マウスピースが浮く原因とは？許容範囲と対処法・予防法も解説

マウスピースを装着したときに、「なんだか浮いている感じがするけど大丈夫？」と不安になったことはありませんか？

歯とマウスピースがしっかり密着していないと、適切な矯正力が歯に伝わらず、治療期間が延びてしまう可能性があります。

そのため、浮きを感じたら早めに原因を見極めて対処することが大切です。

この記事では、マウスピースが浮いてしまう原因や、浮く場合の許容範囲、放置するリスクについて詳しく解説します。

さらに、浮いてしまうときの対処法や予防策についてもお伝えします。

マウスピースの浮きに悩んでいる方や、よりスムーズな治療を目指している方は、ぜひ参考にしてください。

マウスピースが浮いていると感じる場合、その原因は主に次の7つがあります。

マウスピース矯正では、治療の進行に合わせて段階的に新しいマウスピースへ交換していきます。

そのため、交換直後は歯がまだ新しい形に追いつかず、マウスピースが浮いているように感じることがあります。

これは一時的なもので、数日もすれば歯が移動し、次第にフィットしていきます。

ただし、数日経っても浮いた状態が改善しない場合は、マウスピースの適合に問題がある可能性があります。

無理に使い続けず、早めに歯科医院で確認してもらいましょう。

マウスピースの交換時に、計画通りに歯が動いていない場合は浮きが大きくなりやすいといえます。

新しいマウスピース装着時の歯の位置が、治療計画とズレてしまっているため、うまく装着できていない気がする、うまくはまらないなどの違和感がでてくるのです。

事前のシミュレーションや治療計画と歯の位置がズレてしまう要因としては、歯の動くスピードなどの個人差による部分もありますが、患者様のマウスピースの装着時間の短さも代表的な要因です。

基本的に矯正治療中は1日20時間以上、マウスピースは装着し続けなければなりません。

それより短いとマウスピースが合わない、浮いてしまうということにつながります。

マウスピースを装着する順番を間違ってしまっても、浮きが大きくなることがあります。

マウスピースは、治療の計画に沿って一度にまとめて作られます。

その製作したマウスピースには番号が書かれており、番号順に交換し、使用すれば問題ありません。しかし、装着順を間違えてしまった場合、マウスピースが浮いてしまう原因になりえます。

装着順はクリニック側が管理していることが多いですが、患者様自身もマウスピースの番号を確認し、装着順を間違えていないかチェックしてみましょう。

なんらかの理由でマウスピースが破損、変形した場合も、正しく装着できず、浮きが発生することがあります。

突然、違和感がでた際は破損や変形の可能性があるので、歯科医師に相談が必要です。

よくあるケースが、マウスピースが熱によって変形したり、落下や洗浄時のブラッシングの無理な圧力などによって破損したりしてしまうケースです。

また、奥歯の強い「噛みしめ」も代表的な変形の要因になるので注意しましょう。

アライナーチューイーの装着が不十分な場合もマウスピースが浮く原因の一つです。

アライナーチューイーとはマウスピースを歯に密着させるための補助器具のことです。

弾力のあるシリコンゴム製のもので、歯の場所によって形状が異なる器具です。

このアライナーチューイーの装着がしっかりとできていない場合、アライナー自体の装着が甘くなり、浮いてしまうのです。

ゴムかけとは、マウスピースやワイヤー矯正に用いられる補助的な治療の一つで、装置に医療用の小さな輪ゴム（顎間ゴム）をかける方法です。

ゴムが引き合う力によって歯の位置を調整したり、上下の噛み合わせのズレを改善したりします。

このゴムの力が強すぎると、マウスピースが正しく装着できず浮いてしまうことがあります。

過度な力が加わると痛みや違和感が続く場合もあるため、自己判断で調整せず、ゴムのかけ方や強さを歯科医師に相談しましょう。

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マウスピース矯正で使用する「アタッチメント」とは、歯に取り付ける小さな樹脂製の突起物のことです。

歯の表面に直接接着し、マウスピースをしっかり固定することで、歯を正しい方向に動かすための力をコントロールする重要な役割を担っています。

このアタッチメントが外れてしまうと、マウスピースがうまくフィットせず、浮いているように感じることがあります。

そのままにしておくと歯の動きが遅れて治療期間が延びるおそれがあるため、脱落に気付いた場合は、早めに歯科医院を受診して修復してもらいましょう。

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マウスピースが浮く原因は、歯全体ではなく特定の部位に関係している場合もあります。

浮きやすい場所ごとに原因が異なるため、部位別に確認することで対処法を見つけやすくなります。

前歯はマウスピースが特に浮きやすい部位です。これは、前歯の形状や治療時の設計上の理由が関係しています。

まず、前歯は奥歯に比べて引っかかりが少なく、マウスピースが密着しにくい形状をしています。

さらに、見た目への配慮からアタッチメントを付けないことも多く、その分フィット感が弱まりがちです。

加えて、前歯は噛む力（咬合力）が小さいため、装着時にわずかな隙間が生じやすい点も浮きの一因となります。

前歯の浮きが続く場合は、無理に押し込んだりせず、歯科医師に相談して調整を受けるようにしましょう。

奥歯のマウスピースが浮く主な原因は、歯の高さや噛む力にあります。

奥歯は噛む力が強く、マウスピースが変形したり歯がわずかに沈み込んだりすることで、浮いてしまう場合があります。

さらに、奥歯は前歯よりも低く、形状も複雑なためフィットしにくい部位です。

その結果、装着が甘くなって浮きやすくなるケースもあります。加えて、歯ぎしりや食いしばりの癖があると、強い力が加わってマウスピースが変形することもあります。

装着時には、奥までしっかりフィットしているかを確認し、違和感が続く場合は歯科医師に相談すると安心です。

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特定の歯だけマウスピースが浮いてしまう場合は、その歯の動きが治療計画通りに進んでいない、または、アタッチメントが外れていることが考えられます。

特に、前から2〜3番目の歯は小さく動きにくいため、浮きが生じやすい傾向があります。

放置すると他の歯への影響もでるため、早めに調整や修復を受けましょう。

歯の根元部分で浮くのは、新しいマウスピースに交換した直後であることが考えられます。

交換直後は歯がまだ動いておらずマウスピースになじんでいないため、根元に隙間ができることがあります。

多くの場合は、数日で歯が移動して自然にフィットしてきます。

ただし、それ以外の理由や浮いたままの状態が続く場合は、マウスピースの再調整や補修が必要です。

歯科医師と相談しながら適切に対処しましょう。

マウスピースが歯から浮いていると、「これって大丈夫？」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

実際、マウスピースはさまざまな理由で浮くことがありますが、どの程度なら問題がないのか気になるところです。

一般的に、浮きの許容範囲は2ミリ程度とされています。

特に、マウスピースを新しく交換した直後は、1～2ミリほど浮いて見えることがありますが、この範囲であれば多くの場合問題ありません。

ただし、浮きがそれ以上に大きくなると、マウスピースが痛くて装着できなかったり、装着しても違和感が強くなったりするケースがあります。

マウスピースが浮いたままだと、矯正の効果が十分に得られなかったり見た目や噛み合わせにも影響したりする可能性があります。

ここでは、マウスピースの浮きを放置するリスクを紹介します。

浮いた状態で使い続けると、歯が計画通りに動かず、次のマウスピースが正しく合わなくなるリスクが高いです。

その結果、治療全体のスケジュールが延びたり、追加費用がかかったりすることが考えられます。

歯に必要な力がしっかり伝わらない状態では、予定より長く装着する必要がでる場合もあります。

治療の精度と期間を保つためにも、違和感があるときは早めに歯科医院で確認・調整してもらうことが大切です。

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浮いた状態のマウスピースは口の中で安定せず、装着中の動きによって破損や変形が起こりやすくなります。

破損や変形が生じたマウスピースでは、正確な力を伝えることができず、予定通り歯を移動させることは困難です。

結果として、新しいマウスピースの作製が必要となり、時間的にも費用的にも負担が増える可能性があります。

マウスピースの浮きは軽視せず、早めに歯科医院で対応することが重要です。

浮いたまま使用すると、マウスピースの縁が頬や舌、歯茎に当たりやすく、傷や口内炎になったりすることがあります。

痛みや違和感が強くなると装着時間を短くせざるを得ず、治療効果にも影響がでてしまうことがあるため注意が必要です。

口の中の健康を保ちながら矯正を進めるためにも、少しでも浮きが気になったら早めに歯科医院で相談しましょう。

マウスピースが浮いてしまったとき、違和感のあるときにはどのように対処すればよいのでしょうか。

まずは、装着時に違和感があれば、すぐにクリニックに連絡し、歯科医師に相談することが基本です。

自己判断で対処すると治療に遅れが生じるリスクがあるため、相談が第一です。

診察の結果、対処が必要となった場合は、主にリカバリー処置とマウスピースの再製作といった、2種類の処置が行なわれます。

リカバリー処置

リカバリー処置は、セクショナルワイヤーやゴムかけによって浮いた部分を正常に戻す方法です。

セクショナルワイヤーは、マウスピースが浮いた箇所にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通してマウスピースを調整するものです。

ゴムかけは歯にボタンを接着し、そこへゴム装着して、正しい位置に歯を動かします。

マウスピースの再製作

現在の歯列の状況に合わせたマウスピースを再製作する処置が行なわれることがあります。

別途、追加で費用などが発生する可能性があります。

まずはクリニックの担当医に相談することが第一ですが、すぐに受診ができなかった場合、次の点を見直してみましょう。

チューイーを正しく使う

治療の当初やマウスピースを交換したばかりのときは、チューイーを正しく活用する必要性があります。

担当医から指導があったとおりに、チューイーを噛んで、しっかりとマウスピースを歯に密着させるようにしましょう。

1本の歯に対して5回ほど、全体で約5分ほど噛んだあとにガムのようにしばらく噛み続けてから、マウスピースを装着するのが基本です。

1段階前のマウスピースに戻す

歯の動くスピード等には個人差があるので、歯の動きが遅い場合は一つ前のマウスピースに戻すことで違和感を軽減できる可能性があります。

前回のマウスピースを数日間装着し、歯をしっかりと動かしたあとに新しいマウスピースを装着すると歯が正しく移動して浮きがなくなることもあるので試してみましょう。

ただし、自分の判断だけでそれを行なうのは治療が止まってしまう、医師の立てた治療計画とは違う方向へ進んでしまう可能性もあります。必ず事前に歯科医師に連絡し、そうしてもよいかを相談してください。

マウスピース矯正で浮きが生じないようにするには、正しい装着方法や日々の取り扱いが重要です。

ここでは、装着時に意識すべきポイントや、取り扱いの注意点を詳しく解説します。

マウスピースを装着する際は、歯全体に均等な力で押し込みましょう。

特に、新しいマウスピースを初めて装着する際は、鏡を見ながら確認すると効果的です。

マウスピースをしっかりと密着させる習慣をつけることで、浮き上がりを防ぐことができます。

マウスピース矯正では、推奨される装着時間（1日20～22時間）を守ることが、治療を計画通りに進めるための基本となります。

専用アプリやスマートフォンのアラーム機能を活用し、装着時間を管理しましょう。

また、食事や清掃時に外した時間をメモしておくと、正確な管理に役立ちます。

定期的に記録を見直し、装着時間が不足している場合はスケジュールを調整しましょう。

マウスピースを外す際は、破損や紛失を防ぐためにも正しい取り扱いが重要です。

外したマウスピースは、必ず専用のケースに保管してください。

テーブルやポケットにそのまま置くと、変形や紛失の原因になります。

また、マウスピースは熱に弱いため、熱い飲み物を飲む際や直射日光の当たる場所では、外して保管するようにしましょう。

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、マウスピースに過剰な力がかかり、変形して歯にしっかり密着しにくくなることがあります。

これが浮きの原因となるため、予防が大切です。

対策としては、就寝時に歯ぎしり用のナイトガードを併用して、歯や装置への負担を軽減する方法があります。

また、寝る前にストレッチや深呼吸で顎をリラックスさせるのも効果的です。加えて、マウスピースの交換時期を守り、無理な装着や長期間の使用を避けることも重要です。

アタッチメントはマウスピースを歯にしっかり固定し、正確に歯を動かすための重要な役割をもっています。

外れたり破損したりするとマウスピースが浮き、治療効果に影響することもあるため、定期的に歯科医院で状態を確認してもらいましょう。

もし、外れている場合や不具合がある場合には、早めに修復や再装着をしてもらい、マウスピースのフィット感を保つことが大切です。

マウスピースの浮きは、矯正治療をスムーズに進めるうえで無視できない問題です。

装着の仕方や歯の動きなどが原因で、放置すると治療期間が延びたり、十分な効果が得られなかったりすることがあります。

浮きが許容範囲であっても、違和感があれば早めに原因を確認しましょう。

マウスピースの浮きはもちろん、アタッチメントの脱落やマウスピースの破損がある場合は、特に早めの受診が必要です。

マウスピース矯正をスムーズに進めるには、信頼できる歯科医師を見つけることも重要です。

これから治療を始める方は、ウィ・スマイルの提携医院に相談してみましょう。