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歯列矯正は何歳までできる?矯正可否を左右する要素やメリットも解説

湊 寛明
湊 寛明
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

歯並びをきれいにしたいけれど、もう年齢的に遅いのではないか

矯正を始めたいけれど、今すぐには難しい

 

このように、歯並びを整えたいと思っていても、年齢やタイミングを理由に歯列矯正を諦めている方も多いのではないでしょうか。

 

歯列矯正は子どもや若い方でないと受けられない治療ではありません。年齢にかかわらず始められるケースも多くあります

 

今回は、歯列矯正は何歳まで可能なのか、治療の可否を左右する要素や、年齢を重ねてから歯列矯正を始めるメリットについて解説します。

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1. 歯列矯正に「何歳まで」という上限はない

歯列矯正は子どもや若い方が行なっていることが多いため、年齢を重ねると難しいと考えられがちですが、年齢による制限はありません歯や歯茎、骨の状態が良好であれば治療は可能で、50代60代、さらに上の年代で矯正を始める方もいます

 

ただし、口腔内に問題がある場合は、そのまま歯列矯正をすると問題が悪化するおそれがあるため、治療に制限が出てくる可能性があります。

 

年齢を重ねるにつれ、虫歯歯周病の進行など、口腔内トラブルが増える傾向にあります。また、歯を動かすために必要な骨の代謝も低下するため、若いときに比べて治療期間も長くかかるようになります。歯並びに悩みがある場合、できるだけ早く治療を検討することが望ましいでしょう

2. 歯列矯正ができるかを左右する年齢以外の要素

歯列矯正に年齢制限はないものの、年齢が上がると健康上の問題が生じやすく、治療が制限されることがあります。40代以降の方が歯列矯正をする際に問題になりやすい要素として挙げられるのが、口腔内の健康状態と持病や服薬の状況です。

歯列矯正に年齢制限はないものの、年齢が上がると健康上の問題が生じやすく、治療が制限されることがあります。40代以降の方が歯列矯正をする際に問題になりやすい要素として挙げられるのが、口腔内の健康状態と持病や服薬の状況です。

2-1. 口腔内の健康状態

年齢を重ねると、口腔内の環境が悪化する方が少なくありません。

 

特に歯周病は進行すると、歯を支えている歯槽骨が溶かされ、歯の動揺が生じます。その状態で歯列矯正を進めると、治療途中で歯槽骨が歯を支えられなくなり、歯の動揺が大きくなったり、抜けたりするリスクがあります。状態によっては、矯正治療が不可とされることもあるでしょう。

 

また、重度の虫歯過去の治療外傷によって歯が脆くなっている場合も、矯正でかける力によってトラブルが起きる可能性があり、治療が制限されることがあります。

 

すでに歯が抜けてしまっている場合やインプラントを埋入している場合も、歯を動かせる範囲が限られます。歯列矯正が可能であっても、十分な治療結果が得られない可能性があるでしょう。

2-2. 持病や服薬の状況

年齢を重ねると生活習慣病をはじめとした疾患のリスクが高まりますが、歯列矯正において持病や服薬が問題となることもあります。

 

例えば、骨粗鬆症の治療薬には骨代謝を抑制するものがあり、骨が動きにくくなる可能性や、抜歯時に顎の骨の壊死を招くリスクがあります。心臓疾患などで抗凝固薬を服用している場合には血が止まりにくくなるため、抜歯の際には止血に配慮しなければなりません。糖尿病の場合は、傷の治りが遅く感染しやすいといったリスクもあります。

 

いずれも、主治医と連携して治療を進める必要があり、状況によっては治療方法に制限が生じたり、治療自体が難しいと判断されたりする可能性もあります

3. 何歳からでも遅くない!歯列矯正の4つのメリット

歯並びが気になっていても、年齢を重ねるにつれて、「今さら治療するべきか」と悩む方もいるでしょう。

 

歯列矯正は、年齢にかかわらず始める価値のある治療です。ここからは、年齢を重ねてから歯列矯正をするメリットを4つご紹介します。

3-1. 長年のコンプレックスを解消できる

歯列矯正で歯並びが整うと、長年抱えてきた見た目のコンプレックスの解消が期待できます。

 

歯並びが気になりいつも手で口もとを隠してしまう方や、口を開けて思いっきり笑えない方も少なくありません。歯並びがきれいに整うことで、このような口もとに対する不安感が軽減できます。

 

気持ちが前向きになり、自分に自信を持てるようになる方も多く、生活の充実にもつながるでしょう

3-2. 口もとの印象が若々しく見えるようになる

歯列矯正は、噛み合わせの改善にもつながります。

 

噛み合わせが良くなって口周りの筋肉のバランスが整うと、口もとが引き締まります。その結果、年齢によって気になり始めたほうれい線たるみが和らいで感じられることもあるでしょう。

 

また、口もとの突出感が改善されれば口も閉じやすくなります。表情が自然になり、口もとのシワも目立ちにくくなるでしょう

3-3. 将来健康な歯を残せる可能性が上がる

歯並びを整えることで歯磨きがしやすくなれば、口腔内の状態を良好に保ちやすくなることも大きなメリットです。高齢になり歯を失う大きな原因となる、虫歯や歯周病リスクを軽減できます。

 

また、歯並びの乱れにより特定の歯に大きく力がかかることも、歯を失うリスク要因です。歯並びを治せばその負担を抑えられ、歯の寿命を延ばせる可能性が高まります。

3-4. 全身の健康にも良い影響が期待できる

歯並びや噛み合わせは、全身の健康ともかかわりがあると考えられています。

 

歯並びが整って噛み合わせが改善されれば、食べ物をしっかり噛むことが可能です。その結果、消化がスムーズになり、胃腸への負担の軽減につながることがあります。

 

また、顎関節への負担が和らぐことで、顎関節にかかわる違和感や不調の軽減が期待できます。さらに、顎や頭部の位置、筋肉のバランスの変化を通じ、肩こりや頭痛、腰痛などの不調が緩和されるケースも見られます。

4. 【年代別】歯列矯正の注意点

口腔内の環境や全身の状態は年齢によって変わるため、歯列矯正には年代によってそれぞれ注意すべきポイントがあります。ここでは、成人前20代・30代40代以降の年代別に、歯列矯正の注意点をまとめました。

4-1. 成人前の矯正

成人前の矯正は、顎の骨の成長や歯の生え変わりに応じて治療内容が変わるため、適切な時期を見極めて治療を開始する必要があります。

 

骨格に問題があると考えられる場合には、永久歯が生えてしまう前で顎の成長をコントロールしやすい6歳頃から治療を検討しますⅠ期治療)。

 

永久歯が生えたあとの矯正(Ⅱ期治療)で行なうのは、顎が成長を終えていることから、成人と同様に歯並びや噛み合わせの調整です。歯が生えるスペースが不足している場合は、抜歯が必要になる可能性があります。気になった段階で早めに診断を受け、適切な治療時期を判断しましょう。

 

歯列矯正中は虫歯や歯周病のリスクが高まるため、口腔環境の維持が欠かせません。子どもの場合は、歯磨きや装置の扱いなど、保護者のサポートが不可欠であることを覚えておきましょう。

4-2. 20代・30代の矯正

骨は年齢を重ねるほど硬くなっていくため、矯正を始めるならできるだけ早期の治療を検討しましょう。

 

20代・30代の矯正で注意したいのが、ライフイベントです。

 

矯正治療は状態にもよりますが、1~3年程度の治療期間がかかり、その間は装置の取り付けや定期的な通院が必要になります。就職や結婚、出産などの重要なライフイベントまでに治療が終了する、もしくは終わってから始めるなど、適切なタイミングを考えましょう

 

装置を付けたままで重要なライフイベントを迎えることに抵抗があるなら、目立ちにくい装置や装置が取り外せるマウスピース矯正を選ぶ方法も可能です。

 

また、矯正にはまとまった費用がかかるため、経済的な余裕についても考慮を要します。

4-3. 40代以降の矯正

40代以降になると骨の代謝が落ちるため、歯が動きにくくなることを想定した治療計画を立てなければなりません。若い時代に比べて痛みが出やすくなるうえ、治療期間も長くなります

 

また、口腔内や全身状態、治療履歴の影響も大きくなりやすい年代です。

 

特に歯周病で歯槽骨が減少している場合、矯正後歯茎が下がって三角形の隙間ブラックトライアングル)ができる可能性があります。また、歯周病の進行や喪失歯により矯正治療が大きく制限されることもあります。

5. 歯列矯正前に確認しておくべきポイント

歯列矯正は、一人ひとりの口腔内の状態や治療の目的によって適する治療方法が異なります。そのうえ、長期にわたる治療となるため、継続にはライフスタイルへの配慮も不可欠です。スタートしてから後悔しないように、治療前に確認しておくべきポイントをご紹介します。

5-1. 矯正方法の選択肢

歯列矯正の方法には、大きくマウスピース矯正表側矯正裏側矯正部分矯正セラミック矯正があります。

 

自分に合った矯正方法を選ぶには、装置の特徴やメリット・デメリットなどをあらかじめ知っておくことが大切です。

矯正方法 メリット・デメリット 適応範囲
マウスピース矯正 透明なアライナーで目立ちにくい

装置の取り外しが可能

装着時間や交換の自己管理が必要

 軽度~中度
(幅広い症例に対応できる装置もあり)
表側矯正 ブラケットとワイヤーを使用

歯の表面に装着するため装置が目立ちやすい

(審美ワイヤーで緩和可能)

 幅広い症例に対応
裏側矯正 装置を裏側に装着するため、見た目では矯正中であることがわからない

費用は表側矯正よりも割高

 幅広い症例に対応
部分矯正 前歯のみなど、数本の歯を対象とした矯正

全体矯正と比べて治療期間・費用を抑えられる

噛み合わせへのアプローチは基本的にできない

 限定された症例
セラミック矯正 被せ物で歯並びを整える審美治療

補綴のため数回の通院で治療可能

健康な歯を削る必要があり、年数経過で作り直しが必要

 軽度の見た目改善

5-2. 歯列矯正の目的

見た目を改善したいのか、噛み合わせや口腔環境を良くして歯を長く使いたいのかなど、歯列矯正の目的を明確にし、歯科医師にきちんと伝えることも大切です。

 

目的によって、治療方法や治療の優先順位治療期間などが変わる可能性があります

 

見た目の改善はどの矯正方法でも目指せますが、噛み合わせのコントロールや口もとの突出感の改善には、症例によって適する矯正方法が異なります

 

目的が明確であるほど、治療方法の選択や治療計画の精度が高まり、理想の仕上がりを実現しやすくなるでしょう。自身のモチベーションも高まります。

6. まとめ|歯列矯正は何歳からでも始められる!まずは歯科医師に相談を

歯列矯正には年齢の制限はありません。見た目だけでなく機能性も改善できるため、年齢を重ねてからの治療も大きなメリットがあります。

 

ただし、歯や口腔内の状態、全身の健康状態によっては治療が難しくなる可能性もあります。特に40代以降になると、若い頃に比べて歯が動きにくく、治療期間が長くなるなど、負担が大きくなりがちです。歯並びにお悩みなら、できるだけ早く治療の検討をおすすめします

 

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