口ゴボの治し方とは？専門的な治療法・セルフケア、自力で治すリスクも解説

「口ゴボが気になるけれど、歯列矯正や整形まではハードルが高い…」　「できれば自力で改善したい！」

と考える方は少なくありません。

口ゴボは歯並びや骨格に原因があるため、歯列矯正や外科手術による治療が必要です。

むしろ自力で口ゴボを治そうとすると、歯や歯茎、歯並びにとって悪影響をおよぼします。

ただし、セルフケアは口ゴボの印象をやわらげるのに役立つため、根本的な治療と組み合わせることで症状の悪化を防げます。

この記事では、

・【原因別】口ゴボの根本的な治療方法

・美容整形による治療方法と注意点

・口ゴボの印象をやわらげるセルフケア

・口ゴボを自力で治すことのリスク

・口ゴボのセルフ診断

・改善に役立つ生活習慣

・口ゴボの治療に対する保険適用の有無

まで、段階的にわかりやすく解説します。

セルフケアでは改善が難しい場合、歯科的・医療的なアプローチが必要になることがあります。

ここでは、口ゴボの原因に応じた治療方法、美容整形の治療について解説します。

口ゴボの原因が歯並びや噛み合わせにある場合、歯列矯正が非常に効果的です。

特に、出っ歯（上顎前突）や前歯が前方に傾いていることで唇が押し出されているケースでは、歯の位置を整えることで口元の突出感を和らげ、フェイスライン全体をすっきり見せることができます。

矯正治療には、表側ワイヤー矯正・裏側（リンガル）矯正・マウスピース矯正（インビザラインなど）といった選択肢があり、ライフスタイルや症状の重さに応じて適切な方法を選ぶことが可能です。

また、必要に応じて抜歯をともなう矯正が行なわれることもあり、これによってスペースを確保しながら口元の後退を目指す治療が行なわれます。

なお、出っ歯や受け口が軽度である場合、マウスピース矯正で治療できる可能性があります。マウスピース矯正は部分矯正にも対応しており、前歯の後ろに下げることで口ゴボの治療が可能です。

ただし、マウスピース矯正は歯を大きく動かすのが苦手であり、歯並びの状態が極端に悪いと治療に対応できません。前歯以外の歯列のズレが大きい、出っ歯の傾きが強い場合、ワイヤー矯正が必要になることが一般的です。

ワイヤー矯正とは、ワイヤーを締めて歯を移動させる治療方法で、あらゆる状態の歯列に対応できます。口ゴボの治療では歯を後方に移動する必要があり、スペースを確保するために抜歯をするケースも多々あります。

ワイヤー矯正はブラケットという装置を歯に取り付けますが、見た目が気になる場合は歯の「裏側」に装着することも可能です。

骨格自体に原因がある重度の口ゴボでは、歯の位置を整えるだけでは根本的な改善が見込めないことがあります。

このような場合には、顎の骨格にアプローチする「外科矯正」や、後述する美容整形の手術が必要になることがあります。

外科矯正では、矯正治療と併用して上下の顎の骨を手術によって動かす「顎骨切り術」などが行なわれ、医科・歯科の連携のもとで進められます。

外科手術が必要な骨格とは、上顎か下顎が明らかに突出している、上顎が全体的に傾斜している場合が挙げられます。上顎が突出していて、さらに前歯も出っ歯になっている場合、矯正治療と外科手術の併用が効果的です。

ただし、外科手術を受けたあとは、2～6ヵ月程度のダウンタイムが必要です。

術後は患部の痛みや腫れ、感覚の鈍さなどの症状があらわれます。ダウンタイム中は食事制限が求められるため、費用と時間だけでなく、術後の生活も考慮して手術を受けましょう。

美容整形では顎の骨切り手術（セットバック）のほかに、ヒアルロン酸注入や脂肪吸引、口唇縮小術などを用いた治療をするケースがあります。

顎にヒアルロン酸を注入すると、顎に高さが出ることで顔のバランスが整い、口ゴボを解消することが可能です。メスを入れないのでダウンタイムもほとんどなく、体への負担も大幅に軽減できます。

脂肪吸引の場合、顎などにある余分な脂肪を除去し、ヒアルロン酸注入を組み合わせることで顎の形を整えるという治療方法です。

また、口ゴボで唇が分厚く見える場合、唇の厚みのバランスを整える口唇縮小術が有効なケースもあります。

ただし、手術を必要としない美容整形治療は、骨格と歯並びに問題がない軽度の口ゴボが対象です。

歯列矯正や外科矯正を受けた場合でも、日常的なセルフケアを継続することで、より高い効果や長期的な維持が期待できます。

例えば、矯正中および保定期間中に口元の筋トレや舌の正しい位置を保つ習慣を取り入れることで、仕上がりの美しさを高め、後戻りを防ぐ効果もあります。

また、姿勢改善や口呼吸の予防といった生活習慣の見直しも、全体的な口元の印象に好影響をもたらします。

セルフケアと専門治療をバランスよく組み合わせることで、自然で健康的な笑顔を手に入れることができるでしょう。

特に軽度の口ゴボや、口元の印象を少しでもやわらげたい方におすすめしたい、5つのセルフケア方法をご紹介します。

唇やその周囲の筋肉は、使わなければどんどん衰えていきます。

筋力が低下すると、口元がたるんで見えたり、締まりのない印象につながりやすくなります。口ゴボの予防や改善を目指すには、口周りの筋トレが効果的です。

例えば「口すぼめ運動」では、唇を前に突き出して5秒キープし、ゆっくり戻すという動作を10回繰り返します。

また、「あいうえお体操」で顔全体の表情筋を動かすことも、血行促進やリフトアップに役立ちます。

1日5分でも構わないので、習慣化することがポイントです。

舌の位置が下がっていたり、前歯を押すクセ（舌癖）があると、知らず知らずのうちに歯列や口元のバランスを乱してしまいます。

理想的な舌の位置は、舌全体が上顎の広い部分（スポットと呼ばれる位置）に優しく触れている状態です。これは「ポスチャー」とも呼ばれ、正しい口腔機能を維持するうえでとても重要です。

舌癖を改善するには、「MFT（口腔筋機能療法）」というトレーニング方法を取り入れるのが効果的です。

口を閉じて舌を上に持ち上げる簡単な練習を毎日行なうことで、正しいポジションを身に付けやすくなります。

口呼吸が日常化していると、唇や顎の筋肉が使われなくなり、口元が前に出る傾向が強まります。

また、乾燥や虫歯のリスクも高くなるため、健康面でもデメリットが多いです。

鼻呼吸を意識的に習慣づけるには、日中は口を閉じることを意識し、寝るときには口閉じテープや鼻腔拡張テープなどを活用するのも効果的です。

まずは自分の呼吸スタイルを見直すことから始めましょう。

スマートフォンやパソコンを見る時間が長い現代では、無意識に猫背になっている人も多いです。猫背になると頭が前に出て、顎が突き出した姿勢になり、結果として口元の突出が強調されてしまいます。

デスクワーク中は、背筋を伸ばし、頭の位置を体の真上に保つことを意識しましょう。

また、骨盤を立てて座ることで自然と姿勢が整いやすくなります。日常の姿勢改善が、見た目の印象に大きな変化をもたらします。

表情筋は日常生活で意識的に使わないと衰えやすく、口元のたるみやむくみに影響します。

毎日のスキンケアタイムに、口角から耳の方向へ引き上げるようなマッサージを取り入れると、血行が促進されてハリのある印象に。

また、口にくわえてトレーニングするシリコン製グッズや、フェイスローラーなども市販されています。無理のない範囲で、楽しみながら取り入れることで、継続しやすくなります。

これらのセルフケアは、一朝一夕では効果が出ないこともありますが、日々の積み重ねが見た目と機能面の改善につながります。

焦らずコツコツ、できることから続けていくことが大切です。

口ゴボの改善を目指してセルフケアを続けることで、見た目の印象がやわらぐ可能性は十分にあります。

ただし、口ゴボを自分で治すことは、基本的に不可能です。

セルフケアの効果が得られるかは、口ゴボの状態によって個人差があります。

次に、セルフケアが有効な口ゴボの程度、セルフケアの考え方について知っておきましょう。

口元の筋力低下や舌の位置、姿勢の悪さなどが原因で軽度の口ゴボになっている場合、筋トレや舌癖の改善、鼻呼吸の習慣などによって、口元が引き締まり、全体的にすっきりとした印象に変化することがあります。

以下の特徴に複数当てはまる方は、軽度〜中等度の口ゴボ傾向があるかもしれません。

早めに対処を始めることで、口元の印象をやわらげることができ、見た目のコンプレックス解消にもつながります。

・会話中に唇を閉じるのが難しい

・横顔で鼻より口元が明らかに前に出ている

・日常的に口呼吸になっている

・食事のときにクチャクチャ音がしやすい

・リラックス時でも顎や口元に力が入っている

特に、まだ成長期にあるお子さんや、生活習慣による影響が大きい方には、自力ケアが有効に働くことも少なくありません。

一方で、骨格や歯列に起因する中等度〜重度の口ゴボの場合、セルフケアだけで根本的な改善を図ることは困難です。

上顎や下顎の骨が前方に突出していたり、歯並びに強い乱れがある場合は、矯正治療や外科的処置を併用しないと改善は難しいとされています。

無理にセルフケアだけで治そうとすると、かえって表情筋や顎関節に負担をかけてしまうこともあるため、注意が必要です。

セルフケアは、あくまでも口元の“見た目や印象”を整えるためのサポート的な手段ととらえるのが理想的です。

トレーニングなどのセルフケアによって、口元の突出感がやわらいでいで見えることもあります。

また、前に述べたように口呼吸など日頃のクセで口ゴボになることもあるため、そういったクセの改善を意識することも大切です。

表情筋トレーニングや正しい舌の位置、鼻呼吸の習慣などは、続けることで少しずつ口元の印象に変化をもたらします。

特に、軽度の口ゴボであれば、生活習慣の改善が大きな成果を生む可能性もあります。

毎日の積み重ねこそが、将来のフェイスラインをつくる基礎になるのです。

一方、医療的なアプローチが必要なケースでは、早めに専門の歯科医院に相談し、適切な治療方針を立てることが最も大切です。

セルフケアで印象を良くしつつ、必要に応じて専門的なサポートを受けるというバランスが、最も安心できる選択といえるでしょう。

口ゴボの改善に向けた第一歩は、無理なく日常に取り入れられる習慣から始めることです。

完璧を目指そうとすると途中で挫折してしまうこともあるため、続けやすい取り組みをコツコツ重ねていくことが大切です。

SNSや口コミで見かける自己流のケア方法や、過度なビフォーアフター写真に惑わされないことが大切です。

口ゴボの原因は人それぞれ異なるため、誰かの成功例がそのまま自分に当てはまるとは限りません。

インターネット上にある口ゴボの治し方に、「壁に歯を押しつける」、「歯を舌で押す」といった民間療法がヒットします。

しかし、口ゴボを自力で治すことは不可能なうえに、歯を無理矢理に押す行為で口ゴボが悪化する可能性があります。

そもそも歯列矯正では、時間をかけて歯を少しずつ動かしながら歯並びを整えます。手で歯を無理矢理に押した場合、思わぬ方向に歯が倒れてしまう可能性も否定できません。

まずは信頼できる医療機関や専門サイトから正しい情報を収集し、自分に合った対策を見極めましょう。

自力で口ゴボを治そうとして、歯や顎を押すことで歯や歯茎に大きな負担がかかります。

歯茎や歯の神経を痛めるだけでなく、歯にヒビが入ったり、最悪の場合は歯が折れたりする可能性があります。

また、歯を押すことで歯の負担がかかると、歯肉炎や歯周病が発生しかねません。

さらに、歯の根元が露出すると、知覚過敏が発生するリスクも高まるので注意が必要です。

お金をかけずに口ゴボを治そうと、何年もかけて自力で歯を押すという人もいるようです。

しかし、歯並びや骨格による口ゴボは、歯列矯正や外科手術などの治療が不可欠です。

自力で治そうとする間に就職や出産などのライフイベントが発生すると、歯科医院で治療を受けるタイミングを逃してしまいます。

さらに、自力で治す行為を続けると口ゴボが治らないだけでなく、歯の損傷や歯周病などの症状が進行しかねません。

口ゴボ以外の治療が発生することを考慮すると、早いうちに歯科医院で治療を受けたほうが時間もお金も無駄にしないといえます。

口元が前に出て見える「口ゴボ」に悩んでいる方のなかには、「そもそも自分は本当に口ゴボなの？」と判断に迷っている方も多いはず。

ここでは、簡単なセルフチェックで“口ゴボ傾向”を確認してみましょう。

鏡の前やスマートフォンの横顔写真で、自分の口元をチェックしてみましょう。

鼻の先端と顎の先端を結んだ「Eライン（エステティックライン）」の内側に唇が収まっていれば、美しい横顔とされています。

しかし、上下の唇の両方、またはどちらか一方がEラインより外に突出している場合、口ゴボの傾向があると考えられます。

特に、唇が厚く見える、あるいは突出によって口元全体が前に出て見える場合は注意が必要です。

正面から見たときにもチェックポイントがあります。

例えば、何もしていないのに口が半開きになっている、唇が厚くて前に出ているように見える、前歯が前方に傾いている、などが当てはまる方は口ゴボの可能性が高いです。

また、無意識に口元に力が入ってしまい、自然に閉じていられない場合も、筋肉バランスの乱れによって口ゴボが強調されることがあります。

口ゴボを歯列矯正で治療する場合、数十万円の費用がかかります。

次に、歯列矯正における保険適用の有無、保険が適用される診断について解説します。

口ゴボを歯列矯正で治療する場合、基本的に健康保険は使えないため「自由診療」となります。

一般的な口ゴボは病気ではないうえに、見た目の印象を整える歯列矯正は「審美目的」とみなされるためです。

自由診療で歯列矯正を受けた場合、費用は安くても30万円程度、高いと100万円以上もかかります。

顎の移置のズレによる口ゴボは、顎変形症の可能性があります。

顎変形症と診断された場合、治療のための外科手術、および手術にともなう検査や矯正治療などは健康保険が適用されるケースがあります。

美容整形でも、骨切りなどの外科手術を受けることは可能です。

ただし、保険が適用されるのは指定医療機関での治療であり、美容整形外科は原則的に自由診療となるので注意しましょう。

軽度の口ゴボであれば、口周りの筋トレや鼻呼吸、姿勢改善などのセルフケアによって印象をやわらげられます。

しかし、口ゴボを自力で治すことは基本的に不可能であり、無理に歯を押すような行為は歯や歯茎を痛めてしまいます。

口ゴボを根本的に治療するには、歯並びが原因の場合は歯列矯正、骨格なら外科手術による治療が必要です。歯科医院に治療を相談するという一歩を踏み出すことで、未来の自分の口元や表情は大きく変わるかもしれません。

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口ゴボの歯列矯正は原則的に自由診療であり、高額な治療費がネックに感じる方も少なくないでしょう。ウィ・スマイルなら最適な専門医を探せるうえ、リーズナブルな料金で治療を受けることが可能です。

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