
- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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「出っ歯は自力で押すと治せる?」「出っ歯のセルフケアがあるなら知りたい」
ネットやSNSで「出っ歯は押すと治せる」といった噂を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
歯並びで悩んでいると、自力でできるなら試してみたいと考えるのも自然なことです。
しかし、前歯を自力で押して治そうとするのはやめておきましょう。
無理に歯を押すことで歯列のバランスが崩れ、噛み合わせが悪化する可能性があります。また、予期せぬトラブルを引き起こしてしまうリスクもあるのです。
この記事では、出っ歯を悪化させないためのセルフケア方法や、歯列矯正を受けることで得られる3つのメリットについて詳しく解説します。
- 1.出っ歯(上顎前突)は自力で治せない
- 1-1.押して治る可能性とその限界
- 1-2.無理に押すと悪化することも!リスクに注意
- 2.出っ歯の原因は主に2つ
- 2-1.遺伝
- 2-2.生活習慣
- 3.出っ歯を悪化させないためのセルフケア方法
- 3-1.舌癖をなおす
- 3-2.爪の噛み癖を止める
- 3-3.指しゃぶりを4〜5才までにやめる
- 4.出っ歯を矯正する3つのメリット
- 4-1.理想の見た目に近づく
- 4-2.虫歯や歯周病を予防できる
- 4-3.噛み合わせを改善できる
- 5.出っ歯の矯正治療方法とそれぞれの費用・治療期間
- 5-1.マウスピース矯正
- 5-2.ワイヤー矯正
- 5-3.セラミッククラウンによる歯列矯正(セラミッククラウン法)
- 5-4.外科手術
- 6.まとめ:出っ歯は押さずに正しい治療で改善しよう
1.出っ歯(上顎前突)は自力で治せない

出っ歯は上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれ、上の前歯が下の前歯より4mm以上突出している状態をいいます。
歯列矯正は矯正装置で力を加えて治療します。
そのため、自力で押すのと理論上は同じだと思われがちです。ただ、自力で歯を押すのにはリスクが伴います。
出っ歯を自力で治せない理由は以下の通りです。
- ・理論上は可能だが現実的には不可能
- ・無理に押すとさらに悪化する場合がある
1-1.押して治る可能性とその限界
出っ歯の歯列矯正は、矯正器具を使用して前に突出した上の前歯を後方に移動させる治療です。
理論上では、自力で上の歯を後方へ押せばセルフケアが可能です。
しかし、矯正治療では1日に20時間以上、一定の力を歯に加え続ける必要があります。
矯正器具はこの圧力を常に維持しながら、歯を理想の位置へと移動させます。
一方で、自力では睡眠中や日常生活の中で継続的に力を加えることはできません。
そのため、実際には出っ歯を自力で改善するのは現実的ではありません。
1-2.無理に押すと悪化することも!リスクに注意
たとえ前歯を押し続けることができたとしても、自力で出っ歯を治すのはおすすめできません。
焦って「早く治したい」と思うあまり、強い力で短期間に押してしまう人もいますが、これは非常に危険です。
歯列矯正は、本来少しずつ適切な圧力をかけながら、時間をかけて歯並びを整える治療です。
一方、無理に歯を後ろへ押すと、歯列のバランスが崩れて噛み合わせが悪くなる可能性があります。
また、セルフケアで思わぬトラブルを引き起こすこともあります。
たとえば、歯肉炎や歯周病がある場合、無理な力が歯茎に負担をかけ、症状を悪化させるリスクがあります。
その結果、余分な治療費が必要になることもあります。
歯並びを整えたいなら、専門の歯科クリニックで矯正治療を受けるのが最善の方法です。
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2.出っ歯の原因は主に2つ

出っ歯の原因は、先天的なものと後天的なものの2種類に分けられます。
- ・遺伝
- ・生活習慣
遺伝が原因の出っ歯は生活習慣で予防・改善するのは難しく、矯正治療が必要になります。
また、歯並びには生活習慣も大きく影響するため、とくに成長期の子どもは、毎日の習慣を意識することで、将来の歯並びを良い状態に保つことができます。
2-1.遺伝
親の歯並びが悪くても、必ずしも子どもの歯並びが悪くなるわけではありません。
なぜなら、遺伝するのは主に顎や歯の大きさ、形といった特徴だからです。
出っ歯の原因としては、「上顎全体が前に出ている」「下顎が小さく後退している」といった骨格の問題が挙げられることがあります。
これらの先天的な骨格が原因の場合、生活習慣の改善や矯正治療だけでは改善が難しく、顎を動かす手術が必要になることもあります。
まずは歯科クリニックで、自分の出っ歯の原因がどこにあるのかをしっかり相談し、矯正治療で改善できるかを確認してみましょう。
2-2.生活習慣
出っ歯は、日々の生活習慣によって引き起こされることがあります。
歯ぎしりや食いしばりなど、長期間にわたって歯に負担をかける行為が続くと、歯並びに影響を与える場合があります。
出っ歯の原因となる可能性がある生活習慣には、以下のようなものがあります。
・舌で歯を押したり触る癖
・口呼吸
・唇をかむ癖
これらの癖を見直し、改善することで、歯列の乱れを防ぎ、出っ歯になるリスクを減らすことができます。
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3.出っ歯を悪化させないためのセルフケア方法

出っ歯を押して治すことはおすすめできませんが、進行を抑えるためのセルフケアは可能です。
以下のような方法を取り入れてみましょう。
- ・舌癖をなおす
- ・爪の噛み癖を止める
- ・指しゃぶりを4〜5才までにやめる
ただし、骨格が原因の出っ歯はセルフケアだけでは改善が難しい場合があります。それでも、生活習慣の見直しは歯列の乱れを予防する重要なステップです。
すでに前歯が出てきている場合でも、日々の癖を改善することで出っ歯の悪化を防ぐことができます。
生活習慣を見直し、歯の健康を守りましょう。
3-1.舌癖をなおす
出っ歯の原因のひとつに「舌で前歯を押すクセ」があり、舌癖には2種類あります。
- ・常に舌を前歯に当てている
- ・無意識で食事の際に押してしまう
無意識だと、食べ物を飲み込むときに舌で押し込むつもりが前歯も押してしまいます。
そのため、気づかないうちに出っ歯が悪化するかもしれません。
また、歯列矯正を受けた場合でも舌癖には注意しましょう。
とくに、治療後しばらくの間は歯が不安定なので、舌癖によって後戻りする可能性があります。
3-2.爪の噛み癖を止める
硬い爪を日常的に噛み続けると、出っ歯を悪化させる可能性があります。
また、爪を噛む癖は切端咬合(せったんこうごう)のリスクにもつながります。
切端咬合とは、上の歯と下の歯の先端同士がぶつかり、歯が欠けてしまうリスクがある症状です。
いずれも歯列に影響するだけでなく、衛生的にも問題があるため爪を噛むのはやめましょう。
3-3.指しゃぶりを4~5才までに止める
指しゃぶりは、出っ歯だけでなく、さまざまな歯並びの問題を引き起こす可能性があります。
たとえば、上の歯と下の歯がしっかり噛み合わない「開咬(かいこう)」も、指しゃぶりが原因の一つとされています。
特に子どもは骨格が成長する大切な時期です。
悪い生活習慣を早めに直してあげることで、将来の歯並びや口元の健康を守ることができます。
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4.出っ歯を矯正する3つのメリット

出っ歯を矯正して歯並びを整えることで、次のようなメリットが得られます。
- ・理想の見た目に近づく
- ・虫歯や歯周病を予防できる
- ・噛み合わせを改善できる
口元のコンプレックスで笑顔になれない、虫歯が頻繁にできるといった悩みは歯列矯正で解決できる可能性があります。
4-1.理想の見た目に近づく
出っ歯が気になって、「見た目に自信が持てない…」と感じている人もいるかもしれません。
口元が気になると、笑うときに手で隠したり、思い切り笑えないことってありますよね。
歯列矯正で歯並びを整えれば、そんな悩みも解消できます。
笑顔を思い切り楽しめるようになったり、写真撮影でも口元を気にしなくて済むようになるでしょう。自然と笑顔が増えれば、気持ちも前向きになれるかもしれません。
きれいな歯並びは清潔感があり、周りからの印象も良くなります。
矯正治療を始めることで、自信がついて理想の自分に一歩近づけるかもしれません。
4-2.虫歯や歯周病を予防できる
前歯が前に突出していると、歯磨きがしづらくなり、磨き残しが起きやすくなります。
その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まることがあります。
歯並びを整えることで、これまで歯ブラシが届きにくかった場所もきちんと手入れできるようになり、虫歯や歯周病の予防につながります。
さらに、口内環境が整うことで歯を健康に保ちやすくなり、将来的に丈夫な歯を維持できる可能性が高まります。
また、食べ物の残りが口の中にたまりにくくなるため、口臭予防にも役立ちます。
歯並びを改善することで、見た目だけでなく、口内の健康全体が向上します。
4-3.噛み合わせを改善できる
出っ歯は前歯だけでなく、歯全体の噛み合わせにも影響を与えます。
噛み合わせが悪いと、食べ物を十分に噛まずに飲み込んでしまい、消化不良を引き起こすことがあります。
一方で、噛み合わせが改善されると、均等に噛めるようになり、顔のバランスが整ったり、体の歪みや肩こりの軽減につながる可能性があります。
歯列矯正は、歯並びを整えるだけでなく、体全体のバランスをサポートする治療ともいえるでしょう。
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5.出っ歯の矯正治療方法とそれぞれの費用・治療期間

出っ歯を矯正する際は、一般的な歯列矯正か抜歯を伴う治療法があります。
主な治療法は下記の通りです。
- ・マウスピース矯正
- ・ワイヤー矯正
- ・セラミッククラウンによる歯列矯正(セラミッククラウン法)
- ・外科手術
歯を並べる場所が足りず抜歯を伴う場合、犬歯と奥歯の間にある第一小臼歯を抜歯して、スペースを確保します。
一方で、抜歯をしない矯正には歯を残せるメリットがあり、治療のハードルも低いでしょう。
ただ、無理に矯正すると噛み合わせの悪化を招くリスクがあります。
そのため、歯列矯正を受ける際は知識や経験が豊富なクリニックがおすすめです。
■参考記事:失敗しない矯正歯科医院の選び方とは?一般歯科と専門医院の違い
5-1.マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、透明のマウスピース型矯正装置(アライナー)で歯並びを整える治療法です。
矯正中は、約2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら歯を移動していきます。
メーカーによっては全顎矯正も可能です。
軽度な出っ歯やすきっ歯など、部分矯正にも適している矯正方法です。
マウスピース矯正のメリットとして、「目立たない」「取り外せる」という2点があげられます。
周囲の目を気にせずに治療できるため、生活上でストレスを感じません。
また、取り外せるため食事や歯磨きなどもしやすく、虫歯や歯周病のリスクも軽減できます。
注意点として、マウスピース矯正中は1日20時間以上の装着が必要です。
装着を忘れてしまうと計画通りに歯が動かず、場合によっては治療期間が伸びてしまうこともあります。
重度の出っ歯や叢生などはマウスピース矯正が適応しないケースもあるため、治療の際は歯科医師による診断が必要です。
目安費用:20万〜100万円程度
矯正期間:全体矯正で1〜3年程度、部分矯正で2ヶ月~1年程度
5-2.ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、ブラケットに通したワイヤーの力で歯列を整える矯正方法です。
矯正中は定期的に通院し、ワイヤーを調整しながら少しずつ歯を移動していきます。
ワイヤー矯正は、出っ歯を含めてさまざまな症状に対応しており、マウスピース矯正では対応できない歯並びも改善できます。
ワイヤー矯正は「装置が目立つから気が進まない」という人もいるでしょう。
装置の見た目が気になる場合は、歯の裏側に装着する裏側矯正(舌側矯正)も選択肢のひとつです。また、白や透明の器具(審美ブラケット)もあります。
ただ、どちらも一般的なワイヤー矯正に比べて費用は割高になります。
目安費用:30万〜130万円程度
矯正期間:全体矯正で1年半〜3年程度、部分矯正で3ヶ月~1年程度
5-3.セラミッククラウンによる歯列矯正(セラミッククラウン法)

セラミッククラウン法とは、人工歯(セラミッククラウン)を利用して歯の見た目を整える方法です。
この治療では、自分の歯を削って土台とし、その上にセラミックの差し歯を被せて、美しい歯並びを作り出します。
なお、セラミッククラウン矯正は、歯そのものを実際に動かす矯正方法ではありません。
そのため、噛み合わせや歯列全体の動きが必要なケースには適さない場合もあります。
セラミック矯正は、主に以下のような症状に向いている治療法です。
- ・前歯の一部分だけがすきっ歯になっている
- ・歯が数本だけ曲がって生えている
- ・矮小歯(わいしょうし:異常に小さい歯)によって隙間が目立つ
短期間で治療できることがメリットですが、高額の素材でも破損リスクや寿命があるため、長期的には治療費が高額になる可能性があります。
目安費用:歯1本あたり約10~20万円
目安期間:約1~2ヶ月
5-4.外科手術
出っ歯の原因が骨格の異常による場合、外科手術と矯正歯科治療を併用することが多いでしょう。
そのため、手術ができない歯科医院や矯正歯科の場合は、口腔外科や美容外科などで外科手術をします。
なお、厚生労働省が定める疾患については保険適用で治療が受けられます。
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6.まとめ:出っ歯は押さずに正しい治療で改善しよう

出っ歯を自力で押して治そうと試みたりするのは非常に危険です。
無理な力を加えることで歯にダメージを与える可能性があるため、自己判断ではなく、歯科医師の専門的なアドバイスを受けることが大切です。
特に子どもの出っ歯は、早めに相談することで適切な治療が可能になります。
子どもの成長期を活かしてあごの成長を促すことで、抜歯をせずに矯正できる場合もあります。
早い段階でのアプローチが、治療をスムーズに進めるポイントです。
大人の出っ歯の場合も、まずは歯科クリニックで相談してみましょう。
現在の歯並びや状態を診てもらい、自分に合った治療法を提案してもらうことが、出っ歯を改善する第一歩です。
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治療費は月額なので一度にまとまった金額を支払う必要がなく、月額1,760円〜と低価格です。
また、治療費には、毎月の調整料・治療後の保定管理料も含まれているため、通院するための費用もかかりません。
※「ウィ・スマイル」というマウスピース装置が存在するわけではなく、カウンセリングの上で、その医院が提供している適切なマウスピース矯正をお選びいただくことになります。
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