- この記事の監修者
-
歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

前歯2本だけが前に出ていて、見た目が気になっている人は少なくありません。実はこのような部分的な歯並びの乱れは、ワイヤー矯正やマウスピース矯正によって改善できるケースが多いです。
ただし、一見すると前歯2本だけが原因に見えても、噛み合わせや骨格、スペース不足が関係している場合は、前歯2本を動かすだけでは十分に治せないこともあります。無理に前歯だけ動かすと、仕上がりが不自然になったり、噛みにくくなったりするリスクもあるため注意が必要です。
本記事では、前歯2本だけの矯正ができる条件をはじめ、治療方法ごとの特徴、費用と期間の目安、部分矯正が難しいケース、後悔しないための医院選びまでをわかりやすく解説します。
\信頼できる矯正医を探すなら
「WE SMILE」/
- 1. 前歯2本だけ出てる歯の矯正はできる?
- 2. 前歯2本だけが出てしまう主な原因
- 2-1. 先天的要因
- 2-2. 後天的要因
- 3. 前歯2本だけ出ている歯を整える4つの矯正方法
- 3-1. ワイヤー部分矯正(表側)
- 3-2. ワイヤー部分矯正(裏側)
- 3-3. マウスピース部分矯正
- 3-4. セラミック矯正
- 4. 前歯2本だけ矯正するメリットとデメリット
- 4-1. 前歯2本だけ矯正するメリット
- 4-2. 前歯2本だけ矯正するデメリット
- 5. 前歯2本だけの部分矯正が難しいケース
- 5-1. 全体的な叢生(ガタつき)がある場合
- 5-2. 噛み合わせに大きなズレがある場合
- 5-3. 歯周病・虫歯など治療が必要な場合
- 5-4. 歯を動かすスペースが不足している場合
- 6. 前歯2本だけの矯正で後悔しないために
- 対策① 適応診断を必ず受ける
- 対策② 治療の限界とリスクを理解する
- 対策③ 医院選び(症例数・診断力)を重視する
- 7. まとめ|前歯2本だけ出ている歯の矯正は可能
1. 前歯2本だけ出てる歯の矯正はできる?

「前歯2本だけが前に出ていて気になる」 「他の歯はそこまで悪くないのに、前歯だけ目立つ」
このような悩みを持つ方はとても多いです。
結論として、前歯2本だけ出ている歯の矯正は、多くのケースで可能です。
前歯2本が前に出ている、ねじれている、少し重なっている、隙間が空いているなど、前歯だけの部分的な乱れであれば、ワイヤー矯正やマウスピース矯正による部分矯正で改善できます。
部分矯正は、歯列全体を大きく動かす必要がない分、治療期間が短く済みやすく、費用も抑えられる傾向があります。「前歯だけ整えたい」という希望に合いやすい治療法といえるでしょう。
ただし、部分矯正は決して万能ではありません。
前歯2本だけが気になっていても、実際には奥歯の噛み合わせや骨格の問題が関係していることもあり、その場合は全体矯正を選択せざるを得ないケースもあります。
「前歯2本だけ治せるかどうか」は、見た目だけで判断できない部分もあるため、まずは歯科医院で精密検査を受けたうえで、部分矯正が適応かどうかを確認することが重要です。
2. 前歯2本だけが出てしまう主な原因

前歯2本だけが前に出て目立っている場合でも、その原因は人によって異なります。そして「前歯2本だけの矯正で済むかどうか」は、その原因によって大きく左右されるのです。
単純に前歯の位置や角度だけの問題であれば部分矯正で改善できることも多い一方で、噛み合わせや顎のバランス、歯列全体のスペース不足が関係している場合は、前歯だけ動かしても根本的な解決ができません。
ここでは、前歯2本だけが出てしまう原因を「先天的要因」と「後天的要因」に分けて解説します。
2-1. 先天的要因
遺伝の影響による先天的な要因の場合、骨格や歯の大きさ・生え方など、本人の努力では変えられない部分が関係します。
たとえば、次のような特徴があると、歯がきれいに並ぶためのスペースが不足しやすくなります。
🔴顎が小さい(歯列の幅が狭い)
🔴歯が大きい/歯の本数やバランスに偏りがある
🔴前歯だけサイズが大きい・位置が前方に生えやすい
🔴乳歯から永久歯への生え変わりがうまくいかず、前歯が前方に押し出された
このように、先天的な要因によって歯が並ぶスペースが不足すると、最も動きやすい前歯が前方に押し出され、結果として「前歯2本だけが出ている」ように見えることがあります。
先天的な原因の場合でも、軽度であれば部分矯正で改善できるケースがあります。ただし、スペース不足や骨格の影響が強い場合は、前歯2本だけ動かしても改善が難しく、全体矯正が必要になることもあるため、精密検査で原因を見極めることが重要です。
2-2. 後天的要因
前歯2本だけが出てしまう原因は、遺伝だけとは限りません。顎の成長はおおむね15歳頃まで続くとされますが、最終的な顎の大きさや歯並びは、遺伝だけで決まるわけではなく、成長期の生活環境や日常の癖によっても大きく影響を受けます。
特に後天的な原因では、「日常の癖」によって前歯に押し出す力がかかり続けた結果、徐々に前歯2本だけが出てくるケースが少なくありません。前歯は圧力の影響を受けやすいため、小さな力でも長期間続くと、歯の位置が変化してしまうことがあります。
代表的な癖としては、次のようなものがあります。
🔴噛む回数が少ない/やわらかいものばかり食べる
🔴頬杖をつく
🔴うつ伏せ寝・横向き寝をする
🔴指しゃぶりが長く続いている
🔴舌で前歯を押す癖(舌突出癖)がある
🔴口呼吸が習慣になっている
これらの癖は、歯列にアンバランスな力がかかり続けるため、前歯が前に傾いたり、押し出されたりする恐れがあります。
主に後天的な要因の場合、歯そのものの移動量が大きくなければ部分矯正で改善できる可能性もあります。ただし、癖が残ったままだと矯正後に後戻りしやすいため、必要に応じて癖の改善(口腔筋機能療法など)も合わせて行うことが大切です。
3. 前歯2本だけ出ている歯を整える4つの矯正方法
前歯2本だけが出ている場合でも、症状の程度や原因によって選べる治療法はさまざまです。
ここでは、前歯2本だけの見た目を整えるために選ばれる代表的な4つの方法を、それぞれの特徴と合わせてわかりやすく解説します。
3-1. ワイヤー部分矯正(表側)

ワイヤー部分矯正(表側)は、前歯のみに小さなブラケットとワイヤーを装着し、必要な範囲だけ歯を動かす方法です。
歯列全体を動かす全顎矯正に比べて治療範囲が限られるため、症例によっては最短数ヶ月で治療が終わることもあり、費用も抑えられます。
【向いている人】
✅前歯2本だけが軽度に前に出ている
✅ねじれ・傾きなど小さなズレを整えたい
✅できるだけ短期間で終わらせたい
✅マウスピース矯正が合わない(装着が苦手、適応外など)
【注意点】
表側ワイヤー矯正は、矯正装置が歯の表面に付くため、どうしても目立ちやすい点がデメリットです。また金属を使用するため、金属アレルギーがある方は素材の選択を慎重に行いましょう。
さらに、部分矯正は全体矯正よりも「整える範囲」が狭い分、矯正後に歯が元の位置へ戻ろうとする力が働きやすいことがあります。治療後は、リテーナーなどの保定装置を指示通りに使用し、後戻りを防ぐことが重要です。
【費用・治療期間の目安】
費用:20〜60万円前
治療期間:3ヶ月〜1年前後
※歯の動かし方やズレの程度、噛み合わせの状態によって大きく変動します。
ワイヤー部分矯正(表側)は、適応さえ合えば、短期間で前歯の印象を大きく変えられる効果的な方法です。まずは精密検査で「前歯だけ動かしても問題がないか」を確認したうえで検討するのが安心です。
3-2. ワイヤー部分矯正(裏側)

ワイヤー部分矯正(裏側)は、歯の表側ではなく裏側(舌側)にブラケットとワイヤーを装着して歯を動かす方法です。
正面からは装置がほとんど見えないため、「矯正していることを周りに気づかれたくない」という方に選ばれやすく、審美性の高さが大きな魅力です。接客業や営業職など、人前に立つ仕事の方にも人気があります。
【向いている人】
✅前歯2本の突出やねじれが軽度〜中等度
✅仕事やライフスタイルの都合で、目立つ矯正が避けたい
✅矯正中も見た目の印象を大きく変えたくない
【注意点】
裏側矯正は、表側に比べて治療の難易度が高く、装置の設計・調整にも高度な技術が必要です。そのため、費用が高くなりやすいことに加え、医院や歯科医師の経験値によって仕上がりが左右されやすい点には注意が必要です。
また、装置が舌に触れるため、矯正開始直後は話しにくさや違和感が出ることがあります。慣れると軽減するケースが多いものの、日常生活への影響を考慮したうえで選択することが大切です。
【費用・治療期間の目安】
費用:40〜70万円前後
治療期間:5ヶ月〜1年前後
※ズレの程度や歯の動かし方、噛み合わせによって変動します。
裏側のワイヤー部分矯正は、「前歯だけ整えたいけど見える矯正は避けたい」という方にとって非常に魅力的な方法です。ただし、治療計画の精度や技術力が求められるため、症例数が多い医院で相談することをおすすめします。
3-3. マウスピース部分矯正

マウスピース部分矯正は、透明なマウスピース(アライナー)を複数枚使いながら、少しずつ前歯を動かしていく矯正方法です。
装置が透明で薄いため、装着していてもほとんど気づかれにくく、見た目を気にせず治療を進められるのが大きな魅力です。
また、歯を動かす力が比較的弱く、段階的に調整していくため、ワイヤー矯正に比べて痛みや違和感が少ないと言われています。取り外しもできるため、食事や歯磨きが普段通りにでき、口の中を清潔に保ちやすい点もメリットです。
特に、治療前に3Dシミュレーションで歯の動きを確認できること多く、「どこまで治るのか」を事前に把握できる安心感があります。
【向いている人】
✅矯正装置を目立たせたくない
✅取り外し式の装置が良い
✅前歯2本のズレが軽度〜中等度(突出・ねじれ・隙間など)
✅治療後の仕上がりをシミュレーションで確認したい
【注意点】
マウスピース矯正は、取り外しができる反面、装着時間の自己管理が必須です。一般的に1日20時間以上の装着が推奨されており、装着時間が不足すると計画通りに歯が動かず、治療が長引いたり、思ったように隙間が閉じない原因になります。
また、マウスピース矯正は「誰でも同じように治る」治療ではないため、医師の診断力と治療計画の質が特に重要です。
【費用・治療期間の目安】
費用:20〜50万円前後
治療期間:2ヶ月〜1年前後
※歯のズレの程度・動かす範囲・噛み合わせの状態によって変動します。
マウスピース部分矯正は、前歯2本の見た目を整えたい方にとって非常に人気のある選択肢です。ただし他の矯正法と同様「前歯だけ動かせばいい」とは限らないため、適応診断を受けたうえで検討するのが安心です。
3-4. セラミック矯正

セラミック矯正は、気になる前歯を削り、セラミックの被せ物(クラウン)を装着して見た目を整える方法です。歯を動かす矯正治療とは異なり、歯の大きさ・形・白さ・傾きを一度に調整できるため、短期間で口元の印象を大きく変えられる審美治療です。
「前歯2本だけ出ている」「形が気になる」「色もきれいに揃えたい」など、見た目の悩みが強い方にとっては、歯列矯正よりも即効性のある選択肢になることがあります。
ただし、あくまで歯並びの“見た目を整える治療”であり、矯正のように歯を移動させて噛み合わせを根本から改善するものではありません。そのため、目的や状態によって向き・不向きがはっきり分かれます。
【向いている人】
✅とにかく短期間で口元をきれいにしたい
✅前歯の大きさ・形も一緒に整えたい
✅ホワイトニングでは白くならない歯も同時に改善したい
✅仕上がりの審美性を最優先したい
【注意点】
セラミック矯正の最大の注意点は、健康な歯を削る必要があることです。歯を削る量は症例によって異なりますが、削った歯は元に戻せません。そのため、将来的に歯の寿命が短くなるリスクがあります。
また、矯正治療ではないため、歯並びや噛み合わせの問題が根本的に解決するわけではありません。原因が噛み合わせや骨格にある場合、見た目だけ整えても負担が残る可能性があるため、適応の判断は慎重に行う必要があります。
【費用・治療期間の目安】
費用:1本あたり5〜15万円前後(2本の場合:10〜30万円前後)
治療期間:1〜2ヶ月程度
セラミック矯正は、短期間で見た目を整えられる反面、歯を削るという大きな決断が必要です。矯正治療と審美治療、複数の選択肢を比較したうえで判断すると後悔しにくくなります。
4. 前歯2本だけ矯正するメリットとデメリット

前歯2本だけの部分矯正は、短期間・低負担で見た目を整えられる一方で、適応を間違えると後悔につながることもあります。
ここでは、前歯2本だけ矯正するメリットとデメリットを整理して解説します。
4-1. 前歯2本だけ矯正するメリット
前歯は笑ったときに最も目立つ部位のため、わずかな改善でも印象が大きく変わりやすい点が大きなメリットです。
ここでは、前歯2本だけ矯正する代表的なメリットを解説します。
① 全体矯正より費用を抑えられる
前歯2本だけの矯正は、動かす歯の範囲が限られるため、全顎矯正に比べて費用を抑えられる傾向があります。
「見た目が気になるのは前歯だけ」という場合、必要最低限の治療で済むことは経済的にも大きなメリットです。
② 治療期間が短い(数ヶ月〜1年程度)
前歯は奥歯に比べて動きやすく、移動距離も短いケースが多いため、症例によっては数ヶ月で改善できることもあります。
全体矯正が1年半〜3年ほどかかることが多いことを考えると、治療期間の短さは魅力です。
③ 装置が小さい&目立ちにくい方法を選びやすい
部分矯正は装置を付ける範囲が小さいため、ワイヤーでも違和感が少なく済みやすく、マウスピース矯正や裏側矯正など「目立ちにくい方法」も選びやすい特徴があります。
矯正中の見た目が気になる方でも始めやすい治療です。
④ 前歯が整うだけで印象が大きく変わる
前歯は顔の印象に直結するため、2本の歯の突出やねじれが整うだけでも口元の清潔感やバランスが大きく変わります。
「歯並びがきれいになった」と実感しやすい治療です。
⑤ 生活への負担が比較的少ない
動かす歯が少ない分、痛みや違和感が全体矯正より軽い場合が多く、通院回数や調整の負担も抑えられます。
仕事や学校への影響を最小限にしたい方にとって、取り組みやすい矯正方法です。
前歯2本だけの矯正は、適応が合えば「短期間・低負担で印象を変えられる」メリットの多い治療です。
ただし、部分矯正には限界や注意点もあるため、メリットだけで判断せず慎重に検討することが大切です。
4-2. 前歯2本だけ矯正するデメリット
前歯2本だけの部分矯正は、短期間で見た目を整えやすい一方で、適応を誤ると後悔につながることがあります。
部分矯正は万能ではないため、メリットだけで決めず、デメリットも理解しておくことが大切です。
① 全体の噛み合わせは改善できない
前歯2本だけを動かす部分矯正では、歯列全体や奥歯の噛み合わせまで大きく整えることはできません。
そのため、前歯の見た目が整っても、噛み合わせのズレが残っている場合は「噛みにくさ」「顎関節への負担」などの問題が改善しないことがあります。
特に、出っ歯や前歯の突出が「骨格の問題」や「奥歯の噛み合わせのズレ」から起きている場合、前歯だけを動かしても根本的な解決にならないケースがあります。
② 適応範囲が狭く、誰でもできるわけではない
前歯2本だけ矯正できるのは、あくまで「前歯だけのズレ」で完結している症例に限られます。
スペース不足が大きい場合や歯列全体に叢生(ガタつき)がある場合は、前歯2本だけ動かすとバランスが崩れやすく、部分矯正が適さないことがあります。
「2本だけ整えたい」という希望があっても、歯科医師が診断した結果、全体矯正が必要と判断されることがある点は理解しておきましょう。
③ セラミック矯正は健康な歯を削るリスクがある
セラミック矯正は短期間で見た目を整えられる反面、健康な歯を削る必要があります。
一度削った歯は元に戻らず、将来的に歯の寿命が短くなるリスクもあります。また、矯正治療のように歯を動かすわけではないため、噛み合わせの根本改善にはつながりません。
「早くきれいにしたい」という理由だけで選ぶのではなく、リスクを理解したうえで慎重に検討することが大切です。
④ 後戻りの可能性がある
前歯は動きやすい反面、矯正後も元の位置に戻ろうとする力が働きやすい部位です。
特に部分矯正では、歯列全体の噛み合わせが大きく変わらない分、歯の安定が不十分になりやすく、リテーナー(保定装置)を怠ると後戻りが起きやすくなります。
また、舌で前歯を押す癖(舌癖)や口呼吸などの習慣がある場合、矯正後も前歯に力がかかり続けるため、後戻りのリスクが高まります。
前歯2本だけの部分矯正は、適応が合えば満足度の高い治療になりやすい一方で、適応を誤ると「噛み合わせが不安定」「想定よりきれいにならない」「後戻りが起きた」といった問題につながることがあります。
5. 前歯2本だけの部分矯正が難しいケース

前歯2本だけの矯正は魅力的に見えますが、歯並びや噛み合わせの状態によっては部分矯正では対応できないこともあります。
ここでは「前歯2本だけでは治せない可能性が高いケース」を解説します。
5-1. 全体的な叢生(ガタつき)がある場合
「気になるのは前歯2本だけ」と感じていても、実際には歯列全体にガタつき(叢生)があるケースは少なくありません。
横の歯が内側に倒れ込んでいたり、前歯以外にも歯が重なっていたり、見た目以上に歯列のバランスが崩れていることがあります。
この状態で前歯2本だけを部分矯正で動かしてしまうと、次のようなリスクが出やすくなります。
✔ 前歯は整っても、歯列全体のバランスが取れず「思ったほどきれいに見えない」
✔ 前歯だけが動いて、奥歯との噛み合わせがズレる
✔ 歯の移動に無理がかかり、歯根(歯の根)や歯茎に負担がかかる
特に、スペース不足が顕著な状態で前歯だけを無理に並べようとすると、歯を支える骨(歯槽骨)の外側に歯が押し出され、歯茎が薄くなる・歯肉退縮が起こる可能性もあります。見た目だけでなく、将来の歯の健康にも影響するため注意が必要です。
このような場合は、部分矯正ではなく全体矯正で歯列全体のスペースとバランスを整える治療が適しています。
また、スペース不足の程度によっては、次のような補助的な治療を併用することもあります。
🔵IPR(歯を薄く削って隙間を作る)
🔵抜歯矯正(重度の叢生でスペースが足りない場合)
「前歯2本だけ」と思っていても、背景に全体的な叢生がある場合は治療方針が大きく変わります。だからこそ、まずは歯列全体と噛み合わせを含めた診断を受けることが重要です。
5-2. 噛み合わせに大きなズレがある場合
前歯2本だけが出ているように見えても、実際には奥歯の噛み合わせ(咬合)のズレが原因で、前歯が前方へ押し出されているケースがあります。
この場合、前歯だけではなく噛み合わせ全体のバランスを整えることが大切です。
もし噛み合わせのズレが大きい状態で、前歯2本だけを部分矯正で後ろへ下げようとすると、次のような問題が起こりやすくなります。
✔上下の噛み合わせがさらにズレて、噛みにくくなる
✔ 前歯の接触が強くなり、歯に負担が集中する
✔ 顎関節に違和感が出る
✔ 噛み合わせが安定せず、治療後に後戻りしやすい
前歯2本だけの突出に見えても、その背景に噛み合わせの問題があるケースは意外と多いです。部分矯正を検討する場合でも、まずは奥歯の咬合状態まで含めて診断してもらい、「前歯だけで完結できるのか」を確認することが重要です。
5-3. 歯周病・虫歯など治療が必要な場合
前歯2本だけの矯正を希望していても、虫歯や歯周病が進行している場合は、矯正治療を安全に進めることが難しくなります。
これはワイヤー矯正やマウスピース矯正だけでなく、セラミック矯正(被せ物治療)であっても同様です。
矯正治療は「歯を動かす」「歯に力をかける」治療のため、土台となる歯や歯茎の状態が安定していないと、次のようなリスクが出やすくなります。
■ 歯周病がある場合のリスク
歯周病が進行していると、歯を支える骨(歯槽骨)が減り、歯の安定性が低下します。
その状態で歯を動かすと、以下の問題につながることがあります。
🔴歯がグラグラしやすくなる
🔴歯茎の炎症が悪化し、歯周病が進行する
🔴歯肉退縮が進み、見た目が悪くなる
🔴重度の場合は歯を失うリスクが上がる
■ 虫歯がある場合のリスク
虫歯が進行している歯は、歯の構造そのものが弱っているため、矯正力に耐えられないことがあります。
放置したまま矯正を進めると、次のような問題が起こりやすくなります。
🔴矯正中に痛みが出る
🔴虫歯が進行して神経治療が必要になる
🔴矯正治療を中断して虫歯治療を優先することになる
🔴マウスピースの場合、治療中断でアライナーが合わなくなり作り直しになる
このように、虫歯や歯周病がある状態では矯正治療を始めても安全性が確保できず、結果的に治療期間が延びたり、追加費用がかかったりするリスクが高まります。
そのため、基本的には矯正よりも先に「虫歯・歯周病治療を優先する」という流れになることが一般的です。
前歯2本だけ矯正を検討している場合でも、まずは歯と歯茎の状態を整えたうえで治療計画を立てることが、最も確実で後悔のない進め方です。
5-4. 歯を動かすスペースが不足している場合
前歯2本だけを「後ろに下げたい」「引っ込めたい」と考えている場合でも、そもそも歯を動かすためのスペース(隙間)が確保できていないと、部分矯正では対応できないことがあります。
矯正治療は、歯を理想の位置へ動かすために、必ずどこかに「空き」が必要です。
スペースがないまま前歯だけを後ろへ動かそうとすると、歯が正しい方向へ移動できず、無理な力がかかった状態で歯列が崩れてしまうリスクがあります。
スペースが足りない状態で前歯を後ろに倒し込むように動かすと、次のような問題につながることがあります。
🔴歯の根が歯茎の外側に近づき、歯茎が薄くなる・歯肉退縮が起こる
🔴前歯の角度が不自然になり、見た目が逆に悪くなる
🔴噛み合わせが浅くなり、前歯で噛み切りにくくなる
🔴歯に無理な負担がかかり、歯根吸収のリスクが高まる
特に前歯は、支えている骨が薄いことが多く、限界を超えて動かすと歯茎や骨へのダメージが出やすい部位です。見た目を整えるつもりが、逆に歯茎が下がって老けた印象になることもあるため注意が必要です。
前歯2本だけではスペースが確保できない場合、以下のように歯列全体のバランスを調整する治療が必要になります。
🔵全体矯正で歯列全体の位置を調整する(奥歯を動かしてスペースを作る)
🔵IPR(歯を少し削って隙間を作る)
🔵叢生が重度の場合は、抜歯矯正を検討するケースもある
前歯2本だけを整えたくて部分矯正を希望する場合でも、まずは精密検査で「スペースが確保できるか」「無理のない範囲で動かせるか」を確認することが重要です。
6. 前歯2本だけの矯正で後悔しないために

前歯2本だけの矯正は、費用や期間を抑えやすい一方で、適応を間違えると「思った仕上がりにならない」「噛み合わせが不安定になる」といった後悔につながることがあります。
ここでは、失敗を防ぐために押さえておきたいポイントを解説します。
対策① 適応診断を必ず受ける
前歯2本だけを矯正するか、それとも全体矯正が必要か。
この判断は、鏡で見た印象や本人の感覚だけでは、正確に判断できません。
なぜなら、歯並びの問題は見た目だけでなく、次のような要素が複雑に関係しているからです。
✅噛み合わせ(奥歯の咬合バランス)
✅前歯の角度や歯根(歯の根)の向き
✅顎の骨格や横顔のバランス(Eラインなど)
✅歯を動かすためのスペースが十分にあるか
✅歯周組織(歯茎や骨)の厚み・安定性
これらを総合的に評価したうえで、「前歯だけで完結できる症例かどうか」を見極める必要があります。
適応診断が不十分なまま部分矯正を始めてしまうと、「前歯だけ動かしても思ったほど改善しない」「噛み合わせがズレて噛みにくくなった」といった後悔につながる可能性があります。
適応診断を丁寧に行う医院ほど、無理な治療を勧めず、結果として仕上がりの満足度が高くなります。前歯2本だけの矯正を検討する場合ほど、最初の診断を慎重に受けることが重要です。
対策② 治療の限界とリスクを理解する
前歯2本だけの矯正は、気になる部分だけを短期間で整えられる一方で、全体矯正にはない「限界」があります。後悔しないためには、まずこの限界を正しく理解しておくことが重要です。
部分矯正で動かせるのは、あくまで「前歯周辺の歯の位置や角度」の範囲に限られます。
そのため、次のようなケースでは、前歯2本だけの矯正では対応が難しいことがあります。
✔ 骨格的な出っ歯(上顎が前にある・下顎が小さいなど)が原因
✔ 奥歯の噛み合わせにズレがある
✔ 前歯を大きく後ろへ下げる必要がある
✔ 歯列全体のスペースが不足している
こうした症例に対して無理に部分矯正を行うと、次のようなリスクが出やすくなります。
🔴噛み合わせが合わなくなる
🔴前歯の角度が不自然になり、見た目が逆に悪くなる
🔴歯や歯茎に負担がかかり、歯根吸収のリスクが高まる
さらに、部分矯正は「動かす範囲が小さい=支えが少ない」ため、治療後に歯が戻りやすい傾向があります。
リテーナーなどの保定を怠ると、せっかく整えた前歯が短期間で後戻りしてしまうことも珍しくありません。
前歯2本だけの矯正を成功させるためには、「できる範囲」と「できない範囲」を最初に理解したうえで、無理のない計画を選ぶことが最大のポイントです。
対策③ 医院選び(症例数・診断力)を重視する
前歯2本だけの部分矯正は、一見するとシンプルな治療に見えます。しかし実際には、適応判断と細かいコントロールが難しい治療です。
わずかな判断ミスでも、
「前歯は整ったのに噛みにくくなった」
「思ったほど引っ込まず見た目が不自然になった」
「後戻りして再治療になった」
といった後悔につながる可能性があります。
だからこそ、前歯2本だけの矯正ほど、医院選びが結果を大きく左右します。
部分矯正を検討する際は、次のような点を満たしているかをチェックすると安心です。
✅部分矯正の症例が豊富である
✅部分矯正だけでなく、全体矯正の症例も多い
✅噛み合わせまで含めた診断を必ずしてくれる
✅ワイヤー・マウスピース・裏側矯正など複数の選択肢を提示してくれる
✅メリットだけでなくデメリットも説明してくれる
✅保定期間の計画や後戻り対策まで説明がある
特に重要なのは「前歯2本だけで治せるケース」と「治せないケース」をはっきり説明してくれるかどうかです。
部分矯正が向かない症例に対しても、「できますよ」と安易に進めてしまう医院では、リスクを抱えたまま治療が始まってしまいます。
一方で、適応外の可能性がある場合に、全体矯正や抜歯・IPRなども含めて複数案を提示し、理由まで説明できる医院は、診断力と誠実さが高い傾向があります。
前歯2本だけの矯正を成功させるためには、治療法を選ぶこと以上に、「診断の精度が高い医院」を選ぶことが最大の近道です。
7. まとめ|前歯2本だけ出ている歯の矯正は可能
前歯2本だけが前に出ている、ねじれている、少し重なっているなど、部分的な歯並びの乱れであれば、ワイヤー矯正・裏側矯正・マウスピース矯正といった部分矯正で改善できるケースは多くあります。
全体矯正よりも費用や期間を抑えやすく、見た目の印象も大きく変わりやすいのが、前歯部分矯正の魅力です。
ただし、噛み合わせや骨格、スペース不足が関係している場合は、前歯2本だけ動かしても理想の仕上がりにならないこともあります。
そのため、前歯2本だけの部分矯正で後悔しないためには、次の3つを押さえることが重要です。
🔷自分の症例が部分矯正の適応かどうかを知ること
🔷治療の限界とリスクを理解しておくこと
🔷経験豊富で診断力のある医院で相談すること
「前歯だけ直したい」と思ったときほど、自己判断で治療を決めるのではなく、まずは信頼できるクリニックで精密診断を受けて、最適な治療法を選ぶことが成功への近道です。
ウィスマイルは、マウスピース矯正が得意な全国の歯科クリニックを紹介するポータルサイトです。さまざまな症例に対応してくれるクリニックがきっと見つかりますので、前歯の矯正をお考えの方はぜひご活用ください。
\信頼できる矯正医を探すなら
「WE SMILE」/






















