歯列矯正は、見た目の改善だけでなく、噛み合わせや発音の改善、さらには歯や歯茎の健康を維持するためにも非常に重要な治療です。しかし、矯正治療中の見た目が気になってしまうという声も少なくありません。特に大人の患者さんにとっては、長期間にわたる治療中に金属のワイヤーやブラケットが目立つことを懸念するケースが多く見られます。
そこで、近年人気が高まっているのが「目立たない矯正治療」です。代表的なものとして、「裏側矯正(舌側矯正)」と「マウスピース矯正」が挙げられます。これらの治療法は、従来の矯正治療と比べて装置が目立たず、周りに矯正をしていることを気づかれにくい点が大きな特徴です。
本記事では、そんな目立たない矯正治療について、詳しく解説していきます。特に裏側矯正がどのような仕組みで行われ、どのようなメリットやデメリットがあるのかを理解することで、患者さんが自分に合った矯正治療法を見つける手助けとなればと思います。
- 1. 裏側矯正とは?
- 2. 裏側矯正のメリット・デメリット
- 2-1. 裏側矯正のメリット
- 2-2. 裏側矯正のデメリット
- 3. 他の目立たない矯正方法
- 3-1. 目立ちにくい表側矯正
- 3-2. マウスピース矯正
- 4. 矯正治療法を選ぶ際のポイント
- 4-1. 見た目をどれだけ気にするか
- 4-2. 費用と治療期間
- 4-3. 症例に合った治療法を選ぶ
- 5. まとめ
1. 裏側矯正とは?
裏側矯正とは、歯の裏側にワイヤーやブラケットなどの矯正装置を取り付け、歯を動かして歯並びを整えていく治療方法です。歯の表側に装置を装着する従来の矯正方法(表側矯正)とは異なり、装置が見えないため、治療中でも外見に影響を与えにくいというメリットがあります。
裏側矯正は、特に大人の患者さんに人気があり、「矯正をしていることを周りに知られたくない」「仕事柄、口元が目立たない治療法が必要」というニーズに応えることができます。矯正治療は長期間にわたることが多いため、治療中も快適に過ごしたいという方には理想的な選択肢です。
裏側矯正は「舌側矯正」や「リンガル矯正」とも呼ばれ、歯の裏側に装置を取り付けることで目立たなくなりますが、治療のメカニズム自体は表側矯正とほぼ同じです。ワイヤーやブラケットで歯に力をかけて、少しずつ歯を動かしていくことで、理想的な歯並びを目指します。
しかし、裏側矯正は誰でも受けられる治療ではありません。
この治療法は歯の裏側に装置を装着するため、歯科医師にとって非常に高い技術が求められます。そのため、歯科医師の技術力や患者さんの症状によっては、裏側矯正が適用できないこともあります。
そのため、あるクリニックで裏側矯正が難しいと判断されても、別のクリニックでは可能とされる場合もあります。
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2. 裏側矯正のメリット・デメリット
裏側矯正を選んで後悔しないためには、裏側矯正のメリットだけでなく、デメリットも十分に理解しておくことが重要です。
それぞれのメリットとデメリットを、ひとつひとつしっかり確認していきましょう。
2-1. 裏側矯正のメリット
①見た目が気にならない
裏側矯正の最大のメリットは、なんといっても「目立たない」という点です。表側矯正では、ワイヤーやブラケットが歯の表面に装着されるため、口元がどうしても目立ってしまいます。これに対して、裏側矯正では装置が歯の裏側に取り付けられるため、笑ったり話したりしても装置が見えることがありません。特に、日常的に人前に立つ仕事をしている方や、見た目に配慮したい方にとっては、非常に大きなメリットです。
➁虫歯のリスクが低い
矯正治療中は、装置をつけることで歯磨きが難しくなるため、虫歯のリスクが高まると言われています。しかし、裏側矯正では虫歯になりにくいとされています。これは、歯の裏側のエナメル質が表側に比べて厚いため、酸によるダメージを受けにくいという理由からです。また、歯の裏側には唾液が常に循環しているため、唾液の自浄作用が虫歯予防に効果的です。
唾液には、歯の表面に付着した食べかすや歯垢を洗い流す効果があり、虫歯の原因となる菌の増殖を抑える働きもあります。そのため、裏側矯正は表側矯正に比べて虫歯になるリスクが低いとされています。
③前歯の後方移動がしやすい
裏側矯正は、特に前歯を後ろに引っ込める治療(出っ歯の治療)に効果的です。歯の裏側に装置があるため、奥歯がしっかりと固定され、前歯を効率よく後方に移動させることができます。これにより、出っ歯などの症状を改善するのに非常に有効な方法となっています。
表側矯正でも同様の治療が可能ですが、固定源となる奥歯が前に引っ張られてしまうケースがあり、これが治療効果を制限することがあります。裏側矯正では、奥歯がしっかり固定されるため、前歯を後方に移動させる際の効果が高くなります。
④口内を傷つけにくい
裏側矯正は、矯正装置が歯の裏側に取り付けられるため、装置が唇や頬の内側に触れることがありません。そのため、スポーツなどで衝撃を受けても装置が口内を傷つけるリスクが少なくなります。特に、アクティブなライフスタイルを送っている方や、転倒などのリスクがある場面でも安心して治療を続けることができます。
また、装置が口の中で当たることによる痛みや口内炎のリスクも軽減されるため、裏側矯正は快適さの面でも優れています。
2-2. 裏側矯正のデメリット
①違和感を感じやすい
裏側矯正では、矯正装置が舌に触れるため、治療の初期段階では違和感を感じることが多いです。特に、舌が装置に当たって痛みを感じたり、発音がしにくくなったりすることがあります。これは、舌が装置に慣れるまでの間、避けられない問題ですが、ほとんどの患者さんは数週間以内に慣れてしまいます。
発音の問題も、一時的なものであり、多くの患者さんは時間が経つにつれて普段通りに話せるようになります。とはいえ、特に最初の数週間は、装置に慣れるまでの間、多少のストレスを感じるかもしれません。
➁歯磨きが難しくなる
裏側矯正では、装置が歯の裏側にあるため、歯磨きが難しくなります。表側矯正でも歯磨きが難しくなることはありますが、裏側の場合は鏡で装置を直接確認することが難しいため、さらに歯磨きが難しいと言われています。このため、タフトブラシやデンタルフロスなどの補助的な器具を使って、しっかりと磨き残しを防ぐ必要があります。
また、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることも大切です。特に、むし歯や歯周病のリスクを抑えるためには、矯正治療中のオーラルケアが非常に重要です。
③治療期間が長くなることがある
裏側矯正では、治療期間が表側矯正よりも長くなることがあります。これは、歯の裏側に装置を取り付けるために技術的な難しさがあることや、装置の調整に時間がかかることが理由です。また、装置を取り付ける際には、歯型を採取して個別に装置を製作する必要があるため、治療開始までに時間がかかることもあります。
また、歯の裏側は表側に比べて凹凸が多いため、装置を正確に取り付けるための準備が必要であり、その分治療期間が延びる可能性があります。治療期間が長くなることを考慮し、時間に余裕を持って治療を始めることが大切です。
④費用が高額になる
裏側矯正は、表側矯正に比べて費用が高額になる傾向があります。これは、裏側に装置を取り付けるための技術が高度であることや、装置自体がオーダーメイドで製作されることが理由です。また、治療中に細かい調整が必要になることが多く、そのために治療費が増加することもあります。
裏側矯正を選択する際には、事前に治療費用についてしっかりと確認し、予算に合わせた計画を立てることが重要です。
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3. 他の目立たない矯正方法
裏側矯正以外にも、目立たない矯正方法はいくつかあります。ここでは、「目立ちにくい表側矯正」と「マウスピース矯正」について詳しく見ていきます。
3-1. 目立ちにくい表側矯正
表側矯正でも、最近では目立ちにくいブラケットやワイヤーを使用することができるようになってきました。例えば、透明なブラケットや白色のワイヤーを使用することで、従来の銀色の装置に比べて目立ちにくくなります。こうした目立たない表側矯正は、従来の矯正治療のメリットを享受しつつ、見た目にも配慮したい方にとって理想的な選択肢です。
目立たない表側矯正は、装置が歯の表側に取り付けられているため、治療期間が短く済むことが多いです。また、表側に装置があるため、歯科医師が直接確認しながら治療を進めることができ、複雑な症例にも対応しやすいという利点があります。
3-2. マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使用して歯を少しずつ動かす治療法です。マウスピースは透明で、装着していてもほとんど目立たないため、矯正装置が目立つのを避けたい方にとって人気のある選択肢です。また、マウスピースは取り外しができるため、食事や歯磨きの際に装置を外せるのも大きなメリットです。
マウスピース矯正は、特に軽度から中等度の症例に効果的です。複雑な歯並びや大幅な歯の移動が必要な場合には対応が難しいこともありますが、前歯の軽い乱れを改善したい方には非常に効果的です。ただし、1日20時間以上の装着が必要であり、装着時間が短いと治療効果が得られないため、自己管理が重要です。
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4. 矯正治療法を選ぶ際のポイント
目立たない矯正治療には、さまざまな方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。自分に合った治療法を選ぶためには、いくつかのポイントを考慮することが重要です。
4-1. 見た目をどれだけ気にするか
矯正治療を選ぶ際に、最も重要なポイントの一つは「見た目をどれだけ気にするか」です。仕事や生活スタイルによって、矯正装置が目立つことを避けたい方は、裏側矯正やマウスピース矯正が適しているでしょう。一方で、費用や治療期間を優先する場合は、表側矯正でも問題ないことが多いです。
4-2. 費用と治療期間
費用や治療期間も重要なポイントです。裏側矯正は費用が高くなる傾向があるため、予算に余裕がない場合は、目立ちにくい表側矯正やマウスピース矯正が良い選択肢です。また、裏側矯正は治療期間が長くなることがあるため、早く結果を得たい方は、治療期間が短い方法を選ぶことも検討すべきです。
4-3. 症例に合った治療法を選ぶ
自分の歯並びの状態に合った治療法を選ぶことも大切です。例えば、前歯の突出が気になる場合や、奥歯の移動が必要な場合には、裏側矯正が効果的です。一方、軽度の歯並びの乱れであれば、マウスピース矯正でも十分に改善できる場合があります。
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5. まとめ
目立たない矯正治療にはさまざまな選択肢がありますが、それぞれの方法にメリット・デメリットが存在します。裏側矯正は特に見た目を気にされる方にとって理想的な治療法ですが、費用や治療期間、違和感などのデメリットもあります。一方、目立ちにくい表側矯正やマウスピース矯正は、見た目と費用・期間のバランスを取った方法として人気です。
自分に合った治療法を選ぶためには、まず歯科医師とのカウンセリングを受け、しっかりと診断を受けたうえで、治療法の比較を行うことが大切です。歯並びの悩みを解決するための第一歩として、ぜひこれらの目立たない矯正治療法を検討してみてください。
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