「口元がモコっとしていて表情が暗い」
「横顔を見ると顎が無いみたいで恥ずかしい」
このように、アデノイド顔貌には色々なコンプレックスがあります。症状としては、上唇が前に出ていたり、顎が小さくて口元のメリハリが無いルックスだったりと様々です。では歯科矯正治療によって、アデノイド顔貌を改善することはできるのでしょうか。
そこで当記事では、アデノイド顔貌における矯正歯科治療についてご説明します。さらに症状の原因や、見た目以外のデメリットも解説しますので、気になる方はぜひお読みください。
- 1.アデノイド顔貌の特徴
- 1-1.口ゴボ・出っ歯との違い
- 2.アデノイド顔貌の原因
- 2-1.アデノイド肥大
- 2-2.口呼吸
- 3.アデノイド顔貌の影響
- 3-1.審美性が悪くなる
- 3-2.耳に関わる病気の発症につながる可能性がある
- 3-3.睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクが高まる
- 4.アデノイド顔貌を自力で治す方法
- 4-1.MFT(口腔筋機能療法)を行う
- 4-2.あいうべ体操を行う
- 5.【アデノイド顔貌の治療法1】歯列矯正
- 6.【アデノイド顔貌の治療法2】外科手術
- 6-1.アデノイド肥大の切除
- 6-2.顎骨体移動術
- 7.歯科矯正の種類と費用の目安
- 7-1.マウスピース矯正
- 7-2.ワイヤー矯正(表側矯正)
- 7-3.裏側矯正(舌側矯正)
- 8.アデノイド顔貌の予防法
- 8-1.幼少期の口呼吸の改善が重要
- 8-2.生活習慣の悪癖を改善
- 8-3.鼻呼吸テープで口呼吸を防ぐ
- 8-4.鼻づまりの治療
- 8-5.口周りの筋肉の訓練
- 9.アデノイド顔貌の相談先は?
- 9-1.耳鼻科を受診する
- 9-2.矯正歯科を受診する
- アデノイド顔貌の特徴と歯科矯正「まとめ」
1.アデノイド顔貌の特徴
ご自身の“横顔”にコンプレックスがあり、「アデノイド顔貌」だと悩んでいる方は少なくありません。あまり耳慣れない言葉かと思いますが、アデノイド顔貌とは「アデノイド(咽頭扁桃)」が大きく肥大化してしまったことによって起こる顔貌(顔つき)のことです。
・「アデノイド顔貌」とは、鼻の奥にある「アデノイド(咽頭扁桃)」が肥大化し、口呼吸が習慣化してことによって起こる顔つきのこと。
専門的に説明すると、鼻と喉がつながっている咽頭部分の上咽頭部にあるリンパ組織を「アデノイド」と呼びます。これは天然フィルターとして、ウイルスや細菌が体内へ侵入するのを防ぐ働きがあります。
その特徴(見分け方)は大きく下記となります。
・口が少し開いたままになる
・下顎が引っ込み出っ歯に見える
・鼻の下が間延びして見える
・首と顔の境がはっきりしなく二重顎に見える
また、次のような症状も「アデノイド」の特徴です。
・歯並びが悪い
・鼻通りが悪く「いびき」をかきやすい(睡眠時無呼吸症候群)
アデノイド顔貌は、「口ゴボ」や「出っ歯」と間違えられることが多いのですが、それらとは異なります。
次章で詳しく説明します。
1-1.口ゴボ・出っ歯との違い
まず「口ゴボ」について。
これは医学的な定義のある「病気の名前」ではありません。
では口ゴボとはどのような状態かというと、唇を閉じて、横から見ると、口元がもっこり前に出ている状態です。ゴボ口と呼ばれることもあり、「口元がゴボッと前に出ている」ことから名付けられた造語です。
判断基準(見分け方)としては、下記となります。
・横から見て、口元が盛り上がっている
・唇が突き出している
・上下の唇と閉じると、下顎にしわができる
自分が「口ゴボ」かどうかは、セルフチェックできます。
まず横顔の写真を撮影しましょう。その写真に、鼻の先から顎の先に線を引いてみてください。この線より唇の先が出ていたら、口ゴボの状態と言えます。
続いて、「出っ歯」についてです。
出っ歯は、「骨格に問題がある出っ歯」と「歯並びに問題がある出っ歯」の2種類があります。原因としては大きく3つあって、“遺伝”、“癖”、“口呼吸”です。
いずれにしても「口ゴボ」も「出っ歯」も「アデノイド顔貌」とは似ていますが、別物です。
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2.アデノイド顔貌の原因
それでは、アデノイド顔貌の原因について、詳しく解説していきますね。
原因は大きく2つ、「アデノイド肥大」と「口呼吸」です。
2-1.アデノイド肥大
まずアデノイド肥大について、最初の方でもお伝えしましたが、アデノイドとは「咽頭扁桃(いんとうへんとう)」という喉の奥の方にある「リンパ組織」のこと。鼻から喉につながる部分にあり、「扁桃線」と同じく、細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぐ機能があります。
この「アデノイド」と呼ばれる部分が腫れてしまって、顔つきに変化が現れるのが「アデノイド顔貌」です。
これは子供の時(10歳まで)に起こります。子供は免疫力が低いからで、大人になって免疫力が高くなると「アドノイド」は小さくなっていきます。(大人になってもアデノイドが肥大化したままのこともあります)
アデノイドが肥大化すると、「顔貌」が変わるだけではありません。気道が狭くなるので、「いびき」をかくようになり「睡眠障害」「呼吸困難」に陥ります。睡眠不足は、知能、認知、感情にも良いことはありません。そして、アデノイドには細菌が棲みついているので、風邪を引きやすくもなります。
2-2.口呼吸
アデノイド顔貌の2つ目の原因が、「口呼吸」です。口呼吸を軽く見ないでください。口呼吸が癖になっている方は下顎骨の筋肉がつきづらく、顎の骨も成長しなくなってしまいます。
そのため、舌の位置や動かし方に変な癖がつき、「アドノイド顔貌」になってしまう方もいます。口で呼吸することで、細菌やウイルスが体内に入り込みやすくなり、腫れを引き起こし、「アドノイド」が肥大化します。
口呼吸は「口の発育」にも影響します。口呼吸で常に口を開けていると、舌や唇、頬の力のバランスが崩れて、顎の骨や歯の成長に影響し「歯並びが悪くなる」こともあります。
3.アデノイド顔貌の影響
アデノイド顔貌を本人が気にしていなくても、放置しておくのはあまりおすすめできません。また、アデノイド顔貌の原因にもなっている、アデノイド増殖症も様々な悪影響を及ぼします。
3-1.審美性が悪くなる
アデノイド顔貌のルックスは、老けた印象や不機嫌な印象に見られることがあります。また、自信がない表情に見えることもあるので社会的にもあまり良くありません。人によっては、顔つきにコンプレックスを感じてしまい、ストレスや消極的な性格になるケースもあります。
3-2.耳に関わる病気の発症につながる可能性がある
アデノイドの肥大を放置すると、滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)などの発症リスクが高くなります。
滲出性中耳炎 とは、鼓室と呼ばれる鼓膜の奥に水がたまって難聴を引き起こす病気です。これは肥大したアデノイドが耳管を圧迫して起こります。また、汚れた鼻水が耳管の周囲に溜まって中耳炎を引き起こすこともあります。
一般的にはアデノイドの肥大は6歳ごろがピークで、その後は10歳ごろまでには小さくなっていきます。そのため、小学校に入る前後までが中耳炎にかかることが多い病気です。また個人差がありますが、風邪を引くたびに中耳炎になるケースもあります。
3-3.睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクが高まる
アデノイド顔貌は、場合によってはSAS(睡眠時無呼吸症候群)を引き起こすことがあります。これは、肥大したアデノイドが気道を圧迫してしまうことが原因で、無呼吸になってしまう症状です。
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう深刻な病気です。厳密には1時間あたりで5回以上を目安に、無呼吸や低呼吸が繰り返されるとSASという判断をします。SASが慢性化すると、狭心症・高血圧・心筋梗塞などのリスクが高くなるため治療が必要です。
また、SASは深い睡眠が取れないため、イラついたり集中力にかけたりと精神面にも影響を及ぼす可能性があります。
参考:睡眠時無呼吸症候群(厚生労働省より出典)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-026.html
4.アデノイド顔貌を自力で治す方法
「アデノイド顔貌」は自力で治せるか?結論から言うと、大人になってからでは難しいです。子供のうちなら治せるかもしれません。大人は骨格が固まっていますが、子供はまだ骨が軟らかいからです。いくつか方法がありますので、それぞれご紹介しますね。
4-1.MFT(口腔筋機能療法)を行う
MFTと呼ばれる「口腔筋機能療法」があります。食べる、飲む、喋る、呼吸をする時に「舌」「唇」の位置を改善するトレーニングです。これを続けていくことで、口周りの筋肉のバランスが整えられ、指しゃぶりや舌癖等の悪癖を改善し、アドノイド顔貌の原因である「口呼吸」が「鼻呼吸」に変わっていきます。
具体的にどんなトレーニングなのか、ご紹介しますね。
■スポット
舌の正しい位置を覚えるためのトレーニングです。舌の正しい位置は、舌の先端を上の前歯の少し後ろにある「スポット」に置き、舌が上顎全体に当たっている状態のこと。
STEP1 「スポット」にスティック(アイスの棒)などを当て、5秒数える
STEP2 スティックを外し、舌の先を「スポット」につけ、5秒数える
これを5~10回繰り返します。姿勢を正しく
■ティップ
舌先の力をつけるトレーニングです。
STEP1 スティックを口の前に垂直に持つ
STEP2 舌先をとがらせて、スティックを3秒押す
STEP3 スティックを外して、口を閉じる
これを5~10回繰り返します。
■ホッピング
舌の位置を正しくするために、舌を持ち上げる力をつけるトレーニングです。
STEP1 舌先を「スポット」につけ、舌全体で上顎を吸い上げる
STEP2 大きく口を開ける
STEP3 音が出るように舌を話す
これを10~15回繰り返します。
4-2.あいうべ体操を行う
あいうべ体操とは、口呼吸を鼻呼吸にしていくための「お口の体操」です。
STEP1 あー と大きく口を開く
STEP2 いー と口を大きく横に広げる
STEP3 うー と口を強く前に突き出す
STEP4 べー と舌を突き出し下に伸ばす
これを1日30セット繰り返してください。
自然と鼻呼吸ができるようになっていくと思います。
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5.【アデノイド顔貌の治療法1】歯列矯正
~マウスピース矯正ができない3つのケース~
まず注意点として、大人のアデノイド顔貌は自力で治すことはできません。これは、10歳ごろから骨の成長が止まり始めるため、顔のトレーニングやマッサージでは効果が出ないのです。また、自力で鼻呼吸に変えたとしても、顔の骨格が変化しないのでアデノイド顔貌の症状は改善されません。
大人のアデノイド顔貌を改善する際は、歯科医院や形成外科などの医療機関で行うのが一般的です。
歯列矯正で治療する
軽度〜中度のアデノイド顔貌であれば、歯列矯正治療によって症状の改善ができます。特に、かみ合わせや歯並びが原因によるアデノイド顔貌には歯列矯正がおすすめです。矯正治療によって口呼吸が改善され、鼻呼吸になると同時に見た目も改善できます。
症状によっては小臼歯などの抜歯をすることもありますが、健康面や審美性を踏まえると非常に大きなメリットになります。ただし、歯列矯正には後戻りを防ぐ保定期間もあるため、長期的な治療計画を立てる必要があります。
6.【アデノイド顔貌の治療法2】外科手術で治療する
中度〜重度のアデノイド顔貌の場合は、外科的手術で症状を改善します。外科的手術は大きく分けて2つあり、アデノイドの切除と顎骨体移動術(がっこつたいいどうじゅつ)です。さらに、症状によっては外科的手術の前後に歯列矯正を併用して治療することもあります。
6-1.アデノイド肥大の切除
アデノイド肥大の治療の際は、一般的に抗生剤や点鼻薬などで行います。しかし、極端に肥大したアデノイドが大きすぎて完全に気道を塞いでしまうケースには、アデノイドの摘出手術を行う可能性があります。
肥大したアデノイドの切除は、フェイスラインだけでなく睡眠時無呼吸症候群などの身体的な病気の改善も期待できます。また、手術によって口呼吸やイビキが改善されると、狭心症・高血圧・心筋梗塞などのリスクが大きく軽減します。
6-2.顎骨体移動術
重度のアデノイド顔貌で、特に見た目を改善するケースには顎骨体移動術が効果的です。
上顎が前方に突出している場合は、上顎を切断して上後方へ移動します。
逆に下顎が後退している場合には、下顎骨を切断して前方へ移動して顎の輪郭を整えます。手術によって骨を移動した後は、患部が治癒するまで歯列をワイヤーで固定します。
アデノイド顔貌の治療は原則として自由診療ですが、顎変形症の症状も改善する必要がある場合、保険適用での顎骨体移動術を受けることが可能です。
参考:矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは(日本矯正歯科学会より出典)
https://www.jos.gr.jp/facility
7.歯科矯正の種類と費用の目安
マウスピース矯正の期間|ワイヤーとの違いと短期間で終えるポイント
幼少期であれば、成長段階のトレーニングによってアデノイド顔貌を防げる可能性があります。しかし、成長が終わった大人の場合は原則として矯正歯科などクリニックでの治療になります。重度であれば外科的手術の場合がありますが、軽度であれば矯正歯科治療での改善が可能です。
矯正費用については、原則として自由診療になるため歯科医院によって異なります。また矯正期間や、矯正後の後戻りを防ぐ保定期間も人によってばらつきがあります。
歯列矯正でアデノイド顔貌を治療する際は、原因やお口の状態に合わせた矯正装置で治療することが大切です。
7-1.マウスピース矯正
マウスピース矯正は、アライナーという透明の矯正装置を利用して歯列を整えます。
この装置は最近では芸能人にも人気があり、一般の方にも非常に人気のある矯正装置です。約2週間ごとに新しいマウスピースと交換しながら、少しずつ歯を移動させていきます。治療期間は5ヶ月~3年ほどで、症状や状態によって個人差があります。
マウスピース矯正は、装置が透明なので周りの人に気付かれずに治療を行うことができるというメリットがあります。さらに装置の着脱も簡単なので、食事や歯みがき行いやすく矯正前と同じ生活ができます。ただし食事と歯磨き以外は、1日20時間以上の装着が必要なため、つけ忘れなどの管理には注意が必要です。
注意点としては、お口の状態によってマウスピース矯正ではなく、ワイヤー矯正でないと適応しないことがあります。
矯正の範囲 | 期間 | 費用 | |
マウスピース矯正(全体) | 上下・全体 | 1年~3年 | 80万円~100万円 |
マウスピース矯正(前歯中心) | 上下・前歯中心 | 5ヶ月~1年半 | 10万円~70万円 |
7-2.ワイヤー矯正(表側矯正)
ワイヤー矯正は、金属製のブラケットとワイヤーを利用する治療法です。歯の表面に装着したブラケットで、ワイヤーの力で少しずつ歯を移動します。治療中は月に1度のペースで通院し、歯が移動した状態を確認しながらワイヤーを調整します。
ワイヤー矯正のメリットとしては、あらゆる歯ならびの乱れに対応できるという点です。一方で、矯正期間中は装置が取り外せないため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるというデメリットがあります。また、金属の装置が目立ってしまうため、矯正期間中は審美性があまりよくありません。
患者さんによっては、人前に出るお仕事の方や周囲の目が気になる方にはストレスの原因になる可能性があります。この場合、目立たなくできる白色や透明の装置(審美ブラケット)もありますが、通常のワイヤー矯正よりも費用は高額です。
矯正の範囲 | 期間 | 費用 | |
ワイヤー矯正(表側・全体) | 上下・全体 | 1年~3年 | 60万円~100万円 |
ワイヤー矯正(表側・全体) | 上下・前歯中心 | 1年前後 | 20万円~40万円 |
7-3.裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正とは、歯の裏側(舌側)にブラケットとワイヤーを装着する矯正方法です。
装置が裏側なので目立たちませんし、ワイヤー矯正なのであらゆる歯並びの改善が可能です。しかし、装置が当たって舌や頬の内側が傷ついたり、滑舌が悪くなるというデメリットがあります。また、表側のワイヤー矯正と同じように歯磨きがしにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
費用については、ブラケットとワイヤーを装着する難易度が高いため、全体矯正になるとかなり高額です。費用を抑える場合は、目立ちやすい上の歯だけを裏側矯正で行うハーフリンガルという方法もあります。
矯正の範囲 | 期間 | 費用 | |
裏側矯正(全体) | 上下・全体 | 1年~3年 | 100万円~150万円 |
裏側矯正(全体) | 上下・前歯中心 | 1年前後 | 35万円~60万円 |
8.アデノイド顔貌の予防法
アデノイド顔貌の改善は、成人の場合は原則としてクリニックでの治療になります。しかし、口呼吸が癖になってしまっている場合、ある程度は自分で予防することも可能です。また、子供であれば骨格が成長している過程に行うトレーニングでアデノイド顔貌を防ぐことができます。
8-1.幼少期の口呼吸の改善が重要
アデノイド顔貌になる大きな要因に口呼吸があげられます。そのため、幼少期の口呼吸を成長期のうちにしっかりと鼻呼吸にシフトすることが大切です。
8-2.生活習慣の悪癖を改善
幼少期に成長したアデノイドは、小学生になる頃から小さくなっていきます。そのため通常であれば、口呼吸だった子も鼻呼吸に適応していく時期でもあります。ところが指しゃぶりや前歯を押し出す舌癖などの生活習慣で、口呼吸が改善されないケースがあるのです。
成長期も口呼吸が続くと、アデノイドが小さくならずにさらに肥大する可能性があります。そのため、根気よく悪癖を直して鼻呼吸に変えていくことが大切です。
8-3.鼻呼吸テープで口呼吸を防ぐ
睡眠時など口呼吸を意識的にコントロールできないときは、鼻呼吸テープを活用しても良いでしょう。ただし、鼻詰まりが重度である場合は口をふさぐとかえって危険を招くことがあります。また、テープによる唇のかゆみ・かぶれできちんとした睡眠がとれないという方もいます。
鼻呼吸テープを使用する場合は自分で判断せずに、医師に症状を相談してから使うようにしましょう。
8-4.鼻づまりの治療
大人でも子供でも、鼻が詰まっているとどうしても口呼吸になってしまいます。そのため、花粉症やアレルギー性鼻炎、軟骨や骨の異常など、鼻呼吸しにくい原因を除去することが重要です。治療によって口呼吸から鼻呼吸になることで、アデノイドの肥大が改善する可能性があります。
一般的な鼻づまりの治療は抗生剤・点鼻薬などで行いますが、あまりにも症状がひどい場合はアデノイドを切除して鼻づまりを改善します。
8-5.口周りの筋肉の訓練
アデノイド顔貌を防ぐためには、鼻呼吸のために自然に口を閉じていられることがポイントになります。しかし、口呼吸が習慣化している方は口周りの筋肉が衰えているため、自然には口を閉じていられないことがあります。
常に口を閉じているためには、口周りの筋肉である口輪筋を鍛えるトレーニングが有効です。幼少期であれば吹き戻しというおもちゃもありますが、口笛も口輪筋の発達に繋がります。また、矯正歯科ではボタンプル法など、クリニックによって様々な口呼吸を防止するトレーニングを受けることもできます。
9.アデノイド顔貌の相談先
アデノイド顔貌を改善したい場合、その相談先は2種類あります。
・耳鼻科を受診
・矯正歯科を受診
9-1.耳鼻科を受診する
耳鼻科で「アデノイド顔貌」を治療する場合、視診やレントゲンで「アデノイドの肥大状態」を観察、鼻口腔の通りが悪くないかを確認。レントゲンだけでははっきりしない時は、鼻からファイバー(内視鏡)を入れて確認します。
「呼吸障害」「睡眠障害」がひどい場合、手術が必要になることもあります。中耳炎や副鼻腔炎を発症している場合は、その治療も行っていきます。
9-2.矯正歯科を受診する
矯正歯科で治療を行うことも可能です。口呼吸が習慣化している場合は、歯並びを改善することで鼻呼吸になります。同時に見た目も改善されます。
大人の場合、口呼吸を治しただけでは、アドノイド顔貌を改善するのは難しく、やはり「矯正」を行い、歯並びを整え、見た目を変えることが必要となります。矯正だけでは改善しない場合は、「顎骨体移動術」などの外科手術を行うのも効果的です。
アデノイド顔貌の特徴と歯科矯正「まとめ」
アデノイド顔貌の治療法は、原因や口内の状態によって異なります。また、顎変形症などを発症している場合は、治療に保険が適用する可能性もあります。
大人であっても、軽度であれば歯科矯正でアデノイド顔貌の改善が可能です。また、アデノイド顔貌が原因で口呼吸が習慣化している方は、歯並びを改善することで鼻呼吸しやすくなります。この場合、外見上の問題も改善できる可能性があり、審美性と健康面の両方にメリットがあります。
アデノイド顔貌の治療を考えている方は、まずはカウンセリングなどを利用して歯科医師に相談してみましょう。
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