
- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

インビザライン・ファースト(Invisalign First)は、子ども向けのマウスピース矯正治療です。
成長期の歯並びの乱れや噛み合わせの問題を改善するために開発されました。
特に乳歯と永久歯が混在する混合歯列期(主に6~10歳)に行う矯正方法で、子どもの発育に合わせた柔軟な治療が可能です。
治療には透明なマウスピースを使用するため、目立ちにくく、装着時の違和感も少ないので、お子さんも安心して治療を受けられます。
本記事では、インビザライン・ファーストの特徴やメリット・デメリット、注意点などについて詳しく紹介していきます。
- 1.インビザライン・ファーストの特徴
- 1-1.小児向けに特化した矯正システム
- 1-2.取り外し可能な透明マウスピース
- 1-3.顎の成長をコントロールしながら矯正
- 1-4.他の矯正方法との違い
- 2.インビザライン・ファーストのメリット
- 2-1.審美性が高い
- 2-2.食事制限がない
- 2-3.口腔内を衛生的に保ちやすい
- 2-4.痛みや違和感が少ない
- 2-5.顎の成長をサポートできる
- 3.インビザライン・ファーストのデメリットと注意点
- 3-1.装着時間を守る必要がある
- 3-2.紛失や破損のリスク
- 3-3.費用が比較的高い
- 3-4.適応できる症例が限られる
- 3-5.定期的な通院が必要
- 3-6.正しい装着方法を守らないと効果が出にくい
- 4.まとめ:お子さんの歯並びが気になったら早めに相談
1.インビザライン・ファーストの特徴

インビザライン・ファースト治療の特徴には、以下のようなものがあります。
1-1.小児向けに特化した矯正システム
先述したように、インビザライン・ファーストは、混合歯列期の子どもの成長を考慮した矯正方法です。
この時期は、顎の成長期であり、歯を動かしやすく、噛み合わせが変化しやすいタイミングです。
そんな時期にインビザライン・ファーストを用いることで、顎の成長をコントロールしながら、きれいに歯列を整えることができます。
1-2.取り外し可能な透明マウスピース
インビザライン・ファーストの治療では、取り外しが可能な透明なマウスピース(アライナー)を使用します。
そのため、以下のような特徴があります。
・目立ちにくい
透明な素材で作られているため、ワイヤー矯正よりも目立ちません。
・衛生的
食事や歯磨きの際に取り外せるため、口腔内の衛生管理がしやすいです。
・痛みが少ない
ワイヤー矯正に比べて痛みや違和感が少ないとされています。
1-3.顎の成長をコントロールしながら矯正
混合歯列期の子どもは、まだ顎の成長が完了していません。
この時期にインビザライン・ファーストを使用すると、歯並びを整えながら顎の成長を適切に促すことができます。
結果的に、将来的に本格的な矯正治療を避けられたり、抜歯しての矯正は不要になったりすることがあります。
1-4.他の矯正方法との違い
インビザライン・ファーストは、混合歯列期のお子さんに適した治療法ですが、従来の小児矯正は2期に分けて行うものが一般的でした。
1期はまず専用の拡大床などの矯正装置を用いて、上顎または下顎のアーチを拡大し、歯が並ぶための十分なスペースを確保します。
子どもの顎は成長中であるため、その成長力を利用して永久歯が並ぶのに必要なスペースを作ることが可能です。
2期治療では、スペースが確保された状態で、歯並びや嚙み合わせを整えることを目的として行います。
治療完了後は、保定装置を用いて後戻りを防止し、長期的な安定を図ります。
1期だけで治療が完了する場合もありますが、歯並びや嚙み合わせの調整が必要な場合、2期治療を行います。
【インビザライン・ファーストは1期2期治療を1ステップで】
インビザライン・ファーストは、従来の2段階治療とは異なり、1つの治療プロセス(1STEP)で顎の拡大と歯列矯正を同時に行います。
つまり、従来の小児矯正の1期の顎の発達を促す治療と、2期の歯並びや噛み合わせを整える治療を同時に行うのです。
効率的に行えるため、治療期間を大幅に短縮できます。
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2.インビザライン・ファーストのメリット

インビザライン・ファーストで治療を行うのには、以下のようなメリットが考えられます。
2-1.審美性が高い
インビザライン・ファーストでは、透明なマウスピースを使用するため、治療中でも装着していることがほとんど目立ちません。
そのため、見た目を気にするお子さんやその親御さんにとって大きなメリットとなります。
お子さんが自信を持って日常生活を送ることができ、園・学校生活や友達との交流においても自然な笑顔を保つことが可能です。
2-2.食事制限がない
インビザライン・ファーストは取り外しが可能なマウスピースを使用しているため、食事中は簡単に装置を外すことができます。
普段通りの食事を楽しむことができ、食生活へのストレスを大幅に軽減することができます。
お子さん自身も好きなものを我慢することなく治療を続けられるのは大きなメリットと言えるでしょう。
2-3.口腔内を衛生的に保ちやすい
また、取り外し可能な点にはもう1つメリットがあります。
それは歯磨きやフロスなどの日常の口腔ケアが非常に行いやすいという点です。
ワイヤー矯正など、歯の表面に矯正装置が固定されている状態では、歯の間にプラークが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。
しかし、インビザライン・ファーストのようにマウスピースを外せる場合には、丁寧に歯を磨けるので、口内を常に清潔に保つことができ、健康な歯を維持しやすくなります。
将来的な歯科トラブルの予防にもつながり、長期的な口腔衛生管理が期待できます。
2-4.痛みや違和感が少ない
特徴のところでもお伝えしましたが、インビザライン・ファーストは柔柔軟な素材で作られているため、装着時の痛みや違和感が従来の矯正方法に比べてかなり少ないとされています。
ワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーが直接口内に触れ、摩擦や圧迫によって痛みが生じることがよくあります。
特に治療開始直後や矯正力が強く働くタイミングでは、痛みを強く感じることもありますが、インビザライン・ファーストはその点で快適性は高いです。
日常生活に支障をきたすことなく治療を進められるため、お子さん自身も安心して装着し続けることができます。
また、痛みが少ないことは、矯正治療への抵抗感を和らげ、お子さん自身も前向きになり、治療を進められるという効果も期待されます。
2-5.顎の成長をサポートできる
歯並びが乱れる原因として多いのが、顎が小さく、永久歯が並ぶスペースが足りないという点です。
最近はやわらかい食べ物を好んで食べる子も多く、顎をしっかりと使わずに食事をしている子が多いです。
その結果、顎が十分に発達しないまま成長する子が増えています。
インビザライン・ファーストは、顎の成長時期であるタイミングに治療を行うことで、顎の成長を適切にコントロールします。
その結果、将来的な歯並びの問題を防ぐことにつながります。
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3.インビザライン・ファーストのデメリットと注意点

インビザライン・ファーストを使った矯正治療はメリットがたくさんありますが、反対に事前に注意しておきたい点もあります。
3-1.装着時間を守る必要がある
インビザライン・ファーストは、1日20時間以上の装着が推奨されています。
お子さんだけでは装着時間の管理が難しいことが多いため、装着時間が不足し、治療効果が十分に得られない可能性があります。
親御さんはお子さんのサポートが欠かせません。
3-2.紛失や破損のリスク
インビザライン・ファーストは取り外しが可能なため、マウスピースを紛失したり、誤って破損させたりするリスクがあります。
特に小さなお子さんの場合、食事や遊びの際に誤って捨ててしまうケースもあるため、専用のケースを用意し、保管場所を決めておくとよいでしょう。
3-3.費用が比較的高い
インビザライン・ファーストは、従来のワイヤー矯正や床矯正に比べて費用が高くなる傾向があります。
治療費は歯科医院によって異なりますが、一般的に数十万円程度かかることが多く、家計の負担になる可能性があります。
治療を始める前に、費用や支払い方法をしっかり確認しておきましょう。
3-4.適応できる症例が限られる
インビザライン・ファーストはすべての歯並びの問題に対応できるわけではなく、重度の不正咬合や骨格的な問題がある場合は、他の矯正方法が推奨されることがあります。
また、顎の成長に影響を与えるため、成長が著しく早いお子さんや、矯正に適した歯の移動が難しいケースでは効果が限定的となる可能性があります。
3-5.定期的な通院が必要
インビザライン・ファーストの治療中は、歯科医師による経過観察が必要です。
一般的には4~6週間ごとに通院し、歯並びの変化を確認しながら次のステップへ進めます。
忙しい家庭や遠方の歯科医院に通う場合は、スケジュール管理が重要となります。
3-6.正しい装着方法を守らないと効果が出にくい
装着時にしっかりとマウスピースを歯に密着させることが重要です。
不適切な装着を続けると、治療計画どおりに歯が動かず、治療期間が延びたり、追加のアライナー作成が必要になる場合があります。
お子さんが正しく装着しているか、親御さんがチェックすることが大切です。
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4.まとめ:お子さんの歯並びが気になったら早めに相談

インビザライン・ファーストは、子どもの混合歯列期に適した透明マウスピース矯正方法です。
審美性が非常に高く、装着していても目立たないため、お子さんが自信を持って日常生活を送ることができます。
また、柔軟な素材を使用しているため、痛みや違和感が少なく、装着中のストレスを大幅に軽減できる点も大きな魅力です。
さらに、取り外し可能な特性により、普段通りの歯磨きが可能で、口腔内を衛生的に保つことができるため、虫歯や歯周病のリスクを抑える効果も期待できます。
そんなインビザライン・ファーストですが、適応できる症例が限られるため、事前に歯科医師としっかり相談することが大切です。
お子さんの歯並びが気になる場合は、専門家としっかり相談しながら、家庭のサポート体制やお子さんのライフスタイルに合わせた治療方法を選択し、安心して治療を進めていきましょう。
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