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八重歯と犬歯の違いとは?治療方法、期間、費用について詳しく解説

丹谷聖一
丹谷聖一
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人聖礼会理事長。ICOI国際インプラント学会認定医・指導医、日本口腔インプラント学会認定医・専門医、臨床研修指導医、インプラントフェロー認定、iACD歯科総合認定医・研究指導医。
https://www.us-shika.com/

八重歯は自力で治すことが難しく、自然に治ることはほとんどありません。矯正治療が必要であり、様々な治療方法があります。
本記事では、八重歯と犬歯の違い八重歯の治療方法そのメリット・デメリット費用治療期間の目安について詳しく解説します。「八重歯をどう治療すれば良いのか知りたい」と悩んでいる方にとって参考になる情報を提供します。

1. 八重歯とは?犬歯との違い

1-1. 八重歯の特徴

八重歯とは、歯列から飛び出して生えている歯で、主に犬歯が不規則に生えている状態を指します。八重歯は「乱ぐい歯」とも呼ばれ、不正咬合(歯並びの乱れ)の一種です。犬歯が八重歯になることが多いのは、犬歯が永久歯の中でも最後の方に生えるため、スペースが不足しがちだからです。

1-2. 犬歯の役割と特徴

犬歯は、前歯から数えて3番目の歯で、左右上下に4本あります。糸を切るのに使うことから「糸切り歯」とも呼ばれ、根が長く他の歯よりも丈夫です。食べ物を引き裂いたり、口元の形状を保つ役割を担っています。

1-3. 八重歯と犬歯の違い

犬歯は通常の位置で機能していれば問題ありませんが、八重歯は正しい歯列から外れて生えているため、見た目や噛み合わせに影響を与えます。八重歯になると、その特有の鋭さが目立ち「鬼歯」と呼ばれることもあります。

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2. 八重歯ができる原因とその影響

2-1. 原因

・歯列のスペース不足小さな顎のサイズが原因で、歯が正しい位置に生えそろわないことがあります。

・遺伝:八重歯や叢生の傾向は家族に共通して見られることが多いです。

・乳歯の抜けるタイミング乳歯が早く抜けすぎたり逆に遅すぎることで永久歯が正常に生えそろわないことがあります。

2-2. 影響

・見た目の問題笑ったときや話したときに目立ちやすく、コンプレックスを抱える人もいます。

・口腔内の清掃困難:歯ブラシが届きにくい場所に八重歯があると、プラークや食べ物の残りが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

・噛み合わせの不具合:正しい噛み合わせができないため、顎関節症などを引き起こすことがあります。

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3. 八重歯をそのままにしておくリスク

リスク

3-1. 口腔衛生の問題

八重歯をそのままにしておくと、食べ物の残りや細菌がたまりやすくなり、虫歯や歯周病の原因になります。特に歯ブラシが届きにくい場所に八重歯があると、細菌の繁殖が進み歯茎の炎症が起こることも。

3-2. 顎への負担

噛み合わせが悪いことで顎の筋肉や関節に余計な力がかかり、顎関節症を引き起こす可能性があります。顎の痛みや音開閉時の不快感が伴います。

3-3. 見た目のコンプレックス

八重歯が原因で笑顔に自信が持てない人もいます。特に社会生活での印象に影響を及ぼすことがあるため、自己肯定感の低下を招くこともあります。

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4. 八重歯の治療方法とメリット・デメリット

4-1. 補綴治療と矯正治療

補綴治療は人工物を使って見た目を整える方法で、歯の欠けや削りを補う際にも用いられます。
矯正治療は、装置を使って歯を物理的に動かして歯列を整える方法です。

4-2. 主な治療方法の詳細

ラミネートベニア:歯の表面を薄く削り、セラミック製の薄い板を貼り付ける治療法。

 ・メリット:短期間で歯の色や並びを改善できる。

 ・デメリット:噛み合わせの問題は改善されず、割れや欠けのリスクもある。


ダイレクトボンディング
歯にレジンを直接塗り重ねる方法。

 ・メリット:治療が1〜2回の通院で済む。

 ・デメリット:経年劣化により変色するリスクがある。


セラミッククラウン
:歯を削りセラミックの被せ物をかぶせる方法。

 ・メリット:天然歯のような見た目で丈夫。

 ・デメリット:歯を大きく削る必要があり、神経を抜く処置が必要なことも。


ワイヤー矯正
ブラケットとワイヤーを用いて歯を動かす方法。

 ・メリット:重度の八重歯にも対応できる。

 ・デメリット:装置が目立ち、治療期間が長い。


マウスピース矯正
透明なマウスピース型の装置を使用する方法。

 ・メリット:取り外し可能で目立たない。

 ・デメリット:重度の八重歯には対応しにくい。

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5. 各治療方法の費用と期間の目安

治療費用は治療方法によって異なります。以下に各治療方法の費用と期間の目安を示します。

 

治療方法費用目安(1歯あたり)期間の目安
ラミネートベニア5万〜15万円約3週間〜2ヶ月
ダイレクトボンディング3万〜5万円1〜2日
セラミッククラウン10万〜15万円約1〜2ヶ月
ワイヤー矯正(全体)60万〜130万円1〜3年
ワイヤー矯正(部分)30万〜60万円約6ヶ月〜1年
マウスピース矯正(全体)60万〜100万円1〜3年
マウスピース矯正(部分)10万〜40万円約2ヶ月〜1年


費用の詳細

治療費用は、使用する材料や装置の種類、治療の範囲によって異なります。例えば、ワイヤー矯正の中でも歯の表側に装置をつける表側矯正が最も安く裏側矯正やハーフリンガル矯正は高額になります。

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6. 自分に合った治療方法の選び方

八重歯の治療方法はさまざまで、適した方法は患者一人ひとりの歯並びや希望によって異なります。以下に、治療方法を選ぶ際のポイントを紹介します。

6-1. 軽度〜中度の八重歯の場合

・ラミネートベニアやダイレクトボンディング
歯を削る量が少なく、短期間で見た目を改善できます。見た目の改善を優先したい方に適していますが、噛み合わせには対応できないことがあるため、全体的な噛み合わせが正常な方に向いています。


・マウスピース矯正

軽度〜中度の歯列不正には、透明なマウスピース矯正も選択肢となります。取り外し可能で見た目を気にせずに治療できるため、見た目を重視する患者さんには魅力的です。

6-2. 重度の八重歯の場合

・ワイヤー矯正
重度の八重歯や叢生には、ワイヤー矯正が最適です。ワイヤー矯正はさまざまな歯列不正に対応できるため、全体的に歯並びを改善したい方に向いています。


・抜歯の可能性

重度の場合、スペースを確保するために抜歯が必要なこともあります。抜歯を伴う矯正は大きな決断ですが、しっかりと専門医に相談し、長期的な歯の健康を考慮して選びましょう。

6-3. 専門家の診断が重要

適切な治療法を選ぶためには、歯科医院での精密な検査と診断が不可欠です。レントゲンや口腔内スキャンを用いた診察を受け、歯並び全体の状況を把握した上で治療方法を決定しましょう。

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7. 八重歯治療の注意点

八重歯の治療を受ける際には、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。

7-1. 保険が効かない治療が多い

八重歯の治療はほとんどの場合、保険適用外の自由診療となります。これは、美容目的や審美歯科の治療が含まれるためです。全額自己負担になるため、治療費は高額になります。

7-2. 治療中の痛みや違和感

補綴治療の場合、治療中に痛みを感じることは少ないですが、歯を大きく削ったり神経を抜く場合は多少の違和感が生じます。矯正治療では、ワイヤーの調整や新しいマウスピースの装着直後に痛みや圧迫感があることが一般的です。しかし、これは通常数日で収まります

7-3. 食事制限の有無

・ワイヤー矯正
硬いものや粘着性のある食べ物を避ける必要があります。装置が外れるリスクがあるため、ナッツやキャラメルなどは特に注意が必要です。


・マウスピース矯正

装着中は水以外の飲食ができません。ただし、装置を外して食事を楽しむことができるため、ワイヤー矯正よりも制限は少ないです。

7-4. 定期的なメンテナンスが必要

補綴治療を行った場合、素材の特性によっては経年劣化や変色のリスクがあります。そのため、定期的に歯科医院でチェックを受け、必要に応じて再治療を行うことが大切です。 矯正治療の場合も、治療が完了した後に歯並びが元に戻らないように保定装置(リテーナー)を使用し、定期的にメンテナンスを行います。

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8. 歯科医院の選び方と大切なポイント

ポイント

八重歯治療を受ける際には、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。
以下のポイントを参考にしてください。

8-1. 治療法の説明が丁寧かどうか

治療方法のメリット・デメリットを分かりやすく説明してくれる歯科医院を選びましょう。治療のリスクや将来の歯の健康への影響も含め、包括的に説明を受けられると安心です。

8-2. 実際の症例を見せてもらえるか

自分の歯の状態に近い症例を見せてもらうことは非常に重要です。特に八重歯の治療は個人差が大きいため、自分に似たケースの治療結果を確認することで、より具体的なイメージを持つことができます。

8-3. 専門的な設備が整っているか

最新の設備を備えている歯科医院では、精密な診断が可能です。CTスキャンや3Dシミュレーションを行っている歯科医院であれば、より正確な治療計画を立てることができます。

8-4. アフターケアがしっかりしているか

治療後のアフターケアをしっかり行ってくれる歯科医院を選ぶことも大切です。矯正治療後の保定期間中のフォローアップや、補綴物の定期メンテナンスを推奨してくれる医院は信頼できます。

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9. 治療後のメンテナンスとアフターケア

八重歯の治療が終わった後も、きれいな歯並びを維持するためにはメンテナンスが欠かせません。治療方法によって異なるメンテナンスのポイントを説明します。

9-1. 補綴治療後のメンテナンス

ラミネートベニアやセラミッククラウンのような補綴治療では、年数が経つと表面がくすんだり、変色したりすることがあります。そのため、定期的なクリーニングやポリッシングを行うことで、美しい状態を保つことができます。欠けや割れが発生した場合は再治療が必要です。

9-2. 矯正治療後のメンテナンス

矯正治療後は、リテーナー(保定装置)を装着し、歯並びを固定する期間が必要です。リテーナーの使用を怠ると、歯が元の位置に戻ってしまうことがあります。保定期間は通常1〜2年ですが、歯科医師の指示に従ってしっかりと使用することが大切です。加えて、定期的な通院で歯並びの状態を確認し、必要に応じて微調整を行います。

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10. 八重歯治療のまとめ

八重歯は見た目の改善だけでなく、口腔内の健康や噛み合わせのバランスを整えるためにも治療が必要です。治療方法には補綴治療や矯正治療があり、費用や期間、メリット・デメリットが異なります。自分に合った方法を選ぶためには、専門的な診断と信頼できる歯科医院での相談が不可欠です。治療後もメンテナンスを継続し、健康で美しい歯を保ちましょう。八重歯の悩みを解決し、自信を持てる笑顔を手に入れてください!

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