
- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

コンポジットレジンは、虫歯の治療や審美歯科治療で広く使用されている歯科材料の一つです。
特に、銀歯に比べて見た目が自然であり、治療の手軽さから人気があります。
しかし、コンポジットレジンには寿命があり、経年劣化や破損のリスクを伴います。
本記事では、コンポジットレジンの寿命について詳しく解説し、長持ちさせる方法や交換のタイミングについても紹介します。
- 1.コンポジットレジンとは?
- 1-1.コンポジットレジンのメリット
- 1-2.コンポジットレジンのデメリット
- 2.コンポジットレジンの寿命は何年くらい?
- 2-1.平均的な寿命
- 2-2.寿命に影響を与える要因
- 3.コンポジットレジンを長持ちさせるためのポイント
- 3-1.正しい歯磨き習慣を身につける
- 3-2.硬い食べ物を避ける
- 3-3.歯ぎしりや食いしばりの対策をする
- 3-4.定期的に歯科検診を受ける
- 3-5.着色しやすい飲食物を控える
- 4.コンポジットレジンの劣化と交換のサイン
- 4-1.劣化のサイン
- 4-2.交換のタイミング
- 5.まとめ:コンポジットレジンの寿命を伸ばすにはケアが大切!
1.コンポジットレジンとは?

コンポジットレジンとは、歯科治療で用いられる”白い”プラスチック素材の「詰め物」のことを言います。
プラスチック樹脂とガラス粒子を混ぜた材料で、歯に直接塗布して光を当てて硬化させます。
虫歯の治療や欠損した歯の治療に使われます。
その他、歯と歯の隙間が気になるケースにおいては隙間を埋めたり、歯の形状改善、変色した歯のカバーをしたりなど、審美的目的で使われることがあります。
1-1.コンポジットレジンのメリット
金属を使用しないため審美性が高く、健康な歯を多く削らずに済むのが大きなメリットです。
また、自然な歯の色に調整しやすく、金属アレルギーのリスクがないため、多くの患者さんに適応できるところもメリットの1つと言えるでしょう。
さらに、コンポジットレジンは比較的安価であり、即日治療が可能な点も魅力の一つです。
従来の詰め物や被せ物と異なり、歯科医院での型取りも必要ありません。
しかし、一方で耐久性に劣る側面もあり、強い咬合力がかかる部位では劣化しやすいというデメリットもあります。
1-2.コンポジットレジンのデメリット
コンポジットレジンには多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットも存在します。
【耐久性が低い】
コンポジットレジンは金属やセラミックに比べて耐久性が低く、強い咬合力がかかる部位では欠けたり摩耗しやすい傾向があります。
特に奥歯ではすり減りが早く、再治療が必要になることもあります。
【変色しやすい】
時間が経つとコンポジットレジンは変色しやすく、コーヒーや紅茶、タバコなどの影響を受けやすいです。
特に審美性を求める前歯に使用した場合、数年で見た目が悪くなることがあります。
【収縮により隙間が発生することがある】
コンポジットレジンは硬化する際にわずかに収縮するため、歯との間に微細な隙間ができることがあります。
この隙間から細菌が侵入し、虫歯や歯周病のリスクが高まることがあります。
【接着力が低下することがある】
長期間使用すると、コンポジットレジンの接着力が低下し、剥がれたり欠けたりすることがあります。
そのため、定期的な検診が必要で、場合によっては再治療が必要になります。
【硬い食べ物や歯ぎしりに弱い】
ナッツや氷、硬いキャンディーなどを噛むと、コンポジットレジンが欠けることがあります。
また、歯ぎしりの癖がある人は、夜間用のマウスピースを使用するなどの対策が必要です。
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2.コンポジットレジンの寿命は何年くらい?

コンポジットレジンは耐久性が低かったり、変色しやすかったりなどのデメリットが存在しますが、治療後、一般的にどのくらいの期間は問題ないのでしょうか。
寿命は何年くらいなのでしょうか。
2-1.平均的な寿命
一般的に、コンポジットレジンの寿命は 3〜10年と言われています。
ただし、この年数はあくまで目安です。
寿命は使用する部位や口腔環境、ケアの仕方によって大きく変わります。
2-2.寿命に影響を与える要因
コンポジットレジンの寿命に影響を与える主な要因は以下の通りです。
【嚙み合わせ】
奥歯にコンポジットレジンを使用した場合、噛む力が強くかかるため、前歯に比べて摩耗がかかりやすいです。
そのため、破損が早くなる傾向があります。
特に食事の際に硬いものを頻繁に噛む習慣があると、コンポジットレジンの劣化が早まる可能性があります。
【口腔衛生状態】
適切な歯磨きをしないと、コンポジットレジンと歯の境目に虫歯が発生しやすくなります。
特に歯垢や歯石が蓄積すると、接着部の劣化が早まり、剥がれやすくなります。
【材質の品質】
歯科医院で使用されるコンポジットレジンの種類やブランドが、寿命に影響を及ぼすことがあります。
最近では高品質なコンポジットレジンが登場し、耐久性も向上している一方、安価だけれども低品質なものも存在するため、選ぶときには注意が必要です。
【治療の精度】
歯科医師の治療技術によっても、コンポジットレジンの寿命は変わります。
適切な接着処理が施されていない場合、早期に脱離することがあります。
また、コンポジットレジンの層の厚みや形状が適切でないと、長持ちしないことがあります。
【生活習慣】
硬い食べ物を頻繁に食べたり、歯ぎしりや食いしばりの癖があると、コンポジットレジンが摩耗しやすくなります。
ナッツや硬いキャンディ、氷を噛む習慣がある場合は特に注意が必要です。
また、喫煙や色の濃い飲食物(コーヒー、紅茶、赤ワインなど)を頻繁に摂取すると、コンポジットレジンの変色が早まり、見た目が悪くなることがあります。
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3.コンポジットレジンを長持ちさせるためのポイント

さまざまなことが要因となり、劣化してしまいやすいコンポジットレジンですが、寿命を伸ばすためのポイントがあります。
長持ちさせるために、以下の点に注意してみてください。
3-1.正しい歯磨き習慣を身につける
歯とコンポジットレジンの境目にプラーク(歯垢)が溜まると、虫歯や歯周病の原因になります。
正しいブラッシングの方法を学び、またフッ素入りの歯磨き粉を使用するなどして、丁寧にブラッシングすることが大切です。
3-2.硬い食べ物を避ける
ナッツや氷、硬いキャンディーなどを噛むと、コンポジットレジンが欠ける可能性があります。
特に奥歯の詰め物には注意が必要です。
できるだけ硬い食べ物は避けるようにしましょう。
3-3.歯ぎしりや食いしばりの対策をする
歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、就寝時にナイトガード(マウスピース)を使用することでレジンへの負担を軽減できます。
歯科医師に相談してみてください。
3-4.定期的に歯科検診を受ける
治療後は、歯科医院での定期検診(半年に1回程度)を受けるのがおすすめです。
コンポジットレジンの状態をチェックしてもらい、必要に応じて早めに対策をしてもらいましょう。
3-5.着色しやすい飲食物を控える
コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなどの着色しやすい食品を頻繁に摂取すると、変色が早まります。
摂取後はすぐに歯を磨く、水で口をすすぐなどの対策を行いましょう。
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4.コンポジットレジンの劣化と交換のサイン

コンポジットレジンは寿命があるため、経年劣化します。
一定の期間が経過すると交換が必要になります。
劣化の兆候はどんなものなのか、交換のタイミングについて紹介します。
4-1.劣化のサイン
以下のような症状が見られた場合、コンポジットレジンの劣化が進んでいる可能性があります。
【変色や黄ばみ】
コンポジットレジンは時間とともに変色しやすく、特にコーヒー、紅茶、ワイン、喫煙などの影響を受けやすいです。
前歯の修復に使用している場合、審美性を考慮して早めの交換を検討するとよいでしょう。
【ひび割れや欠け】
強い咬合力が加わる部位では、細かなひび割れが発生しやすくなります。
ひび割れた部分から細菌が侵入し、虫歯のリスクが高まるため、ひびや欠けが確認された場合は早めの交換がおすすめです。
【磨耗による形状の変化】
長年の使用によりコンポジットレジンがすり減り、元の形状から変化することがあります。
噛み合わせに影響を与える可能性があるため、歯科医院でのチェックが必要です。
【接着の劣化や剥がれ】
コンポジットレジンが歯にしっかりと接着されていないと、境目に隙間が生じ、虫歯の原因になります。
接着部分に違和感がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
4-2.交換のタイミング
コンポジットレジンの寿命は平均 3〜10年 ですが、劣化の兆候が見られたら早めに交換をするのが望ましいです。
以下の場合は、歯科医師に診せ、交換してもらいましょう。
・変色が進み、見た目が気になる場合
・ひび割れや欠けが発生した場合
・磨耗が進んで噛み合わせに違和感がある場合
・接着が弱くなり、レジンが剥がれかけている場合
・境目に虫歯ができている場合
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5.まとめ:コンポジットレジンの寿命を伸ばすにはケアが大切!

コンポジットレジンは審美性に優れ、歯を削る量が少なく済むことから、多くの歯科治療で活用されています。
しかし、耐久性には限界があり、使用環境やケアの仕方によって寿命が変わります。
平均的な寿命は 3〜10年とされますが、適切なケアを行えば、より長持ちさせることも可能です。
劣化のサインとしては、変色、ひび割れ、磨耗、接着の劣化 などが挙げられ、これらが見られた場合には交換を検討する必要があります。
また、コンポジットレジンの寿命を延ばすためには、正しい歯磨き習慣、硬い食べ物を避けること、歯ぎしり対策、定期的な歯科検診などが重要です。
コンポジットレジンの特性を理解し、適切なメンテナンスを行うことで、健康的で美しい歯を維持しましょう。
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