- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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歯列矯正を始めてから「口内炎が頻繁にできて痛い」とお悩みの方も少なくないでしょう。歯列矯正中は、矯正器具の影響や歯の移動による口内環境の変化、口腔衛生の悪化などが原因で口内炎ができやすくなります。
この記事では、歯列矯正中に口内炎ができやすくなる原因や、できやすい口内炎の種類を解説します。併せて対処法や予防方法も解説しますので、口内炎の痛みにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
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- 1. 歯列矯正中に口内炎ができやすくなる3つの原因
- 1-1. 矯正器具が口の粘膜に当たるため
- 1-2. 歯の移動により口内環境が変化するため
- 1-3. 口腔衛生が悪化するため
- 2. 歯列矯正中にできやすい口内炎の種類
- 2-1. カタル性口内炎
- 2-2. アフタ性口内炎
- 2-3. カンジダ性口内炎
- 2-4. アレルギー性口内炎
- 3. 歯列矯正中の口内炎の対処法
- 3-1. 口内炎はできるだけ刺激しない
- 3-2. 矯正用ワックスを使う
- 3-3. 矯正器具を調整する
- 3-4. 口内炎用の薬を使う
- 3-5. 口内のケアをしっかり行なう
- 4. 歯列矯正中の口内炎の予防方法
- 4-1. バランスの取れた食生活を心がける
- 4-2. 適切な水分補給を行なう
- 4-3. ストレスや疲労を溜めないようにする
- 4-4. 睡眠や休息をしっかり取る
- 4-5. ケアをしっかりと行ない口腔内を清潔に保つ
- 5. まとめ|歯列矯正中の口内炎は適切な対処と予防が重要
1. 歯列矯正中に口内炎ができやすくなる3つの原因

歯列矯正中にできる口内炎にはいくつかの種類があり、それぞれ原因が異なります。ただ、症状の発生には共通する要因があるケースも少なくありません。
ここからは、歯列矯正中に口内炎ができやすくなる原因を解説します。
1-1. 矯正器具が口の粘膜に当たるため
矯正器具(矯正装置)が口の粘膜や舌に当たって刺激となり、口内炎の発症につながる場合があります。特にワイヤー矯正の場合は、ブラケットの一部(エッジ)やワイヤー、その他の金属部品など、口内の粘膜にとって刺激となる要素が多めです。
矯正器具が繰り返し口内に当たって小さな傷ができると、それが要因となり口内炎が起きることがあります。なかでも歯列矯正を始めたばかりの時期は口内が矯正器具に慣れていないことから、炎症が起きやすくなるため注意が必要です。
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1-2. 歯の移動により口内環境が変化するため
歯列矯正を進めることで歯が移動すると、噛み合わせも変化していきます。噛み合わせのバランスが変わることで、今まで触れなかった部分に歯が当たるようになり、舌や頬の内側などを誤って噛んでしまうことも少なくありません。
これらによって傷ができると、矯正器具が当たる場合と同様に、口内炎ができることがあります。大きく歯を動かす歯列矯正では、特に注意しましょう。
1-3. 口腔衛生が悪化するため
矯正器具の装着によって、食べ物のカスや汚れが溜まりやすくなる一方、そうした汚れを歯磨きで完全に取り除くことは難しくなりがちです。その結果、口内の細菌が繁殖しやすくなり、口内炎をはじめとした炎症が起きるリスクも高くなります。
口内環境を改善しないと、口内炎の治りが遅くなったり再発を繰り返しやすくなったりするため注意しましょう。
2. 歯列矯正中にできやすい口内炎の種類
「口内炎」の種類は多岐にわたり、種類ごとに症状の特徴も異なります。ここからは、歯列矯正中にできやすい口内炎の種類や特徴について見ていきましょう。
2-1. カタル性口内炎
カタル性口内炎は、矯正器具やワイヤー矯正のワイヤーが舌や口の粘膜に触れて刺激を与えることでできやすくなる炎症です。カタル性口内炎には、以下のような特徴があります。
- 🔴舌や口の粘膜の一部が赤く腫れる
- 🔴水ぶくれができる
- 🔴口臭が強くなる
- 🔴味覚が鈍くなる など
また、カタル性口内炎は、歯列矯正を始めたばかりのころに発症することが多いのも特徴です。
2-2. アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は、白くて丸い小さな潰瘍が特徴の口内炎で、口内炎の中でも起こりやすいといわれています。
潰瘍は通常数ミリ程度の大きさであり、白い部分の周囲が囲まれたように赤くなるのが特徴です。頬の内側や舌、唇の裏、歯ぐきなどにできやすく、痛みに加えて飲食物がしみるように感じることもあります。
発症の要因とされているのは、疲労やストレス、睡眠不足などによる免疫力の低下や栄養不足です。
アフタ性口内炎は、およそ1~2週間で自然に治るケースが多く見られます。
2-3. カンジダ性口内炎
カンジダ性口内炎は、口の中が不衛生な状態が続き、カンジダ菌というカビの一種が繁殖することで起こる口内炎です。矯正器具の装着により食べ物の残りカスなどが溜まりやすくなると菌の繁殖が促され、カンジダ性口内炎が起きるリスクが高まります。
カンジダ性口内炎は、口の中の粘膜が赤くなったり白い膜ができたりするなどの症状が表れるのが特徴です。
2-4. アレルギー性口内炎
アレルギー性口内炎は、金属が口内に触れることで、触れた部分が赤く腫れるなどの症状が出るのが特徴です。人によっては、かゆみや手足の腫れなど、口内以外の部位に症状が出るケースもあります。
金属アレルギーがある方は、矯正器具が原因でアレルギー性口内炎が起こる場合があるため、あらかじめ器具の素材を確認しておきましょう。
3. 歯列矯正中の口内炎の対処法

ここからは、歯列矯正中に口内炎ができてしまったときの対処法について解説します。
3-1. 口内炎はできるだけ刺激しない
口内炎ができてしまったら、できるだけ患部に触らず刺激を与えないようにすることが大切です。炎症が起きている部位に刺激を与えてしまうと、治りが遅くなってしまいます。
また、口内炎は刺激を与えることでさらに大きくなってしまったり、痛みが強くなったりするおそれもあります。口内炎ができたら舌や指で触るのは避け、保護シールなども適宜活用して刺激を与えないことが早く治すためのポイントです。
3-2. 矯正用ワックスを使う
矯正器具の摩擦から粘膜や口内炎ができている部分を守るために、「矯正用ワックス」を使うのがおすすめです。口内炎の炎症が起きている箇所と矯正器具が直接触れることを防ぎ、痛みを和らげられます。
ワックスを使う際は、米粒大程度の大きさを指に取り、口内炎が起きている箇所に近い矯正器具に貼り付けましょう。食事のときにワックスが付いたままだと誤って飲み込んでしまいかねないため、食事前に外しておくのがおすすめです。
食事後は歯磨きをしてから再度ワックスを使うようにしましょう。
3-3. 矯正器具を調整する
口内炎の治りが悪い、または治ってもすぐ再発してしまう場合は、歯科医院を受診し矯正器具を調整してもらうとよいでしょう。例えばワイヤー矯正の場合、ワイヤーがずれていたり外れていたりすると粘膜が傷付くだけでなく、矯正治療の進行が遅れてしまうおそれもあります。
また、食事に支障が出るほど痛む、会話が難しいといった場合もすぐに受診することが重要です。
3-4. 口内炎用の薬を使う
口内炎用の薬を使うのも、効果的な対処法の一つです。炎症が起きている患部の保護や自然治癒をより早める効果が期待できます。
以下は、主な口内炎用の薬の種類とその特徴です。
| タイプ | 特徴 | 適している状況 |
|---|---|---|
| 軟膏 | 軟膏状の薬を直接患部に塗りこむタイプ | 指が届きやすい部位にできた口内炎に向く |
| スプレー | 患部に吹き付けるタイプ | 指では届きにくい部位や、広範囲に塗布したいときに向く |
| パッチタイプ | シール状で患部に貼るタイプ | 炎症緩和+矯正器具の刺激から患部を保護したいときに向く |
3-5. 口内のケアをしっかり行なう
口内炎の強い痛みから、刺激を避けてブラッシングなどの口内ケアが不足してしまう方は少なくありません。しかし、ブラッシング自体を控えると口内環境がより悪くなり、かえって口内炎の悪化につながるリスクがあるため注意しましょう。
起床後や食後、就寝前など、歯磨きはこまめに行なうことが大切です。炎症部分を避けて磨くのが難しい場合は、マウスウォッシュなどを活用するのもおすすめです。
4. 歯列矯正中の口内炎の予防方法
歯列矯正中の口内炎は、できてから対処するだけでなく、できないよう予防することも重要です。
ここでは、歯列矯正中の口内炎の予防方法について解説します。
4-1. バランスの取れた食生活を心がける
栄養バランスの取れた食生活を心がけることで、口内炎予防につながります。例えば、ビタミンB群を多く含むバナナやレバー、納豆などの食材を日々の生活に取り入れてみるとよいでしょう。ビタミンB群は、粘膜の健康維持に役立ちます。
併せて、野菜や果物など、ビタミンCを多く含む食品も意識して摂取することが大切です。ビタミンCの摂取は免疫力アップにつながります。
これらの栄養素を食事だけで摂るのが難しい場合は、適度にサプリメントを活用するのもおすすめです。
4-2. 適切な水分補給を行なう
口の中が乾燥していると粘膜のバリア機能が低下し、口内炎などの炎症が起きやすくなります。こまめな水分補給を行ない、口の中のうるおいを保つように心がけましょう。
乾燥が気になる場合は、マスクの使用や部屋の加湿もおすすめです。また、ガムを噛むのもよいでしょう。唾液の分泌を促す効果が期待できるため、口内炎予防につながります。
4-3. ストレスや疲労を溜めないようにする
ストレスや疲労は、免疫力を低下させ、口内炎ができやすくなる要因となります。
ストレスや疲労を感じた場合、リラックスできる時間を確保したりストレス解消を行なったりして、できるだけ溜め込まないように心がけましょう。併せて、適度な運動を行なうのもおすすめです。身体を動かせば、ストレス解消につながります。
また、歯列矯正の痛みや食事のしにくさがストレスになっている場合は、歯科医院で相談してみるのも一つの手段です。
4-4. 睡眠や休息をしっかり取る
睡眠や休息をしっかり取ることは免疫力の向上につながり、口内炎予防にも役立ちます。
成人の場合、個人差があるものの1日に7~8時間程度の睡眠が必要とされています。睡眠不足の状態が続くと、免疫力が低下し口内炎ができやすくなるだけでなく、ストレスや疲労が溜まる要因にもなるため注意しましょう。
夜勤などで夜に十分な睡眠を取るのが難しい場合は、15~30分程度、昼寝の時間をつくるのも効果的です。
4-5. ケアをしっかりと行ない口腔内を清潔に保つ
対処法のところでも解説した口内ケアは、口内炎の予防方法としても効果的です。
口内が不衛生な状態だと細菌の増殖につながり、少しの傷がもとで口内炎になってしまいかねません。口内を常に清潔に保つことで菌の繁殖を防げるため、口内炎の予防になります。
矯正装置の種類によっては凹凸部分などに汚れが溜まりやすくなるので、細かいところまでしっかりブラッシングを行ない、きれいな状態を保つようにしましょう。舌の表面を磨く舌ブラシをセットで使うのもおすすめです。
5. まとめ|歯列矯正中の口内炎は適切な対処と予防が重要

歯列矯正中の口内炎の原因には、「矯正器具が口の粘膜に当たること」や「歯の移動により口内環境が変化し、今まで触れなかった部分に歯が当たること」などが挙げられます。また、矯正器具の装着による口腔衛生の悪化も原因の一つです。
歯列矯正中の口内炎に対処するには、できるだけ刺激しないようにワックスや保護シールなどを活用するとともに、口内炎用の薬を使うのがおすすめです。矯正器具がどうしても口内炎や頬、舌に当たる場合は、歯科医院を受診し器具を調整してもらうとよいでしょう。
そして、対処だけでなく予防するためにも、日頃から口内のケアを丁寧に行なうことが大切です。併せて、バランスの良い食生活や適度な睡眠、こまめな水分補給を心がけましょう。
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