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食いしばりにマウスピースが逆効果になる事例とは?正しい対処法も解説

湊 寛明
湊 寛明
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン レッドダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

食いしばり対策としてマウスピースを使っているものの、

 

「食いしばりがなくならない」

「装着してから歯や顎に違和感がある」

 

と感じ、マウスピースが逆効果になっていないか不安な方もいるのではないでしょうか。

マウスピースを使用しても食いしばりそのものが続くことはありますが、それだけで「逆効果」とは判断できません。

 

本記事では、食いしばりでマウスピースが逆効果と感じる主な事例や注意したいサイン、マウスピースの種類による違い、逆効果を防ぐための対処法を解説します。

現在マウスピースを使用している方や、これから使用を検討している方は参考にしてください。

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1. 食いしばりにマウスピースが逆効果になることもある?

食いしばり対策としてマウスピースを使っていても、「装着しているのに食いしばりが続く」「朝起きると顎が疲れている」と感じることがあるでしょう。

ただし、食いしばりが続いているからといって、すぐにマウスピースが逆効果だとは判断できません。

 

マウスピースには、食いしばりそのものを止めることだけではなく、強い力から歯などを守る役割があります。

 

一方で、装置が口に合っていない場合や、痛み・強い違和感などが生じている場合は、使用方法やマウスピースの状態を確認する必要があります。

1-1. 食いしばりが続いていても「逆効果」とは限らない

マウスピースを装着していても食いしばりがなくならないと、「効果がないのでは?」「むしろ悪化しているのでは?」と不安になるかもしれません。

 

しかし、食いしばりが続いていることと、マウスピースが逆効果であることは同じではありません。食いしばりや歯ぎしりには複数の要因が関係するため、マウスピースを使用しただけで完全になくなるとは限らないからです。

 

一方、装着してから歯や顎の痛みが強くなった、特定の歯だけに強く当たる、噛み合わせに違和感があるといった場合は、装置が合っていない可能性もあります。無理に使い続けず、歯科医院で状態を確認してもらいましょう。

1-2. マウスピースの主な目的は歯を食いしばりの負担から守ること

食いしばり用のマウスピースは、上下の歯が直接強く接触するのを防ぎ、歯にかかる負担を軽減するために使用されます。

 

強い食いしばりや歯ぎしりが続くと、歯のすり減りや欠け、詰め物・被せ物への負担などにつながる場合があります。マウスピースを間に入れることで、こうしたダメージから歯を守ることが主な役割です。

 

そのため、「食いしばりを完全に止める装置」ではなく、「食いしばりによる負担を抑えるための装置」と考えるとわかりやすいでしょう。

食いしばりそのものが気になる場合は、マウスピースの使用だけでなく、症状や口腔内の状態を歯科医師に確認してもらうことが大切です。

2. 食いしばりでマウスピースが逆効果になるおもな事例

マウスピースは、種類や使い方が適切でないと、十分な効果を得られなかったり、違和感や痛みにつながったりする場合があります。特に、市販品や摩耗したマウスピースを自己判断で使い続けるのは注意が必要です。

また、「マウスピース」と呼ばれる装置でも、食いしばり用・スポーツ用・矯正用では目的や設計が異なります。

 

ここでは、食いしばり対策でマウスピースが逆効果と感じる可能性がある主なケースや、使用時に注意したいポイントを解説します。

マウスピースの種類 主な目的 食いしばり対策としての考え方
食いしばり・歯ぎしり用 歯への負担や損傷を抑える 歯科医師が口腔内の状態に合わせて使用を判断
市販マウスピース 商品によって目的が異なる 適合性や用途を確認せず長期間使用しない
スポーツ用マウスガード 外傷から歯や口を守る 食いしばり用とは目的が異なる
矯正用マウスピース 歯を計画的に動かす 食いしばり治療用の装置ではない

2-1. 市販のマウスピースの使用

マウスピースは、歯科医院で作製するもののほかに、お湯を使って自分で成形するもの、奥歯だけに装着するものなどが市販されています。

 

市販のマウスピースは安価で手軽に使えますが、オーダーメイドで作製する歯科医院のマウスピースに比べて適合は良くありません。そのため、一時的には食いしばりの症状が改善されても、長期的にはかえって悪化を招くことが多くあります。

2-2. ソフトタイプの適切でない使用

食いしばり用のマウスピースには、ポリエチレンやシリコンなどを使用したソフトタイプと、レジンを使用したハードタイプがあります。ソフトタイプはやわらかく弾力性があるため装着感は良いものの、噛み応えを感じやすいために無意識の噛み締めが起き、食いしばりが強まる傾向がみられます。

 

歯科医院で定期的にメンテナンスを受けていれば、状態に応じて調整や変更が可能です。しかし、自己判断でソフトタイプの使用を続けていると、逆効果になるケースも出てきます。

2-3. 破損・摩耗したマウスピースの使用

マウスピースは、一度作製すればずっと使えるわけではありません。使用にともなって破損や摩耗が生じるため、一定期間で交換が必要です。

 

破損・摩耗したマウスピースを使い続けると、歯や顎にかえって負担をかけることになり、食いしばりの症状や噛み合わせが悪化するおそれがあります。

 

また、余計な力がかかることや衛生面の問題から、虫歯や歯周病が進行するリスクもあります。破損や摩耗に気付いたら、速やかに歯科医院に相談しましょう。

2-4. 用途の異なるマウスピースを食いしばり対策として自己判断で使う

マウスピースには、食いしばり・歯ぎしりによる歯への負担を抑えるものだけでなく、スポーツ時の外傷を防ぐものや、歯を計画的に動かす矯正用のものなどがあります。

 

見た目が似ていても、それぞれ目的や設計は異なるため、用途の違うマウスピースを自己判断で食いしばり対策として代用するのは避けましょう。

 

特に、マウスピース矯正で使用するアライナーは、歯を移動させることを目的とした装置であり、食いしばり用マウスピースと同じ役割ではありません。矯正中に食いしばりや歯ぎしりが気になる場合は、別のマウスピースを重ねて使用するなどの自己判断はせず、担当の歯科医師へ相談しましょう。

3. マウスピースが逆効果かもしれないときのサイン

マウスピースを使い始めると、慣れるまで違和感を覚える場合があります。しかし、痛みが強くなったり、特定の歯だけに強く当たったりする状態が続く場合は、マウスピースの適合や状態を確認することが大切です。

 

ここでは、歯や顎の痛み、特定の歯への強い当たり、噛み合わせの違和感、マウスピースの破損・摩耗など、注意して確認したいサインについて解説します。

 

気になるサイン 確認したいポイント
歯や顎の痛み・疲労感が強くなった 痛みが強い、長く続いていないか
特定の歯だけに強く当たる 一部の歯や歯ぐきに負担が集中していないか
噛み合わせに違和感がある 外したあとも違和感が続いていないか
割れ・摩耗・変形がある 以前と装着感が変わっていないか

3-1. 装着後に歯や顎の痛み・疲労感が強くなった

マウスピースを使い始めた直後は、口の中の異物感などに慣れるまで時間がかかる場合があります。

しかし、装着前より歯や顎の痛みが強くなったり、朝起きたときの顎の疲労感が続いたりする場合は注意が必要です。

 

痛みがあるからといって、必ずマウスピースが逆効果になっているとは限りません。

ただし、装置の適合や使用方法を調整した方がよい場合もあります。強い痛みや違和感を我慢して使い続けず、歯科医師に相談しましょう。

3-2. 特定の歯だけに強く当たる・痛みを感じる

マウスピースを装着したときに、一部の歯だけが強く押される、特定の歯に痛みを感じる、歯ぐきに強く当たるといった状態が続く場合は、装置の適合を確認してもらいましょう。

 

歯科医院で作製したマウスピースでも、口腔内の状態や装置の摩耗などによって調整が必要になることがあります。

気になる部分があっても、自分でマウスピースを削ったり形を変えたりするのは避けましょう。適切な調整が必要かどうか、歯科医師に確認してもらうことが大切です。

3-3. 噛み合わせが変わったように感じる

マウスピースを外したあとに、「以前と歯の当たり方が違う」「噛みにくくなった」と感じる場合もあります。一時的な違和感だけであれば経過をみることもありますが、噛み合わせの違和感が長く続く場合は歯科医院へ相談しましょう。

 

マウスピースは、自己判断で噛み合わせを変えるために使用するものではありません。

装着後の変化が気になる場合は、「マウスピースのせいで噛み合わせが悪くなった」と決めつけるのではなく、装置の適合や口腔内の状態を確認してもらうことが重要です。

3-4. マウスピースが割れた・大きくすり減った

食いしばりの力を受け続けるマウスピースは、使用しているうちにすり減ったり、亀裂や穴ができたりすることがあります。一度作製したマウスピースを永久に使用できるわけではありません。

 

次のような変化がある場合は、歯科医院で状態を確認してもらいましょう。

  • 表面が大きくすり減っている
  • 穴や亀裂ができている
  • 変形して以前より装着しにくい
  • 外れやすい、または強く締め付けるようになった

 

破損や変形したマウスピースをそのまま使い続けたり、自分で修理したりせず、必要に応じて調整や作り直しについて相談しましょう。

4. 食いしばりでマウスピースが逆効果になるのを防ぐ対処法

食いしばり対策としてのマウスピースが逆効果になるのを防ぐには、原因への対処と適切な管理が必要です。

4-1. 食いしばりの原因にもアプローチする

マウスピースをする目的は強く噛み締める力から歯を守ることで、食いしばり自体を改善するものではありません。マウスピースの装着と並行して、食いしばりそのものの治療も必要です。

 

就寝中の食いしばりの原因には、ストレスや睡眠時無呼吸症候群をはじめとした睡眠障害、歯並びや噛み合わせの不正などが挙げられます。

 

ストレスの多い環境にあるなら、マインドフルネスや趣味などでストレスケアに取り組みましょう。原因となる疾患がある場合には治療します。

 

歯並びや噛み合わせに問題がある場合は、歯列矯正を検討するのも一手です。食いしばりを改善できるだけでなく、審美面や清掃面でも大きなメリットがあります。

 

また、日中に無意識で上下の歯を触れさせたままにする癖(TCH:歯列接触癖)がある方は、咬筋の緊張が影響して夜間も食いしばりが起きやすくなります。

 

日常的に歯を離すように意識付けするトレーニングや、咬筋や顎の緊張をほぐすマッサージも併せて行なうとよいでしょう。

 

 

食いしばりの背景に歯並びや噛み合わせの問題がある場合は、原因に応じて矯正治療が選択肢になることもあります。ただし、すべての噛み合わせをマウスピース矯正だけで改善できるわけではありません。

マウスピース矯正で噛み合わせを改善できるケースと注意点も確認したうえで、歯科医師に相談しましょう。

4-2. 歯科医院でマウスピースを作製する

市販のマウスピースは、歯や顎の負担軽減に一定の効果は期待できるものの、適合性が低いことで問題が生じる可能性があるためおすすめはできません。使用は一時的にとどめ、歯科医院で自分に合ったマウスピースを作製しましょう。

 

また、マウスピースは噛み締める力を受け止めて、すり減ったり変形したりしていきます。作製後は、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが大切です。

5. 食いしばりにマウスピースを使う4つのメリット

食いしばり対策として使用するマウスピースは、歯や顎にかかる負担を軽減することによって以下の4つのメリットをもたらします。

5-1. 歯を摩耗や破折から守れる

歯は、強い衝撃を受けると折れたり割れたりします。外傷だけでなく、睡眠中の無意識の食いしばりや歯ぎしりなど、継続的に強い力がかかることでも、歯は割れてしまうかもしれません。特に、神経を抜いた歯は脆くなるため、摩耗や破折のリスクが上がります。

 

マウスピースを装着すると上下の歯が直接接触しなくなり、噛み締めによってかかる力を減らせます。また、力が一点に集中せず分散されるため、破折から歯を守ることができます。強い噛み締めの力がかかった場合には、マウスピースが歯の代わりに破損し、歯を守れます。

5-2. 詰め物や被せ物の破損リスクを抑えられる

天然歯だけでなく、虫歯の治療などで使用している詰め物や被せ物も、食いしばりの大きな力がかかると割れることがあります。破損した場合、そこから虫歯が進行し、最悪の場合歯を失うことになりかねません。

 

マウスピースの装着によって噛み締めの力が分散されれば、詰め物や被せ物の破損リスクも抑えられます。特にセラミックは、強い力がかかると割れやすいため、食いしばりがある方はマウスピースの使用が推奨されます。

5-3. 歯の位置ずれを防止できる

歯は顎の骨に完全に固定されているわけではなく、正常な状態でわずかに動くようになっています。

 

食いしばりによって歯に継続して強い力がかかると、この動きによって歯が倒れたり、位置が少しずつずれて歯と歯の間の隙間が広がったりすることがあります。

 

食いしばり用のマウスピースは、歯への負担を分散することによって、歯の位置ずれを抑える効果が期待できます。

5-4. 顎関節症の予防につながる

食いしばりは歯だけでなく、顎関節にも負担をかけます。そのまま負担をかけ続けていると、顎に痛みが出たり、口が大きく開けられなくなったりする顎関節症を招くこともあります。

 

マウスピースには、咀嚼筋の緊張や顎関節にかかる力を分散させ、負担を軽減する効果も期待できます。顎関節症の予防や緩和にも有効です。

 

 

食いしばりに加えて、顎の痛みや口を開けにくい、顎を動かすと音が鳴るといった症状がある場合は、顎関節症の症状・原因と治療方法を確認するとともに、無理にマウスピースを使い続けず歯科医院へ相談しましょう。

6. 食いしばりにマウスピースを使う際の注意点

マウスピースは食いしばりによる歯や顎への負担を軽減できる便利なツールですが、使用には注意点もあります。

マウスピースの特性を理解したうえで、正しく使いましょう。

6-1. 慣れるまで時間がかかる

マウスピースは薄いプラスチックなどでできていますが、装着に慣れるまでには時間が必要です。使い始めは違和感や口の渇き、顎の痛みなどを感じることがあります。マウスピースが気になって、眠りにくさを感じる方もいるでしょう。

 

これらは異物を入れることによる当然の反応で、一般的には数日から数週間で次第に慣れ、気にならなくなっていきます。食いしばりによる負担が軽減されるため、次第にマウスピースを装着しているほうが安心できると感じられるようになるはずです。

 

なお、あまりにも違和感が強く装着を続けられない場合には、歯科医師に相談して調整してもらいましょう。

6-2. 定期的なメンテナンスが必要になる

マウスピースは、噛み締めによって変形や破損が生じるため、定期的なメンテナンスが必要です。3ヵ月~半年に1回程度を目安に、歯科医院でチェックしてもらいましょう。

 

噛み締める力が強い場合、数ヵ月ほどでマウスピースに穴があくこともあります。普段の定期検診の際に、マウスピースも確認してもらうようにすると安心です。

 

また、マウスピースの破損や摩耗に気付いたら、できるだけ早く受診して、マウスピースの修理や交換を依頼してください。そのまま使い続けると、かえって症状が悪化する可能性があります。

 

ソフトタイプのマウスピースでは半年程度、ハードタイプのマウスピースでは1~3年で作り直しが必要になることが多くなっています。

 

なお、マウスピースは日々のお手入れも大切です。使用後は水道水で洗い、やわらかめの歯ブラシで優しくこすって汚れを落とします。汚れが気になるときは、専用の洗浄剤を利用しましょう。

6-3. マウスピースだけで食いしばりの原因を解決できるとは限らない

食いしばりには複数の要因が関係しているため、マウスピースを使用するだけで原因そのものが解消されるとは限りません。

 

装着を続けても食いしばりが気になる場合や、顎の痛み・強い違和感などがある場合は、自己判断で使い続けるのではなく、歯科医師に相談しましょう。口腔内の状態や症状を確認したうえで、マウスピースの調整や使用方法の見直し、必要に応じた別の対応を検討することが大切です。

 

 

マウスピースは歯への負担を抑えるために役立ちますが、それだけで食いしばりの原因がなくなるとは限りません。

食いしばりの原因と今日からできる改善・セルフケアも確認し、マウスピース以外の対策も無理のない範囲で取り入れてみましょう。

7. まとめ|正しくマウスピースを使って食いしばりを改善しよう

食いしばり対策としてマウスピースを使用していても、食いしばりそのものが続いているからといって、すぐに「逆効果」と判断する必要はありません。食いしばり用マウスピースの主な役割は、強い力による歯のすり減りや破折などの負担を抑えることです。

 

一方で、装着後に歯や顎の痛みが強くなった、特定の歯だけに強く当たる、噛み合わせの違和感が続く、マウスピースが大きく摩耗・破損しているといった場合は、装置の適合や状態を確認する必要があります。また、市販品やスポーツ用、矯正用など、目的の異なるマウスピースを自己判断で食いしばり対策に使用するのも避けましょう。

 

マウスピースだけで食いしばりの原因そのものを解消できるとは限りません。食いしばりが続く場合や、痛み・強い違和感がある場合は、自分でマウスピースを削ったり使用方法を変更したりせず、歯科医師に相談することが大切です。

 

また、食いしばりに加えて歯並びや噛み合わせについても気になっている方は、矯正治療の適応を含めて歯科医師へ相談してみましょう。

 

歯科医師に相談した結果、歯並びや噛み合わせの改善を目的として矯正治療が選択肢になる場合は、マウスピース矯正サービスおすすめ7選の料金・特徴を比較することで、自分に合う相談先を検討しやすくなります。

 

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