
インビザラインなどのマウスピース矯正、「やってみたい!」と思っても、やっぱり一番気になるのは費用のこと。
「高額だから……」と諦めてしまう前に、ぜひ知っておいてほしいのが『医療費控除』です。
医療費控除は、自分や家族のために支払った1年間の医療費が10万円(所得によってはそれ以下)を超えた場合、確定申告をすることでお金が戻ってきたり、翌年の税金が安くなったりする制度。
実はインビザラインも、医療費控除で実質の負担をグッと減らすことができるんです。
「いくら戻ってくるの?」
「手続きはどうすればいい?」
そんなインビザラインによる医療費控除への疑問について、還付金のシミュレーションから具体的な申請方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説します 。
- 1. インビザラインは医療費控除の対象?
- 1-1. 子どもの矯正の場合
- 1-2. 大人の矯正の場合
- 1-3. 審美目的の矯正は対象外
- 2. インビザライン治療費で医療費控除の対象になる費用/ならない費用
- 2-1. 医療費控除で対象になる費用
- 2-2. 医療費控除で対象にならない費用
- 3. インビザラインの医療費控除でいくら戻る?ケース別シミュレーション
- 3-1. 医療費控除の計算式と還付額が決まる仕組み
- 3-2. 【ケース1】課税所得180万円・インビザライン80万円の場合
- 3-3. 【ケース2】家族分の医療費を合算した場合(プロの推奨)
- 3-4. 【ケース3】デンタルローン利用時の注意点
- 4. インビザラインの医療費控除|申請の流れと必要書類
- 4-1. 医療費控除申請前に必要な書類
- 4-2. 医療費控除の申請手順
- 5. インビザライン治療で医療費控除を受ける時の注意点
- 6. インビザライン医療費控除でよくある質問(FAQ)
- Q1. 見た目を整えたくて矯正したのですが、本当に医療費控除は対象外ですか?
- Q2. インビザラインと一緒にホワイトニングもした場合、どこまで申告できますか?
- Q3. 診断書は絶対に必要ですか?
- Q4. 医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できますか?
- 7. まとめ|インビザライン治療費は医療費控除で大きく節約できる
1. インビザラインは医療費控除の対象?

インビザラインなどマウスピース矯正は自費診療のため高額ですが、「医療費控除が使えれば負担を減らせるのでは?」と考える人はとても多いです。
インビザラインで医療費控除が受けられるかはその矯正が「見た目を整える美容目的」か「健康のための治療目的か」がポイントになります。
1-1. 子どもの矯正の場合
子どものインビザライン矯正は、成長期の顎の発育を促し、歯並びや噛み合わせの改善を目的としており、将来的な歯の健康や口腔機能の向上が期待されています。
そのため「口腔機能の正常な発達を促す治療」とみなされ、医療費控除の対象になる可能性がとても高くなります。
1-2. 大人の矯正の場合
大人のインビザライン矯正でも、歯並びや噛み合わせの改善を目的とすることが一般的で、医療費控除の対象となるケースが多くあります。
特に、顎関節症など噛み合わせが健康に影響を及ぼす場合は、医療費控除の対象となる可能がより高まります。
ただし、大人のインビザラインは審美(見た目の美しさ)を目的とした矯正をする場合もあります。
完全に審美目的と判断されると医療費控除の対象外になってしまうため、歯科医師の診断内容(治療計画書・初診時の記録)が特に重要です。
1-3. 審美目的の矯正は対象外
医療費控除の適用はあくまで「治療に直接必要な費用」とされています。
以下のようなケースは、原則として対象外となるため注意してください。
①機能的に歯並びは問題がないが、見た目だけをキレイにしたい
②前歯のわずかなズレを整える程度の軽い処置
③歯科医師による機能障害(噛み合わせ、発音、咀嚼など)の診断がない場合
審美目的と思っていても、歯科医師の診断で歯並びや噛み合わせの改善が必要とされた場合は医療費控除の対象になります。
制度が適用するかどうか迷う場合は、歯科医師に治療計画や診断内容を確認しましょう。
2. インビザライン治療費で医療費控除の対象になる費用/ならない費用

医療費控除の対象費用は、実際の治療費はもちろんですが、交通費など治療に関わる費用以外で控除の対象になる費用があります。
2-1. 医療費控除で対象になる費用
インビザラインの以下の治療は医療費控除の対象となります。
①精密検査費(レントゲン・CT・口腔内スキャンなど)
②診断料・治療計画作成費
③矯正用マウスピース費
④調整料・通院ごとの診療費
⑤保定装置(リテーナー)費
⑥通院時の交通費(公共交通機関)
⑦処方された薬、市販薬の費用
また、子どもの治療などで家族が付き添う場合の交通費も医療費控除対象になる場合があるので、通院日や費用を記録しておくと安心です◎
2-2. 医療費控除で対象にならない費用
インビザラインの治療で、以下のように「治療に直接関係がない」または「審美目的」とみなされる場合は医療費控除の対象外となります。
①ホワイトニング・クリーニングなどの審美目的の施術費
②自家用車のガソリン代・駐車場代・高速料金
③デンタルローンの金利・分割払い手数料
④審美目的のみの矯正費
⑤治療に直接関係のないオプション費(歯ブラシ、洗口液、矯正用ワックスなど)
領収書で医療費控除の対象と対象外の項目が「セット料金」でまとめられている場合は、必要に応じて医院に明細の分け方を相談すると安心です。
また、自家用車でのガソリン代や駐車場代は医療費控除の対象外になります。
少しでも負担を減らしたい場合は、公共交通機関を利用がオススメです。
3. インビザラインの医療費控除でいくら戻る?ケース別シミュレーション

医療費控除によって還付される金額は、支払った金額と自身の所得税率によって変動します。
ここでは具体的な医療費控除の算出方法とケース別のシミュレーションをご紹介します。
3-1. 医療費控除の計算式と還付額が決まる仕組み
医療費控除で実際に戻ってくる金額の算出方法は大きく分けて2ステップ。
「控除の対象になる金額」を出し、「自分の年収(税率)」を当てはめると、還付される目安額が見えてきます。
◾️医療費控除の計算式
医療費控除額 = 1年間の医療費 - 保険金等の補填額 - 10万円
※総所得金額が200万円未満の場合は「所得の5%」を差し引きます。
◾️実際に戻ってくる金額(還付額)の計算式
所得税の還付額 = 医療費控除額 × 所得税率
※住民税も減額されるため、最終的な節税額はさらに数千〜数万円増えます
◾️所得税率
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
| 1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
| 1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
| 40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
所得税は確定申告後1〜2ヶ月で指定口座に現金として「還付(振込)」されますが、住民税は翌年6月以降の給与天引き額などが「減額」される形で反映されます。
この合計が実質的な節税効果です。
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3-2. 【ケース1】課税所得180万円・インビザライン80万円の場合
まずは、ひとりでインビザラインを始めた場合の標準的なシミュレーションです。
◾️条件
課税所得金額:180万円(所得税率5%)
インビザライン治療費:80万円
その他の医療費:なし
保険金等の補填:なし
◾️計算
①控除される金額の計算
医療費合計80万円 - 10万円 = 70万円
②戻ってくる金額(還付額)の計算
70万円 × 所得税率5% = 35,000円
3-3. 【ケース2】家族分の医療費を合算した場合(プロの推奨)
家族と一緒に暮らしている場合は、家族全員分の医療費をまとめるのがオススメです。
医療費控除は、自分だけでなく生計を一にする家族(配偶者や子どもなど)の分も合算して申請することが可能。
所得が高い人がまとめて申告することで、戻ってくる金額が大幅にアップします。
◾️条件
課税所得:330万円(所得税率20%の人)
本人の矯正代:70万円
家族の医療費:15万円(歯科・内科など)
保険金等の補填:なし
◾️計算
①家族全員の医療費を合計
70万円(本人) + 15万円(家族) = 85万円
②控除される金額の計算
85万円 - 10万円 = 75万円
②戻ってくる金額(還付額)の計算
75万円 × 所得税率20% = 150,000円
3-4. 【ケース3】デンタルローン利用時の注意点
分割払いの場合、月々の負担は軽いですが、インビザラインの総額(80万円)に対して、控除対象はあくまでその年に支払った分だけになります。
また、年間の支払額が少なければ、控除額も還付額も少なくなります。
分割払いによる手数料や金利が控除の対象外になるため、総合的に考えて計画的に活用しましょう。
◾️条件
課税所得:250万円(所得税率10%の人)
インビザライン総額:80万円
今年の支払い分:月1万円 × 12ヶ月 = 12万円
その他の医療費:3万円
分割手数料や金利:控除対象外
◾️計算
①今年の医療費を合計
12万円(今年の分割支払い分) + 3万円(その他) = 15万円
②控除される金額の計算
15万円 - 10万円 = 5万円
②戻ってくる金額(還付額)の計算
5万円 × 所得税率10% = 5,000円
4. インビザラインの医療費控除|申請の流れと必要書類

医療費控除の手続きは難しそうに感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば意外とシンプルです。スムーズに申請を終えるための準備とステップを解説します。
4-1. 医療費控除申請前に必要な書類
まずは手元に下記の書類を揃えましょう。
◾️必須書類
①インビザライン治療に関する領収書・レシート
装置代、精密検査料、調整料、保定装置代など、治療に必要な費用の領収書はすべて対象となります。
もし領収書を紛失している場合は医院で再発行できるケースも多いため早めに相談しましょう。
②医療費通知(健康保険組合から届く書類)
会社員が年1回受け取る「医療費のお知らせ」です。
この書類があると領収書の提出を省略でき、入力がスムーズになります。
③医療費控除の明細書
医療費の内訳を入力するシートです。
e-Tax または国税庁HPから作成・ダウンロードできます。
④確定申告書
e-Taxなら自動で作成可能です。
確定申告後5年間は保存する義務があるため、必要書類は大切に保管しましょう。
⑤マイナンバーカードなどの本人確認書類
◾️必要に応じて準備する書類
①歯科医師の診断書
必須ではありませんが、治療目的であることの証明になります。
②交通費の記録
日時、電車やバスの駅名・金額を記録しておきましょう。
付き添いが必要な場合は家族の分も対象です。
4-2. 医療費控除の申請手順
STEP1:1年間の医療費を集計
インビザラインの治療費、内科、薬局など家族全員の医療費を合算。
10万円(所得200万未満は所得の5%)を超えているか確認します。
医療費通知がある場合は、対象期間の費用を控除明細に転記するだけでOKです。
STEP2:医療費控除の明細書を作成
国税庁の「医療費控除の明細書」に、医院名・治療内容・金額を記入します。
e-Taxの場合は画面に沿って入力するだけで自動計算されるので便利です。
領収書の提出は不要ですが、5年間の保管義務がありますので、注意しましょう。
STEP3:確定申告書の作成・提出(提出期間:毎年2/16〜3/15)
以下のいずれかの方法で確定申告書を作成・提出します。
e-Taxを利用すれば還付までのスピードが最短3週間程度と早く、スマホからも手軽に行えるためオススメです。
① e-Tax
② 税務署へ書類を持参
③ 郵送
参照:
国税庁 マイナポータル連携特設ページ
確定申告ソフト「マネーフォワード クラウド確定申告」確定申告の書き方
STEP4:還付金の受け取り
指定した銀行口座へ国税庁から還付金が自動振り込みされます。
住民税の減額分は翌年の住民税に反映されます。
また、医療費控除は、確定申告の期間を過ぎてしまっても過去5年間までさかのぼって申告(還付申告)が可能です。
例:例:2026年に気づいた場合
→ 2021年分までさかのぼって申請が可能
「あの時のインビザライン費用、まだ間に合うかも?」と思ったら、今からでも領収書を探してみましょう。
5. インビザライン治療で医療費控除を受ける時の注意点
①医療費控除は治療した年ではなく支払った年で申告する
一番間違いやすいのが、支払いタイミングの扱いです。
一括払い:支払った年に全額まとめて申告
分割払い:治療費の総額ではなく、その年に実際に支払った金額だけを申告。治療を始めた日ではなく、領収書の日付を確認しましょう。
② 審美目的の費用が混ざらないよう、領収書の記載内容に注意する
医療費控除はあくまでも治療が対象です。
ホワイトニングなど審美目的の施術を同時に受けた場合は、必ず領収書を分けてもらうようにしましょう。
領収書の内容があいまいな場合は、税務署から確認が入ることもあるので、明細は分かりやすく管理するのがコツです。
③ 交通費は公共交通機関のみ
通院にかかる交通費も控除の対象になりますが、ルールがあります。
対象:電車、バスなどの公共交通機関(やむを得ない場合のタクシー代もOK)。
対象外:自家用車のガソリン代、駐車場代、高速料金は認められません。
少しでも多く控除を受けたい場合は、公共交通機関で通院しましょう。
④ 家族の医療費を合算する場合は生計が同じかどうかが基準
家族の医療費を合算する場合、誰が支払ったかではなく、生計を共にしているかがポイントになります。
家族の中で最も課税所得が高い人(税率が高い人)が代表して申告することで、戻ってくる金額(還付額)が多くなります。
⑤ 領収書は捨てずに「5年間」保管
現在、確定申告の際に領収書の提出は不要になりましたが、捨てていいわけではありません。
税務署から内容の確認を求められることがあるため、5年間は大切に保管しておきましょう。
⑥ 確定申告の期限は2月16日〜3月15日
確定申告は2月16日〜3月15日までに行う必要があります。
期限を過ぎると控除を受けられなくなるため、早めに準備しましょう。
6. インビザライン医療費控除でよくある質問(FAQ)

インビザラインの医療費控除でよくある質問をまとめました。
疑問を解消し、費用面で安心して治療できるよう準備しましょう。
Q1. 見た目を整えたくて矯正したのですが、本当に医療費控除は対象外ですか?
A. 「審美目的のみ」は対象外ですが、治療目的が含まれれば対象になります
単に「見た目を良くしたい」だけだと認められませんが、実際には「出っ歯やガタガタのせいで噛み合わせが悪い」「顎に負担がかかっている」といった治療の側面を持っているケースが非常に多いです。
歯科医師に「機能改善のための治療」と診断されれば控除を受けられるので、まずは一度相談してみるのがオススメです。
Q2. インビザラインと一緒にホワイトニングもした場合、どこまで申告できますか?
A. インビザラインの費用のみ申告OK。ホワイトニング代は対象外
治療目的の場合のみ申告可能なため、ホワイトニングは対象外となります。
対象になる: 矯正装置代、調整料、精密検査料、リテーナー代
対象外: ホワイトニング、審美クリーニング、着色除去など
領収書が合算されていると、控除額が正しく計算できず控除額が減る可能性があります。
医院に依頼して、内訳を書いてもらったり、領収書を分けて発行してもらったりすると安心です。
Q3. 診断書は絶対に必要ですか?
A. 必須ではありませんが、あると安心です。
税務署から「治療目的か?」と問い合わせが来た場合、歯科医師の診断書があれば確実な証明になります。
不安な方はあらかじめ発行を依頼しておきましょう。
Q4. 医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できますか?
A. 併用はできません。どちらか一方を選ぶ必要があります。
市販薬の購入費が対象となるセルフメディケーション税制もありますが、インビザラインは非常に高額なため、医療費控除の方が圧倒的に実質負担を減らせるケースがほとんどです。
セルフメディケーション税制が有効なのは、市販薬(OTC医薬品)の購入額が多いケースのみとなります。
7. まとめ|インビザライン治療費は医療費控除で大きく節約できる
インビザラインは決して安い自己投資ではありませんが、医療費控除を正しく活用すれば、実質的な負担を数万円〜十数万円単位で軽減することが可能です。
大切なのは、「治療目的」であるという歯科医師の診断と、正確な記録です。
控除対象となる費用の判断や領収書の扱いで迷う場合は、治療を開始する前に歯科医院へ相談し、診断書の発行や領収書の内訳について確認しておきましょう。
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