
- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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「歯並びは悪くないのに、なんだか横顔がもっさり見える…」
「唇が前に出ているように感じるけど、出っ歯ではないはず…」
そんなふうに、自分の口元に違和感を覚えたことはありませんか?
本記事では、そんな「歯並びは良いのに口ゴボかもしれない」と感じる方に向けて、以下のポイントをわかりやすく解説します。
・なぜ歯並びが綺麗なのに口ゴボに見えるのか?
・自分でできるセルフチェック方法
・マウスピース矯正や外科手術で治せるのか?
- 1. 「口ゴボなのに歯並びは良い」ってどういうこと?
- 2. 歯並びは良いのに口ゴボに見える6つの原因
- 2-1. 骨格的な要因(上下顎前突・下顎後退など)
- 2-2. 歯の傾きやアーチ(歯列弓)の形状
- 2-3. 口周りの筋肉バランスや舌の癖(機能的要因)
- 2-4. 唇の厚みや形状(軟部組織の影響)
- 2-5. 奥歯と前歯の噛み合わせバランスの乱れ(咬合の問題)
- 2-6. 成長期の生活習慣や姿勢による後天的な影響
- 3. 歯並びが良くても気づきにくい口ゴボの特徴とセルフチェックのポイント
- 4. 【原因別】口ゴボを改善する方法
- 4-1. 歯の傾きが原因の場合
- 4-2. 骨格のズレが原因の場合
- 4-3. 舌の癖・口呼吸が原因の場合
- 5. まとめ|「歯並びは良いのに口ゴボ」で悩んだら、まずはウィ・スマイルへ相談を
1. 「口ゴボなのに歯並びは良い」ってどういうこと?

「歯並びが良いのに、なんとなく口元が出て見える」
このように感じる方は少なくありません。
一般的に、歯並びが整っていれば口元も自然に美しく見えると考えがちですが、実は歯並びの良し悪しと口元のバランスは必ずしも一致しないのです。
歯科や美容の分野では、こうした状態を「口ゴボ(くちごぼ)」と呼びます。
医学的には「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」と分類されることもあり、上あごと下あご、あるいはその両方が前方に突出している骨格的な特徴が関係していることもあります。
実際に矯正歯科の現場でも、「歯並びは問題ないと言われたのに、どうしても横顔が気になる」という相談は少なくありません。
また、歯が整っていても、前方に傾いて並んでいる(前突)ことで、唇が押し出されるように見えるケースもあります。
つまり、
・歯の位置や角度
・顎の骨格バランス
・唇や口周りの筋肉の付き方
といった複数の要因が絡み合って、見た目に“口ゴボっぽさ”が出るのです。
歯列は綺麗でも、「横顔に締まりがない」「常に口が開いてしまう」「笑ったときに口元が気になる」
などの違和感があるなら、単なる歯並びの問題ではないかもしれません。
■参考記事:綺麗な歯並びってどんな状態?整え方・期間・費用をわかりやすく解説
次の章では、そんな口ゴボの原因を詳しく解説します。
2. 歯並びは良いのに口ゴボに見える6つの原因

歯並びがきれいなのに、なんだか口元がもっこりして見える。そんな悩みを抱えている人は実は少なくありません。
特に最近では、SNSで横顔の写真を撮る機会が増えたことで、自分の口元が気になり始めた人も多いのではないでしょうか。
口ゴボの原因がわかれば、適切な対処法も見えてきます。
ここでは、歯並びは良いのに口ゴボに見えてしまう具体的な理由を、実際のケースを交えながらわかりやすく説明していきます。
2-1. 骨格的な要因(上下顎前突・下顎後退など)
もっとも根本的な原因の一つが、顎の骨格バランスのズレです。
特に以下のようなケースは、歯並びが綺麗でも口ゴボに見えやすくなります。
- 上下顎前突(じょうげがくぜんとつ):上下のあごの骨ごと前に出ている状態。唇が前に押し出される。
- 下顎後退(かがくこうたい):下あごが後ろに引っ込んでおり、相対的に上唇が突出して見える。
このような骨格の問題は、歯の位置ではなく“土台そのものの前後バランス”に原因があります。
上下顎前突・下顎後退といった骨格的な問題は、歯列矯正だけでなく外科的手術(顎切り術)による治療が必要になることもあり、
日本口腔外科学会や日本矯正歯科学会ではこれらの症例に保険適用される条件を定めています。
2-2. 歯の傾きやアーチ(歯列弓)の形状
「歯並びが良い」とは、見た目が整っていることを意味しますが、歯の“角度”までは見えにくいものです。
例えば、以下のような状態も口ゴボの原因になります。
- 歯が前方に傾斜して並んでいる(前突傾向)
- 歯列のアーチが狭く、前方に張り出している
このような場合、見た目ではガタガタしていなくても、歯全体が唇を内側から押し出すような力をかけており、口元が突出した印象を与えてしまいます。
このタイプの口ゴボは、マウスピース矯正で角度を調整することで改善が期待できるケースもあります。
2-3. 口周りの筋肉バランスや舌の癖(機能的要因)
意外に見落とされがちなのが、口周りの筋肉や舌の位置のクセです。
・口呼吸の習慣があると、唇を閉じる筋肉が衰え、常に口が開きがちになり、口元の張り出しが目立ちやすくなります。
・低位舌(ていいぜつ):舌が下に落ちている状態。あごの発達が妨げられ、バランスが崩れます。
・唇を閉じる癖がない/力を入れないと閉じられない という方も、筋機能のアンバランスによって見た目に影響を及ぼします。
このような機能的要因は、表情筋トレーニングやMFT(口腔筋機能療法)によって改善が可能です。
2-4. 唇の厚みや形状(軟部組織の影響)
口ゴボは骨格や歯列だけでなく、唇そのものの形や厚みによっても見え方が大きく変わります。
とくに以下のような特徴を持つ方は、歯並びが整っていても口元が出て見えやすくなります。
- 上唇が厚く前方に張り出している
- 鼻の下(人中)が長く、唇が自然と前傾する
- 唇の輪郭が強く浮き出て見えるタイプ
これはいわゆる「軟部組織(なんぶそしき)」による要素で、骨や歯ではなく“見た目のボリューム”が口元を前に見せる要因となります。
たとえば、外国人モデルのような厚みのある唇は魅力的に見える反面、Eラインから前に出ることで「口ゴボ」に分類されることもあります。
このようなケースでは、歯列矯正だけでは十分な改善が見られない可能性があります。
美容整形などでのアプローチを選ぶ方もいますが、まずは口元全体のバランスを歯科医に相談するのが安全です。
2-5. 奥歯と前歯の噛み合わせバランスの乱れ(咬合の問題)
口ゴボの原因は見た目だけでなく、噛み合わせ(咬合)のバランスの乱れにあることもあります。
特に以下のような咬合状態があると、前歯が前に押し出されて見えやすくなります。
- 前歯が咬んでいない(開咬傾向)
- 奥歯の咬み合わせが浅く、前歯に負担が集中
- 下の前歯が内側に傾き、上の前歯を押し出している
これらは専門的な検査をしなければわかりにくいため、「歯並びは綺麗だけど…」と思っている方ほど実は噛み合わせに問題があるケースも珍しくありません。
歯は1本単位で見るのではなく、上下の咬合関係を含めてトータルで診ることが重要です。
矯正歯科では、こうした咬合診断も含めた精密検査を行い、見た目と機能の両立を目指す治療計画を立てることが可能です。
2-6. 成長期の生活習慣や姿勢による後天的な影響
最後に見落としがちなのが、子ども時代からの習慣や姿勢が口元に与える影響です。
たとえば以下のような習慣は、骨格や歯列、筋肉の発育に大きく関わります。
- 指しゃぶりや口呼吸が長期間続いていた
- 柔らかいものばかり食べて、咀嚼量が少なかった
- 猫背や頬杖など、姿勢の悪さが慢性的だった
成長期にこうした習慣が積み重なると、顎の発育不足や噛み合わせのアンバランスが起こり、将来的に口ゴボのような見た目につながることがあります。
これは「成長の過程で形成された構造的な癖」のようなもので、見た目だけを治しても根本の原因が残っていれば再発する可能性もあります。
矯正治療に加え、舌のトレーニングや姿勢改善など、日常生活の見直しが必要になる場合もあります。
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3. 歯並びが良くても気づきにくい口ゴボの特徴とセルフチェックのポイント

歯並びが整っているからといって、口元の突出感がないとは限りません。
実は多くの人が見落としがちな口ゴボの特徴があります。
ここでは、歯科医療の専門知識に基づいた客観的な判断基準をご紹介します。
医学的に確立された診断基準「Eライン」
「Eライン」は、鼻先からオトガイまでを一直線で結んだラインよりも、口唇が前方に出ているかどうかが口ゴボの判断基準とされています。
この評価法は、矯正歯科医ロバート・リケッツによって提唱された科学的な診断指標です。
ただし、日本人の骨格は欧米人と比較して、鼻が低めで下顎先端が首に近いため、口唇にEラインが触れる程度でも基準内と考えて良い人種的特徴があることも知っておきましょう。
【歯科医師が注目する診断ポイント】
●横顔プロファイルの評価基準
・鼻先と顎先を結ぶ直線に対する唇の位置関係
・上唇:Eラインから約1~2mm内側(後方)にあるのが理想的とされています
・下唇の突出度合いと全体的なバランス
●自宅でできる簡易チェック方法
1. 横顔の写真を自然な表情で撮影
2. 鼻先と顎先に定規やスマートフォンの端を当てる
3. 上下の唇がその線より前に出ているかを客観的に確認
【専門医への相談を検討すべきケース】
口ゴボはある程度は自己診断が出来ますが、歯科医院で診断を受け、最適な治療法を見つけることが大切です。
特に以下の場合は専門的な診断をおすすめします。
- セルフチェックで明らかな突出が認められる
- 咀嚼や発音に支障がある
- 心理的な負担が日常生活に影響している
口ゴボ自体は病気ではないので、必ずしも治す必要があるわけではありませんが、機能的な問題や心理的な負担がある場合は、適切な専門医に相談することが重要です。
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4. 【原因別】口ゴボを改善する方法

口ゴボを改善するには、「なんでそう見えるのか?」という原因をしっかり見極めることが大切です。
というのも、口ゴボに見える理由は人によって違い、それによって治療法も大きく変わってくるからです。
たとえば、骨格のバランスが原因なのか、歯の角度のせいなのか、それとも筋肉や舌のクセなのか——。
まずはその“原因”を正しく知ることで、自分に合った改善法が見えてきます。
ここでは、口ゴボの原因別におすすめの治療法をご紹介します。
4-1. 歯の傾きが原因の場合
歯並びがきれいでも、前歯が前方に傾いて生えている(前突)状態だと、唇を内側から押し出す力がかかり、口元がもっこりして見えることがあります。
このようなタイプの口ゴボは、マウスピース矯正で改善できる可能性が高いとされています。
✅ マウスピース矯正が効果的な3つの理由
・「角度の微調整」が得意な治療法
→ マウスピース矯正は、1本1本の歯をミリ単位で計画的に動かせるため、前歯のわずかな傾きによる口ゴボに対応しやすい
・必要な歯だけをコントロールできる
→ 奥歯や噛み合わせに大きな問題がなければ、前歯中心の治療で済むこともあり、治療期間が比較的短くて済む
・見た目や生活への影響が少ない
→ 装置が透明で目立ちにくく、取り外しも可能なため、日常生活に支障なく継続しやすい
歯のガタつきが少なく、前歯の角度が主な原因である場合は、ワイヤー矯正を使わずにマウスピースだけで治療が完結するケースも少なくありません。
ただし、正確な診断にはセファログラム(横顔レントゲン)などの精密検査が欠かせません。
口元のバランスや噛み合わせを総合的に評価してもらうことが重要です。
4-2. 骨格のズレが原因の場合
上下のあご全体が前方に出ている「上下顎前突」や、下あごが引っ込んでいる「下顎後退」といった骨格性の口ゴボは、歯並びが整っていても見た目の改善が難しいことがあります。
これは、歯の位置だけでなく、土台となる顎の骨格にズレがあるためです。
✅ こうした場合に考えられる治療法
● 外科矯正(顎切り手術+歯列矯正)
・上下のあごの骨格バランスを整える根本的な治療
・保険適用になるケースもあり(顎機能診断により認定される場合)
・発音障害・咀嚼障害などがあると適応の可能性が高まる
● オトガイ形成・輪郭形成(美容外科的アプローチ)
・顎のラインやフェイスラインを整えることで、横顔の印象を改善
・「Eラインの整え方」として美容目的で選ぶ方も
・骨格が原因でも、軽度であれば歯列矯正と合わせた選択肢に
そのため、矯正歯科医と顎顔面外科医、または美容形成医が連携している医療機関での相談が安心です。
4-3. 舌の癖・口呼吸が原因の場合
歯や骨格に大きな問題がないのに、「口がぽかんと開いてしまう」「舌が常に下がっている」といった口腔習慣の乱れが、口ゴボの原因になっているケースもあります。
これは、筋肉の使い方のクセや呼吸方法の影響で、口元が前に押し出されるような力がかかるためです。
✅ MFT(口腔筋機能療法)で改善できる主な方法
・舌の正しい位置を身につける(スポットポジション)
→ 舌が本来あるべき位置を習慣化することで、顎や歯列への余計な圧力を防ぎます。
・唇まわりの筋力トレーニング
→ 口が開きがちな人に有効。唇を自然に閉じる力を育てます。
・飲み込み、発音時のクセを改善
→ 舌を前に突き出すような嚥下(えんげ)のクセを修正し、前歯や唇への不要な力を減らします。
●矯正と併用することで効果UP
MFTは、単体でも口元のバランス改善に有効ですが、歯列矯正と併用することで治療効果の安定や“後戻り”の防止にも役立つとされています。
とくに、口呼吸や舌の位置が原因で口ゴボになっている方には、根本的な改善アプローチとしておすすめです。
このような癖は自覚しづらいため、「なんとなく口元が気になる」という方こそ、MFT対応の医院での相談を検討するとよいでしょう。
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5. まとめ|「歯並びは良いのに口ゴボ」で悩んだら、まずはウィ・スマイルへ相談を

「歯並びはキレイだと言われた。でも、なんとなく横顔に違和感がある」
「出っ歯じゃないのに、唇が前に出て見える気がする」
こうしたお悩みは、“気のせい”ではありません。
歯の角度やアーチの形、骨格のバランス、口呼吸や舌の癖といった目に見えにくい要因が重なり、「歯並びは整っているのに口ゴボに見える」ことは十分に起こり得ます。
口ゴボは、見た目だけでなく、呼吸や発音、心理面にも影響を及ぼすことがあります。
それでも「矯正するほどではないかも」と悩んでいる方は少なくありません。
だからこそウィ・スマイルは、一人ひとりの悩みに向き合い、“最適な治療の選択肢”を一緒に探すことを大切にしています。
歯並びが良いのに口元が気になる…そんなお悩みがある方は、ぜひ一度ウィ・スマイルへご相談ください。
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