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インビザラインができない症例とは?適応外のケースの対処法

湊 寛明
湊 寛明
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

透明で目立ちにくい矯正器具として人気を集めているマウスピース矯正ですが、その中でも特に世界的に高いシェアを誇るのが、「インビザライン」というメーカーのマウスピース矯正装置です。

インビザラインは1997年に開発され、それ以来、世界100か国以上で提供されてきました。

日本国内においても、多くの人に選ばれているマウスピース矯正装置です。

 

シェア率が高いことから、インビザラインにはこれまでに蓄積された膨大な症例データがあります。

そのデータを基に、さまざまな歯並びのケースに対応できるよう、インビザラインは進化を続けています。

そのため、軽度から中等度の歯列不正に対しては、従来のワイヤー矯正と同等の効果が期待できると言われています。

 

しかし、適応範囲が広いとはいえ、インビザラインが「すべての症例」に対応できるわけではありません。

歯並びの状態によっては、インビザライン単独での治療が難しい場合もあります。

 

本記事では、インビザラインが適応できないケースについて詳しく解説し、その理由や、インビザラインが適応できない場合に選択できる代替手段についても紹介します。

1. インビザラインが適応できない主な症例

インビザラインは、透明で目立ちにくく、取り外しが可能なマウスピース型矯正装置として人気があります。

しかし、すべての症例に適応できるわけではありません。

歯並びの状態や顎の骨格によっては、インビザライン単独での治療が難しい場合があります。

 

インビザラインが適応できない代表的なケースと、その理由を紹介します。

1-1. 重度の歯列不正

インビザラインは軽度から中等度の歯列矯正に適応しています。

そのため、以下のような重度の歯並びの乱れには対応が難しい場合があります。

 

・極端な歯のねじれ(回転)

軽度の歯の回転であればインビザラインで対応可能ですが、90度以上の大きなねじれがある場合、適切に歯を回転させることが難しくなります。

 

・大きな隙間や過剰な歯の重なり

インビザラインは、一定の範囲内で歯を動かすことはできますが、歯の移動量が大きすぎると、治療期間が長くなったり、思うような結果が得られないことがあります。

 

・重度の叢生(歯が重なりすぎている状態)

軽度~中等度の叢生には対応できますが、歯が著しく重なり合っている場合には、抜歯を伴うワイヤー矯正のほうが効果的なことがあります。

1-2. 顎の骨格的な問題があるケース

歯並びの問題は、単に歯の位置だけでなく、顎の骨格のズレによって引き起こされることがあります。

こうした骨格の問題がある場合、インビザライン単独では十分な矯正が難しくなることがあります。

 

・上下の顎のズレが大きい(上顎前突や下顎前突)

上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)の程度が軽度であれば、インビザラインで調整できる場合があります。

しかし、骨格的な原因で上下の顎が大きくズレている場合は、外科的矯正手術(顎の手術)を併用しないと根本的な改善が難しくなります。

 

・開咬(奥歯が噛んでいるのに前歯が開いている)

軽度の開咬であれば、インビザラインでも対応できることがあります。

しかし、開咬の原因が骨格的な問題にある場合は、ワイヤー矯正や手術を併用する必要があります。

 

・骨格性の不正咬合(顎の成長異常)

成長期の子どもであれば、顎の成長をコントロールする矯正治療が可能ですが、大人の場合は手術が必要になるケースもあります。

 

こうしたケースでは、外科的矯正治療(顎の手術)が必要になることもあります。

1-3. 歯の本数が極端に少ない、または多い

歯の本数が通常より少ない、または多い場合も、インビザラインでの矯正が難しいことがあります。

 

・先天性欠損(生まれつき歯が足りない)
歯の本数が少ない場合、周囲の歯のバランスが崩れやすくなります。

インビザラインでは、欠損部分を埋めるような大きな移動は難しく、補綴治療(ブリッジやインプラント)と組み合わせる必要があります。

 

・抜歯を伴う矯正
軽度の歯並びの問題であれば、抜歯をせずに治療が可能な場合もあります。

しかし、抜歯が必要なケースでは、インビザラインだけでは十分に歯を移動させるのが難しく、ワイヤー矯正を併用することもあります。

1-4. 重度の歯周病であるケース

矯正治療は、歯を支える骨が健康な状態でないと進めることができません。

歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けてしまい弱くなるため、矯正の負担に耐えられないからです。

この状態でインビザラインだけでなく、その他の矯正を含めて治療を行うと、歯が正しく移動せず、最悪の場合は歯が抜けてしまうこともあります。

歯周病が進行している場合は、まず歯周病の治療ができるかどうかを検討する必要があります。

 

軽度の歯周病であれば、歯周病治療を行ったうえで矯正治療を進めることができますが、重度の場合は矯正自体が難しくなるケースもあります。

1-5. インプラント治療をしているケース

インプラントとは、人工の歯根を顎の骨に埋め込む治療法です。

一度固定されると、インプラントは動かすことができません。

そのため、インビザラインを使用しても、インプラント自体の位置は変えられないのです。

これはインビザラインなどのマウスピース矯正だけでなく、他の矯正治療法でも同じです。

 

インプラント以外の歯を矯正したい場合でも、インプラントがあるために、矯正の制約が増えることがあります。

噛み合わせ等を考えて、インプラント治療後に矯正治療を行いたい場合には、医師に相談し、治療計画を立ててもらいましょう。

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2. インビザラインが適さない場合はどうする?

インビザラインが適応できないケースでは、他の矯正治療を検討する必要があります。

歯列矯正にはさまざまな方法があり、症例に合わせた適切な治療法を選択することが可能です。

ここでは、インビザラインが適応できない場合に選ばれる代表的な治療方法を紹介します。

2-1. ワイヤー矯正

ワイヤー矯正(ブラケット矯正)は、最も一般的な矯正治療方法の一つであり、インビザラインが適応できない症例でも対応可能なケースが多いです。

歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる装置を装着し、そこにワイヤーを通して歯を動かします。

 

【ワイヤー矯正の特徴】
・強い矯正力がある
インビザラインよりも強い力を加えることができるため、重度の歯列不正や骨格的な問題にも対応できます。

 

・適応範囲が広い
叢生(歯の重なりが大きい状態)、歯のねじれ、大きなすきっ歯、抜歯を伴う治療など、インビザラインが適応しにくい症例にも対応可能です。

 

・細かい調整が可能
矯正の進行状況に応じて、ワイヤーの調整を行いながら、より細かく歯の動きをコントロールできます。

 

【ワイヤー矯正のデメリット】
・見た目が気になる
歯の表面に装置をつけるため、インビザラインに比べると目立ちやすいです。

ただし、「審美ブラケット」(透明や白いブラケット)や「舌側矯正」(裏側に装置をつける方法)を選べば、目立ちにくいこともあります。

・痛みや違和感がある
ワイヤー矯正は歯に強い力をかけるため、調整後の痛みがインビザラインより強くなることがあります。

 

・口内炎ができやすい
ワイヤーやブラケットが頬や唇に当たることで、口内炎ができやすくなることがあります。

2-2. 外科矯正(顎の手術)

歯列矯正だけでは対応できない骨格的なズレが大きいケースでは、外科矯正(顎の手術)を併用することで、より理想的な噛み合わせを実現できます。

 

【外科矯正のメリット】
・根本的な噛み合わせの改善が可能

・骨格的なズレによる顔のバランスも整う

 

【外科矯正のデメリット】
・手術が必要なため、身体への負担が大きい
・入院やダウンタイムがある
・費用が高額になることがある(ただし、保険適用される場合もある)

2-3. 他のマウスピース矯正

インビザラインが適さない場合でも、インビザライン以外のマウスピース矯正であれば適応できる可能性があります。

マウスピース矯正にはさまざまなメーカーがあり、それぞれの特徴や適応範囲が異なるため、症例によっては他の選択肢を検討することも大切です。

 

例えば、より強い矯正力を持ち、より複雑な歯並びの問題にも対応できるマウスピース矯正装置もあります。

これらの装置は、インビザラインと同様に透明で目立ちにくいというメリットを持ちながら、ワイヤー矯正に近い治療効果を得られるものもあります。

また、一部のマウスピース矯正では、インビザラインよりも短い装着時間で効果を発揮するものや、特定の症例に特化した治療を行うものも存在します。

そのため、インビザラインでの治療が難しいと診断された場合でも、他のマウスピース矯正を選択することで、希望する治療が可能になるケースも少なくありません。

 

ただし、歯科医院によって取り扱っているメーカーが異なる場合が多いため、すべての選択肢がどこでも利用できるわけではありません。

そのため、矯正治療を考える際には、複数の歯科医院で相談し、どの治療法が自分の症例に最も適しているのかを確認することが大切です。

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3. まとめ:インビザラインができない症例もある!

インビザラインは、透明で目立ちにくいという大きなメリットがあり、多くの症例に対応できる優れた矯正方法です。

ワイヤー矯正と比べて痛みが少なく、食事や歯磨きの際に取り外せるため、日常生活における負担が軽減されるのも魅力の一つです。

しかし、すべての歯並びや咬み合わせの問題に適応できるわけではありません。

特に、重度の歯列不正や骨格的な問題があるケースでは、インビザライン単独では十分な治療が難しいことがあります。

 

ただし、インビザラインが適応できない場合でも、他のマウスピース矯正装置やワイヤー矯正、外科治療を組み合わせることで、理想的な歯並びを目指すことはできます。

矯正治療を成功させるためには、自分の歯並びに最も適した治療法を選ぶことが重要です。

見た目の改善だけでなく、しっかり噛める健康的な歯並びを目指して、歯科医師としっかり相談しながら治療を進めていきましょう。

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