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矯正歯科で虫歯を教えてもらえない?その理由とリスク・予防法を解説

湊 寛明
湊 寛明
この記事の監修者 

歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
https://purerio.tokyo/

「矯正歯科で虫歯について教えてもらえなかった…」

そんな経験をした方や、矯正を始める前に
「虫歯のリスクは大丈夫?」と不安に感じる方は多いのではないでしょうか?

実は、矯正歯科では虫歯の説明が十分に行われないケースがあります。

その理由は、矯正歯科と一般歯科の役割の違いにありますが、患者にとっては「もっと早く知りたかった」と感じることも。

さらに、矯正治療中は虫歯のリスクが高まりやすいため、事前にリスクを把握し、正しい予防策を知っておくことが大切です。

この記事では、
・ 矯正歯科で虫歯について教えてくれない理由
・ 矯正治療中に虫歯ができるリスクとその原因
・ 矯正中の正しい虫歯予防法とメンテナンス方法
・ もし矯正中に虫歯ができた場合の対処法
を詳しく解説します。

「矯正治療をしてよかった!」と思えるように、後悔しないための知識を身につけましょう。

1. 矯正歯科では虫歯を教えてくれない?その理由とは

「矯正歯科で虫歯を教えてもらえなかった…」と感じる人は少なくありません。

これは、矯正歯科が虫歯チェックを一般歯科に任せることが多いためなど、いくつかの理由があります。

ここでは、なぜ矯正歯科で虫歯が見逃されるのか、その理由対策を分かりやすく解説します。

矯正前に後悔しないために、ぜひチェックしておきましょう。

1-1. 矯正前に虫歯治療を終えている前提になっているため

虫歯は自然治癒が難しいため、矯正治療を始める前に一般歯科で治療を済ませるのが基本です。

しかし、矯正治療が始まってから隠れていた虫歯が発見されたり、新たに虫歯ができることがあります。

🔹 そのためにできる対策
・矯正を始める前に、一般歯科で細かい虫歯チェックを受ける
・フッ素塗布を行い、矯正中の虫歯リスクを減らす

1-2. クリーニングをしていないと虫歯を見落とすことがある

一般的な歯科ではクリーニングをして歯の汚れを落とした上で、虫歯チェックを行います。

しかし、矯正専門の歯科ではクリーニングを行わないクリニックもあり、汚れがついた状態では細かい虫歯が見えにくくなることがあります。

🔹 そのためにできる対策
・矯正治療前に、クリーニングを行った上で虫歯チェックを受ける
・矯正専門の歯科でもクリーニングを行っているか事前に確認する

1-3. 見つけにくい虫歯だったため

虫歯の中には、通常の目視では見つけにくいものがあります。

 

見つけにくい虫歯の種類理由
歯と歯の間の虫歯(隣接面う蝕)通常の視診では見えにくい
詰め物や被せ物の下の虫歯(2次カリエス)詰め物の下に隠れているため、レントゲンが必要
神経に近い虫歯初期段階では痛みがないため、見逃しやすい

 

📝 矯正歯科では一般歯科ほど細かい検査をしないため、虫歯を見逃す可能性がある

1-4. 矯正治療を優先するため

矯正歯科では主に歯の動きや噛み合わせを診ており、細かい虫歯チェックが後回しになることがあります。

特にワイヤー矯正では、装置を付けた後に虫歯が見つかると、治療が難しくなることがあるため、事前のチェックが重要です。

🔹 そのためにできる対策
・矯正治療前に、一般歯科で虫歯の有無を徹底チェックする
・矯正中も、定期的に一般歯科で虫歯検診を受ける

1-5. 虫歯チェックを一般歯科に任せているため

矯正歯科では「虫歯の治療は一般歯科の領域」と考えていることが多く、細かい虫歯チェックは一般歯科に任せるケースがあります

そのため、矯正専門のクリニックでは虫歯チェックが不十分なことがあるのです。

🔹 そのためにできる対策
・矯正専門クリニックと一般歯科の両方で診てもらう
・矯正歯科で虫歯チェックをどの程度行っているか、カウンセリング時に確認する

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2. 矯正治療中の虫歯リスクはなぜ高まるのか?

矯正治療中に虫歯のリスクが高くなる理由は、大きく分けて2つあります。

2-1. 矯正装置による歯磨きの難しさ

ワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーが歯の表面に装着されるため、食べかすやプラークが溜まりやすくなります。

また、歯ブラシが届きにくい部分が増えるため、通常よりも丁寧な歯磨きが必要です。

一方、マウスピース矯正では取り外しができるため比較的歯磨きしやすいですが、食事後にしっかり歯を磨かずにマウスピースを装着すると、細菌が繁殖しやすくなります。

2-2. 唾液の流れが悪くなり、再石灰化がしにくい

矯正装置があると、歯の表面に唾液が行き渡りにくくなります。

唾液には、歯の再石灰化(初期虫歯を修復する機能)を促す役割がありますが、矯正装置が邪魔をするとこの機能が十分に働かなくなり、虫歯が進行しやすくなります。

2-3. 食生活と虫歯の関係(避けるべき食べ物・飲み物)

 

矯正中は歯磨きが難しくなるため、食生活の影響で虫歯リスクが高まります。

特に糖分や酸が多い食品・飲み物は、虫歯の原因になりやすいため注意が必要です。

虫歯になりやすい食品・飲み物
・砂糖を多く含むもの(飴・チョコ・ジュース) → 虫歯菌のエサになる
・粘着性の高いもの(キャラメル・グミ) → 歯にこびりつきやすい
・酸性の飲食物(炭酸飲料・柑橘類) → エナメル質を弱くする
・食べかすが詰まりやすいもの(ポップコーン・ナッツ) → 磨きにくい

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3. 矯正中に虫歯を予防する方法

矯正中は、装置が邪魔になり歯磨きがしにくくなるため、虫歯リスクが高まります。

「矯正してから虫歯が増えた…」とならないためには、正しい歯磨き方法・フッ素の活用・定期メンテナンスが欠かせません。

ここでは、ワイヤー矯正マウスピース矯正それぞれに適した予防方法を紹介し、虫歯になりにくい習慣を身につけるコツをお伝えします。

3-1. ワイヤー矯正・マウスピース矯正それぞれのケア方法

矯正中の虫歯を防ぐには、通常よりも丁寧なケアが必要です。

 

🔹 ワイヤー矯正の場合(ブラケット・ワイヤー矯正)

 

 

・ タフトブラシを活用 : ブラケット周りの細かい部分をしっかり磨ける
・ 歯間ブラシを使う : ワイヤーの隙間に詰まった汚れを落とせる
・ 電動歯ブラシを併用する : 普通の歯ブラシよりも効率よくプラーク除去が可能

 


🔹 マウスピース矯正の場合(インビザラインなど)

 

 

・ 毎食後に必ず歯を磨く : 装着中は唾液が循環しにくいため、細菌が繁殖しやすい
・ フッ素洗口液を使用 : マウスピース内でフッ素が歯に長時間作用し、虫歯予防効果UP
・ マウスピースを適切に洗浄 : 専用の洗浄剤を使い、細菌の繁殖を防ぐ

 

📝 ポイント
・ワイヤー矯正は「磨き残し」を防ぐ工夫が必須!
・マウスピース矯正は「細菌の繁殖」を防ぐことが重要!

3-2. フッ素やキシリトールの活用

矯正中は虫歯リスクが高いため、フッ素キシリトールを積極的に活用することが効果的です。

・ フッ素入り歯磨き粉(濃度1450ppm推奨)を使う
・ フッ素ジェルを夜寝る前に塗布し、再石灰化を促す
・ キシリトール100%のガムを噛み、唾液を増やす(食後や間食時がおすすめ)
・ フッ素洗口液を活用する(歯磨き後の仕上げに使うと効果的)


📝 ポイント
・フッ素濃度1450ppmの歯磨き粉を選ぶと、虫歯予防効果がより高い
・キシリトールガムは「100%」のものを選ぶと効果的
・夜寝る前にフッ素ジェルを塗布すると、寝ている間にじっくり歯を強化できる

3-3. 定期的なメンテナンスを受ける

矯正治療中は、矯正歯科だけでなく、一般歯科での定期検診・クリーニングを受けることが重要です。

✅ 矯正歯科+一般歯科の「ダブルチェック」が理想!
✅ 3ヶ月ごとにクリーニングを受け、歯垢や歯石を除去
✅ 矯正中は特に「歯と歯の間」の虫歯チェックを忘れずに


📝 ポイント
・矯正歯科では細かい虫歯チェックが不十分なことがあるため、一般歯科の検診も大切
・定期的なクリーニングで、虫歯・歯周病のリスクを大幅に減らせる

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4. 矯正中に虫歯ができてしまった場合の対処法

矯正中に虫歯ができると、治療の進行に影響を与える可能性があります。

特にワイヤー矯正では装置の影響で治療が難しくなることがあり、マウスピース矯正でも治療後にアライナーが合わなくなるリスクがあります。

虫歯の進行度によって適切な対応をとり、矯正治療をスムーズに進めましょう。

4-1. 軽度の虫歯(C0~C1):フッ素塗布で進行を防ぐ

初期段階の虫歯なら、フッ素塗布やセルフケアで進行を抑えられる場合があります。

対処法
✅ 歯科でフッ素塗布を受ける → 歯の再石灰化を促進
✅ フッ素入り歯磨き粉を使用(1450ppm以上が推奨)
✅ 定期的なチェックを受ける

📝 この段階なら矯正を中断せずに治療継続が可能

4-2. 中度の虫歯(C2):ワイヤーを外して治療することも

象牙質に達した虫歯は削って詰める治療が必要になります。

ワイヤー矯正の場合
1. 矯正歯科で治療計画を調整
2. 一般歯科でワイヤーを外し、虫歯治療
3. 治療後に再装着し、矯正を継続

マウスピース矯正の場合
✅ マウスピースを外して通常の治療が可能
✅ 治療後、型取りが必要になることも

📝 虫歯が広がると矯正計画に影響するため、早めの治療が重要。

4-3. 重度の虫歯(C3以上):矯正を一時中断する可能性も

神経まで虫歯が進行した場合、根管治療(歯の神経を除去する治療)が必要になります。

治療の流れ
1. 根管治療(歯の内部を清掃し、詰め物や被せ物を装着)
2. 矯正装置を再装着 or 矯正計画の変更

📝 重度の虫歯は矯正計画に影響を与えるため、放置せずに早急に治療を受けることが重要

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5. まとめ(後悔しないための対策)

矯正歯科では虫歯チェックが一般歯科ほど徹底されていないため、矯正前に一般歯科でしっかり診てもらうことが重要です。

また、矯正中は装置の影響で歯磨きが難しくなり、虫歯リスクが高まります。

🔹 矯正前にできること
✅ 一般歯科で虫歯・歯周病のチェックを受ける
✅ フッ素塗布やクリーニングを行い、虫歯リスクを下げる

🔹 矯正中にできること
✅ フッ素入り歯磨き粉・洗口液を活用する
✅ タフトブラシや歯間ブラシで細かい部分をケアする
✅ 3ヶ月ごとに一般歯科で定期検診・クリーニングを受ける

矯正治療を後悔しないために、今からできる予防策を実践しましょう!

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