
- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

歯列矯正を考えたときに、「保険適用できたら費用が抑えられるのに…」と思ったことはありませんか?
この記事では、
・歯列矯正が保険適用となる条件
・対象症例
・手続きの流れ
・自由診療との費用差
・保険適用されない場合の費用負担を軽減するための具体的な方法
について詳しくご紹介します。
- 1. 歯列矯正は基本的に保険適用外?まず知っておきたい前提知識
- 2. 歯列矯正で保険適用される3つのケースとは?
- 2-1. 顎変形症による外科的矯正治療
- 2-2. 厚労省が定める「先天性疾患」がある場合
- 2-3. 6歳未満の子供で「咬合異常」と診断された場合
- 3. 保険適用を受けるための流れと手続き
- 3-1. 保険適用には「指定医療機関」での診察が必要
- 3-2. 精密検査と診断書の取得
- 3-3. 保険証・紹介状など必要書類を準備する
- 4. 保険適用と自由診療で費用はどれくらい違う?
- 4-1. 保険適用された場合の費用イメージ
- 4-2. 自由診療の場合の費用イメージ
- 5. 保険が使えない場合でも矯正費用を抑える3つの方法
- 5-1. 医療費控除を活用する
- 5-2. クレジットカードで分割払いを利用する
- 5-3. デンタルローンの利用
- 6. 保険適用を目指す前に知るべき2つの注意点
- 6-1. 保険適用のために無理な治療計画を立てない
- 6-2. 保険適用に必要な手続きや書類は煩雑
- 7. 歯列矯正の保険適用に関するよくある質問
- Q1. マウスピース矯正は絶対に保険が使えない?
- Q2. 保険適用の医院はどこで探せますか?
- Q3. 保険が使えない矯正でも、医療費控除は受けられますか?
- Q4. 顎変形症かどうかはどこで診断されますか?
- 8. まとめ|歯列矯正の保険適用は条件次第!早めの相談が安心
1. 歯列矯正は基本的に保険適用外?まず知っておきたい前提知識

まず大前提として、歯列矯正は原則「自由診療」で行われる治療です。
見た目を美しく整えたい、美容目的で歯並びを改善したいといった矯正は、健康保険の対象外となります。
ただし、すべての矯正が自由診療というわけではありません。
「顎変形症による外科手術が必要な場合」や「先天性疾患に伴う咬合異常」など、医学的に必要と認められる特別なケースでは、保険適用されることがあります。
次の章では、具体的にどのようなケースで歯列矯正が保険適用になるのか、詳しく見ていきましょう。
2. 歯列矯正で保険適用される3つのケースとは?

「どんな場合に保険が効くの?」と気になる方に向けて、実際に保険適用される3つの代表的なケースをご紹介します。
条件や具体例も一緒に見ていきましょう。
2-1. 顎変形症による外科的矯正治療
顎の骨格に大きなズレや変形があり、外科手術が必要と判断された場合、「顎変形症」として保険適用の対象になります。
たとえば以下のような症状が該当します:
・受け口(下顎前突)
・出っ歯(上顎前突)
・顔の左右非対称 など
この場合、ワイヤー矯正と顎の手術を併用する「外科的矯正治療」が行われます。
なお、保険適用を受けるには、厚生労働省が指定する自立支援医療機関で治療することが条件です。
2-2. 厚労省が定める「先天性疾患」がある場合
先天性疾患による噛み合わせの異常がある場合も、保険適用となることがあります。
具体的には、厚労省が定める140種以上の疾患が対象です。
例として:
・唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)
・ダウン症
・ゴールデンハー症候群 など
このような病気により、機能的な問題(咀嚼・発音など)を抱える場合、矯正治療に保険が使える可能性があります。
■詳しくはこちら
2-3. 6歳未満の子供で「咬合異常」と診断された場合
6歳未満の小児で、噛み合わせの異常(咬合異常)が顕著な場合、保険適用されることがあります。
例えば、早期に受け口や噛み合わせのズレが見られ、医師が「機能障害につながる」と診断した場合は、治療の一部に保険が適用される可能性があります。
ただし、医院の診断基準によって判断が分かれることもあるため、事前に相談が必要です。
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3. 保険適用を受けるための流れと手続き

歯列矯正が保険適用されるケースに該当しても、正しい手続きを踏まなければ保険は適用されません。
ここでは、保険適用を受けるために必要な流れとポイントをわかりやすく解説します。
3-1. 保険適用には「指定医療機関」での診察が必要
保険適用の歯列矯正を受けるには、厚生労働省の基準に適合し、地方厚生(支)局に届け出済みの「保険医療機関」で治療を行う必要があります。
なかでも、顎変形症など外科手術を伴うケースでは、「顎口腔機能診断施設」として認定された医療機関での診断と治療が必須です。
また、先天性疾患が関係する症例では、「指定自立支援医療機関(育成・更生医療)」での受診が条件になる場合もあります。
いずれの場合も、治療を開始する前に、保険適用が可能かどうかを矯正専門医や医療機関に確認しておくことが重要です。
3-2. 精密検査と診断書の取得
保険適用を受けるためには、単なる「口頭の説明」だけでは認められません。
必ず、以下の手続きを踏む必要があります。
・レントゲンや模型採取などの精密検査
・医師による医学的診断書の作成
特に顎変形症の場合は、手術の必要性を医学的に証明する「顎変形症診断書」が必須です。
診断書の発行には別途費用がかかることもあるため、事前に費用や流れを確認しておくと安心です。
3-3. 保険証・紹介状など必要書類を準備する
保険適用で矯正治療を受けるには、診断書のほかにも、以下のような書類が求められることがあります。
・保険証(健康保険証)
・診断書(顎変形症・対象疾患など)
・必要に応じて紹介状
・手術に関する承諾書(外科矯正の場合)
書類提出後、審査や承認までに時間がかかる場合もあるため、矯正治療を始める前に余裕を持って準備を進めましょう。
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4. 保険適用と自由診療で費用はどれくらい違う?

歯列矯正は「保険適用されるかどうか」で、かかる費用が大きく変わります。
ここでは、保険適用と自由診療、それぞれの費用感の違いや注意点について詳しく解説します。
4-1. 保険適用された場合の費用イメージ
保険適用で歯列矯正を行った場合、費用は一般的に自己負担3割になります。
たとえば、
■精密検査費用:約3万〜5万円
■矯正治療費用:約20万〜30万円(自己負担分)
といった金額感が一般的です。
さらに、顎変形症の場合は外科手術費用も保険適用となり、自己負担額は30万〜50万円前後に収まることが多いです(※症例や医療機関により異なります)。
4-2. 自由診療の場合の費用イメージ
自由診療で歯列矯正を行う場合、費用は全額自己負担です。
目安としては、
■全体矯正(ワイヤー矯正):約60万〜170万円
■全体矯正(マウスピース矯正):約60万〜100万円
■部分矯正(前歯だけなど):約20万〜50万円
が一般的な相場です。
また、通院ごとの調整料(3,000円〜10,000円/回)やリテーナー(保定装置)代などが別途かかるため、トータルではさらに上乗せされることも少なくありません。
【保険適用・自由診療それぞれの費用感まとめ表】
項目 | 保険適用矯正 | 自由診療矯正 |
---|---|---|
費用負担割合 | 3割負担 | 10割負担 |
治療費(目安) | 約20万〜30万円(自己負担分) | 約60万〜120万円以上 |
外科手術費用 | 保険適用対象 | 基本自由診療(医院により異なる) |
対象症例 | 顎変形症・先天性疾患など | すべての審美目的矯正 |
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5. 保険が使えない場合でも矯正費用を抑える3つの方法

保険適用外の歯列矯正は、自己負担額が高くなる傾向がありますが、いくつかの方法を上手に活用することで、費用を抑えることが可能です。
ここでは、自由診療の矯正治療でも活用できる3つの費用軽減策をご紹介します。
5-1. 医療費控除を活用する
自由診療の矯正でも、「噛み合わせ改善」や「機能回復」が目的と判断されれば、医療費控除の対象になります。
✅ 医療費控除のポイント
・1年間の医療費が10万円以上(または所得の5%以上)かかると控除可能
・家族分の医療費も合算OK
・確定申告で所得税・住民税の還付を受けられる
控除を受けるには、治療費の領収書や明細書の保管が必須です。
適用条件や申請方法については、国税庁の公式サイトなどで事前に確認しましょう。
■ さらに詳しい手続き方法や控除額の目安については、以下の記事で詳しく解説しています。
5-2. クレジットカードで分割払いを利用する
多くの歯科医院では、クレジットカード決済に対応しています。
分割払いを活用することで、一度に大きな費用を支払わずに済みます。
メリット | 内容 |
---|---|
手軽で手続きが簡単 | 歯科医院でそのままクレジット決済が可能 |
ポイント・マイルが貯まる | カード会社によっては還元率が高く、旅行や買い物にも活用できる |
初期費用の負担軽減 | 一括払いよりも月々の出費を抑え、家計管理がしやすくなる |
※注意点として、分割払いは手数料や金利が発生する場合があるため、あらかじめ返済計画を立てておきましょう。
5-3. デンタルローンの利用
デンタルローンは、歯科治療専用のローンで、クレジットカードよりも低金利で長期分割がしやすいのが特徴です。
✅ デンタルローンの特徴
・長期(最長10年など)の返済が可能
・クレジットカードよりも金利が低いことが多い
・審査はローン会社によるが、歯科医院が提携しているケースも
高額な矯正治療でも月々の返済額を抑えやすく、無理のない計画が立てやすいメリットがあります。
迷った場合は、通院予定の歯科医院に「提携ローンの有無」や「具体的な金利」について相談してみましょう。
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6. 保険適用を目指す前に知るべき2つの注意点

歯列矯正で保険適用が可能な場合でも、事前に知っておくべき「注意点」や「リスク」がいくつか存在します。
保険適用を目指すあまり、思わぬ落とし穴にはまらないように、ここで紹介するポイントをしっかり押さえておきましょう。
6-1. 保険適用のために無理な治療計画を立てない
保険適用を受けるために、本来は必要のない外科手術を希望してしまうケースがごくまれにあります。
たとえば、軽度の出っ歯や受け口の場合、外科手術を伴わない矯正(=自由診療)で十分に改善可能なケースもあります。
しかし「費用を抑えたい」という理由だけで手術を望むと、身体への負担や治療の長期化・後悔につながるリスクがあります。
また、健康保険が適用されたとしても、「医学的な基準」によって治療方針がある程度制限されるため、自分が希望する仕上がりと異なる可能性もあります。
大切なのは、費用の負担よりも、自分にとって最適な治療を選ぶこと。
必ず信頼できる矯正専門医と相談し、メリット・デメリットをしっかり理解した上で判断しましょう。
6-2. 保険適用に必要な手続きや書類は煩雑
保険が適用される矯正治療には、一定の診断基準と、厳密な申請手続きが必要です。
具体的には、
・指定医療機関での受診
・精密検査・レントゲン・口腔内模型の作成
・医師による診断書の発行
・紹介状や同意書の提出
など、多くのステップと書類が求められます。
また、保険適用の可否判断や事務手続きには数週間〜1ヶ月以上かかることもあり、「すぐに治療を始めたい」という方にとってはストレスになる可能性もあります。
手続きの手間と、自由診療で得られる治療の自由度やスピードを比較して、無理に保険適用を狙わない判断も大切です。
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7. 歯列矯正の保険適用に関するよくある質問

歯列矯正の保険適用に関しては、実際に治療を検討するなかで「マウスピース矯正も対象?」「指定医院はどこで探せる?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
ここでは、保険適用に関してよくある質問をわかりやすく解説します。
不安を解消し、自分に合った治療選択ができるよう、ぜひ参考にしてください。
Q1. マウスピース矯正は絶対に保険が使えない?
A: 基本的に、審美目的のマウスピース矯正(インビザラインなど)は自由診療です。
ただし、顎変形症などの適用条件を満たし、ワイヤー矯正と併用する場合などに限り、保険適用が認められるケースもあります。
Q2. 保険適用の医院はどこで探せますか?
A:
保険適用で矯正治療を行うには「顎口腔機能診断施設」として厚生労働省が指定した医療機関を受診する必要があります。
これらの施設は、外科矯正を行うための専門的な設備や診断体制が整っており、認定された矯正歯科・大学病院・総合病院などが該当します。
探し方としては、以下の方法がおすすめです。
✅ 厚生労働省の公式サイトで「顎口腔機能診断施設」を検索
✅ かかりつけ歯科や矯正歯科で紹介状を発行してもらう
✅ 日本口腔外科学会の認定施設リストを活用する
※紹介状がないとスムーズに受診できない場合もあるため、まずは近くの矯正歯科で相談するのが安心です。
Q3. 保険が使えない矯正でも、医療費控除は受けられますか?
A: はい、自由診療の矯正でも「機能回復(噛み合わせ改善など)」が目的であれば、医療費控除の対象となります。
領収書は必ず保管し、確定申告で申請しましょう。
Q4. 顎変形症かどうかはどこで診断されますか?
A:
初めは矯正歯科で診断を受けるケースが一般的です。
矯正歯科ではレントゲンやCT撮影を行い、噛み合わせや顎のズレなどから「顎変形症」の疑いがあるかを判断します。
ただし、保険適用で外科矯正を進める場合は、厚生労働省が指定する「顎口腔機能診断施設」での正式な診断・書類作成が必要です。
流れとしては、まず矯正歯科で相談・診断を受けた後、必要に応じて口腔外科や指定医療機関を紹介され、保険適用の外科矯正を進める形になります。
👉 ポイント
・矯正歯科=一次診断(一般的な診察・治療計画)
・指定医療機関=保険適用のための最終診断・診断書作成
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8. まとめ|歯列矯正の保険適用は条件次第!早めの相談が安心

歯列矯正は、原則として自由診療ですが、顎変形症や特定の先天性疾患がある場合など、限られたケースでは保険適用が認められます。
ただし、適用されるためには、厚生労働省の指定を受けた医療機関での受診や、診断書・紹介状の取得など、明確な条件と手続きが必要です。
一方で、審美目的の矯正やマウスピース矯正などは保険が使えないため、医療費控除やデンタルローンの活用などで費用面の工夫が求められます。
また、「保険適用を狙うあまり、不要な手術を希望する」といった判断はリスクを伴います。
自分にとって本当に必要な治療かどうかを、専門医とよく相談することが大切です。
歯列矯正は長期にわたる治療だからこそ、費用・期間・方法すべてを納得したうえで治療をスタートすることが、後悔のない第一歩になります。
少しでも迷ったら、まずは保険適用の可否を含めた無料相談や初診カウンセリングを活用して、信頼できる専門医に相談してみましょう。
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