
- この記事の監修者
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歯科医師。現在は、医療法人聖礼会にて理事長を務める。1999年より都内歯科クリニックにて研鑽を積み、2009年にアス横浜歯科クリニックを開業。その後、医療法人社団聖礼会として法人化を行い、現在では横浜・二子玉川・豊洲エリアに合計4院を展開している。20年以上にわたる臨床経験と、複数の医院経営で培った豊富な知見を活かし、質の高い歯科医療の提供に努めている。
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口腔ケアの一環として日々の歯みがきは大切ですが、歯ブラシだけでは磨き残してしまう部分があるのをご存知でしょうか?
特に、歯と歯の間は、歯ブラシの毛先が届きにくい箇所であり、そこにプラーク(歯垢)や食べかすが溜まりやすく、虫歯や歯周病の原因になりがちです。
このような隙間をきれいに保つために役立つのが、デンタルフロスです。
しかし、デンタルフロスには様々な種類があり、どれを選べば良いのか迷うこともあるでしょう。
また、使い方が分からないという人も多いかもしれません。
この記事では、デンタルフロスの選び方や使い方、さらにはよくある疑問についても解説し、効果的に口腔ケアを行う方法をお伝えします。
- 1. デンタルフロスとは?その役割と歯間ブラシとの違い
- 2. デンタルフロスの選び方:5つの重要ポイント
- 2-1. 形状とコストパフォーマンス
- 2-2. 素材:ナイロン、ポリエステル、ポリエチレンの違い
- 2-3. ワックスあり・なし、どっちがいい?
- 2-4. 持ち運びやすさ
- 2-5. プラスαの機能
- 3. デンタルフロスの正しい使い方
- 3-1. ホルダータイプの使い方
- 3-2. ロールタイプの使い方
- 4. デンタルフロスに関するよくある質問
- 4-1. そもそもなぜ歯間ケアが必要?
- 4-2. デンタルフロスは歯みがきの前に使うべき?
- 4-3. デンタルフロスを使うと出血するのはなぜ?
- 4-4. 毎回使い捨てにすべきですか?
- 4-5. デンタルフロスの使用頻度は?
- 4-6. デンタルフロスを使っても口臭が気になる場合の対処法は?
- 5. あなたにぴったりのデンタルフロスを見つけよう
1. デンタルフロスとは?その役割と歯間ブラシとの違い

デンタルフロスは、歯と歯の間にある食べかすや歯垢を取り除くための細い糸状のケア用品で、虫歯や歯周病を予防するために欠かせない存在です。
特に歯ブラシでは届かない狭い歯間の汚れを落とすことに長けており、口臭の原因となる食べかすの除去にも効果的です。
一方で、歯間ブラシは、デンタルフロスと同じく歯の隙間を掃除するために使われますが、主に歯と歯の間の大きな隙間に適しています。
デンタルフロスが狭い歯間での清掃に優れているのに対し、歯間ブラシは広めの隙間の汚れを取り除くのが得意です。
たとえば、矯正器具をつけている人や、ブリッジやクラウンを装着している人は、歯と歯の隙間の清掃が難しい場合があります。
デンタルフロスを使用することで、ワイヤーや矯正装置の隙間の汚れを効率的に取り除くことができます。
特にワイヤー矯正中の方には、歯ブラシだけでは届かない部分の清掃を補うために、デンタルフロスの併用が推奨されます。
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2. デンタルフロスの選び方:5つの重要ポイント

デンタルフロスを選ぶ際には、形状や素材、機能など、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
以下では、これらの重要な要素について詳しく説明します。
2-1. 形状とコストパフォーマンス
デンタルフロスには、大きく分けて 「ホルダータイプ」 と 「ロールタイプ」 の2種類があります。
それぞれの特長を理解し、自分に合ったタイプを選びましょう!
① ホルダータイプ|初心者や子供におすすめ!
ホルダータイプは、フロスが持ち手に固定されているため、片手で簡単に使えるのが特徴です。
特に、デンタルフロスを初めて使う方や子供にぴったり で、扱いやすさを重視する方におすすめです。
ホルダータイプのメリット
・片手で操作できるので簡単
・フロス初心者でも扱いやすい
・子供や高齢者にも向いている
ホルダータイプの形状
ホルダータイプには 「F型」と「Y型」 の2種類があります。
形状 | 適した使い方 |
---|---|
F型 | 前歯のケアに向いている |
Y型 | 奥歯の隙間に届きやすい |
特に、奥歯の掃除がしにくい方には「Y型」がおすすめ!
持ち手が湾曲しているため、奥歯の隙間にもスムーズにアクセスできます。
② ロールタイプ|コスパ抜群で自由に調節可能!
ロールタイプのデンタルフロスは、長い糸を自分でカットして使うタイプ です。
1回の使用量を調整できるため、コストパフォーマンスに優れ、長期的に使うならこちらがおすすめ。
ロールタイプのメリット
・フロスの長さを自由に調節できる
・1つのパッケージで長期間使える
・ホルダータイプに比べて価格が安い
また、慣れれば自由に扱えるため、歯間の形状に合わせて細かく清掃できるのもポイント。
初心者には少し扱いづらいかもしれませんが、コスパ重視でフロス習慣を続けたい方には最適 です。
2-2. 素材:ナイロン、ポリエステル、ポリエチレンの違い
デンタルフロスの素材は、主にナイロン製、ポリエステル製、ポリエチレン製の3つに分かれます。
それぞれが異なる特徴を持っており、選び方によって使用感や効果が変わるため、自分に合った素材を選ぶことが重要です。
・ナイロン製:
最も一般的な素材で、摩擦力が高いため歯垢をしっかりと除去できます。
ただし、硬めの素材であるため、歯ぐきに対して多少の刺激を感じることがあります。
・ポリエステル製:
柔らかく、歯ぐきに優しいのが特徴です。
歯ぐきがデリケートな方には最適ですが、ナイロン製に比べると摩擦力が劣り、歯垢除去能力がやや劣る場合があります。
・ポリエチレン製:
非常に細く、強度も高い素材です。
特に歯間が狭い場合に適しており、切れにくいというメリットがあります。
2-3. ワックスあり・なし、どっちがいい?
デンタルフロスには、ワックス付きとノンワックスの2種類があります。
ワックス付きは、フロスの糸にワックスがコーティングされているため、歯間にスムーズに挿入でき、初心者や歯間が狭い方には適しています。
一方、ノンワックスのフロスは摩擦力が高く、歯垢をしっかり取り除くことができるため、歯間清掃の効果を重視する人にはおすすめです。
歯垢除去率を上げたい方や、デンタルフロスに慣れている方には、ノンワックスタイプの選択が良いでしょう。
2-4. 持ち運びやすさ
外出先で使用するためには、持ち運びやすさも重要です。
ロールタイプのデンタルフロスは、コンパクトなケースに収納されており、ポーチやバッグに簡単に入れて持ち運ぶことができます。
また、ホルダータイプも個包装のものや専用ケース付きのものを選ぶと、衛生的かつ便利です。
2-5. プラスαの機能
デンタルフロスには、香り付きやフッ素配合など、プラスαの機能を持つものもあります。
香り付きのフロスは、ミントやレモンなどの爽やかなフレーバーがあり、使用後の口内をリフレッシュできます。
特にミントフレーバーは口臭対策にも効果的で、毎日使っても飽きにくいです。
さらに、フロスの中には、フッ素やプロポリスなど、口腔ケアに有効な成分を配合したものもあります。
フッ素配合のフロスは、歯のエナメル質を強化し、虫歯予防効果をさらに高めます。
ステイン除去効果のあるフロスは、コーヒーや紅茶の飲み過ぎで歯が着色しやすい方におすすめです。
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3. デンタルフロスの正しい使い方

デンタルフロスを正しく使用することは、歯と歯の間を効果的に清掃し、口腔内の健康を保つために非常に重要です。
ここでは、ホルダータイプとロールタイプそれぞれの基本的な使い方を紹介します。
3-1. ホルダータイプの使い方

1.フロスを歯間にゆっくり挿入します。無理に押し込むと歯ぐきを傷つけることがあるため、慎重に挿入しましょう。
2.フロスを歯の側面に沿わせ、上下に動かして歯垢を取り除きます。片側だけでなく、両隣の歯をしっかり磨くことがポイントです。
3.フロスを引き抜く際も、挿入時と同じく、前後に動かしながらゆっくりと抜きます。
3-2. ロールタイプの使い方

1.デンタルフロスを約30センチ程度切り取り、両手の中指に巻きつけて固定します。両手の親指と人差し指でフロスを持ち、ピンと張った状態にします。
2.歯間にフロスをゆっくり挿入し、歯の側面に沿って上下に動かして汚れを取り除きます。
3.歯間ごとにフロスの位置を変え、清潔な部分を使って歯垢を効果的に取り除きましょう。
デンタルフロスは、毎日使用することが推奨されています。
特に就寝前に使用することで、夜間の細菌繁殖を防ぎ、虫歯や歯周病の予防効果が高まります。
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4. デンタルフロスに関するよくある質問

デンタルフロスに関しては、使用時に疑問を抱くことが多いかもしれません。
ここでは、よくある質問に答えていきます。
4-1. そもそもなぜ歯間ケアが必要?
実は、歯ブラシだけでは歯の表面しか磨けず、歯と歯の間の汚れの約40%が取り残されると言われています。
歯間に詰まった食べかすや歯垢(プラーク)は、放置すると虫歯や歯周病、口臭の原因になってしまいます。
歯間ケアをしないと...
・虫歯リスクがアップ → 歯間に残った食べかすが発酵し、酸が発生
・歯周病の進行 → 歯と歯ぐきの間にプラークがたまり、炎症を引き起こす
・口臭の原因に → 食べかすが腐敗し、嫌な臭いが発生
歯科医院でも、「デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、歯周病や口臭の予防に大きく役立つ」と推奨されています。
歯間ケアを習慣にすることで、虫歯・歯周病・口臭を防げるだけでなく、健康な歯を長く維持できます。
4-2. デンタルフロスは歯みがきの前に使うべき?
デンタルフロスは、歯みがきの前に使用するのが理想的です。
歯間に溜まった汚れを先に除去することで、歯磨き粉に含まれるフッ素がより効果的に作用し、虫歯予防効果が高まります。
4-3. デンタルフロスを使うと出血するのはなぜ?
フロス使用時に出血する場合、歯ぐきが炎症を起こしている可能性があります。
これは、歯垢が蓄積していることで歯ぐきが弱っている状態であり、フロスが炎症を刺激して出血が生じます。
正しい使い方を続けることで、歯ぐきが強くなり、次第に出血が減っていくことが一般的です。
しかし、出血が続く場合は歯周病の初期症状である可能性もあるため、歯科医に相談することをおすすめします。
4-4. 毎回使い捨てにすべきですか?
デンタルフロスは、衛生面を考慮して一度使用したら使い捨てにすることが推奨されています。
再利用すると、フロスに付着した細菌や汚れが再び口内に入り、逆効果になる可能性があります。
特に繰り返し使えるフロスでない場合は、必ず使い捨てにしましょう。
4-5. デンタルフロスの使用頻度は?
デンタルフロスは、1日1回の使用が推奨されています。
特に寝る前に使用することで、夜間の細菌の繁殖を防ぎ、口内を清潔に保てます。
フロスを使うことで、歯と歯の間に溜まる歯垢をしっかりと除去できるため、虫歯や歯周病の予防に大きく貢献します。
4-6. デンタルフロスを使っても口臭が気になる場合の対処法は?
デンタルフロスを使用しても口臭が気になる場合は、口腔内の他の部分、特に舌の表面に汚れが溜まっている可能性があります。
舌の清掃も合わせて行うことが口臭対策には効果的です。
また、フロスの使用時に歯ぐきから異常に出血したり、臭いが気になる場合は、歯周病や虫歯の兆候かもしれませんので、歯科医に相談しましょう。
■参考記事:口臭の主な原因は舌苔?正しい舌磨きの方法とコツ
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5. あなたにぴったりのデンタルフロスを見つけよう

デンタルフロスは、歯ブラシだけでは落としきれない歯間の汚れを効果的に除去できるため、口腔ケアの中で非常に重要な役割を果たしています。
自分に合ったフロスを選ぶことが、長く継続して使うためのポイントです。
市場には様々な種類のフロスがありますが、初心者にはワックス付きで扱いやすいホルダータイプがおすすめです。
コスパを重視するならロールタイプが良いでしょう。
また、フレーバー付きのものや、フッ素配合のものを選ぶことで、さらにケア効果を高めることもできます。
デンタルフロスを日常のルーティンに取り入れることで、歯垢や食べかすを効率的に除去し、虫歯や歯周病のリスクを軽減しましょう。
適切なフロス選びと正しい使い方を習得することで、健康な歯と美しい笑顔を手に入れましょう。
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