
- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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歯列矯正を考える際、「マウスピース矯正とワイヤー矯正のどちらが自分に合っているのか?」と迷う方も多いでしょう。
それぞれの矯正方法にはメリット・デメリットがあり、治療の進め方や生活への影響も異なります。
本記事では、両者の違いや適している人の特徴を詳しく解説します。
- 1. マウスピース矯正の注意点とリスク
- 1-1. 自己管理が必要
- 1-2. マウスピースのお手入れが必要
- 1-3. 飲食時には取り外さなければならない
- 1-4. 適応できない症例がある
- 1-5. 噛み合わせに違和感を感じることがある
- 1-6. 歯を削る必要がある場合がある
- 1-7. 歯茎が下がる可能性がある
- 1-8. ワイヤー矯正のデメリット(口内炎のリスク・見た目・痛みなど)
- 2. マウスピース矯正のメリットと特徴
- 2-1. 矯正装置が目立ちにくい
- 2-2. デンタルケアがしやすい
- 2-3. 食事の制限が少ない
- 2-4. 痛みが少ない
- 3. マウスピース矯正 vs ワイヤー矯正の徹底比較
- 3-1. 見た目の違い
- 3-2. 管理の違い
- 3-3. 痛みの違い
- 3-4. 費用の違い
- 4. マウスピース矯正とワイヤー矯正の治療期間と費用
- 4-1. 部分矯正の費用と期間
- 4-2. 全体矯正の費用と期間
- 5. どちらの矯正が向いている?
- 5-1. マウスピース矯正に適している人(自己管理ができる人、軽度~中度の歯並びの改善)
- 5-2. 仕事中も装着できる人
- 5-3. ワイヤー矯正に適している人(重度の歯並びの矯正が必要な人)
- 5-4. マウスピース矯正とワイヤー矯正の併用が可能なケース
- 6. まとめ:どちらの矯正方法を選ぶべきか?
1. マウスピース矯正の注意点とリスク

マウスピース矯正は多くのメリットがある一方、いくつかのデメリットも存在します。
矯正を始める前に、これらの欠点を理解しておくことが重要です。以下では、代表的な7つのデメリットについて詳しく解説します。
1-1. 自己管理が必要
マウスピース矯正では、効果的な矯正を行うために、1日20時間以上の装着が必須です。自由に着脱できるため、ついつい外してしまったり、装着時間が不足することがあり、これが治療の遅延につながることがあります。
また、マウスピースの交換も自分で行う必要があり、交換時期を守らないと治療計画に影響が出ます。忙しい日常生活の中で自己管理を徹底することが求められるため、これが大きなハードルになる方もいます。
1-2. マウスピースのお手入れが必要
長時間装着することで、口内細菌や汚れが蓄積しやすいため、定期的にマウスピースのお手入れが必要です。専用の洗浄剤や柔らかいブラシを使って清潔を保つことが求められます。
適切なお手入れを怠ると、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、マウスピース自体の着色が進むこともあります。日々のケアが手間に感じられることが、デメリットの一つです。
1-3. 飲食時には取り外さなければならない
マウスピース矯正では、装着したまま飲食できるのは水か炭酸水のみです。ジュースやコーヒーを飲む際も外す必要があり、装着し直す手間が発生します。外食や軽食を楽しむ際に、いちいち取り外しを行うのは煩わしく感じることもあるでしょう。
一方で、「間食が減り、健康的な生活になった」との意見もあります。これをポジティブに捉えるかどうかは、個人のライフスタイルによるところが大きいです。
1-4. 適応できない症例がある
マウスピース矯正は、すべての症例に適応できるわけではありません。
特に、重度の不正咬合や大きな歯の移動が必要なケースでは、ワイヤー矯正の方が効果的です。また、回転が大きい歯や垂直方向の移動が必要な場合も、マウスピース矯正では限界があります。
こうした症例に対応するためには、矯正前の適切な診断が不可欠です。必要に応じて、ワイヤー矯正との併用を提案されることもあります。
1-5. 噛み合わせに違和感を感じることがある
マウスピースの厚みによって噛み合わせに違和感を覚えることがあります。
特に、装着初期や調整直後には、歯が浮いたように感じたり、奥歯がうまく噛み合わなくなるケースもあります。
この違和感は治療が進む中で軽減されることがほとんどですが、どうしても気になる場合は、歯科医師に相談することが推奨されます。
1-6. 歯を削る必要がある場合がある
マウスピース矯正では、歯と歯の間を削る「IPR(歯間研磨)」と呼ばれる処置を行うことがあります。
これは、歯を移動するスペースを確保するための処置で、健康なエナメル質を削るため、心理的な抵抗を感じる方もいるかもしれません。
ただし、削る量は髪の毛1本分程度で、痛みもほとんどありません。歯を抜かずに矯正するための方法として、多くのケースで採用されています。
1-7. 歯茎が下がる可能性がある
矯正によって歯が移動すると、歯茎が下がることがあります。特に、もともと歯茎が薄い方は注意が必要です。
また、歯茎が下がることで知覚過敏が悪化するケースもあり、歯茎の健康状態を維持するためには、歯磨きの方法を見直したり、歯茎のマッサージを取り入れることが推奨されます。
必要に応じて歯科医師に相談し、適切な処置(歯肉移植など)を検討することも大切です。
1-8. ワイヤー矯正のデメリット(口内炎のリスク・見た目・痛みなど)
ワイヤー矯正には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
特に口内炎のリスクや見た目の問題、痛みに関する不安を抱えている方も多いでしょう。
口内炎のリスク
ワイヤー矯正では、装置が口の内側の粘膜や頬に擦れることがあり、口内炎が発生しやすくなります。
特に矯正装置を装着して間もない時期やワイヤーを調整した直後は、口内炎ができやすいタイミングです。ワックスを使用することである程度防ぐことができますが、違和感が完全になくなるわけではありません。
見た目が気になる
ワイヤー矯正は、装置が歯の表面につくため、目立ちやすいデメリットがあります。最近では目立ちにくい白いワイヤーやクリアブラケットもありますが、完全に目立たないわけではありません。
特に、接客業や人前に立つ仕事をしている方は、見た目を気にしてマウスピース矯正を選ぶケースが多いです。
調整時の痛み
ワイヤー矯正は、定期的にワイヤーを締める調整が必要になります。調整後は数日間歯に強い圧がかかるため、食事がしづらくなることもあります。
特に、硬い食べ物を噛む際に痛みを感じることがあり、食事制限が必要になる場合もあります。
食事の制限
ワイヤー矯正では、硬い食べ物や粘着性のある食べ物を避ける必要があります。
例えば、お餅やキャラメルのような粘り気のあるものは装置にくっつきやすく、破損の原因になることも。さらに、ナッツやせんべいなどの硬い食べ物は、装置が外れるリスクがあるため注意が必要です。
口腔ケアの難しさ
ワイヤー矯正では、装置が固定されているため、歯磨きが難しくなります。歯とワイヤーの間に食べカスが溜まりやすく、丁寧なブラッシングが必要です。フロスが使いづらいため、歯間ブラシや専用のクリーナーを併用することで、虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。
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2. マウスピース矯正のメリットと特徴

マウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正にはない利便性や快適さが特徴です。
見た目を気にせず矯正を行いたい方や、日常生活への影響を最小限に抑えたい方に適した治療法と言えます。
ここでは、具体的なメリットについて紹介します。
2-1. 矯正装置が目立ちにくい
マウスピース矯正は、透明な素材で作られているため、周囲の人に気づかれにくいことが大きな特徴です。特に、人前に出る機会が多い方にとって、矯正装置が目立たないことは大きなメリットとなります。
2-2. デンタルケアがしやすい
食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外せるため、矯正装置を装着したままのワイヤー矯正と比べて、日常のデンタルケアが容易です。装置に食べ物が詰まる心配が少なく、口腔衛生を良好に保てます。
2-3. 食事の制限が少ない
ワイヤー矯正では、硬いものや粘着性の高い食べ物を避ける必要がありますが、マウスピース矯正では食事の制限がほとんどありません。
装置を取り外して自由に食べることができるため、外食や会食でも気兼ねなく食事を楽しめます。
2-4. 痛みが少ない
マウスピース矯正は、緩やかな力で少しずつ歯を動かしていくため、従来のワイヤー矯正よりも痛みを感じにくいと言われています。矯正初期や調整後の痛みが少ないため、痛みに敏感な方でも取り組みやすいのが特徴です。
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3. マウスピース矯正 vs ワイヤー矯正の徹底比較

マウスピース矯正とワイヤー矯正は、それぞれに異なる特徴とメリット・デメリットがあります。
どちらを選ぶかは、生活スタイルや症状に応じた判断が必要です。
以下では、両者を比較しながら、自分に合った矯正方法を見つけるためのポイントを解説します。
3-1. 見た目の違い
マウスピース矯正は透明な素材で作られているため、目立ちにくいのが特徴です。
一方、ワイヤー矯正はブラケットとワイヤーを使うため、見た目が気になる方もいます。
ただし、審美ブラケットや裏側矯正を選ぶことで、ワイヤー矯正でも目立ちにくくすることが可能です。
3-2. 管理の違い
ワイヤー矯正は自分で着脱できないため、自己管理の必要がありません。
一方、マウスピース矯正は装着時間や交換の自己管理が求められます。
自己管理が得意な方にはマウスピース矯正が向いていますが、管理に不安がある場合は、歯科医師の管理下で行うワイヤー矯正の方が安心です。
3-3. 痛みの違い
ワイヤー矯正は、調整後に強い痛みを感じることが多いですが、
マウスピース矯正は弱い力で少しずつ歯を動かすため、痛みが少ない傾向にあります。
ただし、個人差があり、マウスピース矯正でもアタッチメントが粘膜に当たって痛むことがあります。
3-4. 費用の違い
矯正治療の費用は、治療方法やクリニックによって異なります。
一般的に、ワイヤー矯正のほうが初期費用は比較的抑えられることが多いですが、調整費用が継続的にかかるため、トータルコストではマウスピース矯正と大きく変わらない場合もあります。
一方、マウスピース矯正は、装置の製作費用がかかるため初期費用がやや高めですが、通院回数が少なく済むため追加費用を抑えられることもあります。
また、どちらの矯正方法も部分矯正か全体矯正かによって費用が異なり、治療の難易度によっても費用が変動するため、事前にクリニックでの見積もりを確認することが大切です。
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4. マウスピース矯正とワイヤー矯正の治療期間と費用

マウスピース矯正とワイヤー矯正では、治療期間や費用に大きな違いがあります。部分矯正か全体矯正かによっても異なるため、自分の歯並びの状態に合わせて適切な方法を選ぶことが重要です。
ここでは、それぞれの治療期間と費用について詳しく解説します。
4-1. 部分矯正の費用と期間
部分矯正は、前歯のみの軽度な歯並びの乱れを改善する治療です。費用や治療期間は次の通りです。
矯正方法 | 費用相場 | 治療期間 |
マウスピース矯正 | 約30万~70万円 | 約6か月~1年 |
ワイヤー矯正 | 約20万~50万円 | 約6か月~1年 |
4-2. 全体矯正の費用と期間
全体矯正は、奥歯を含めた噛み合わせ全体を調整する治療で、費用や期間が長くなります。
矯正方法 | 費用相場 | 治療期間 |
マウスピース矯正 | 約80万~150万円 | 約1.5~3年 |
ワイヤー矯正 | 約70万~130万円 | 約2~3年 |
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5. どちらの矯正が向いている?

マウスピース矯正とワイヤー矯正には、それぞれ適した症例があります。自分のライフスタイルや歯並びの状態を考慮しながら、どちらの矯正方法が最適なのかを見極めましょう。
ここでは、マウスピース矯正とワイヤー矯正が向いている人の特徴を解説します。
5-1. マウスピース矯正に適している人(自己管理ができる人、軽度~中度の歯並びの改善)
マウスピース矯正は、見た目の自然さや快適な装着感を求める方に向いています。
以下の条件に当てはまる方におすすめです。
・目立たない矯正を希望する人
・軽度~中程度の歯並びの改善を目指す人
・食事やデンタルケアを快適に行いたい人
・自己管理がしっかりできる人
5-2. 仕事中も装着できる人
仕事中にマウスピースの装着が問題にならない方は、装着時間を確保しやすく、効果を感じやすいです。特に、デスクワークや頻繁に食事を取らない接客業の方は、治療がスムーズに進むことが多いでしょう。
もし、仕事の関係で装着時間が確保できるか不安な場合は、事前に歯科医師に相談することをおすすめします。
5-3. ワイヤー矯正に適している人(重度の歯並びの矯正が必要な人)
ワイヤー矯正は、より複雑な症例や大幅な歯の移動が必要なケースに適しています。
以下のような方に向いています。
・重度の歯並びの矯正が必要な人
・顎の成長や骨格の問題を伴う症例
・自己管理が苦手で、装置を取り外さずに矯正を進めたい人
・長期的に確実な歯並び改善を求める人
・矯正中に確実なコントロールが必要な人
5-4. マウスピース矯正とワイヤー矯正の併用が可能なケース
一部のクリニックでは、前半の治療をワイヤー矯正で行い、大きく歯を動かした後、仕上げをマウスピース矯正で行うケースがあります。
この方法は、ワイヤー矯正の強い矯正力とマウスピース矯正の審美性・快適さを両立できるため、治療の選択肢として考慮する価値があります。
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6. まとめ:どちらの矯正方法を選ぶべきか?

矯正治療を選ぶ際は、自分のライフスタイルや歯並びの状態に合った方法を選ぶことが重要です。
マウスピース矯正は、見た目の目立ちにくさや取り外しの利便性を重視する人に向いています。
一方、ワイヤー矯正は、適応症例が幅広く、確実に歯を動かせる点が魅力です。
また、症例によっては両者を併用することも可能なため、選択肢を広げることができます。歯科医師と相談しながら、費用や治療期間、生活への影響を考慮し、最適な矯正方法を決定しましょう。
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