- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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親知らずが気になっている方や歯列矯正を検討している方の中には、抜歯にどれくらいの費用がかかるのか気になっている方も多いでしょう。
抜歯の費用は、抜く歯の場所や状態によって異なり、治療が複雑になると高額になる場合もあります。
この記事では、親知らずや矯正のための抜歯にかかる費用について、ケースごとにわかりやすく解説します。
また、抜歯費用を抑えるためのポイントや、抜歯の値段に関するよくある疑問についても触れていきますので、ぜひ参考にしてください。
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- 1. 抜歯の値段の決まり方
- 2. 親知らずの抜歯の値段相場(保険適用)
- 2-1. ケース1:まっすぐ生えている親知らずの抜歯
- 2-2. ケース2:歯茎に埋まった親知らずの抜歯
- 3. 抜歯のパターンと保険適用の有無
- 3-1. 痛みや炎症がある場合
- 3-2. 歯並びや噛み合わせへの影響がある場合
- 3-3. 将来的に健康へのリスクがある場合
- 3-4. 美容目的で抜歯する場合
- 4. 歯列矯正のための抜歯の値段相場
- 5. 医療機関によっても抜歯の値段は異なる
- 6. 歯列矯正のための親知らず抜歯費用に関する注意点
- 7. 抜歯の値段を抑えるための方法
- 7-1. 複数の歯科医院でカウンセリングを受ける
- 7-2. 確定申告で医療費控除を受ける
- 7-3. 高額療養費制度を利用する
- 7-4. 民間医療保険の対象でないか確認する
- 8. 抜歯の値段に関するよくある質問
- Q1. 大学病院で親知らずを抜く場合の費用は?
- Q2. 入院が必要な親知らずの抜歯の費用は?
- Q3. 抜歯後の処置費用は?
- 9. まとめ|抜歯の値段に疑問があれば歯科医師に相談を
1. 抜歯の値段の決まり方

抜歯の値段はどのようなケースでも同じわけではなく、抜歯の目的や口の中の状況によって変わります。
費用を左右する要素としては、おもに以下が挙げられます。
- ・どの歯を抜くか
- ・抜歯の困難さ
- ・抜歯の目的
特に費用に影響を与えるポイントは「健康保険が適用されるかどうか」で、適用可否はおもに抜歯の目的によって決まります。
虫歯や炎症などの医学的な理由がある場合は保険診療となり自己負担額を抑えられる一方、美容目的や矯正治療にともなう抜歯は自費診療となり、値段が上がる傾向です。
2. 親知らずの抜歯の値段相場(保険適用)

親知らずの抜歯は、抜歯の処置の中でも比較的よく行なわれるものです。
親知らずの生え方によって抜歯の難易度が変わり、難易度が高く処置が複雑なほど費用も高くなります。
保険適用される場合のおおよその費用相場は、以下のとおりです。
- ・まっすぐ生えている親知らずの抜歯:3,000〜5,000円程度
- ・歯茎に埋まっている親知らずの抜歯:5,000〜1万円程度
- ・横向きに埋まっている親知らずの抜歯:手術扱いとなり、1万〜2万円程度
以下では、保険適用の2ケースを例に、抜歯にかかる費用の内訳を紹介します。
※下記の治療費はあくまでも目安です。
※保険点数は治療内容で決められており、1点=10円で計算します。(2025年9月時点)
※点数は2年に1度改定があり、負担額が変わることがあります。
2-1. ケース1:まっすぐ生えている親知らずの抜歯
まっすぐ生えている親知らずの抜歯は比較的簡単な処置のため、他のケースと比べて費用は少なく済みます。
保険適用の場合、再診料、レントゲン撮影、麻酔、処方薬などの費用を含めて約2,500円〜3,500円が目安です。
| 診療項目 | 保険点数(点) |
| 再診 | 56 |
| 明細書発行体制等加算 | 1 |
| 再診時外来診療環境体制加算 | 3 |
| パノラマX線撮影・診断 | 402 |
| 浸潤麻酔 | 10 |
| 臼歯抜歯 | 270 |
| 処方料(院内) | 42 |
| 調剤料(内服・頓服) | 11 |
| 薬剤情報提供料 | 10 |
| 薬剤(処方により異なる) | 28 |
| 合計 | 833点(3割負担:2,499円) |
2-2. ケース2:歯茎に埋まった親知らずの抜歯
歯茎の中に埋まっている親知らずを抜く場合、処置が複雑になるため費用が高くなります。
歯科用CT撮影を行ない、神経や血管の位置を確認しながら手術を行なうため、保険適用でも8,000円〜1万円程度かかることが多いです。
| 診療項目 | 保険点数(点) |
| 再診 | 56 |
| 明細書発行体制等加算 | 1 |
| 再診時外来診療環境体制加算 | 3 |
| 歯科用CT撮影・診断 | 1,170 |
| 伝達麻酔 | 42 |
| 浸潤麻酔 | 0 |
| 下顎水平埋伏歯 | 1,080 |
| 埋伏加算 | 230 |
| 処方料(院内) | 42 |
| 調剤料(内服・頓服) | 11 |
| 薬剤情報提供料 | 10 |
| 薬剤(処方により異なる) | 28 |
| 合計 | 2,673点(3割負担:8,019円) |
3. 抜歯のパターンと保険適用の有無

抜歯に保険が適用されるのは、医療的に必要と判断された場合(痛みや炎症をともなう場合)が中心です。
医療的に必要な抜歯でも、抜歯方法によっては保険適用外の自由診療になる場合もあるため、治療内容とともに事前に歯科医院で確認しましょう。
一方、美容目的の矯正にともなう抜歯は保険適用外となり、高額になることがあります。
以下では、具体的な抜歯のパターンと保険適用について解説します。
3-1. 痛みや炎症がある場合
親知らずやその周辺に痛みや炎症などの医学的な問題があるときは、健康保険を使って抜歯を受けられます。
例えば、斜めに生えた親知らずが隣の歯を圧迫して痛みを引き起こしている場合には、医学的に抜歯が必要と判断されます。
また、親知らずの虫歯や歯周病が治療では対応できないほど進行している場合や、歯根にまで感染が広がっている場合も保険適用による抜歯の対象です。
さらに、親知らずの周囲に炎症や膿がたまり、親知らずの抜歯によって症状が改善すると考えられる場合なども保険適用の対象になります。
3-2. 歯並びや噛み合わせへの影響がある場合
親知らずが歯並びや噛み合わせに悪影響を与えると判断される場合も、症状によっては保険適用での抜歯が認められる可能性があります。
ただし、医学的な理由で噛み合わせの治療が必要とされる場合のみ保険適用対象で、見た目の改善を目的とした噛み合わせ治療は自由診療となります。
なお、すべての歯科医院で保険適用による噛み合わせ治療ができるわけではないので注意が必要です(厚生労働省が定めた施設基準を満たし、地方厚生局に届け出をしている医療機関のみ)。
厚生労働省が定める特定の疾患に該当するケースでは、指定された医療機関で抜歯~矯正治療まで保険適用の対象となることがあります。
噛み合わせ矯正については、以下の記事でも費用や期間などを詳しく解説していますので、参考にしてください。
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3-3. 将来的に健康へのリスクがある場合
将来的に健康へのリスクがあると診断された場合も、親知らずの抜歯が保険適用になることがあります。
例えば、歯茎の中に親知らずが真横に埋まっていることで細菌がたまりやすくなっており、今は症状がなくても、将来的に虫歯や炎症を起こす可能性が高いと判断されるケースなどです。
また、親知らずの位置や生え方によっては、周囲の歯や歯茎に負担をかけ、将来的にトラブルにつながると予測されることもあります。
このような「予防的な抜歯」においても、診断内容によっては医学的な必要性が認められ、保険適用の対象となる場合があります。
3-4. 美容目的で抜歯する場合
美容的な理由で抜歯を行なう場合は、保険は適用されず自由診療となります。
例えば、歯列矯正の一環としてスペースを確保するために小臼歯を抜いたり、親知らずをあらかじめ抜歯したりするケースがこれにあたります。
これらは医学的な治療の必要性ではなく、見た目や歯並びを整えることを目的としているため、健康保険制度の対象外です。
そのため、費用は全額自己負担となり、歯科医院ごとに料金が異なります。
4. 歯列矯正のための抜歯の値段相場

歯列矯正を行なう際、歯並びを整えるスペースを作るために抜歯が必要なことがあります。
例として、歯列が狭い場合や歯の数が多い場合に行なわれる、小臼歯(前から4番目や5番目)の抜歯があります。
このような矯正のための抜歯は保険が適用されない自由診療で、1本当たり5,000円〜1万5,000円の費用がかかります。
左右両方の小臼歯を抜いた場合の費用の合計と内訳例は、以下のとおりです。
| 再診料 | 3,000~5,000円/回 |
| 小臼歯抜歯 | 5,000~1万5,000円/本×2本 |
| 合計 | 1万3,000~3万5,000円 |
このように、保険が適用されない歯列矯正では、抜歯によって想定より費用総額がかさんでしまうことも考えられます。
そのため、抜歯が必要になるかどうかも含めて事前に費用をしっかりと確認しておくことが重要です。
親知らずの抜歯も、美容を目的とした歯列矯正の一環で抜く場合は自費になります。
この場合、親知らず1本につき1~3万円ほどが相場です。ただし、抜こうとしている親知らずに虫歯などの治療が必要な問題があれば、矯正のタイミングでの抜歯でも保険適用になる場合があるため、歯科医師に確認しましょう。
歯列矯正における抜歯については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
・関連記事
矯正治療における抜歯と非抜歯の選択基準|違いとメリット・デメリットを解説
5. 医療機関によっても抜歯の値段は異なる
抜歯にかかる費用や対応は、医療機関によっても異なります。
- ・一般歯科医院:比較的簡単な抜歯に対応。
- ・専門の口腔外科:難しい抜歯(例:埋伏歯)に対応。入院が必要な場合もあり、費用は高額になりやすい。
- ・大学病院:高度な技術が必要な抜歯に対応。紹介状がない場合は料金が加算され、さらに費用が高額になることがある。
医療機関によっては、保険適用外の薬剤や治療機器を選択できる場合があります。
ただし、抜歯後の痛みを抑えられるなどのメリットがある反面、費用負担は増加します。
6. 歯列矯正のための親知らず抜歯費用に関する注意点

歯列矯正の一環として親知らずを抜歯することは、正確な歯列調整を行なううえで非常に重要です。
しかし、この抜歯にはいくつかの注意点があります。
- ・自由診療が多い
親知らずの抜歯は、矯正治療の一環と見なされる場合、自由診療扱いとなることが一般的です。そのため、保険適用外となり、費用が高額になる可能性があります。
特に、抜歯の難易度が高いケース(埋伏歯や歯茎の中に完全に埋まっている親知らず)は、追加費用が発生することがあります。
費用は、地域やクリニックの設備、治療計画によっても異なるため、事前に詳細な見積もりを確認することが重要です。
- ・費用の分割払いやデンタルローンの利用
高額な治療費に対応するため、多くの歯科医院ではデンタルローンや分割払いが可能です。これにより、一度に大きな出費を避け、月々の負担を軽減できます。
支払い計画については、治療開始前に歯科医院の担当者と相談し、無理のない計画を立てましょう。
- ・その他の注意点
抜歯後の痛みや腫れが予想されるため、スケジュールを調整して余裕を持つことをおすすめします。
術後のケアや定期的な通院も必要になるため、これらの費用を含めた総額を考慮してください。
保険適用が可能な場合でも、適用条件や手続きが異なるため、保険証や適用範囲について事前に確認することが大切です。
親知らずの抜歯は、矯正治療を成功させるための重要なステップです。費用や治療計画をしっかりと把握したうえで、最適な選択を行ないましょう。
7. 抜歯の値段を抑えるための方法

ここでは、抜歯にかかる負担額をできるだけ減らしたいと考えている方に向けて、押さえておくと良いポイントをいくつか紹介します。
歯の状態によっては抜歯費用が思ったよりかさむこともあるため、事前に利用できる仕組みなどを知っておきましょう。
7-1. 複数の歯科医院でカウンセリングを受ける
抜歯の費用を抑えるための方法として、まずおすすめしたいのが「複数の歯科医院でカウンセリングを受ける」ことです。
歯の状態が同じであっても、歯科医師の診断によって治療方針が異なることがあります。
施術の内容が変われば、当然ながらかかる費用にも差が出ます。
特に自由診療の場合は、歯科医院ごとに料金設定が自由なため、見積額に大きな違いが出る可能性も考えられます。
不安がある場合はセカンドオピニオンを受け、治療方法や費用を比較してみるのもおすすめです。
複数の医院を比べることで、料金面はもちろん、納得できる施術をしてくれるクリニックを選びやすくなるでしょう。
7-2. 確定申告で医療費控除を受ける
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告を行なうことで所得税の一部が戻ってくる制度です。
対象となるのは本人だけでなく、生計を同じくする家族の医療費も合算できる点がポイントです。
家族全員の医療費を合計して10万円(所得200万円未満の人は所得の5%)を超えた場合に適用されます。
【 参照:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」 】
抜歯をはじめとした歯科治療は、麻酔の使用などにより比較的高額になるケースもあります。
大がかりな歯科治療を行なった年は年間の医療費総額が上がり、控除の対象になる可能性があることを覚えておきましょう。
なお、自由診療も医療費控除の対象になりえますが、機能回復を目的とした治療のみが対象で、美容目的の矯正などは対象外になる点にはご注意ください。
7-3. 高額療養費制度を利用する
高額療養費制度とは、1ヵ月の医療費が一定の自己負担限度額を超えた場合に、超過分が払い戻される仕組みです。
自己負担額は世帯で合算できます。
【 参照:全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」 】
例えば、親知らずを同時に複数本抜いたり、全身麻酔をともなう難易度の高い抜歯を行なったりすると、費用が高額になることがあるため、この制度の対象となる可能性が考えられます。
保険適用の治療であれば利用できるため、負担が大きいと感じる場合は事前に年齢や所得ごとに設定されている限度額を確認しておくと安心です。
7-4. 民間医療保険の対象でないか確認する
親知らずの抜歯は、外科的な処置であっても民間保険の手術給付金の対象外とされるのが一般的です。
ただし、親知らずが骨や歯茎に埋まっており、外科手術を必要とするケースでは給付対象となる可能性があります。
対象かどうかは契約内容によって異なるため、歯科医師に手術の詳細を説明してもらい、そのうえで加入している保険会社へ確認しましょう。思わぬ形で費用負担を軽減できる場合があります。
8. 抜歯の値段に関するよくある質問

ここでは、親知らずの抜歯に関するよくある質問に答えていきます。
抜歯の費用や処置についての不安を解消しましょう。
Q1. 大学病院で親知らずを抜く場合の費用は?
大学病院で抜歯を行なう場合、紹介状があるかどうかで費用が異なります。
紹介状がある場合は、一般的に1万円程度の費用で抜歯が行なわれます。検査料が追加されると、さらに高額になる場合があります。
Q2. 入院が必要な親知らずの抜歯の費用は?
親知らずが神経に近く抜歯が難しい場合や、全身麻酔が必要なケースでは入院が必要になることがあります。
費用は1泊2日の入院で2万〜3万円、2泊3日で6万〜 7万円で、ケースによっては10万円を超えることもあります。
Q3. 抜歯後の処置費用は?
抜歯後には、止血や感染予防のために抗生剤や止血剤を使用することが一般的です。
これらの処置は保険適用で数百円程度の費用がかかります。
また、抜歯後の縫合が必要な場合は、1週間後に抜糸を行ない、その費用は数百円程度です。
処置内容によって費用は変わりますが、500円〜1,000円程度を目安にしておくとよいでしょう。
9. まとめ|抜歯の値段に疑問があれば歯科医師に相談を
抜歯にかかる費用は、治療の内容や目的、抜歯の難易度に応じて異なります。
また、抜歯が本当に必要かどうかも含め、治療方針は歯科医師によって変わることがあります。
内容や費用面などで後悔しないためにも、しっかり相談をしながら治療を進めましょう。
特に自由診療では費用が高額になりがちなため、信頼できる歯科医院を見つけることが重要です。
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