- この記事の監修者
-
歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

「これまで歯並びを気にしたことはなかったのに、40代になって前歯が出てきたような気がする」
という方は少なくありません。
大人になってからの歯並びの変化は見た目の問題だけでなく、噛み合わせの悪化や顎関節症、虫歯や歯周病の進行といった健康リスクにもつながる可能性があるため、注意が必要です。
この記事では、40代で前歯が出てくる主な原因や放置するリスク、具体的な治療法を解説します。歯並びのお悩みを解決する第一歩としてぜひお役立てください。
\信頼できる矯正医を探すなら
「WE SMILE」/
- 1. 40代で前歯が出てきたと感じる原因
- 1-1. 食いしばり・歯ぎしり・舌癖などの習慣がある
- 1-2. 親知らずを放置している
- 1-3. 歯周病が進行している
- 1-4. 虫歯の影響で歯並びが悪化している
- 1-5. 口周りの筋力が低下している
- 2. 前歯が出てくると生じるリスク
- 2-1. 噛み合わせが悪化する
- 2-2. 顎関節症になりやすくなる
- 2-3. 虫歯・歯周病になりやすくなる
- 2-4. 発音しにくくなる
- 3. 40代で前歯が出てきた際の具体的な治療法
- 3-1. ワイヤー矯正
- 3-2. マウスピース矯正
- 3-3. セラミック矯正
- 3-4. 歯周病治療
- 4. 出てきた前歯は自力で治せる?
- 5. 前歯が出てくるのを予防する方法
- 5-1. マウスピース(ナイトガード)
- 5-2. 咬筋ボトックス
- 5-3. ポッピング
- 5-4. スポットポジション
- 6. まとめ|40代で前歯が出てきたら、まずは歯科検診を受けてみよう
1. 40代で前歯が出てきたと感じる原因

大人になってから前歯が出てきたように感じる方には、フレアーアウトという現象が起きている可能性があります。
フレアーアウトとは、もともときれいに並んでいた歯が何かしらの原因で前に押し出されたり、外側へ扇状に広がったりして出っ歯のように見える状態を指します。
大人になってフレアーアウトが起こる主な原因は以下のとおりです。
1-1. 食いしばり・歯ぎしり・舌癖などの習慣がある
食いしばりや歯ぎしりにより慢性的に前歯に力が加わると歯根に負担がかかり、力が加わっている側の歯根膜(歯に加わる衝撃を抑制するクッションの役割を担う組織)が縮み、反対側の歯根膜が伸びます。
その結果、力が加わっている側に骨を溶かす細胞ができ、その空いたスペースに歯が少しずつ押し出されてしまう現象が起こります。
また、舌で前歯を押す舌癖も歯並びが乱れるリスクにつながるため、注意が必要です。
1-2. 親知らずを放置している
親知らず(第三大臼歯)は18歳以降に一番奥に生えてくる歯です。親知らずが成長するときに隣の歯を押す力が加わり、その影響で前歯が少しずつ前方にずれてしまうことがあります。
親知らずは、誰にでも生えるわけではありません。もともと親知らずが存在しない人がいれば、歯ぐきや顎の骨の中に埋まったまま生えてこない状態の人もいます。
この埋まった親知らずが、30代・40代になってから生えてくるケースもあるため、注意が必要です。歯並びの乱れを防ぐためには、定期的な歯科検診で親知らずの有無や生え方を確認してもらうことがポイントです。
1-3. 歯周病が進行している
歯は歯根が歯槽骨に支えられて固定されています。しかし歯周病が進行すると、歯ぐきや歯槽骨などの周辺組織に炎症が広がり、これらの組織が徐々に破壊されていきます。
その結果、歯がぐらつきやすくなり、前歯が外側へ押し出されて出っ歯のように見えてしまうことがあるため、注意が必要です。
1-4. 虫歯の影響で歯並びが悪化している
虫歯も前歯が出る原因の一つです。健康な歯がきちんと生えそろっていると正しい歯の位置が保たれますが、虫歯で歯が欠けたり抜けたりしたまま放置すると、そのスペースに前後の歯が移動し、歯列に悪影響をおよぼすケースがあります。
1-5. 口周りの筋力が低下している
歯並びは頬と舌の筋肉のバランスで保たれています。しかし、加齢により頬や舌の筋力が衰えると、そのバランスが崩れて歯が外側へ傾いたり、前に出てきたりすることがあるため注意が必要です。
特に、顔を構成する筋肉のなかでも唇の周囲にある口輪筋が衰えると、口を閉じる力が低下します。その結果、口が開きやすくなり、前歯が押し出されて出っ歯のように見えることがあります。
2. 前歯が出てくると生じるリスク

前歯が前方に出ると、見た目の印象が変わるだけでなく、噛み合わせや口腔機能など健康面にも悪影響をおよぼすことがあります。
ここでは、40代以降に前歯が出てきた際に起こりやすい主なリスクを解説します。
2-1. 噛み合わせが悪化する
歯並びが乱れると、上下の歯の噛み合わせがずれてしまい、食べ物をしっかり噛みくだけなくなります。
その結果、食べ物をよく噛まずに飲み込むような食習慣が続き、胃腸に負担がかかったり、消化不良の原因となったりすることがあります。
2-2. 顎関節症になりやすくなる
歯並びが乱れると一部の歯に噛む力が偏り、顎に負担がかかって顎関節症になることがあります。
顎関節症になると口の開け閉めがしにくくなったり、顎周辺に痛みが出たりすることがあり、放置すると慢性化する恐れがあるため注意が必要です。
2-3. 虫歯・歯周病になりやすくなる
歯並びが乱れていると、歯ブラシの毛先が届きにくい部分に汚れが残りやすくなります。その結果、虫歯や歯周病が発生・進行しやすくなり、口内環境が悪化する恐れがあります。
2-4. 発音しにくくなる
歯並びや噛み合わせが乱れると、舌の動きが制限されて発音が不明瞭になったり、特定の音が言いにくくなったりすることがあります。
3. 40代で前歯が出てきた際の具体的な治療法

大人になって前歯が出てきた場合は、以下の治療で改善が期待できます。
3-1. ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる小さな装置を付け、そこへ金属製のワイヤーを通して歯並びを徐々に整えていく方法です。定期的に歯科医院でワイヤーの調整を行ないながら、少しずつ歯を動かして理想的な歯並びへと近付けていきます。
ブラケットやワイヤーが目立つことを気にする方もいますが、その分、細かい調整がしやすく、幅広い症例に対応できる点が特徴です。
透明で目立ちにくいブラケットや、歯の裏側に装置を付ける裏側矯正を選べば、見た目に配慮しながら治療を進めることができます。
ワイヤー矯正の費用は60~150万円、治療期間は1~3年が目安です。
関連記事
3-2. マウスピース矯正
前歯の突出が軽度~中度の場合、マウスピース矯正で改善できる可能性があります。
マウスピース矯正は透明なマウスピースを装着し、歯を少しずつ動かして歯並びを整える治療法です。 マウスピースは自分で着脱できるため、食事や歯磨きがしやすく衛生的です。また、透明で目立ちにくいため、見た目の違和感が少なく日常生活に支障をきたしにくいメリットもあります。
マウスピース矯正の費用は60~100万円、治療期間は1~2年が目安です。
関連記事
3-3. セラミック矯正
セラミック矯正とは、歯の表面を削ってセラミック製の薄い板や被せ物を装着し、歯並びの見た目を整える治療法です。名称に「矯正」と付いていますが、実際には歯を動かす治療ではなく、虫歯治療などと同じ補綴(ほてつ)治療の一種に分類されます。
セラミック矯正には、主に以下の2種類があります。
・ラミネートベニア:歯の表面をわずかに削り、セラミック製の薄い板を貼り付ける方法
・セラミッククラウン:歯を全体的に削り、セラミック製の被せ物を装着する方法
どちらの治療法も歯を削る必要がありますが、歯を動かす期間が不要なため、短期間で見た目を改善できる点がメリットです。ただし、前歯の突出具合によっては神経を取る処置が必要になることや、土台となる歯に負担がかかる場合があります。
セラミック矯正の費用は5~15万円、治療期間は1~3ヵ月が目安です。
関連記事
3-4. 歯周病治療
歯周病は、歯を支える歯槽骨を少しずつ溶かしてしまう病気です。初期のうちは痛みなどの自覚症状がほとんどないまま進行するのが特徴です。
歯槽骨が弱まると、歯を支える力が低下して歯がぐらつきやすくなり、前歯が押し出されて出っ歯のように見えることがあります。そのため、大人になって前歯の位置が変わったと感じたら、まずは歯科医院で検診を受け、歯周病や虫歯の有無を確認してもらうことが大切です。
歯を支える土台を健康な状態に整えておくことで、今後矯正治療を行なう際にも歯の移動がスムーズに進みやすくなるメリットがあります。
4. 出てきた前歯は自力で治せる?
出てきた前歯を自力で元の位置に戻すことはできません。前歯を指で押したり、器具を使って力を加えたりする行為は歯や歯ぐき、神経を傷付ける原因となるため、絶対に避けましょう。
5. 前歯が出てくるのを予防する方法
加齢にともなう歯の移動は、歯科医院での治療や日常的なセルフケアにより、ある程度予防することが可能です。ここでは、前歯の突出を防ぐために効果的な方法を紹介します。
5-1. マウスピース(ナイトガード)
就寝前にマウスピース(ナイトガード)を装着すると、睡眠中に無意識に行なわれる歯ぎしりによる歯や歯ぐきへの負担を軽減できます。
起床後に顎が疲れている、家族から睡眠中の歯ぎしりを指摘されているといった場合は、マウスピースの着用を検討するとよいでしょう。
5-2. 咬筋ボトックス
食事をしていないときは、上下の歯の間に隙間があり、接触していない状態が自然です。常に上下の歯が触れている場合は、食いしばりの癖がある可能性があります。
上下の歯が接触している時間が長い場合は、上下の歯を離す習慣を身に付けることが大切です。
改善が難しい場合は、咬筋にボトックス注射を打って筋肉の働きを弱める方法もあります。ただし、咬筋ボトックスの効き目は3~6ヵ月ほどで徐々に薄れるため、効果を維持するには定期的な施術が必要です。
5-3. ポッピング
ポッピングは舌の筋肉を鍛えるトレーニング方法で、歯列が外側へ傾くのを防ぐ効果が期待できます。
ポッピングの手順は次のとおりです。
① 舌全体を上顎の裏側に吸い付ける
② 口を大きく開けて舌の裏の筋を伸ばす
③ 舌を下におろし、「タン」と音を立てる
舌全体を上顎の裏側に正しく吸い付けられていると、しっかりとした「タン」という音が鳴ります。もしうまく吸い付けられない場合は、軽く「ペタペタ」と音を出す練習から始めましょう。
5-4. スポットポジション
舌が常に下がっている状態だと、無意識のうちに舌で歯を押してしまい、歯並びが乱れる原因になることがあります。
このような場合は、舌を正しい位置(スポット:上の前歯の裏側にある膨らみ)に置くスポットポジションのトレーニングを行なうとよいでしょう。
スポットポジションのトレーニング手順は次のとおりです。
① 舌の先をスポットに付ける
② 舌全体を上顎に引っ付ける
このとき、舌の先だけでなく、舌の奥まで上顎に密着させるのがポイントです。トレーニングを続けると舌の位置が安定し、口周りの筋肉のバランスが整って歯列の乱れを防ぐ効果が期待できます。
6. まとめ|40代で前歯が出てきたら、まずは歯科検診を受けてみよう

40代で前歯が出てくる主な原因としては、歯周病の進行や親知らずによる圧力、食いしばりや舌癖、口周りの筋力低下が挙げられます。
前歯の突出を放置すると、見た目の印象が変わるだけでなく、噛み合わせの悪化による消化不良や、歯磨きが行き届かないことで起こる虫歯・歯周病の進行など、健康面にも悪影響をおよぼす恐れがあります。
そのため、前歯の変化に気付いたら、まずは歯科医院で検診を受けて原因を特定することが大切です。矯正治療を検討する場合も、事前に歯ぐきや顎の骨などの土台となる歯周組織を健康な状態に整えておくことで、治療を効率的に進められます。
ウィ・スマイルは全国100以上の歯科医院と提携しており、信頼できる歯科医師を探すことができます。もう一度きれいな歯並びを手に入れたいとお考えの方は、まずは専門家による診断を受けてみましょう。
\信頼できる矯正医を探すなら
「WE SMILE」/






















