
- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

出っ歯は日本人に多く見られる歯並びの問題で、顔の印象に大きく影響します。
鏡を見るたびに気になる、写真写りが悪い、口元に自信が持てないといった悩みは、多くの人が共感できることでしょう。
さらに、見た目だけの問題にとどまらず、口が閉じにくくなることで口内の乾燥が進み、虫歯や歯周病のリスクが高まったり、発音が不明瞭になることもあります。
しかし、出っ歯の矯正治療には時間も費用もかかるため、踏み出せずに悩んでいる方も少なくありません。
そこで今回は、
「実際にかかる費用はどれくらい?」
「どんな矯正方法が自分に合っているの?」
など、出っ歯矯正にかかる費用の相場や内訳、代表的な治療法の特徴とメリット・デメリットなどを紹介していきます。
- 1. 出っ歯の悩みと矯正治療の必要性とは
- 1-1. 出っ歯の正式名称と主な原因
- 1-2. 出っ歯の矯正治療は必要?
- 2. 出っ歯矯正に使われる代表的な治療法と費用相場
- 2-1. 表側矯正の特徴と費用
- 2-2. 裏側矯正の特徴と費用
- 2-3. マウスピース矯正の特徴と費用
- 2-4. 部分矯正の特徴と費用
- 2-5. 外科手術を伴う矯正の特徴と費用
- 3. 出っ歯矯正の費用の内訳
- 3-1. 診断料:治療開始前の検査と準備費用
- 3-2. 装置代:矯正方法によって異なる費用
- 3-3. 調整料:通院ごとのメンテナンス費用
- 3-4. 保定期間の管理料:治療後の歯並び安定にかかる費用
- 4. まとめ:出っ歯矯正の費用を理解して理想の歯並びを手に入れよう
1. 出っ歯の悩みと矯正治療の必要性とは

出っ歯とは具体的にどのような状態を指すのでしょうか。
また出っ歯になる原因はなんなのでしょうか。
1-1. 出っ歯の正式名称と主な原因
出っ歯は正式には「上顎前突」と呼ばれ、上顎の骨や上の前歯が前方に突出している状態を指します。
主な原因は大きく分けると、以下の二つに分けられます。
①骨格的な原因:遺伝や成長期の発育異常
出っ歯の原因のひとつは、骨格的な問題です。
これは主に遺伝的要素や成長期における顎の発育異常が関係しています。
特に上顎が過剰に成長すると、顔のバランスが崩れ、前歯が大きく前に出ることがあります。
このタイプの出っ歯は、単純な歯の矯正だけで改善できない場合があり、外科的な顎の手術(矯正手術)を併用することが必要になることもあります。
骨格の歪みが大きい場合は、手術を含む治療計画を立てることが重要です。
②歯並びの原因:幼少期の習慣による影響
もう一つの原因は、歯並びそのものの問題です。
幼少期の指しゃぶりや舌の位置の癖、口呼吸などの習慣が、歯に余計な力をかけて前に押し出すことで出っ歯になるケースがあります。
例えば、指しゃぶりを長く続けると、前歯が押し出されやすくなりますし、舌が前方に置かれる「舌癖(ぜつへき)」があると、歯列に影響しやすくなります。
これらの習慣は骨格に直接の影響はなくても、歯並びを悪化させる原因となります。
1-2. 出っ歯の矯正治療は必要?
出っ歯は単なる見た目のコンプレックスにとどまらず、口が閉じにくいため口腔内の乾燥を招き、虫歯や歯周病のリスクを高めます。
また、噛み合わせの乱れは顎関節症のリスクを増やし、頭痛や肩こりなど身体の不調を引き起こす場合もあります。
さらに、発音が不明瞭になったり、食事の際に噛みづらさを感じたりするなど、日常生活に支障が出ることも少なくありません。
こうした健康リスクや生活の質の低下を防ぐためにも、出っ歯の矯正治療はできるだけ早く検討し、適切な方法で改善することが重要です。
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2. 出っ歯矯正に使われる代表的な治療法と費用相場

出っ歯を改善するための矯正治療には、いくつかの代表的な方法があります。
見た目の目立ちやすさ、日常生活への影響、通院頻度、治療期間、そして何より費用が大きく異なります。
矯正治療にかかる費用は基本的に「自費診療」で、全額自己負担。
そのため、矯正を検討する際には、それぞれの方法の特徴と費用についてしっかり把握しておくことが大切です。
2-1. 表側矯正の特徴と費用
◾️矯正法の特徴
表側矯正は、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる小さな金属やセラミック製の装置を接着し、そこに通したワイヤーの力で歯を少しずつ移動させるオーソドックスな矯正方法です。
金属ブラケットはコストが低く耐久性に優れていますが、見た目が気になるという方には白や透明の審美ブラケットを選ぶことも可能です。
この矯正方法は適応範囲が広く、軽度の出っ歯から重度の症例まで対応できるのが大きなメリットです。
また、多くの歯科医院で実施されているため、治療を始めやすいという利点もあります。
反面、装置が目立ちやすく、食べ物が詰まりやすい点や、歯磨きのしにくさといったデメリットもあり、日常のセルフケアに注意が必要です。
◾️費用
治療期間は症状により異なりますが、おおよそ1年半〜3年程度が一般的です。
費用相場は60万円〜100万円前後で、使用する装置の素材や医院の所在地、医師の経験などによって若干の差があります。
2-2. 裏側矯正の特徴と費用
◾️矯正法の特徴
裏側矯正(リンガル矯正)は、ブラケットを歯の裏側(舌側)に装着することで、外から装置がほとんど見えないのが最大の特徴です。
仕事や学校など人前に出る機会が多く、「できるだけ目立たずに矯正したい」と考える方に非常に人気があります。
ただし、装置が舌に当たることで、違和感や軽い発音障害を感じる人もいます。
また、歯の裏側は形状が複雑で、装置の取り付けや調整が難しいため、高度な技術を必要とし、対応できる歯科医院は限られる傾向にあります。
その分、技術料や調整料が加算され、費用が高くなる傾向にあります。
◾️費用
裏側矯正の治療期間は、表側矯正と同様に1年半〜3年程度です。
費用は100万円〜150万円程度が一般的ですが、症例によってはさらに高額になることもあります。
また、装置がオーダーメイドである場合、その分の費用が加算されることもあります。
2-3. マウスピース矯正の特徴と費用
◾️矯正法の特徴
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピースを段階的に交換していくことで、歯を少しずつ動かす矯正方法です。
代表的なブランドには「インビザライン」などがあり、特に若年層や社会人の間で支持を集めています。
装置が透明で目立ちにくく、食事や歯磨きの際には取り外せるという大きな利点があります。
また、金属を使用しないため、金属アレルギーの方にも適しています。
一方で、装着時間を守らなければ十分な効果が得られないため、自己管理ができる人向けです。
また、重度の出っ歯や骨格性の異常には適さないケースもあります。
◾️費用
マウスピース矯正の治療期間は、通常1年半〜2年ほどです。
費用は80万円〜120万円程度で、治療範囲や使用するマウスピースの枚数、ブランドによって変動します。
全体矯正よりも前歯だけの部分矯正であれば、費用を抑えられることもあります。
2-4. 部分矯正の特徴と費用
◾️矯正法の特徴
部分矯正とは、歯列全体ではなく、前歯など限られた範囲の歯並びを整える治療方法です。
出っ歯の部分矯正では、突出している前歯の数本のみを動かすことにより、見た目の印象を改善することが目的となります。
マウスピース型矯正装置(インビザラインGOなど)や、表側のワイヤー矯正を使って行われることが多く、治療範囲が狭いため、比較的短期間・低価格での治療が可能です。
ただし、出っ歯の原因が前歯だけでなく、奥歯や顎の位置にある場合には、部分矯正では対応しきれないこともあります。
そのため、適応かどうかは事前の精密検査と診断が不可欠です。
◾️費用
出っ歯の部分矯正は、治療期間が3か月〜1年程度と短めで済む場合が多く、費用も20万円〜50万円程度が相場です。
全体矯正と比較すると大幅にコストを抑えられるため、「前歯だけ気になる」「なるべく早く終わらせたい」という方にとって、現実的な選択肢となるでしょう。
2-5. 外科手術を伴う矯正の特徴と費用
◾️矯正法の特徴
出っ歯の原因が歯並びではなく、上顎や下顎の骨格的なズレによるものである場合、外科手術を併用した矯正治療が必要になるケースがあります。
例えば、上顎の前方突出が強い場合には「上顎骨切り術」などを行い、根本的な位置の改善を図ります。
このような治療は、「顎変形症」として医師が医学的必要性を認めた場合に限り、健康保険が適用される可能性があります。
入院や全身麻酔を伴うため、精神的・身体的な負担が大きくなることもありますが、審美性と機能性を根本から改善できるという点では、大きなメリットがあります。
◾️費用
保険が適用される場合、自己負担は20万円〜30万円程度に抑えられることもありますが、保険適用外の場合は、総額で100万円〜200万円以上かかることもあります。
術前・術後の矯正治療や入院費用も含め、総合的な費用の把握が必要です。
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3. 出っ歯矯正の費用の内訳

出っ歯の矯正治療にかかる費用は、単に装置代だけではありません。
治療の前段階から治療後の保定期間まで、多くの費用がかかるため、総額を把握することがとても重要です。
どの段階でどのような費用が発生するのかについてみていきましょう。
3-1. 診断料:治療開始前の検査と準備費用
出っ歯矯正の費用は、装置代だけでなく診断料も含まれます。
初診時には、レントゲン撮影や口腔内の型取りを行い、これらの検査にかかる診断料は一般的に3万円前後が相場です。
3-2. 装置代:矯正方法によって異なる費用
先述した矯正にかかる費用の大部分を占めるのが、この装置代です。
この部分の費用は矯正方法によって大きく異なります。
3-3. 調整料:通院ごとのメンテナンス費用
矯正治療中は、装置の調整や歯の動きを確認するために定期的な通院が必要です。
1回あたりの調整料は5,000円〜10,000円程度で、通常は月1回のペースで通います。
治療期間が2年の場合、約24回の通院となるため、調整料の合計は12万円〜24万円程度にのぼります。
見逃せない費用項目の一つです。
3-4. 保定期間の管理料:治療後の歯並び安定にかかる費用
矯正治療が終わった後は、リテーナー(保定装置)を使用して歯並びを安定させる保定期間があります。
この期間中も定期的に歯科医院でのチェックやリテーナーの調整が必要で、管理料がかかります。
保定期間は数年にわたることが多く、費用も数万円から十数万円ほど見込んでおくとよいでしょう。
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4. まとめ:出っ歯矯正の費用を理解して理想の歯並びを手に入れよう

出っ歯の矯正は見た目だけでなく健康にも良い影響をもたらします。
そんな出っ歯の治療費用は治療法や症状によって幅がありますが、診断料や調整料、保定料も含めた総額を把握しておくことが大切です。
また、治療成功には患者さん自身の自己管理と医師との信頼関係が不可欠です。
費用や治療についてわからないことがあれば医師に尋ね、十分に準備をして、納得のいく矯正治療を始めてください。
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