き、結果的に出っ歯になってしまうことがあるのです。

 

さらに、サックスやクラリネットなどのリードを使用する楽器を演奏する際も、歯を前に押し出す力がかかり、出っ歯につながることがあるでしょう。

 

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4. 出っ歯のセルフチェック方法

出っ歯の傾向があるかどうかは、いくつかの特徴から判断可能です。

 

次のような状態に思い当たる場合は出っ歯の可能性があります。

 

・横から見たときに、上唇が前に出ているように見える

・無意識に口が開きがちになる

・口を閉じるのに力が必要で、意識しないと閉じにくい

・口を閉じると顎にシワができる

・下の前歯が上の前歯に3分の2以上隠れる

・笑うと歯茎が目立って見える

 

また、自宅で簡単に確認できるチェック方法もあります。

 

一つは、定規を鼻の先端と顎の先に軽く当てる方法です。

このとき、上唇に強く定規が当たるようであれば、出っ歯の傾向があると考えられます。

 

もう一つは、上下の前歯の距離を水平に測る方法です。

上の前歯から下の前歯までの距離が4mm以上ある場合は、出っ歯の可能性が高いでしょう。

5. ひどい出っ歯の治療方法

出っ歯の改善には、症状に応じた治療法の選択が大切です。

 

ここでは主な3つの治療方法をご紹介します。

5-1. マウスピース矯正

軽度の出っ歯では、矯正治療の内容は比較的シンプルで、前歯の傾きの修正が主な治療内容です。

こうした軽度~中等度の出っ歯の治療には、インビザラインなどに代表されるマウスピース矯正が適しています。

 

この方法は、透明なマウスピースを装着して少しずつ歯を動かすもので、目立ちにくく、自分で着脱できるのが特徴です。

 

【治療期間の目安】

9ヵ月~3年程度

 

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5-2. ワイヤー矯正

一般的な歯列矯正の方法であり、幅広い症例に対応できるのがワイヤー矯正です。

歯の表面(表側矯正)または裏側(裏側矯正)にブラケットとワイヤーを装着し、少しずつ歯を理想的な位置へ移動させます。

 

表側矯正:装置が見えやすいものの、細かい調整がしやすく、重度の症例にも対応可能

裏側矯正:外から見えにくく、奥歯のほうへ引く力をかけやすいため、出っ歯の矯正に向いている

 

さらに、上の歯は裏側矯正、唇で隠れやすい下の歯は表側矯正にする「ハーフリンガル矯正」という方法もあり、見た目と効果のバランスを取ることができます。

 

【治療期間の目安】

表側矯正:1年4ヵ月~3年2ヵ月程度

裏側矯正:1年8ヵ月~3年程度

ハーフリンガル矯正:2年~2年6ヵ月程度

 

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5-3. 外科手術をともなう矯正

骨格そのものに原因がある出っ歯や、前歯の突出が非常に強いケースでは、歯列矯正だけでは十分な改善が難しい場合があります。

そのような場合は、顎の骨を整える外科手術と矯正治療を複合した「外科的矯正治療」が選択されます。

 

手術を行なうことで噛み合わせが改善されるだけでなく、顔の輪郭や横顔の印象の変化が期待できるでしょう。

 

ただし、治療は長期にわたり、手術の1年以上前から計画を立て、入院をともなうのが一般的です。

また、術後一定期間は痛みや腫れ、食事制限などへの対処も求められます。

 

治療法を選ぶ際は、担当医としっかり話し合い、リスクと効果を理解したうえで決定することが大切です。

 

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6. 出っ歯の矯正中・矯正後に気を付けること

矯正治療を安全に進め、良い結果を長く保つためには、日々の過ごし方にも注意が必要です。

 

治療中は、装置を壊すおそれがある硬い食べ物や、粘り気のある食べ物は控えましょう

食材は小さく切り、十分に噛んでゆっくりと摂取するのがおすすめです。また、栄養バランスの良い食事は、免疫強化など身体の内側から回復や歯の安定をサポートします。

 

さらに、舌癖や爪噛みなど、歯並びを悪化させかねない癖は、少しずつ改善しましょう。

 

なお、矯正後には必ずリテーナー(保定装置)を装着し、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防止します。

治療中もリテーナー装着期間中も、装置の周りを丁寧に磨いて清潔に保つことが大切です。

7. ひどい出っ歯は自力で治せる?

残念ながら、出っ歯を自力で根本的に治すことはできません

 

口周りの癖の改善や、口周りの筋肉の強化など、出っ歯をひどくする原因を取り除くことはできますが、それらが自分に適した方法とは限らず、かえって歯並びに悪影響を与えるおそれさえあります。

 

また、指や舌で前歯を押して動かそうとするのも危険です。

一時的に動いたように見えても、誤った方向に力がかかり、歯並びや歯茎に悪影響となることがあるでしょう。

 

自己流を試さず、歯科医院で適切な診断と治療を受けることが、出っ歯改善への近道です。

 

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8. まとめ|ひどい出っ歯を改善するなら信頼できる歯科医師に相談を

ひどい出っ歯は、見た目や咀嚼、発音、全身の健康にも影響することがあります。

 

早めに原因や状態を把握し、適切な矯正治療や生活習慣の改善を検討することが大切です。

自分に合った治療方法で出っ歯を改善し、理想の口元を手に入れましょう。

 

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