
- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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虫歯には、歯が痛くなったり、治療が面倒だったりするイメージがあるものの、正確にはどのような病気なのかわからない人も多いのではないでしょうか。
虫歯になりやすいのであれば、虫歯ができる原因を正しく理解し、適切に予防することが大切です。
本記事では、虫歯の原因や仕組み、症状別の治療方法、虫歯の予防方法などを解説します。
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- 1. 虫歯とは
- 1-1. 虫歯ができる原因
- 1-2. 虫歯が発生する仕組み
- 2. 虫歯の症状と治療
- 2-1. C0(初期段階)
- 2-2. C1
- 2-3. C2
- 2-4. C3
- 2-5. C4
- 3. 虫歯を放置するとどうなる?
- 4. 虫歯になりやすい人の特徴
- 4-1. 歯磨きに問題がある人
- 4-2. 間食が多い人
- 4-3. だ液が少ない人
- 4-4. 歯並びが悪い人
- 5. 虫歯を予防する方法
- 5-1. こまめに歯磨きをする
- 5-2. 定期的にメンテナンスを受ける
- 5-3. 食生活に注意する
- 5-4. 歯列矯正をする
- 6. まとめ|虫歯かな?と思ったら早めに歯科医院で受診を!
1. 虫歯とは
虫歯とは、虫歯菌が出す酸によって、歯のカルシウムが溶けて歯に穴が空く病気です。
医療用語で「齲歯(うし)」と呼ばれます。
重症化するまで自覚症状があまりないため、自分では気付きにくい病気です。
1-1. 虫歯ができる原因
虫歯ができる原因は主に、歯の質、糖質、虫歯菌の3つです。
歯の硬さには個人差があり、特に生えたばかりの歯は十分に硬い状態ではないため、虫歯になりやすい歯の質です。
また、糖質をとる回数が多いと、虫歯菌が活発に活動するため虫歯になりやすくなります。
他にも、歯磨きをしないと虫歯菌が増え、虫歯につながるでしょう。
これらの3つの条件が重なるほど、より虫歯になりやすくなります。
1-2. 虫歯が発生する仕組み
虫歯が発生する仕組みを簡単に解説します。
- 1. 虫歯菌が糖質を取り込んで歯垢(プラーク)を作り出す
- 2. 歯垢の中で虫歯菌が増殖し、糖質から酸を作る
- 3. 酸によって、歯のエナメル質や象牙質からカルシウム、リンが溶け出す
- 4. 歯に穴が空いた状態になる
虫歯菌は糖質を栄養に増殖します。
増殖する際に酸を一緒に作り出し、その酸が歯のエナメル質や象牙質を溶かすことで虫歯が進行する仕組みです。
なお、歯の表面のエナメル質のリンやカルシウムが溶け出すことを「脱灰(だっかい)」といいます。
いったん溶け出したカルシウムやリンは、だ液によって中和され、再びエナメル質に取り込まれます。これが「再石灰化」です。
脱灰と再石灰化のバランスがとれていれば虫歯にはなりませんが、バランスが崩れると虫歯が進行します。
2. 虫歯の症状と治療

虫歯は、その進行状況によってC0からC4まで5段階に分けられています。
ここでは、進行状況別の症状と治療方法を解説します。
2-1. C0(初期段階)
C0(初期段階)は、歯の表面のエナメル質が溶け始めて白く濁っている状態です。
歯に穴が空いているわけではないため、しみたり痛んだりすることはありません。
C0の段階では、治療をしなくても歯磨きやフッ素塗布で治る場合もあります。
2-2. C1
C1はC0で白くなっていた部分が茶色っぽくなります。
冷たいものがしみることはあるものの、痛みはないため、自分では虫歯の進行に気付かない場合も多いでしょう。
C1の治療は、茶色っぽくなった部分を削り、レジンと呼ばれる樹脂を詰める方法が採用されます。治療は1回で終わるケースが多いでしょう。
2-3. C2
C2は歯の表面のエナメル質だけでなく、内側の象牙質まで虫歯が進行した状態で、歯の表面が黒くなります。
冷たいものや甘いものがしみるほか、痛みが出てくるケースもあるため、自分でも気付く場合が多いでしょう。
C2では削らなければならない範囲が広くなるため、樹脂の詰め物では間に合わず、銀歯などを詰めたり被せたりしなければなりません。
治療には2~3回かかります。象牙質はやわらかく虫歯が進行しやすいため、自覚症状があるときは早めの治療が重要です。
2-4. C3
C3は神経まで虫歯が進行した状態です。
冷たいものだけでなく熱いものもしみるようになるほか、何もしなくても激しく痛むケースが多いでしょう。
肉眼でもはっきりわかるくらいの穴が空いていることもあります。
C3になると、歯を削るだけでは治療は完了しません。
虫歯に侵された神経を除去して内部を消毒する根管治療が必要です。治療には最低でも数回、中には数ヵ月かかる場合もあります。
2-5. C4
C4は歯肉に埋まっている部分である歯根まで虫歯に侵された状態です。
すでに神経が死んでいるため痛みはなくなるケースも増えます。
しかし、歯根に膿がたまると再び痛み始める可能性があるでしょう。
放置を続けると、歯根部にたまった膿が腐敗し、骨髄炎になる可能性もあります。
さらに、虫歯菌が血管を通して全身を巡ると、糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞などの原因にもなります。
C4になると抜歯が必要なケースが少なくありません。歯根部に残った膿などを取り除いたうえで消毒も必要です。
全身に症状があるときは、抗生剤を点滴しなければならないケースもあります。
また、抜歯した箇所は、入れ歯やブリッジ、インプラントなどで歯の機能を補わなければなりません。
治療には数回から数十回の通院が必要です。
3. 虫歯を放置するとどうなる?
虫歯を治療せずに放置すると、最終的には歯と、歯の神経すべてが溶けてなくなります。
痛みがなくなる場合がありますが、それは神経がなくなったためで、虫歯の進行が止まったわけではありません。
進行した虫歯を放置しても、虫歯は決して治りません。
先ほども解説したように、最終的には全身に症状が広がるおそれもあります。
放置すればするほど治療費用や治療期間が必要になるため、虫歯は早めに治療したほうがよいでしょう。
4. 虫歯になりやすい人の特徴
頻繁に虫歯ができる人もいれば、何年も虫歯ができない人もいます。その違いはどこにあるのでしょうか。
ここでは、虫歯になりやすい人の特徴を解説します。
4-1. 歯磨きに問題がある人
歯磨きをする習慣がないと、虫歯菌が増殖するプラークが除去できないため虫歯になりやすくなります。
また、歯磨きをしている人でも正しい磨き方ができていないと、プラークが除去できません。
例えば、歯と歯の間や、歯と歯茎の間などは磨き残しが発生しやすい場所です。
他にも、毛先が開いた古い歯ブラシを使い続けていると、汚れが落としにくくなります。
4-2. 間食が多い人
間食が多いと、虫歯菌の栄養になる糖質が頻繁に補給されるため、虫歯菌の働きが活発になります。
また、糖質を含んだ食べ物を食べるたびに脱灰が発生するため、再石灰化の時間が少なくなることも、虫歯が進行する原因です。
なお、間食ではありませんが、砂糖の入ったコーヒーなどを少しずつ飲むことも、間食と同様に歯にとっては良くありません。
4-3. だ液が少ない人
だ液が少ないと、口の中の虫歯菌や酸を洗い流す力が弱くなるため、虫歯になりやすくなります。
例えば、お酒を大量に飲んでから寝ると、口の中のだ液が減って乾燥しやすくなるため、虫歯になりやすくなるでしょう。
4-4. 歯並びが悪い人
歯並びが悪いと、歯と歯の間に汚れがたまりやすくなるだけでなく、歯磨きをしても磨き残しができやすくなります。
また、歯並びが悪いと、口を閉じにくくなるケースも少なくありません。
この場合、口呼吸になりやすく口の中が乾燥するため、だ液の量が減ります。その結果、虫歯になりやすくなるでしょう。
5. 虫歯を予防する方法

虫歯を予防するには、どのような工夫をすれば良いのでしょうか。
ここでは、虫歯を予防する方法を紹介します
5-1. こまめに歯磨きをする
こまめに歯磨きをして、虫歯菌が増殖するプラークを取り除ければ、虫歯を予防できます。
特に、初期の虫歯は歯磨きだけで治せる場合もあるため、正しい歯磨きが大切です。
1日3回、食後にすぐ歯を磨くように意識するとよいでしょう。
また、歯磨きの際にフッ素入りの歯磨き粉を使うと、歯の再石灰化がうながされるため、虫歯予防につながります。
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5-2. 定期的にメンテナンスを受ける
虫歯は症状が進行するまで自覚症状が表れにくい病気です。
C0やC1段階では自分で気付くケースは少なく、人によってはC2でも気付かない場合があります。
しかし、歯科医院で定期的に歯のメンテナンスを受けていれば、C0やC1の虫歯も発見可能です。
虫歯を早期発見できれば、治療も簡単なもので済み、治療費も抑えられます。
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5-3. 食生活に注意する
先述のように、甘いものを頻繁に食べていると、虫歯菌が酸を作りやすい状態が続くため、虫歯になりやすくなります。
間食は時間を決めてとるようにしましょう。
また、普段の食べ方にも注意が必要です。
よく噛んで食べていれば、だ液の分泌がうながされるため、歯の汚れなどが残りにくくなります。
5-4. 歯列矯正をする
歯並びや噛み合わせの悪さが虫歯の原因になっている場合は、歯列矯正も虫歯予防に有効な手段です。
歯並びを整えると歯磨きがしやすくなり、衛生的な口内環境を保ちやすくなります。
なお、歯並びや噛み合わせの改善により、咀嚼機能が向上することもメリットです。食べ物を消化しやすくなり、健康維持に役立ちます。
また、口元や横顔のバランスも良くなるなど、虫歯予防以外でもさまざまなメリットがあります。
6. まとめ|虫歯かな?と思ったら早めに歯科医院で受診を!
虫歯は、歯の質、糖質、虫歯菌の3つが原因で発生します。
虫歯の症状はC0からC4までの5段階に分かれており、初期段階であれば治療の手間や費用もかかりませんが、自覚症状がない場合が多いため発見が遅れがちです。歯科医院で定期的にメンテナンスを受けて早期発見に努めましょう。
また、歯並びが悪いと、歯磨きをしてもプラークが除去しきれず、虫歯が発生しやすくなります。
歯並びや噛み合わせの矯正は、虫歯予防だけでなく、咀嚼機能の向上や横顔のバランス改善などのメリットもあるため、歯並びや噛み合わせが気になる場合は、一度歯列矯正について相談してみてはいかがでしょうか。
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