- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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生後6ヵ月頃から生え始める「乳歯」には、食べ物を噛んだり発音を助けたりする機能があります。
乳歯は身体の成長に合わせて大きくならないため、6歳から13歳頃にかけて抜け、永久歯に生え変わっていきます。
乳歯から永久歯へ生え変わる時期や順番は、人によって異なります。
おおよその目安や生え変わるときに必要なケアを知っておきましょう。
この記事では、乳歯が生え変わる時期や注意すべきポイントなどを解説します。
歯の健康を保つためにも日頃からケアを行ない、異常が見られた場合は早めに歯科医院などで受診しましょう。
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- 1. 知っておきたい乳歯・永久歯の基礎知識
- 2. 乳歯が抜ける時期は6歳~13歳
- 3. 乳歯が生え変わる仕組み
- 4. 乳歯が生え変わる時期に注意すべきポイント
- 4-1. 無理に歯を抜こうとしない
- 4-2. 生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすい
- 4-3. 乳歯の虫歯ケアも忘れずに
- 4-4. 歯並びが悪くなる癖を治しておく
- 5. 乳歯の生え変わりでよくあるトラブル
- 5-1. 乳歯が抜けるのが遅い・なかなか抜けない
- 5-2. 乳歯が抜けるまえに永久歯が生えてきた
- 5-3. 乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない
- 6. 乳歯の生え変わりに関するよくある質問
- 6-1. 歯はなぜ生え変わるの?
- 6-2. 歯が生え変わっても仕上げ磨きは必要?
- 6-3. 抜けた乳歯の保管方法は?
- 7. まとめ|乳歯が抜ける時期の目安を知って丁寧に歯をケアしよう
1. 知っておきたい乳歯・永久歯の基礎知識

乳歯と永久歯の大きな違いは丈夫さです。
乳歯と永久歯はどちらも、エナメル質、象牙質、神経(歯髄)からなりますが、永久歯は乳歯よりもエナメル質・象牙質の厚みがあり、発達していく顎の力にも耐えられます。永久歯は乳歯より一回り大きいことも特徴です。
また、乳歯は白に近い色をしていますが、永久歯は黄色味を帯びています。
乳歯は全部で20本あり、自分で食べる力をつけるのに使用されます。
一方、永久歯は親知らずも含めて32本あり、切歯、犬歯、臼歯それぞれが異なる役割を持っています。
乳歯と永久歯の違い
| 項目 | 乳歯 | 永久歯 |
|---|---|---|
| 本数 | 20本 | 32本 |
| 色 | 白に近い | 黄色味を帯びる |
| 歯の質 | エナメル質・象牙質が薄く虫歯が早く進行する | エナメル質・象牙質が厚く丈夫 |
2. 乳歯が抜ける時期は6歳~13歳

乳歯が抜ける時期は6~13歳とされていますが、抜ける時期や順番、生える時期には個人差があります。
歯が生える時期の目安は以下のとおりです。
| 歯の名前 (前歯から数えた番数) | 生える時期の目安 | |
|---|---|---|
| 上の歯 | 乳中切歯(1番目) | 7~8歳頃 |
| 乳側切歯(2番目) | 8~9歳頃 | |
| 乳犬歯(3番目) | 11~12歳頃 | |
| 第一乳臼歯(4番目) | 9~11歳頃 | |
| 第二乳臼歯(5番目) | 9~12歳頃 | |
| 下の歯 | 乳中切歯(1番目) | 6~7歳頃 |
| 乳側切歯(2番目) | 7~8歳頃 | |
| 乳犬歯(3番目) | 9~11歳頃 | |
| 第一乳臼歯(4番目) | 10~12歳頃 | |
| 第二乳臼歯(5番目) | 11~13歳頃 |
早い子では4歳から、遅い子では8歳以降に最初の乳歯が抜けることもあるため、目安から1~2年ずれていても特に心配する必要はありません。
生えるのが遅すぎる、生え方に問題がある気がするといった場合には、歯科医院へ相談するとよいでしょう。
3. 乳歯が生え変わる仕組み
乳歯が抜けてから永久歯が作られるのではなく、永久歯は顎の中(乳歯の下)で作られています。
永久歯のもとである歯胚は、乳歯の下で少しずつ成長し、歯冠が完成して歯の根が作られ始めると、乳歯の根を溶かす細胞が現れます。
その後、乳歯の根が少しずつ溶けて抜け落ち、永久歯が生えてくるのです。
永久歯は乳歯の下にできるため、乳歯は永久歯の案内役でもあります。
乳歯が虫歯などを理由に抜けると永久歯が案内役を失ってしまい、歯並びが悪くなるおそれがあるため注意しましょう。
4. 乳歯が生え変わる時期に注意すべきポイント

生え変わる時期の歯はとてもデリケートです。
以下のポイントに注意して、適切にケアしていきましょう。
☑ 無理に歯を抜こうとしない
☑ 生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすい
☑ 乳歯の虫歯ケアも忘れずに
☑ 歯並びが悪くなる癖を治していく
4-1. 無理に歯を抜こうとしない

抜けかけてぐらぐらしている乳歯は、自然に抜けるのを待つのが一般的です。
無理矢理抜こうとすると歯茎が傷ついたり、歯の根が折れて残ったりするおそれがあるため注意しましょう。
歯をねじる、汚れた手で触るなどの行為も避けてください。
歯がぐらぐらして日常生活に支障がある場合は、歯科医院を受診して抜いてもらうのがおすすめです。
場合によっては麻酔なども活用して、正しい方法で歯を抜いてもらえます。
ぐらぐらした乳歯がなかなか抜けない場合、永久歯の場所がずれている、永久歯がないといった原因が考えられます。
気になる場合は歯科医院で相談し、レントゲン写真などで確認してもらいましょう。
4-2. 生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすい

生えたばかりの永久歯は非常にやわらかく、酸に溶けやすい性質があります。
虫歯になりやすく、歯表面のエナメル質が弱いため虫歯の進行スピードも速くなります。毎日の歯磨きを丁寧に行ないましょう。
永久歯がしっかりと完成するには2~3年の時間がかかります。
一生使う永久歯だからこそ、虫歯予防を徹底することが重要です。
特に、一番奥の永久歯のうしろにできる「第一大臼歯(6歳臼歯)」は歯ブラシが届きにくいため、しっかりと磨いておきましょう。
歯科医院でフッ素を塗布してもらう、親が仕上げ磨きをするといった対策も効果的です。
虫歯ができてしまったらすぐに対処しましょう。
4-3. 乳歯の虫歯ケアも忘れずに

生え変わるから乳歯は虫歯になっても問題ない、というわけではありません。
乳歯が虫歯になると、永久歯の質や歯並び、噛み合わせに影響が出るおそれがあります。
また、虫歯になりやすい口腔環境が改善されなければ、永久歯も虫歯になるリスクが高まるため注意が必要です。
乳歯に発生した虫歯により炎症が起こり、歯茎などに影響を与えます。
生え変わるからと乳歯の虫歯を放置せず、しっかりと治療をしておきましょう。
乳歯の虫歯予防は、家庭での日頃の歯磨きが基本です。
定期的に歯科医院を受診して、歯に異常がないかチェックしてもらいましょう。
4-4. 歯並びが悪くなる癖を治しておく

以下のような癖があると、歯に余計な力が加わって歯並びが乱れる可能性があります。
・指しゃぶり
・口呼吸
・頬杖
・唇を噛む
・うつ伏せ寝
悪い癖は早めになおすことが大切です。
放置し続けていると、顎の発達にも影響を与えます。
癖を治せない場合は予防矯正などで治療できる可能性があるため、気になる方は歯科医院で相談しましょう。
5. 乳歯の生え変わりでよくあるトラブル
乳歯の生え変わり時期によくあるトラブルと解消法を解説します。
☑乳歯が抜けるのが遅い・なかなか抜けない
☑乳歯が抜けるまえに永久歯が生えてきた
☑乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない
5-1. 乳歯が抜けるのが遅い・なかなか抜けない

乳歯がなかなか抜けない原因としては以下が考えられます。
・永久歯の成長が遅れている
・埋伏歯(永久歯が顎の骨に埋まっている)
・先天性欠如(生まれつき永久歯がない)
・癒合歯(歯同士がくっついている歯)がある
乳歯がなかなか抜けない場合は、原因を調べるために歯科医院で受診するのがおすすめです。
原因に沿って、抜歯などの対応をとりましょう。
5-2. 乳歯が抜けるまえに永久歯が生えてきた

乳歯が抜けるまえに永久歯が生えてきた場合は歯科医院で相談しましょう。多くの場合は、経過観察で問題ありません。
乳歯がぐらぐらしているのであれば、しばらくすると乳歯が抜け落ち、永久歯が舌で押されて正しい位置に移動します。
乳歯が抜ける気配がない場合は、抜歯などの対応をとりましょう。
乳歯と永久歯が重なって生えた状態が続くと、永久歯が虫歯になりやすく、歯並びが悪くなります。
早めに専門家に相談して対策することが重要です。
5-3. 乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない

乳歯が抜けたあと、永久歯が生えてくるタイミングには個人差があります。
乳歯が抜けてから3ヵ月間は経過を観察しましょう。
乳歯が抜けてから半年経っても永久歯が生えてこなければ、歯科医院で相談するのがおすすめです。
永久歯が生えない理由としては、単に生えるのが遅い、そもそも永久歯が存在しない(先天性欠如歯)、永久歯はあるもののなんらかの原因で永久歯が生えてこない、などが考えられます。
先天性欠如歯の場合は歯科矯正で対処できる可能性もあります。隙間を閉じる(スペースクローズ)と、隙間を維持する(スペースメイク)の2種類の手法があり、歯並びや顎の大きさなどをふまえて治療方法を決定します。
マウスピースを用いた矯正を検討するなら「ウィ・スマイル」の利用がおすすめです。
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6. 乳歯の生え変わりに関するよくある質問

最後に、乳歯の生え変わりに関するよくある質問を紹介します。
6-1. 歯はなぜ生え変わるの?
乳歯は身体の成長に合わせて大きくなりません。
上顎と下顎が成長するにつれ、乳歯の歯と歯の隙間が大きくなり、ものを噛む力が不十分になっていきます。
噛む力がつかないと、口周りの筋肉の発育や顎の成長に悪影響が出るおそれがあります。
大きくなった身体に合わせるため、乳歯が永久歯に生え変わるのです。
6-2. 歯が生え変わっても仕上げ磨きは必要?
歯が生え変わる時期は歯磨きがしづらく、仕上げ磨きが必須です。
生えたての永久歯が虫歯にならないよう、親が丁寧にケアする必要があります。
子供が正しい歯ブラシの持ち方、磨き方を覚えて自分で磨けるようになったら、永久歯が生えそろう10歳~12歳くらいを目安に仕上げ磨きを卒業しましょう。
ただし、仕上げ磨きを卒業する時期には個人差があります。
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6-3. 抜けた乳歯の保管方法は?
近年では、抜けた乳歯を専用ケースに入れて保管する方が多くいます。
歯をオキシドール(消毒液)に一晩漬けたあと、汚れをきれいに洗い流し、乾燥させてから保管しましょう。
抜けた乳歯の歯髄細胞を専用の施設で冷凍保存し、将来的に病気やケガに活用するという選択肢もあります。
7. まとめ|乳歯が抜ける時期の目安を知って丁寧に歯をケアしよう

乳歯は6~13歳にかけて生え変わりますが、生え変わる時期や順番には個人差があります。
虫歯ができないよう日頃の歯磨きを徹底するとともに、問題なく乳歯が抜けて永久歯が生えてくるか観察しておきましょう。
永久歯の一部が線的にない先天的欠如の場合は、歯科矯正などで治療が可能です。
歯に問題がある場合は、早めに歯科医院で相談しましょう。
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