部分矯正とは？種類ごとの違いと効果的な治療法を紹介

歯科矯正と聞くと、すべての歯を対象にした長期的な治療を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし最近では、特に目立つ前歯だけを短期間で整える「部分矯正」が注目されています。

この記事では、部分矯正の特徴や種類、メリット・デメリット、費用について詳しく解説し、どのような方に向いている治療なのかを説明します。

部分矯正（MTM）とは、その名のとおり、全体の歯ではなく気になる部分だけを矯正する治療のことです。

MTM（Minor Tooth Movement）は、プチ矯正や小矯正とも呼ばれることがあります。

この治療法は、主に上下の前歯に適用され、見た目の改善にフォーカスしています。

一般的な全体矯正に比べて短期間で、かつ費用を抑えて治療できることから、多くの方に選ばれています。

部分矯正には、多くの利点があり、次のような特徴があります。

全体矯正と比べて、数ヶ月から1年程度と短期間で治療を終えることができます。特に、結婚式や大事なイベントの前に急いで矯正を終わらせたい方には理想的です。

部分的な治療に限るため、全体矯正に比べて費用が大幅に抑えられます。矯正の種類や範囲にもよりますが、通常の全体矯正にかかる費用の半分以下で治療ができることもあります。

透明なマウスピースや、歯の裏側に装置をつける方法を選べば、周囲からほとんど気づかれずに矯正を進められます。

部分矯正の場合、矯正装置をつけたままでも通常の歯磨きがしやすく、虫歯や歯周病のリスクを低減できます。

部分矯正には、いくつかの種類があり、それぞれの特徴や適用される症状が異なります。ここでは、代表的な矯正方法を紹介します。

表側矯正：歯の表面にブラケットを取り付け、ワイヤーを通して歯を動かします。この方法は最も一般的で、効果も高いですが、装置が目立ちやすいのが難点です。

裏側矯正：歯の裏側にブラケットを取り付けて矯正する方法で、見た目に配慮が必要な方に適しています。しかし、歯科医師の高い技術が求められ、費用がやや高くなります。

透明なマウスピースを使用して、歯を少しずつ動かしていく矯正法です。

この方法の最大の特徴は、装着していることがほとんどわからないことと、取り外しが可能なため、食事や歯磨きの時に便利である点です。ただし、装着時間をしっかり守ることが求められます。

セラミックの被せ物を利用して、歯並びや歯の形、色を整える方法です。

矯正歯科のように歯を動かすのではなく、見た目を整える審美治療に近いアプローチで、短期間で効果を得られます。

ただし、健康な歯を削る必要があるため、デメリットも考慮する必要があります。

部分矯正が適している人の具体例を挙げてみましょう。

前歯が少しだけ重なっている、隙間がある、少しだけ歯がずれているなど、見た目の改善をしたい方に最適です。

全体の矯正ではなく、限られた範囲で治療することで、経済的負担を減らしたい方に向いています。

イベントや特定の予定に合わせて、なるべく早く治療を終えたい方には、部分矯正が理想的です。

以前に矯正治療を受けたことがあるが、少し歯がずれてしまった場合などにも適しています。

メリット

短期間での治療が可能：全体矯正よりも早く結果が出やすい。

費用が比較的安い：治療範囲が限られているため、経済的負担が軽減される。

見た目に配慮できる矯正方法：透明なマウスピースや裏側矯正なら、他人に気づかれにくい。

デメリット

適応症例が限定的：軽度の症状や前歯の治療に限られ、奥歯の治療や複雑なケースには不向き。

長期的な安定性に劣る：部分矯正だけで問題を解決できるわけではなく、後戻りしやすい場合もある。

抜歯を必要とする治療には対応不可：大きなスペースを確保する必要がある場合には部分矯正は不適切。

部分矯正と全体矯正の違いは、治療範囲と目的にあります。

全体矯正は、歯並び全体を整え、咬み合わせの改善も含めて行うのに対し、部分矯正は前歯など見た目に影響する部分に限って治療を行います。

全体矯正は、重度の歯並びの乱れや複雑な咬み合わせの問題にも対応可能ですが、治療期間が長く、費用も高くなります。

部分矯正の費用は、矯正方法や症状によって異なりますが、目安は以下の表の通りです。

セラミック矯正は、審美治療の一つであり、歯そのものを動かす一般的な矯正治療とは異なります。

主に歯の形や色、配置を改善するために、セラミック製の被せ物やラミネートベニアを使用して歯を整える方法です。

即効性：セラミック矯正は、歯の形や位置を短期間で改善することができるため、数週間から数ヶ月で理想の歯並びや見た目が手に入ります。

審美性：セラミックは天然の歯に近い色や質感を持っており、非常に自然な仕上がりになります。歯の色や形も自由に調整できるため、理想の笑顔を追求できます。

歯を動かさない：一般的な矯正治療とは異なり、歯自体を動かすのではなく、セラミック素材を使って歯の表面を覆うことで見た目を整えます。

適応症：セラミック矯正は、軽度な歯並びの不正やすき間、歯の色の変色、形の修正に適していますが、重度の歯並びの問題や咬み合わせの調整には向いていません。

セラミック矯正にかかる費用は、使用する素材や歯の本数によって異なります。

一般的な種類と費用相場は以下の表の通りです。

部分矯正は効果的な治療法ですが、以下のリスクや副作用も考慮する必要があります。

歯の移動による痛み：矯正初期に歯が動く際の違和感や痛みを感じることがあります。

後戻りの可能性：保定装置を適切に使用しない場合、歯並びが元に戻ることがあります。

歯周病リスク：装置が原因で歯磨きがしにくくなり、歯周病や虫歯のリスクが増えることもあります。

ウィスマイル矯正は、透明なマウスピースを使用して行う矯正で、部分矯正としてのウィスマイル矯正には、以下の特徴があります。

治療期間は個人差がありますが、約2ヶ月から1年程度で結果が期待できます。従来のワイヤー矯正に比べて短期間で治療が終わるのが特徴です。

ウィスマイル矯正は、他の矯正方法と比べて比較的リーズナブルな価格で治療が可能です。

部分的な治療に絞ることで、全体矯正に比べて費用を大幅に抑えられます。また、毎月の調整料や治療後の保定管理料が治療費に含まれているため、別途発生いたしません。

透明なマウスピースを使用するため、矯正装置が目立たず、日常生活や仕事中でも気にせず装着できます。対面のコミュニケーションが多い方にも適しています。

マウスピースは取り外しができるので、食事や歯磨きの際に邪魔にならず、衛生的に管理しやすいのも利点です。

部分矯正は、見た目を重視したい方にとって、短期間かつ低コストで理想の歯並びを手に入れる効果的な方法です。

しかし、適用できる範囲が限られているため、矯正を検討する際は、まず歯科医師に相談して、自分の症状に最も適した治療法を選ぶことが重要です。

部分矯正についてもっと知りたい方は、ぜひカウンセリングを受けてみてください。