
- この記事の監修者
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歯科医師。現在は、医療法人聖礼会にて理事長を務める。1999年より都内歯科クリニックにて研鑽を積み、2009年にアス横浜歯科クリニックを開業。その後、医療法人社団聖礼会として法人化を行い、現在では横浜・二子玉川・豊洲エリアに合計4院を展開している。20年以上にわたる臨床経験と、複数の医院経営で培った豊富な知見を活かし、質の高い歯科医療の提供に努めている。
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インビザラインを装着したときに、「なんだか浮いている感じがするけど大丈夫?」と不安になったことはありませんか?
歯とマウスピースがしっかり密着していないと、適切な矯正力が歯に伝わらず、治療期間が延びてしまう可能性があります。
そのため、浮きを感じたら早めに原因を見極めて対処することが大切です。
この記事では、インビザラインが浮いてしまう原因や、浮いてもよい許容範囲を詳しく解説します。
さらに、自分でできる対処法や、クリニックに相談すべきタイミングについてもお伝えします。
インビザラインの浮きに悩んでいる方や、よりスムーズな治療を目指している方はぜひ参考にしてください。
- 1.インビザラインの浮きの原因
- 1-1. 計画通りに歯が移動していない
- 1-2. アライナーの装着順の間違い
- 1-3. アライナーの破損、変形
- 1-4. アライナーチューウィーが不十分
- 2.インビザラインが浮く場合の許容範囲は?
- 3.インビザラインが浮いてしまったときの対処法
- 3-1.早めの通院が基本
- 3-2. 自分でできる対処法
- 4.インビザラインの浮きを防ぐための予防策
- 4-1.装着方法を正しく理解する
- 4-2.装着時間を守る
- 4-3.食事や清掃時の取り扱いに注意する
- 5.まとめ
1.インビザラインの浮きの原因

マウスピースが浮いた感じがある場合、その原因は主に次の4つがあります。
1-1. 計画通りに歯が移動していない
まず、アライナーの交換時に、計画通りに歯が動いていない場合は浮きが大きくなりやすいと言えます。
新しいアライナー装着時の歯の位置が、治療計画とズレてしまっているため、うまく装着できていない気がする、上手くはまらないなどの違和感が出てくるのです。
事前のシミュレーションや治療計画と歯の位置がズレてしまう要因としては、歯の動くスピードなどの個人差による部分もありますが、患者様のマウスピースの装着時間の短さも代表的な要因です。
基本的に矯正治療中は1日20時間以上、マウスピースは装着し続けなければなりません。
それより短いとマウスピースが合わない、浮いてしまうということに繋がります。
1-2.アライナーの装着順の間違い
アライナーを装着する順番を間違ってしまっても、浮きが大きくなることがあります。
インビザラインはシミュレーションなどを行い、一度で治療に使うアライナーをすべて製作します。
その製作したアライナーには番号が書かれており、番号順に交換し、使用すれば問題ありませんが、装着順を間違えてしまった場合、アライナーが浮いてしまう原因になりえます。
装着順はクリニック側が管理していることが多いですが、患者様自身もアライナーの番号を確認し、装着順を間違えていないかチェックしてみましょう。
1-3. アライナーの破損、変形
なんらかの理由でアライナーが破損、変形した場合も、正しく装着できず、浮きが発生することがあります。
突然、違和感が出た際は破損や変形の可能性があるので、歯科医師に相談が必要です。
よくあるケースが、アライナーが熱によって変形したり、落下や洗浄時のブラッシングの無理な圧力などによって破損してしまうケースです。
また、奥歯の強い「噛みしめ」も代表的な変形の要因になるので注意しましょう。
1-4. アライナーチューイーが不十分
アライナーチューイーの装着が不十分な場合もマウスピースが浮く原因の一つです。
アライナーチューイーとはマウスピースを歯に密着させるための補助器具のことです。弾力のあるシリコンゴム製のもので、歯の場所によって形状が異なる器具です。
このアライナーチューイーの装着がしっかりとできていない場合、アライナー自体の装着が甘くなり、浮いてしまうのです。
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2.インビザラインが浮く場合の許容範囲は?

マウスピースが歯から浮いていると、「これって大丈夫?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
実際、マウスピースはさまざまな理由で浮くことがありますが、どの程度なら問題がないのか気になるところです。
一般的に、浮きの許容範囲は2ミリ程度とされています。
特に、マウスピースを新しく交換した直後は、1~2ミリほど浮いて見えることがありますが、この範囲であれば多くの場合問題ありません。
ただし、浮きがそれ以上に大きくなると、マウスピースが痛くて装着できなかったり、装着しても違和感が強くなるケースがあります。
浮きが矯正計画に与える影響
インビザライン治療で浮きが発生すると、以下のような影響が考えられます。
・治療スケジュールの遅延:
アライナーが適切に歯を動かせない場合、治療全体が計画より遅れる可能性があります。
・次のアライナーがフィットしないリスク:
アライナーの浮きが次のステップに影響し、さらに調整が必要になることがあります。
また、装着時間を守っていても、1週間以上浮きが改善しない場合は注意が必要です。
その際は、早めに歯科医師に相談し、適切な対応を取ることをおすすめします。
安心して治療を進めるためにも、マウスピースの状態をしっかり確認し、必要があれば専門家にアドバイスをもらいましょう。
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3.インビザラインが浮いてしまったときの対処法

インビザラインのマウスピースが浮いてしまったとき、違和感のある時にはどのように対処すればいいでしょうか。
3-1. 早めの通院が基本
まずは、装着時に違和感があれば、すぐにクリニックに連絡し、歯科医師に相談することが基本です。
自己判断で対処すると治療に遅れが生じるリスクがあるため、相談が第一。
診察の結果、対処が必要となった場合は、主にリカバリー処置とアライナーの再製作といった、2種類の処置が行われることが多いです。
リカバリー処置
リカバリー処置は、セクショナルワイヤーやゴムかけによって浮いた部分を正常に戻す方法です。
セクショナルワイヤーは、マウスピースが浮いた箇所にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通してアライナーを調整するものです。
ゴムかけは歯にボタンを接着し、そこへゴム装着して、正しい位置に歯を動かします。
アライナーの再製作
現在の歯列の状況に合わせたアライナーの再製作する処置も行われることがあります。
別途、追加で費用などが発生する可能性があります。
3-2. 自分でできる対処法
まずはクリニックの担当医に相談することが第一ですが、すぐに受診ができなかった場合、次の点も見直してみましょう。
チューイーを正しく使う
治療の当初やアライナー交換したばかりときは、チューイーを正しく活用する必要性があります。
担当医から指導があった通りに、チューイーを噛んで、しっかりとマウスピースを歯に密着させるようにしましょう。
1本の歯に対して5回ほど、全体で5分ほど噛んだ後にガムのようにしばらく噛み続けてから、アライナーを装着するのが基本です。
1段階前のマウスピースに戻す
歯の動くスピード等には個人差があるので、歯の動きが遅い場合は一つ前のマウスピースに戻すことで違和感を軽減できる可能性があります。
前回のマウスピースを数日間装着し、歯をしっかりと動かした後に新しいマウスピースを装着すると歯が正しく移動して浮きがなくなることもあるので試してみましょう。
ただし、自分の判断だけでそれを行うのは治療が止まってしまう、医師の立てた治療計画とは違う方向へ進んでしまう可能性もあるので、必ず事前に歯科医師に連絡し、そうしてもよいかを相談してください。
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4.インビザラインの浮きを防ぐための予防策

マウスピース矯正で浮きが生じないようにするには、正しい装着方法や日々の取り扱いが重要です。
ここでは、装着時に意識すべきポイントや、取り扱いの注意点を詳しく解説します。
4-1.装着方法を正しく理解する
マウスピースを装着する際は、歯全体に均等な力で押し込みましょう。
特に、新しいライナーを初めて装着する際は、鏡を見ながら確認すると効果的です。
マウスピースをしっかりと密着させる習慣をつけることで、浮き上がりを防ぐことができます。
4-2.装着時間を守る
マウスピース矯正では、推奨される装着時間(1日20~22時間)を守ることが、治療を計画通りに進めるための基本となります。
専用アプリやスマートフォンのアラーム機能を活用し、装着時間を管理しましょう。
また、食事や清掃時に外した時間をメモしておくと、正確な管理に役立ちます。
定期的に記録を見直し、装着時間が不足している場合はスケジュールを調整しましょう。
4-3.食事や清掃時の取り扱いに注意する
マウスピースを外す際は、破損や紛失を防ぐために正しい取り扱いが重要になります。
外したアライナーは、必ず専用のケースに保管してください。
テーブルやポケットにそのまま置くと、変形や紛失の原因になります。
また、マウスピースは熱に弱いため、熱い飲み物を飲む際や直射日光の当たる場所では、外して保管するようにしましょう。
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5.まとめ

インビザラインの浮きの許容範囲は2mm程度です。
歯とマウスピースの形状のズレが原因の場合は、装着時間を見直したり、チューイーを使用したりすることで改善が期待できることもあります。
一方で、アタッチメントが必要な場合や、マウスピースが破損している場合は、早めにクリニックを受診することが必要です。
インビザラインの浮きに気づいたら、まずは歯科医師に相談し、原因を特定して適切な対策を取ることが重要です。
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