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ワイヤー矯正のデメリットとは?始める前に知っておきたい不安と対処法

湊 寛明
湊 寛明
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

ワイヤー矯正を始める時、痛みはどのくらいあるのか、見た目はどの程度気になるのかなど、不安を抱える方もいるでしょう。調べてみると情報はたくさん出てきますが、内容が断片的で、「結局、自分にとって何が一番のデメリットなのか分からない」と感じてしまうことも少なくありません。

 

この記事では、ワイヤー矯正でよく挙げられるデメリットをひとつひとつ整理し、それぞれにどう向き合えばよいのか具体的な対処法も含めて紹介していきます。

 

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1. ワイヤー矯正のデメリット8つ

ワイヤー矯正は高い治療効果が期待できる反面、装置の構造上どうしても避けにくい欠点があります。

よく挙がる代表的なデメリットを8つまとめました。

1-1. 矯正装置が目立つ

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを装着し、そこに金属や白色のワイヤーを通して歯を動かします。そのため正面から見るとブラケットワイヤーの両装置が見えやすく口元の印象が変わりやすいのが特徴です。

仕事中の会話や学校生活、写真撮影の場面などで「思った以上に目立つ」と感じる人もいます。ホワイトワイヤーやセラミックブラケットを選んでも、光の反射や近距離では完全に隠れるわけではない点は理解しておく必要があります。

1-2. 痛みが強く出やすい

ワイヤー矯正では、装置装着直後や調整後に数日から1週間ほど締め付けられるような痛みを感じやすい傾向があります。これはワイヤーの力で歯が動き始める際に起こる生理的現象で、異常ではありません。

多くの場合、痛みのピークは数日から1週間ほどで落ち着き「ずっと続くわけではない」と知っておくと安心につながります。

1-3. 食事がしにくい・食べ物の詰まりやすさ

ワイヤーやブラケットがあることで、固い食べ物や粘着質のものが絡みやすくなります。ワイヤーやブラケットの凹凸に引っかかりやすく、噛む力で押し込まれることで絡みやすくなるためです。

特に肉の繊維、葉物野菜、海苔などが詰まりやすく、食後すぐに違和感を覚えることもあります。食べ方やメニューを意識する必要があり食事制限が生じやすい点はワイヤー矯正特有のデメリットといえます。

1-4. 虫歯・歯周病リスクが上がる

ブラケット周囲は歯ブラシが届きにくく、汚れが残りやすい構造です。歯間ブラシやタフトブラシを使って念入りにケアしないと磨き残しが増え、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

毎日のケアに時間と手間がかかる点は「想像以上に大変だった」と感じやすいポイントです。

1-5. 口内炎ができやすい/ワイヤーが当たる

ワイヤーやブラケットが唇や頬の内側に触れることで、摩擦が生じやすくなります。

その結果、口内炎が繰り返しできるケースもあり、食事や会話がつらくなることがあります。ワックスで装置を保護する方法がありますが、常に対処が必要になる点は負担に感じやすい部分と言えます。

 

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1-6. 通院頻度が多め

ワイヤー矯正では、歯の動きを細かく調整するため定期的な通院が欠かせません。

一般的には3〜5週間に1回程度の通院が必要とされ、スケジュール調整が負担になることがあります。仕事や育児で忙しい人にとっては継続的な通院が大きなデメリットになる場合もあります。

1-7. 装置のトラブル

食事中やスポーツ中にブラケットが外れたり、ワイヤーがずれたりすることがあります。

外れた場合は早めの再装着が必要となり急な通院が発生することも少なくありません。違和感や痛みが出るケースもあり、精神的なストレスにつながることがあります。

1-8. 金属アレルギーのリスク

金属製のワイヤーやブラケットから金属イオンが溶け出し、アレルギー反応を起こす人もいます。

初診時に金属アレルギーの有無を申告することが重要です。セラミックやチタンなどの代替素材が選べる場合もあるため、事前相談は欠かせません。

2. デメリットは対策できる?よくある悩み別の改善方法

ワイヤー矯正のデメリットは、すべてが「我慢するしかない」わけではありません。装置の選び方や生活上の工夫によって、負担を軽減できるケースも多くあります。

2-1. 見た目対策:白ワイヤー・セラミックブラケット

白や透明に近い素材を選ぶことで、金属ワイヤーより目立ちにくくなります。

ただし、完全に見えなくなるわけではないため、過度な期待は禁物です。見た目への抵抗が強い人にとっては現実的な代替案として検討しやすい選択肢です。

2-2. 痛み対策:初期数日の工夫

痛む期間は短く、一時的であることを理解するだけでも、心理的な負担は軽くなります。冷たい飲食物や鎮痛剤の使用、柔らかい食事を選ぶなど、日常的な対策で乗り切れるケースがほとんどです。

無理をせず、歯科医に相談しながら調整することが大切です。

2-3. 食事の工夫

せんべいなどの硬いもの、ガムやお餅などの粘着質の食品、ごま入りのパンやおにぎりなどの小さな粒入りの食品は避け、小さく切って片側ずつ噛むと負担が減ります。

 

また、食材をやわらかく仕上げたり、とろみをつけたりなど調理方法を工夫するだけでも、食事ストレスは大きく軽減できます。

「食べられない」ではなく「食べ方を変える」という視点が重要です。

 

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2-4. 清掃対策:歯間ブラシ・タフトブラシ

ワイヤー矯正中は、ブラケットやワイヤーの周囲に汚れが溜まりやすく、普通の歯ブラシだけでは十分に落としきれません。

 

まず、歯ブラシの当て方を変えてみましょう。歯と歯茎の境目、ブラケットの上側・下側にそれぞれ角度を変えて歯ブラシを当て、ワイヤーの上下に対して小刻みに動かして磨きます。

ただし、この方法だけではブラケットの周囲や歯と歯の間に届きにくい部分が必ず残るため、普通の歯ブラシだけでのケアには限界があります。

 

そこで役立つのが、歯間ブラシタフトブラシです。

歯間ブラシはワイヤーの下をくぐらせるように使うことで、装置周囲の汚れを効率よくかき出せます。タフトブラシ毛先が小さいためブラケット1つ1つを狙って磨くのに適しています

 

時短を重視する人は、音波式や振動式の電動歯ブラシを優しくあて、その後歯間ブラシやタフトブラシを使用するのがおすすめです。

2-5. 口内炎対策

装置が当たりやすい部分にはワックスを使い刺激を減らしましょう

また、香辛料など刺激の強い食べ物を控えることも有効です。保湿ジェルやうがい薬を併用すると、治りが早くなる場合があります。

2-6. アレルギー対策:メタルフリー素材

金属アレルギー対策としては、セラミックやプラスチック製のブラケット、チタンワイヤーなど、金属量を抑えた装置を選ぶのもおすすめです。

初診時に医師へアレルギーの不安を伝えておくと、アレルギーに配慮された素材での治療計画を立ててもらえることが多いです。

 

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3. ワイヤー矯正のメリット

デメリットが目立ちやすいワイヤー矯正ですが、それ以上に評価されている強みもあります。

他の矯正方法と比較した際のメリットを整理してみましょう。

3-1. 仕上がりの精度が高い

ワイヤー矯正は歯を立体的に動かす調整が得意です。歯科医が細かくコントロールできるため、仕上がりの完成度が高くなりやすいのが特徴です。長年使用されているため症例数が多く、確実性が高い治療法といえます。

3-2. 重度の不正咬合にも対応可能

八重歯叢生大きなズレなど、幅広い症例に対応できます。マウスピース矯正単独では難しいケースでも、ワイヤー矯正なら対応できる場合があります。

どんな歯並びでも調整しやすい万能性が高い矯正方法である点は大きなメリットです。

3-3. 装置の着脱の管理不要

ワイヤー矯正では、装置の取り外しができないため、装着忘れによる治療遅延が起こりません。

自己管理が苦手な人でも、治療を計画どおり進めやすいのが特徴です。生活習慣に左右されにくい点は安心材料になります。

3-4. 症例数が多く治療計画が安定している

多くの歯科医院で対応実績があり、経験豊富な歯科医が多いため、教科書的な治療計画が確立されているので安心です。初めて矯正を受ける人でも説明を受けやすく、不安を感じにくい治療法と言えます。

4. ワイヤー矯正が向いている人・向かない人

ワイヤー矯正は万能ではなく、向き不向きがあります。自分の生活や価値観と照らし合わせて考えることが大切です。

4-1. ワイヤー矯正が向いているケース

歯のガタつきが大きい場合や、抜歯を伴う矯正が必要な人には適しています。仕上がりの精度を重視し、しっかりと確実な結果を求める人にも向いています。

自己管理よりも歯科医主導の治療を希望する人に合いやすい方法です。

4-2. ワイヤー矯正が不向きなケース

見た目を特に重視する職業や学生生活の人には負担になることがあります。

清掃の手間を面倒に感じやすい人や、痛みに弱い人口内炎ができやすい人には不向きな場合があります。

4-3. ライフスタイル・仕事から見る選び方

接客業や人前に出る仕事では、目立ちにくさが重要になります。食生活や毎日のケアで負担を感じやすい人は、他の方法の方が向いているかもしれません。通院頻度も含め矯正方法が自分の生活スケジュールに合うかどうかを考えることが大切です。

5. ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いを比較

マウスピース矯正が難しい場合の対処法

矯正方法はワイヤー矯正だけではありません。マウスピース矯正がワイヤー矯正と並ぶ主な矯正方法ですが、それぞれの違いを知ることで、後悔なく矯正方法が選べます。違いを整理してみましょう。

5-1. 見た目・痛み・装着感

ワイヤー矯正は見た目が目立ちやすく、痛みも出やすい傾向があります。

一方、マウスピース矯正は透明で、痛みが比較的軽いと感じる人が多いです。生活のしやすさには明確な差があります。

5-2. 清掃性・虫歯リスク

ワイヤー矯正は汚れが残りやすく、虫歯リスクが高まりがち。1回の歯磨きにかかる時間はおよそ10〜15分程度になることが一般的です。

 

マウスピースは取り外して歯磨きができるため、1回あたりの歯磨き時間は5〜7分程度で済むことが多く、ケアはしやすいと言えるでしょう。結果的に虫歯リスクも低めです。日常ケアの負担には大きな違いがあると言えるでしょう。

5-3. 費用・期間・通院頻度

一般的にワイヤー矯正月1回程度の通院が必要です。マウスピース矯正1〜3か月に1回の通院で済むケースもあります。

忙しい人ほど、この差を大きく感じやすく、マウスピースの方が続けやすいと感じるでしょう。

5-4. 併用ケースもある

部分的にワイヤー矯正を行ない、仕上げをマウスピースで行なうケースもあります。

症例により最適な組み合わせは異なります。歯科医の判断が重要です。

6. 日常の負担を減らしたい人には、マウスピース矯正という選択肢も

ワイヤー矯正のデメリットがどうしても気になる場合、別の方法を検討するのも1つの考え方です。

マウスピース矯正の仕組みや特徴については、以下の記事も参考にしてみてください。

 

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6-1. 透明で目立ちにくい

マウピース矯正の最大の魅力は、透明で目立ちにくいことです。学校や職場、写真撮影など、装置が気になりにくい点が魅力。会話中も自然な見た目を保ちやすく、周囲に気づかれにくい傾向があります。

6-2. 食事・歯磨き時に外せる

マウスピースは取り外せるため、食事制限がほとんどありません。歯磨きもしやすく虫歯リスクを抑えやすい点が支持されています。

ワイヤーの詰まり、磨きにくさが不安という人には、マウスピースがおすすめです。

6-3. 通院負担が少ない

通院回数が少なく、忙しい人でも続けやすいのもメリットの1つです。育児や出張が多い人にも適しています。

また、最近ではオンライン相談ができるシステムが増えてきているところも魅力でもあるでしょう。

6-4. ワイヤー矯正が不安な人が選びやすい理由

マウスピース矯正の特徴をまとめると、見た目痛み清掃面にワイヤー矯正では不安がある人にとって始めやすい矯正方法と言えます。初めて矯正を検討する人にも選ばれている矯正方法です。

選択肢の1つとしてマウスピース矯正を考えてみるのはどうでしょうか。

7. まとめ|デメリットを理解すれば、自分に合う矯正方法が見えてくる

ワイヤー矯正のデメリットを正しく知ることは、後悔しない矯正治療への第一歩です。欠点だけでなくワイヤー矯正ならではの強みもあります。それを理解した上で、自分の生活スタイルに合う方法を選ぶことが大切です。

ワイヤー矯正だけでなく、マウスピース矯正も含めて比較検討することで、納得できる治療につながるでしょう。

 

ウィ・スマイルでは、ワイヤー矯正に不安な面がある方にも選ばれやすい、マウスピース矯正をご紹介しています。矯正方法に悩んだ時、マウスピース矯正についても選択肢の1つとして考えてみてください。

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