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犬歯がない人とある人の違いは?犬歯がない人の割合、治療法も解説

湊 寛明
湊 寛明
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

ご自身もしくはご家族に犬歯がない場合、デメリットや治療法が気になるのではないでしょうか。

 

犬歯がないと食べ物を噛み切りにくくなったり、噛み合わせのバランスが悪くなったりするため、適切な処置を受けたいところです。

 

今回は犬歯がない人とある人の違いを踏まえつつ、おもな原因・犬歯がない人の割合・ケース別の治療法について解説します。この記事を読めば、犬歯がない人の性質や処置に関する理解が深まるので、ぜひご一読ください。

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1. 犬歯がない人とある人の違い

犬歯とは、前から3番目の位置に生えるひし形の歯です。健康にかかわる重要な役割を担っているので、犬歯の有無は生活ひいては人生に大きな影響をもたらします。

 

ここでは、犬歯がない人とある人の違いを複数の観点から解説します。

1-1. 咀嚼のしやすさ

犬歯がない場合、食事の際に食べ物をうまく咀嚼できなくなってしまう可能性があります。

 

犬歯は硬く尖っているため、肉や根菜といった歯ごたえのある食べ物を噛み切るのに適した歯です。ほかの歯より歯根が長く耐久性に優れているので、年齢を重ねても残りやすい傾向にあります。

 

犬歯がないと食べ物を細かく噛み切りにくくなるためほかの歯に負担がかかるだけではなく顎の痛みや消化不良を引き起こす原因になりがちです。

1-2. 噛み合わせの安定感

犬歯は噛み合わせを安定させたり顎の位置や動きを正常に保ったりする役割を担っています。犬歯がない人はある人に比べると、噛み合わせのバランスが崩れて不安定になりがちです。

 

噛み合わせが悪くなった場合、以下のようなデメリットが発生してしまいます。

 

・特定の歯に負担がかかって欠けやすくなる

・歯を磨きにくくなり虫歯や歯周病のリスクが高まる

・口腔内の乾燥によって口臭がきつくなる

・顔貌が変化する(顔が左右非対称になる、顎まわりのバランスが崩れるなど)

・発音や滑舌に支障が出る

・首や肩の筋肉のバランスが崩れる

・見た目や発音の悪さがコンプレックスになる

 

噛み合わせは口腔内にとどまらず全身やメンタル面の健康にも深く関連しているため安定感を失った際の影響力は甚大です。

 

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1-3. 歯の寿命

犬歯がない人は前歯や奥歯に負担がかかりやすいので、それらの歯の寿命が短くなる傾向にあります。

 

犬歯は「犬歯誘導」という役割を担っています。これは下顎を左右にスライドした際に犬歯が上下で当たることで、ほかの奥歯が接触しないように導く作用です。犬歯は硬く頑丈という強みを活かしほかの歯にかかる力を受け止めて保護しています

 

犬歯がないと犬歯誘導はできないので、下顎を動かした際に奥歯がこすれ合ってしまい、摩耗や破損を引き起こす可能性があります。また、本来なら犬歯にかかる力を顎全体で受け止めなければならないため後述する顎関節の負担増大につながることもデメリットです。

1-4. 顎関節への負担

犬歯がないと下顎の位置がうまく定まらないため、顎関節にかかる負担が大きくなりがちです。この状態が長期間続くことで顎関節症を引き起こす可能性が高まってしまいます

 

噛み合わせが悪い場合歯の食いしばりや歯ぎしりが起こりやすい点にも注意が必要です。結果的に顎の痛みや開けにくさといった顎関節症の症状が表れるほか、頭痛や肩こりにつながるケースもあります。

1-5. 見た目の印象

犬歯は前歯の一種であり歯を見せた際に目立ちやすいため見た目の印象(審美性)に大きく影響するポイントです。

 

犬歯がない場合、口元が下がるので実年齢より老けて見えてしまう可能性があります。また、口元の後退によって唇の張りが失われてしまい横顔の美しさが損なわれることもデメリットです。

 

噛み合わせのバランスが崩れることで、エラが張った顔つきになったり、顔の輪郭が歪んだりするケースもあります。発育期の子どもの場合、噛み合わせの悪さは顎の成長を阻害しかねません。

2. 犬歯がない3つのおもな原因

犬歯がない原因は大きく分けて「先天性欠如」「埋伏歯」「抜歯」の3つが考えられます。原因によって必要な治療法は変わってくるためあらかじめ「なぜ犬歯がないのか」という点を把握しておくことが大切です。

2-1. 先天性欠如

先天性欠如とは本来生えてくるはずの永久歯が生まれつき存在していない状態です。歯のベースとなる歯胚が形成されていないので、歯の本数自体が減ってしまいます。

 

先天性欠如の原因は今のところはっきりと判明していませんが、親からの遺伝妊娠中の栄養不足薬物の副作用などによる影響と推測されています。

 

先天性欠如は下顎の歯に起こりやすく、特に第二小臼歯と側切歯での発生頻度が高い傾向にあります。参考として日本小児歯科学会の調査データを一部抜粋しました。

 

🔴永久歯先天性欠如の部位別発現数と発現頻度

 

部位 人数(男女) 割合(%)
上顎・右側 512 3.29
上顎・左側 494 3.18
上顎・両側合計 680 4.37
下顎・右側 868 5.58
下顎・左側 846 5.44
下顎・両側合計 1,179 7.58

 

🔴永久歯先天性欠如の歯種別発現数と発現頻度(下顎)

 

部位 歯の種類 人数(男女) 割合
右側 第二大臼歯 22 0.14
右側 第一大臼歯 8 0.05
右側 第二小臼歯 441 2.84
右側 第一小臼歯 65 0.42
右側 犬歯 27 0.17
右側 側切歯 343 2.21
右側 中切歯 109 0.70
左側 中切歯 114 0.73
左側 側切歯 249 1.60
左側 犬歯 30 0.19
左側 第一小臼歯 65 0.42
左側 第二小臼歯 506 3.26
左側 第一大臼歯 10 0.06
左側 第二大臼歯 26 0.17

 

参照:日本小児歯科学会「日本人小児の永久歯先天性欠如に関する疫学調査」

 

先天性欠如の場合、永久歯が生えるべき場所に乳歯が残るケースもあります。乳歯は歯質が弱く20~30歳の間で抜けてしまう可能性が高いため永久歯の代わりとして機能する役割は期待できません

2-2. 埋伏歯

埋伏歯とは、乳歯から永久歯へと生え変わる際に歯が顎骨や歯肉に埋まって生えてこない状態を指します。歯がすべて埋まる「完全埋伏歯」と、歯の一部だけ埋まる「不完全埋伏歯」の2つに分類されます。

 

犬歯はほかの歯と比べて埋伏歯になりやすいものの、レントゲン撮影の検査をしないと確認できないので、発見されにくい傾向があります。

 

また、近年は子どもの頭と顎が小さくなっている反面、歯の幅が大きくなっていることも関連しています。犬歯の永久歯はそのほかの歯が永久歯に生え変わったあと10歳~12歳頃に生え変わるケースが多いため顎が小さいと犬歯が生えるために必要なスペースが不足し結果的に埋伏歯となってしまうのです

 

そのほか、乳歯の早期脱落過剰歯舌癖口呼吸なども埋伏歯の原因とされています。

2-3. 抜歯

永久歯がきちんと生えている人でも、歯科治療を受ける過程で犬歯を抜かなければならないケースがあります。

 

抜歯が必要なケースを表形式でまとめたので、以下も併せてご確認ください。

 

抜歯が必要なケース 概要
虫歯 軽度の虫歯であれば、被せ物や詰め物で対処できる可能性が高い。
しかし、犬歯の歯根だけ残るなど虫歯が重症化している場合、
抜歯による治療が選択肢に入る。
歯周病 犬歯は歯根が最も長いため、歯周病で犬歯周辺の歯槽骨が
少し減っても支障は生じにくい。
しかし、犬歯がぐらぐらするほど歯槽骨が減少している場合は、
抜歯を求められる可能性が高い。
歯根破折 外傷や事故によって犬歯が根元から折れてしまった場合、
抜歯しなければならない。
八重歯 歯がずれて生える八重歯によって口腔内環境が悪化している場合、
抜歯が検討される。

 

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3. 犬歯がない人の割合

日本小児歯科学会の調査データによれば、先天性欠如で永久歯が生えてこない人の割合は約10%です。上顎に欠如がある割合は4.37%、下顎に欠如がある割合は7.58%となっています。

 

犬歯が生まれつき欠如する人の割合は全体の1%にも満たないので、レアケースといえるでしょう。

 

参照:日本小児歯科学会「日本人小児の永久歯先天性欠如に関する疫学調査」

 

東京歯科大学の臨床データを見てみると、埋伏歯の発現率は8.7%です。犬歯の埋伏発現率は34.9%と比較的高く、下顎より上顎で発現しやすいことが判明しています。

 

参照:東京歯科大学「大学病院矯正歯科来院患者の埋伏歯に関する臨床統計」

 

一方、後天的に犬歯を失った人に直接関連するデータは見当たりません。公益財団法人 8020推進財団の報告書によれば、抜歯の原因は歯周病が1位で37.1%う蝕虫歯)が29.2%破折17.8%となっています。

参照:公益財団法人 8020推進財団「第2回 永久歯の抜歯原因調査 報告書」

4. 【ケース別】犬歯がない人の治療法

犬歯がない人向けの治療法は多岐にわたるので、先述した先天性欠如埋伏歯抜歯の原因を踏まえて検討する必要があります。

 

適切な治療法をケース別に紹介するので、ぜひ参考にしてください。

4-1. 先天性欠如の場合

先天性欠如で犬歯が最初から存在しない場合、シンプルに人工的な歯を入れると問題を解決できます。インプラントブリッジ部分入れ歯といった治療法が代表的です。

 

一方、矯正治療によるアプローチも選択肢に入ります。歯全体を移動させて空いたスペースを閉じることで、犬歯がない部分を補えるようになります。

4-2. 埋伏歯の場合

犬歯が生えるためのスペースがある場合、解決策として「開窓牽引」が選択肢に入ります。これは歯茎を切開して埋伏犬歯を露出させつつ矯正装置で犬歯を引っ張り出す治療法です。

 

開窓術(埋伏歯の露出)だけなら1日で終わりますが、牽引は完了するまで半年~1年程度かかります。1本の犬歯のために奥歯まで矯正装置を取りつけるケースもあるため、身体的な負担が大きい治療法です。

 

犬歯が生えるためのスペースがない場合、抜歯が検討されます。

4-3. 犬歯を抜歯する場合

虫歯歯周病が著しく進行している場合、または破折後の状態が悪い場合、犬歯を抜歯しなければならない可能性もあります。

 

しかし、犬歯は咀嚼や噛み合わせで重要な役割を担っているため、なるべく歯を残せる治療法を検討するケースが一般的です。例えば、犬歯の代わりにほかの歯を抜歯しスペースを確保してから矯正などを行なう「便宜抜歯」が選択肢に入ります

 

便宜抜歯の場合、抜歯対象には第一小臼歯もしくは第二小臼歯が選ばれる傾向にあります。

5. まとめ|犬歯がない人は矯正治療も視野に入れよう

犬歯がない場合咀嚼噛み合わせ歯の寿命などに関するデメリットが生じます。口腔内の健康はもちろん、全身やメンタル面の健康にも悪影響をもたらしかねないため、早めに歯科医院で処置を受けたいところです。

 

犬歯がない人が治療を受ける場合、矯正治療も視野に入ります。特にマウスピース矯正は審美性が高く、日常生活への影響も少ないのでおすすめです。

 

歯科ポータルサイト「ウィ・スマイル」では、マウスピース矯正に対応した歯科医院を多数紹介しているので、ぜひご利用ください。

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