唇が厚いのは口ゴボが原因？歯並びは良いのに口ゴボに見える理由・改善法も解説

「厚い唇がコンプレックスで、横顔に自信が持てない」

「歯並びは悪くないはずなのに、口元だけがボコッと突き出て見える」

といったお悩みを感じていませんか？

その原因は唇の厚みだけでなく、歯並びや骨格の影響による「口ゴボ」が関係していることもあります。

この記事では、口ゴボと唇の厚みの関係や、歯並びが良くても口元が突出して見える理由、矯正治療で唇の印象がどう変わるのかを詳しく解説します。口元の印象をすっきりさせるセルフケアもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

唇が厚く見える原因は、大きく以下の2つが挙げられます。

・口元全体が前に出ているため、唇が押し出されている

・唇そのものにボリュームがある

歯並びや骨格による、いわゆる「口ゴボ」によって唇が厚く見えている場合は、矯正治療や外科手術によって改善する可能性があります。

歯や顎が内側に収まることで、押し出されていた唇も自然な位置に戻り、口元の突出感と唇の厚みの軽減が期待できるでしょう。

一方で、歯並びや骨格には問題がなく、唇自体の厚みによって口元が突出した印象を与えていることもあります。ふっくらした唇はチャームポイントになることも多くありますが、コンプレックスを感じている方も少なくありません。

このような場合は、口周りの筋肉を鍛えるトレーニングや、美容整形で印象を整える方法もあります。まずは自分の唇の特徴を知り、それに合わせた改善方法を選ぶことが大切です。

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口ゴボとは、顔を横から見たときに、鼻や顎の先よりも口元が前に突き出ている状態を指します。上唇と下唇の両方が前に出て、ポコッと盛り上がったように見えるのが特徴です。意識していない状態だと口が開いてしまう、唇が閉じにくいといった方も多くいます。

自分が口ゴボかどうか気になる方は、人差し指の側面を鼻先から顎の先端に当てて確認してみてください。このとき、指で唇が強く押しつぶされる場合は、口ゴボの可能性があります。

わかりにくい場合は、スマートフォンで横顔を撮影し、画像に定規などを当ててチェックしてみるとよいでしょう。

鼻先と顎を結んだ線は「Eライン（エステティックライン）」と呼ばれており、この線の内側に唇が収まるのが理想的とされています。

ただし、Eラインは西洋人の骨格をもとに提唱された基準のため、日本人で該当する方はあまり多くないとされています。日本人の場合は、唇がその線に軽く触れるか、少し超える程度が一般的な基準と考えるとよいでしょう。

そのため、Eラインはあくまで目安の一つとしてとらえ、ご自身の骨格や顔立ちに合った美しさを意識してください。

口ゴボというと、出っ歯のように前歯が突き出ている状態を想像するかもしれません。

しかし実際には、「歯並びは整っているのに口ゴボに見える」とお悩みの方も多くいます。

ここでは、歯並び以外に考えられる3つの原因をご紹介します。

歯並びのガタつきがなくても、歯全体が前に傾いて生えている「歯槽性上顎前突（しそうせいじょうがくぜんとつ）」が口ゴボの原因になっている場合があります。

顎の骨自体は正常な位置にあっても、歯の生える角度が外向きになっていることで、傾いた歯によって口元が押し出されている状態です。

一見すると歯並びが良いと認識しやすいため、特に傾きが軽度である場合はご自身で気付いていない方も多くいます。

口ゴボは、上顎や下顎の骨自体が前へ突き出ている骨格性の「上下顎前突（じょうげがくぜんとつ）」など、遺伝や生まれつきの骨格が原因で起こることも少なくありません。

また、上顎の位置は正常でも、下顎が後ろに下がっていて小さく見える「下顎後退（かがくこうたい）」が原因の場合もあります。この場合は、下顎が後ろに下がっていることで、相対的に上顎や口元全体が前に出ているような印象を与えてしまっています。

このように、歯並びだけでなく骨格のバランスも横顔の印象に大きく影響しています。

日常的に口が開いたままになっている「口呼吸」が癖になっていると、唇を閉じる筋肉（口輪筋）が衰えやすくなります。筋肉がゆるむと唇のハリが失われ、分厚く、締まりのない口元になりがちです。

また、無意識のうちに舌で前歯の裏側を押し出す癖があると、その力で歯を前方へ少しずつ傾けてしまい、口ゴボを悪化させる一因になるため注意しましょう。

さらに、下唇を噛む癖や、やわらかい食べ物ばかりを食べる習慣も、歯の位置に影響を与えることがあります。

今は歯並びが良くても、日常の行動や習慣が積み重なると口元の印象に悪影響をおよぼす可能性があります。そのため、普段から鼻呼吸や正しい舌の位置などを意識することが大切です。

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歯列矯正によって前に出ていた歯が内側に収まると、歯に押し出されていた唇も自然な位置に戻ります。めくれ上がったような唇や厚ぼったく見えていた口元がすっきりと整い、唇の印象を和らげる効果が期待できます。

唇自体の厚みが変わるわけではありませんが、口元のバランスが整うことで、顔全体の印象も変わるでしょう。

また、口ゴボは口呼吸になりやすいため口の中が乾燥しやすく、唾液の分泌が減ります。口の中を清潔に保つ働きがある唾液が減ることで、虫歯や歯周病、口臭の発生にもつながります。

このように口ゴボの矯正は、見た目の改善だけでなく口腔内の健康リスクを抑えるうえでも効果的です。

口ゴボ治療には、歯の傾きに対応できる矯正治療の他、骨格自体に問題がある重度な症例の場合には外科手術を併用する方法もあります。

ここでは、口ゴボ治療で代表的な「ワイヤー矯正」「マウスピース矯正」「外科矯正」の概要と、それぞれの費用・期間の目安をご紹介します。

ワイヤー矯正は、歯の表面または裏面に「ブラケット」という装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かす、最も一般的な矯正治療法です。幅広い症例に対応可能で、複雑な歯の移動にも向いています。

装置の見た目が気になる場合は、歯の裏側に付ける「裏側矯正」や、上の歯を裏側、下の歯を表側から矯正する「ハーフリンガル矯正」もあります。

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マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を定期的に交換しながら、歯を少しずつ動かしていく治療法です。装置が目立ちにくいこと、自分で取り外しができ食事や歯磨きをしやすいことが、大きなメリットです。

ただし、矯正の効果を発揮するためには1日20時間以上の装着が必須となり、自己管理が欠かせません。また、抜歯が必要な重度の症例など、対応できないケースもあります。

マウスピース矯正の費用目安は55万円～130万円、期間は9ヵ月～3年程度といわれています。

軽度の出っ歯など、歯の傾きがわずかなケースには特に向いているため、気になる場合は矯正歯科医に相談してみるとよいでしょう。

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外科矯正は、顎の骨格に大きなズレがあり、通常の矯正治療だけでは改善が難しい場合に採用される方法です。顎の骨を切る手術とワイヤー矯正を組み合わせて、骨格と歯並びの両方を改善します。

治療には、全身麻酔での手術や、数日～数週間の入院が必要です。そのため、時間も費用もかかりますが、「顎変形症」と診断されれば保険適用となる場合があります。

費用の目安は、自費が80万円以上、保険適用が30万円～60万円ほどとされています。期間は症状によって異なりますが、術前・術後の矯正を含めて3年半程度かかるのが一般的です。

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口元の印象を整えるには、日頃の意識とトレーニングが効果的です。

ここでは、簡単にできるセルフケアを3つご紹介します。

普段から口呼吸の習慣がある方は、まず鼻呼吸に切り替えることから始めましょう。

口呼吸では常に口がぽかんと開いているため、唇を閉じる筋肉（口輪筋）がほとんど使われません。その結果、筋肉が衰えて口元が前に出やすくなってしまいます。

鼻呼吸を意識して口を閉じると口輪筋が自然に使われるため、口元が引き締まっていきます。続けることで唇やフェイスラインの印象が、少しずつ変わっていくのを感じられるでしょう。

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日常で「舌の位置」を意識することはあまりないかもしれませんが、実は歯並びのバランスにかかわる重要なポイントになります。

舌は、上の前歯のすぐ後ろの歯茎（スポット）に舌先が軽く触れ、舌全体が上顎にぴったり沿っているのが正しい状態です。

舌が前歯の裏側に直接触れていると前歯を前方に押し出す力がかかり、歯並びの乱れや口ゴボの原因になることがあります。普段から、正しい位置を意識するようにしましょう。

口元の筋力をさらに高めたい方におすすめなのが「あいうべ体操」です。

あいうべ体操を行なうと、口輪筋や舌の筋肉を同時に鍛えることができ、口呼吸の改善・フェイスラインの引き締めにもつながります。

【やり方】

・「あー」で口を大きく開ける

・「いー」で口を大きく横に開く

・「うー」で口をすぼめて前に突き出す

・「べー」で舌を出し、できるだけ下方向に伸ばす

・各1秒ずつ、10回を1セットとして、1日3セット行なう

声を出さなくてもできるので、入浴中やスキンケアのあとなど、行ないやすいタイミングで取り入れてみてください。

ただし、これらのセルフケアは、あくまで習慣の見直しや筋肉へのアプローチです。歯並びや骨格の問題を自己判断で解決しようとするのは危険なため、まずは歯科医院へ相談して正しい診断を受けましょう。

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最後に、口ゴボと唇の悩みに関して、特に多く寄せられる質問をご紹介します。

唇が厚く見えている原因によって、適した治療法は異なります。唇自体の厚みが原因であれば美容医療、歯並びや骨格の影響で唇が厚く見えている場合は歯科矯正が適しています。

ご自身で原因を正確に判断するのは、なかなか難しいものです。まずは矯正歯科で診断を受けてから、必要に応じて美容外科にも相談してみるとよいでしょう。

ご自身では「歯並びが良い」と感じていても、専門医が詳しく診察すると、全体的に歯が前に傾いていたり、骨格や噛み合わせに問題が見つかったりする場合があります。

口元の突出感を改善するためには、「歯の傾き」や「噛み合わせ」を正しく整える必要があり、そのための治療として歯列矯正が有効になります。

口ゴボ治療で外科手術が選択肢になるのは、骨格に大きなズレがあり、歯列矯正だけでは治療が難しい場合などに限られます。歯の傾きなどが原因となっている軽度の症例では、手術をせずに、矯正だけで口元の印象を改善できるケースも多くあります。

カウンセリングの際は、不安に感じていることも含めて専門医に相談し、ご自身の状態と原因を正確に診断してもらうことが重要です。

口ゴボの原因は、歯並びや骨格、口呼吸をはじめとする生活習慣などさまざまです。口ゴボによって唇が厚く見えている場合は、矯正治療で目立たなくなる可能性があるため、まずは歯科矯正の検討から始めてみてはいかがでしょうか。

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