
- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

「インビザラインはどんな仕組みで歯を動かすの?」
そんな疑問を持つ方に向けて、本記事では「歯が動くメカニズム」をわかりやすく解説した上で、インビザライン独自のシステムや治療の流れを丁寧にご紹介します。
マウスピース矯正を検討中の方や、インビザラインの原理を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 1.歯が動く仕組みとは?歯根膜の働きと歯科矯正のメカニズム
- 1-1.歯根膜の働きがカギになる
- 1-2.矯正治療で歯を少しずつ動かす理由
- 2.インビザライン矯正で歯が動く仕組み
- 2-1.インビザラインはマウスピースの「ズレ」で歯に力を加える
- 2-2.マウスピースを交換しながら歯並びを整える
- 3. インビザラインの治療の流れ
- 3-1. カウンセリングと診断
- 3-2. 治療計画の作成
- 3-3. アライナーの作成
- 3-4. アライナーの装着
- 3-5. 定期的にチェックを受ける
- 3-6. 治療完了とリテーナーの使用
- 4. よくある質問|インビザラインの仕組みに関するQ&A
- Q1. インビザラインはどんな歯並びでも動かせますか?
- Q2. なぜ1日20時間以上の装着が必要なの?
- Q3. ワイヤー矯正とインビザラインの仕組みの違いは?
- 5. まとめ|インビザラインの仕組みを知ることで不安なく矯正を始めよう
1. 歯が動く仕組みとは?歯根膜の働きと歯科矯正のメカニズム

歯は大きく分けて、歯ぐきから見えている部分「歯冠(しかん)」と、歯ぐきの中に隠れている部分「歯根(しこん)」から成り立っています。
矯正治療では、歯の根元周りにある「歯根膜(しこんまく)」という薄い膜の働きを利用して、少しずつ歯を動かしていきます。
1-1. 歯根膜の働きがカギになる
歯根膜は、歯根とあごの骨の間にあるクッションのような薄い膜です。
矯正治療で歯に力を加えると、この歯根膜が引っ張られたり押されたりします。
・引っ張られた側:歯根膜が伸びて、厚みが増します。
・押された側:歯根膜が縮んで、厚みが薄くなります。
歯根膜には、「元の厚みに戻ろうとする力」が働きます。
この力が働くことで、次のような反応が起こります。
・引っ張られた側:歯根膜が伸びた分を埋めようと、新しい骨が作られます。
・押された側:縮んだ厚みを戻そうとして、骨を溶かす細胞が働き、少しずつ骨が吸収されます。
このようにして、歯は少しずつ動いていくのです。
1-2. 矯正治療で歯を少しずつ動かす理由
ワイヤー矯正やマウスピース矯正(インビザラインなど)では、歯根膜が一定の厚みを保とうとする働きを利用して歯を動かしています。
矯正治療では、強い力で無理やり歯を動かしているわけではありません。
人の体に備わっている自然な仕組みを活かして、少しずつ正しい位置に歯を動かしているのです。
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2. インビザライン矯正で歯が動く仕組み

従来のワイヤー矯正では、ブラケットと呼ばれる矯正器具を歯の表面に取り付け、その間にワイヤーを通して歯を引っ張ることで力を加え、歯を動かしていました。
一方、インビザライン矯正では、ブラケットやワイヤーを使わず、マウスピース型の矯正装置を歯に装着することで歯を動かします。
2-1. インビザラインはマウスピースの「ズレ」で歯に力を加える
インビザライン矯正では、まず専用のスキャナーで歯形や歯並びのデータを採取し、そのデータをもとに一人ひとりに合ったカスタムメイドのマウスピースを作成します。
このマウスピースは、現在の歯並びと少しだけズレがある設計になっています。
マウスピースを装着すると、このズレの方向に圧力がかかり、少しずつ歯が動いていく仕組みです。
・マウスピースは約1〜2週間ごとに新しいものへ交換します。
・1枚のマウスピースで歯が動く距離は約0.25mm〜0.35mmです。
そのため、ワイヤー矯正に比べて小さな力で歯が動くため、痛みや不快感が少ないと感じる方が多いのも特徴です。
2-2. マウスピースを交換しながら歯並びを整える
インビザライン矯正では、歯科医師が作成した治療計画に沿って、歯が少しずつ動くようにマウスピースが設計されています。
約1〜2週間ごとに新しいマウスピースへ交換することで、歯は徐々に正しい位置へと移動していきます。
また、インビザライン矯正は、少しずつ歯並びが整っていく過程を自分で実感できるのも大きなメリットです。
これは、ワイヤー矯正ではなかなか感じにくいポイントといえるでしょう。
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3. インビザラインの治療の流れ

インビザラインの仕組みをより深く理解するには、治療がどのように進んでいくのかを知っておくことも重要です。
ここでは、一般的な治療の流れを紹介します。
3-1. カウンセリングと診断
まずはカウンセリングを受けて、歯並びの状態や患者さんの希望を確認します。
治療方針が決まったら、デジタルスキャンを使って歯の形を3Dで記録し、そのデータを基に治療計画を立てます。
また、カウンセリングでは費用や治療期間についても詳しく説明があるので、疑問点をしっかり確認しましょう。
3-2. 治療計画の作成
インビザライン専用の3Dシミュレーションソフトを使用して、歯がどのように動くかをシミュレーションします。
これにより、治療後の歯並びの予測を確認できるため安心して治療を始めることができます。
3-3. アライナーの作成
治療計画に基づいて患者さん専用のアライナーが作成されます。
アライナーは連続のセットとして提供され、2週間ごとに交換しながら治療を進めていきます。
3-4. アライナーの装着
最初のアライナーを装着してから約2週間ごとに新しいアライナーに交換していきます。
1日20〜22時間装着することで、計画通りに歯が動いていきます。
3-5. 定期的にチェックを受ける
治療中は4〜6週間ごとに歯科医を訪れ進捗を確認します。
アライナーのフィット具合や歯の動き具合をチェックしてもらい、必要に応じて調整が行われます。
3-6. 治療完了とリテーナーの使用
治療が完了したら、歯並びを維持するためにリテーナーを装着します。
リテーナーは、治療後の歯が元に戻らないようにするために重要な装置です。
リテーナーの使用期間や装着時間には個人差がありますが、歯科医の指示に従って使用することが必要です。
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4. よくある質問|インビザラインの仕組みに関するQ&A

インビザラインの仕組みについて理解はできても、「実際にはどうなの?」と疑問に感じる方も多いと思います。
ここでは、そんなよくある質問をまとめました。
矯正治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
Q1. インビザラインはどんな歯並びでも動かせますか?
A. インビザラインは多くの症例に対応していますが、骨格的な問題や重度の不正咬合はワイヤー矯正や外科的処置が必要な場合もあります。適応症例は事前の診断が大切です。
▶ 「インビザラインができない症例」について詳しく知りたい方は下記もご覧ください。
Q2. なぜ1日20時間以上の装着が必要なの?
A. 歯に力がかかる時間が不足すると、歯根膜や骨が十分に反応せず、歯が予定通りに動かなくなるからです。
Q3. ワイヤー矯正とインビザラインの仕組みの違いは?
A. ワイヤー矯正は金属のワイヤーで力を加えますが、インビザラインは透明なマウスピースを交換しながら力を調整します。
▶ ワイヤー矯正との違いについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください
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5. まとめ|インビザラインの仕組みを知ることで不安なく矯正を始めよう

矯正治療で歯が動くのは、歯根膜や骨の働きを利用した体の自然な仕組みです。
インビザラインは、その仕組みを活かしながら、オーダーメイドのマウスピースを少しずつ交換して歯並びを整えます。
まずは「仕組み」を理解し、自分に合った治療かどうかを見極めることが大切です。
もし「自分には合っているのかな?」と迷ったら、まずは専門医への相談をおすすめします。
▶ インビザラインのメリット・デメリットも詳しく知りたい方はこちら
→ インビザラインのメリット・デメリットを徹底解説|他の矯正方法との違いも紹介
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