- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブルーダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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矯正器具を使った治療を終えると、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着し、歯並びを安定させる必要があります。
治療を進めるなかで、「リテーナーは夜だけでいい」と言われるケースもありますが、本当に信用してよいのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、「リテーナーは夜だけでいい?」という疑問にお答えしたうえで、具体的なリテーナー装着のスケジュール例や、守るべきポイントなどを紹介します。矯正をスムーズに終えて理想の歯並びを手に入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
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- 1. リテーナーを夜だけにできるのはいつから?
- 1-1. 夜だけへの切り替え時期は歯の安定状態によって異なる
- 1-2. 矯正終了直後は長時間の装着が必要
- 1-3. 自己判断ではなく歯科医師の確認後に切り替える
- 2. 夜だけ装着可能なリテーナーの種類
- 3. リテーナーの装着時間のスケジュール例
- 4. リテーナーを夜だけ装着するときの4つのポイント
- 4-1. 付け忘れないようにする
- 4-2. 痛み・違和感があるときは医師に相談する
- 4-3. 洗浄してから保管する
- 4-4. ケース保管を徹底する
- 5. 自己判断でリテーナーを夜だけにするリスク
- 5-1. 歯並びが後戻りする
- 5-2. リテーナーがきつい・入らなくなる
- 5-3. リテーナーの調整・再製作が必要になる
- 5-4. 再矯正が必要になる場合がある
- 6. まとめ|リテーナーの装着時間は医師の指示を守ろう!
1. リテーナーを夜だけにできるのはいつから?

リテーナーを夜だけにできる時期は、一律ではありません。矯正終了直後は歯が動きやすいため長時間の装着が必要で、その後、歯並びや装置の適合状態を確認しながら、徐々に夜間中心の装着へ移行します。
ここでは、夜だけに切り替える時期の考え方と、移行前に確認しておきたいポイントを解説します。
1-1. 夜だけへの切り替え時期は歯の安定状態によって異なる
リテーナーを夜だけにできる時期は、「矯正終了から何か月たったか」だけでは決まりません。歯並びが安定しているか、リテーナーがきちんとフィットしているか、外している時間に大きな変化がないかなどを確認したうえで判断します。
夜だけへの移行時期は、矯正前の歯並びや歯を動かした量、保定中の状態などによって変わるため、自己判断せず歯科医師の指示に従いましょう。
1-2. 矯正終了直後は長時間の装着が必要
矯正治療が終わった直後の歯は、まだ新しい位置に十分安定していません。そのため、保定開始直後は食事や歯磨きの時間を除いて、できるだけ長くリテーナーを装着するよう指示されることがあります。
この時期に装着時間が不足すると、歯が元の位置へ戻ろうとする「後戻り」が起こる可能性があります。
早く夜だけにしたい場合でも、矯正終了直後から装着時間を大きく減らすのは避けましょう。
| 保定の時期 | 装着時間の考え方 |
|---|---|
| 矯正終了直後 | 食事・歯磨き以外は長時間装着することが多い |
| 歯並びが安定してきた時期 | 歯科医師の判断で徐々に装着時間を減らす |
| 夜間中心へ移行後 | 指示された時間を就寝中などに継続して装着する |
1-3. 自己判断ではなく歯科医師の確認後に切り替える
「もう半年たったから」「リテーナーがきつくないから」といった理由だけで、自己判断で夜だけの装着へ切り替えるのは避けましょう。
装着時間を減らしてよいかどうかは、歯並びや噛み合わせ、リテーナーの適合状態などを歯科医師が確認したうえで判断します。
夜だけへ切り替える前には、次のような点が確認されます。
- リテーナーに浮きやズレがないか
- 装着時に強いきつさや痛みがないか
- 歯並びや噛み合わせに大きな変化がないか
- 一定時間外しても装置が入りにくくなっていないか
こうした状態に問題がなくても、最終的な切り替え時期は症例によって異なります。定期検診で状態を確認してもらい、歯科医師から指示を受けてから夜間中心の装着へ移行しましょう。
2. 夜だけ装着可能なリテーナーの種類
一口にリテーナーといっても、夜だけの装着が可能なのは、付け外しできるタイプに限られます。
付け外しできるタイプの特徴や利点は、以下のとおりです。
【付け外しできるリテーナー】
| 種類 | 特徴・利点 |
| マウスピース型 | ・透明なプラスチック素材で作られている
・食事や歯磨きの際に外せるため、衛生面にも配慮しやすい ・矯正用のマウスピースと同じように管理できる |
| プレート型 | ・プラスチック製のプレートとワイヤーが付いているタイプ
・プレートは歯の裏側、ワイヤーは歯の表側に設置する ・取り外し可能で、装置が噛み合わせ部分を邪魔しない ・ワイヤー部分が目立ちやすい |
一方でワイヤー型リテーナーの場合は、歯に常時固定されているため、昼夜を問わず付け外しができません。このタイプの特徴や利点もチェックしておきましょう。
【付け外しできないリテーナー】
| 種類 | 特徴・利点 |
| ワイヤー型 | ・ワイヤーを歯の裏側に付けるタイプ
・常に装着しているため、歯並びの後戻りリスクを抑えられる ・ワイヤー部分が目立ちにくい |
3. リテーナーの装着時間のスケジュール例

リテーナーの装着時間は、矯正治療後すぐに夜だけへ切り替えるのではなく、歯の安定状態を確認しながら段階的に減らしていくのが一般的です。
装着時間の目安は、以下のとおりです。
| 期間 | スケジュール |
|---|---|
| 矯正治療後~半年 | 1日20~22時間ほど装着する |
| 半年~1年 | 医師の判断のもと、徐々に装着時間を減らしていく |
| 1年以降 | 医師の判断のもと、夜間のみ8~10時間ほど装着する |
ただし、上記はあくまで目安です。「1年経過したから夜だけにしてよい」と期間だけで判断することはできません。
矯正前の歯並びや歯を動かした量、保定中の状態などによって、夜間中心の装着へ移行できるタイミングは異なります。
夜だけへ切り替える前に確認したいポイント
夜間のみの装着へ移行できるかどうかは、経過した期間だけでなく、歯並びやリテーナーの状態も重要な判断材料になります。
歯科医院では、主に次のような点を確認しながら装着時間を調整します。
- 数時間外したあとでもリテーナーが極端にきつくならない
- リテーナーに浮きやズレがない
- 歯並びや噛み合わせに大きな変化がない
- 歯科医師から装着時間を減らしてよいと指示されている
たとえば、日中リテーナーを外したあとに装着すると毎回強く締め付けられるように感じる場合は、歯がまだ動きやすい状態である可能性があります。また、リテーナーが浮いたり入りにくくなったりした場合も、後戻りや装置の変形などが考えられるため、無理に使用せず歯科医院へ相談しましょう。
なお、これらはあくまで状態を確認するためのポイントであり、当てはまれば自己判断で夜だけに変更してよいという意味ではありません。リテーナーの装着時間は、定期検診で歯並びや噛み合わせの状態を確認してもらい、歯科医師の指示に従って調整することが大切です。
夜間のみの装着へ移行した後も、決められた装着時間を守り、定期的にリテーナーの適合状態を確認してもらいましょう。
4. リテーナーを夜だけ装着するときの4つのポイント

ここからは、リテーナーを夜だけ装着する際に、守るべきポイントを4つ紹介します。
スムーズに治療を終えるために重要なポイントばかりなので、しっかりと確認しましょう。
4-1. 付け忘れないようにする
就寝中のみの装着でよいからと油断し、リテーナーを付け忘れないように注意が必要です。もしも付け忘れると、歯並びや噛み合わせを保持できずに、後戻りする可能性があります。
例えば、1週間ほど装着しなかった場合、歯の後戻りが大きいために、リテーナーの装着が難しくなるかもしれません。そのため、医師から指示があるまでは、毎日の装着の習慣を守ることが重要です。
リテーナーを付ける際は、以下のポイントも守りましょう。
・手をハンドソープや石鹸で洗ってから装着する
・歯とリテーナーの上下・左右を合わせて、ゆっくり付ける
・鏡で確認しながら装着する
無理に押し込むと、リテーナーの歪みや歯の負担につながるので、優しく装着することも大切です。
4-2. 痛み・違和感があるときは医師に相談する
夜だけの装着に移行したのち、リテーナーを付ける際は多少の痛みや違和感を覚えるケースもあります。通常は数日から1週間程度で、徐々に慣れてくるでしょう。
しかし、痛みや違和感が続く場合は無理をせず、使用をいったんやめて医師に相談するのがおすすめです。痛みが発生するおもな原因として、以下が挙げられます。
・適切に装着できていない
・装着時間が短く、後戻りしている
・リテーナーの形が適していない
・リテーナーの変形・破損が発生している
また、リテーナーの割れや、口内の出血があるときも即座に相談しましょう。もしも割れたまま使い続けると、十分な保定効果を得られなかったり、口腔内の粘膜を傷付けてしまったりするおそれがあります。
快適にリテーナーを使い続けるために、日々のチェックを怠らないことをおすすめします。
4-3. 洗浄してから保管する
リテーナーを清潔に使うには、洗浄してから保管することが重要です。基本的には、以下の点を守って洗浄しましょう。
・水洗いは毎日行なう
・水・ぬるま湯で洗浄する
・やわらかい歯ブラシで優しく洗う
熱いお湯で洗うと変形するおそれがあるので、水・ぬるま湯を使って洗浄します。また、週1回を目安に、専用クリーナーあるいは中性洗剤でお手入れすれば、臭いや細菌の発生を防ぎやすくなります。
より確実に洗浄したい方は、超音波洗浄機を利用してもよいでしょう。矯正用マウスピースとリテーナー、どちらの洗浄にも使えるモデルが一般的です。
正しい洗浄方法を守れば、リテーナーを長く使えるため、再製作のコストを抑えられます。
4-4. ケース保管を徹底する
リテーナーを外した際は専用のケースに入れ、直射日光や高温・多湿の場所を避けて保管しましょう。紛失しないように、ケースの置き場所も決めておくのがおすすめです。
万一、リテーナーを紛失した際は、すぐに歯科クリニックに連絡しましょう。リテーナーを装着していない期間が長引くほど、後戻りも進行してしまいます。予備のリテーナーを持っている場合は、代わりに装着しましょう。
リテーナーを破損・紛失した際にかかる金額相場は、1万円~3万円程度です。破損が軽度な場合は2~3日程度で対応してもらえることもありますが、再製作の場合は1ヵ月ほどの期間を要する可能性があります。
リテーナーを紛失・破損してしまった場合や、種類ごとの詳しい費用相場が気になる方は多いはずです。
マウスピース型・プレート型・ワイヤー型それぞれの値段や維持費については、こちらの記事をご覧ください。
5. 自己判断でリテーナーを夜だけにするリスク

リテーナーは、矯正後の歯並びを安定させるために必要な保定装置です。歯科医師の指示より早く夜間のみの装着へ切り替えると、後戻りが起こったり、リテーナーが合わなくなったりする可能性があります。
ここでは、自己判断で装着時間を減らした場合に起こり得る主なリスクを解説します。
5-1. 歯並びが後戻りする
リテーナーの装着時間を自己判断で短くすると、矯正によって整えた歯が元の位置へ動こうとする「後戻り」が起こる可能性があります。特に矯正治療を終えたばかりの時期は歯がまだ安定しておらず、保定が不十分だと歯並びや噛み合わせに変化が出やすくなります。
わずかな変化であっても、放置するとリテーナーが合わなくなることがあります。夜だけの装着へ移行する時期は自己判断せず、定期検診で歯並びの状態を確認してもらい、歯科医師の指示に従いましょう。
自己判断で装着時間を減らし、歯並びが大きく後戻りしてしまうと、治療をやり直す『再矯正』が必要になります。
再矯正にかかる費用の相場や、負担を少しでも安く抑えるためのポイントは以下の記事にまとめています。
なお、最初の矯正治療時に以下の症状を起こしている場合は、再矯正ができないかもしれません。
| 症状 | 特徴 |
|---|---|
| 歯肉退縮 (しにくたいしゅく) |
・歯茎が下がり、根元が露出している状態 ・汚れの蓄積や知覚過敏の原因になる |
| 歯根吸収 (しこんきゅうしゅう) |
・歯の根元の部分が短くなったり、細くなったりする状態 ・矯正治療の期間が長いほどリスクが高まる |
万が一、前歯だけが少し後戻りしてしまった場合、全体ではなく前歯だけの部分矯正で対応できるケースもあります。
前歯の矯正にかかる費用や装置ごとの違いについては、以下の記事を参考にしてください。
前歯6本だけの矯正はいくら?前歯矯正の値段相場と装置別費用を解説
歯並びが後戻りした際、『安くて通院が不要なマウスピースを選べばいいのでは』と考える方もいますが、そこには重大なリスクが潜んでいます。
格安なマウスピース矯正で失敗しないための注意点は、こちらで詳しく解説しています。
5-2. リテーナーがきつい・入らなくなる
装着時間が不足すると歯が少しずつ動き、これまで問題なく使えていたリテーナーがきつく感じたり、浮いたり、入りにくくなったりすることがあります。
多少の違和感だからと無理に押し込むと、歯や歯茎へ負担がかかったり、装置が破損したりするおそれがあります。強いきつさや痛み、明らかな浮きがある場合は、無理に使い続けず歯科医院へ相談してください。
5-3. リテーナーの調整・再製作が必要になる
後戻りによって歯の位置が変わると、現在使用しているリテーナーが適合しなくなり、調整や再製作が必要になる場合があります。
再製作には時間がかかる場合もあり、その間にさらに歯が動く可能性もあります。余計な費用や通院を増やさないためにも、夜だけに切り替えた後も決められた装着時間を守り、適合状態を定期的に確認してもらうことが大切です。
5-4. 再矯正が必要になる場合がある
後戻りが大きく進んだ場合は、リテーナーだけでは元の歯並びに戻せず、再度矯正治療が必要になることがあります。
再矯正となれば、新たな検査や装置が必要になり、費用や治療期間の負担も増える可能性があります。夜間のみの装着へ移行した後も「もう安定したから大丈夫」と自己判断せず、リテーナーを継続して使用し、歯並びに変化を感じた場合は早めに歯科医院へ相談しましょう。
リテーナーの正しい知識を身につけたら、まずは自分に合った信頼できる矯正クリニックやサービスを探してみましょう。
おすすめのマウスピース矯正サービスの特徴や選び方は、こちらの記事で詳しく比較しています。
6. まとめ|リテーナーの装着時間は医師の指示を守ろう!

矯正治療後、リテーナーを夜間のみ装着できるようになるのは、医師の指示を受けてからです。また、夜だけの装着に移行した場合も、付け忘れないようにすることはもちろん、適切な洗浄・保管の方法を守ることが大切です。
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