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部分矯正で前歯を整える方法|費用・治療期間・リスクを徹底解説

「部分矯正」は、前歯の軽度な歯並びの乱れを整えるための治療法です。主に見た目を改善する目的で行われ、歯列全体を動かす全体矯正と比べて、治療期間が短く、費用も抑えられるのが特徴です。

 

部分矯正は、前歯の6本程度を対象にすることが多く、上の歯だけ、下の歯だけ、または上下の前歯を合わせて治療することが一般的です。特定の部分だけをピンポイントで治したい方に適していますが、すべてのケースに対応できるわけではないため、治療の適用については歯科医師としっかり相談することが重要です。

1.部分矯正と全体矯正の違い

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部分矯正と全体矯正の大きな違いは、治療する範囲と目的にあります。

 

以下の表は、部分矯正と全体矯正の違いをわかりやすくまとめたものです。

特徴部分矯正全体矯正
対象範囲上下の前歯12本以内奥歯を含むすべての歯
費用の目安10万~40万円程度60万~170万円程度
治療期間2ヶ月~1年程度1年~3年程度
主な目的見た目の改善噛み合わせ・歯列全体の改善

 

部分矯正は治療範囲が限られているため、全体矯正に比べて短期間で治療を終えることができ、費用も抑えられることが多いです。

ただし、噛み合わせの問題や全体的な歯列の調整が必要な場合には、全体矯正が適している場合も多くなります。

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2.部分矯正のメリット

部分矯正を選ぶ理由には、次のようなメリットがあります。

2-1.費用が抑えられる

部分矯正は治療範囲が限定されているため、全体矯正よりもコストが低く抑えられます。

通常は10万~40万円程度で済むことが多く、比較的経済的な負担が少ないのが魅力です。矯正後の後戻りや前歯のわずかな乱れなど、軽度な症例には適しています。

2-2.治療期間が短い

部分矯正では、矯正する歯の範囲が前歯に限られるため、治療期間が短縮されます。

治療の多くが1年未満で完了し、早ければ2ヶ月ほどで目に見える効果が得られることもあります。短期間での改善を希望する方にとって、大きな利点です。

2-3.痛みや違和感が少ない

部分矯正では動かす歯の本数が少ないため、矯正力も比較的軽くなり、痛みや違和感が少ないことが多いです。

痛みの程度は個人差があるものの、初めて矯正を行う方にとっても取り組みやすい治療方法といえます。

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3.部分矯正のデメリット

一方で、部分矯正には以下のデメリットもあります。

3-1.噛み合わせの改善ができない

部分矯正は見た目を中心に改善する治療法であり、噛み合わせの問題を解決することは難しいです

奥歯や全体的な歯列のバランスを調整する必要がある場合は、全体矯正が必要になるでしょう。

3-2.適応症例が限られている

部分矯正は、軽度な歯並びの乱れに対してのみ有効です。

歯並びや噛み合わせに大きな問題がある場合や、骨格的な異常が関わっている場合には対応が難しく、全体矯正や外科的な治療が必要となることがあります。

3-3.歯の研磨処置が必要な場合がある

部分矯正では、歯を動かすためにスペースを確保するため、歯の側面を削ることが必要になる場合があります。

この処置は「IPR(インタープロキシマル・リダクション)」と呼ばれ、エナメル質を少し削るものですが、歯に影響が出ない範囲で行われるので心配ありません。

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4.部分矯正で改善できる歯並び

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部分矯正は、以下のような軽度の歯並びの乱れに対して有効です。

これらのケースでは、比較的短期間での改善が期待できます。

4-1.軽度のすきっ歯

前歯の間に隙間がある「すきっ歯」は、部分矯正で治療できることが多い症例です。

隙間が小さい場合や、奥歯に影響がない場合には、前歯部分だけの治療で効果が期待できます。

4-2.軽度のガタつき(叢生)

前歯が少し重なり合っている程度のガタつきであれば、部分矯正が適しています。

必要に応じて、歯の側面をわずかに削ってスペースを確保することにより、効果的に歯並びを整えることが可能です。

4-3.軽度の出っ歯

軽度の出っ歯も部分矯正で治療できることがあります。

特に、歯並び全体に大きな問題がない場合や、隣接する歯とのわずかな段差を修正したい場合に適しています。

4-4.軽度の受け口(反対咬合)

歯の生え方による軽度の受け口は、部分矯正で治療できる可能性があります。

重度の場合には全体矯正や外科的アプローチが必要になることもあります。

4-5.矯正後の後戻り

過去に矯正治療を行ったが、リテーナー(保定装置)を使用しなかったために歯並びが戻ってしまったケースでは、部分矯正が効果的です。短期間で再び整った歯並びにすることが期待できます。

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5.部分矯正で改善できない歯並び

部分矯正では治療が難しいケースも存在します。

以下のような場合には、全体矯正や他の治療が必要になることが多いです。

5-1.骨格に問題がある歯並び

顎の骨が大きい、または小さいなど骨格的な問題が原因で歯並びが乱れている場合、部分矯正では改善が難しいです。

この場合、外科手術を伴う矯正治療が必要になることがあります。

5-2.抜歯が必要なケース

重度のガタつきや歯を大きく動かす必要がある場合、抜歯が求められることがあります。

抜歯が必要な症例では部分矯正ではなく、全体矯正を選択することが一般的です。

5-3.開咬(かいこう)

前歯が噛み合わない状態である開咬は、奥歯の高さに問題があることが原因です。

このような場合は部分矯正では対応できず、全体矯正が必要になります。

5-4.過蓋咬合(かがいこうごう)

過蓋咬合とは、噛み合わせが深すぎる状態のことを指します。

奥歯の調整が必要になるため、部分矯正では治療が難しく、全体矯正が適しています。

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6.【治療方法別】部分矯正の費用と期間

部分矯正には主に3つの方法があり、それぞれの費用と治療期間は異なります。

以下に各方法について詳しく解説します。

6-1.表側矯正

費用の目安:30万~60万円

治療期間:2ヶ月~1年程度

 

表側矯正は、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着する一般的な方法です。歯の動きが細かく調整でき、幅広い症例に対応可能ですが、装置が目立ちやすいのがデメリットです。

6-2.裏側矯正

費用の目安:40万~70万円

治療期間:5ヶ月~1年程度

 

裏側矯正は、歯の裏側に装置を装着する方法で、表側矯正と同様に多くの症例に対応できます。装置が目立たないため、見た目を気にする方に適していますが、治療費がやや高く、装置による違和感があることが多いです。

6-3.マウスピース矯正

費用の目安:10万~50万円

治療期間:2ヶ月~1年程度

 

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使用して歯を動かす方法です。

目立ちにくく取り外しが可能なため、日常生活での負担が少ないのがメリットですが、適応症例が限られ、自己管理が求められる治療法です。

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7.部分矯正の治療の流れ

部分矯正を受ける際の基本的な治療の流れについて説明します。

7-1.カウンセリング

まずは歯科医師とのカウンセリングで、患者さんの歯並びの状態や治療の希望を確認します。

治療内容の詳細、費用、期間などについて説明を受け、患者さんが納得した上で治療を進めます。

7-2.精密検査・診断

口腔内の詳細な状態を把握するために、レントゲン撮影や口腔内スキャン、歯周病や虫歯の検査を行います。

これにより、具体的な治療計画を立てるためのデータが得られます。

7-3.治療開始

治療方法が決まったら、実際の治療が開始されます。

ワイヤー矯正の場合は装置を取り付け、マウスピース矯正の場合は装置が準備でき次第治療を進めていきます。通院の頻度は、矯正方法によって異なります。

7-4.保定期間

矯正治療が完了した後は、歯並びを安定させるための保定期間に入ります。

保定装置を使用して、元の位置に歯が戻らないようにサポートします。この期間は、矯正にかけた時間と同程度と考えられています。

7-5.メンテナンス

治療後も定期的な検診とクリーニングを行うことで、長期的に美しい歯並びを維持します。

必要に応じて、保定装置の調整を行い、最適な状態を保つようにします。

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8.部分矯正が向いている人・向いていない人

自分の歯並びに合わせた矯正方法で短期間に終わらせよう

部分矯正は、特定の歯並びの問題を効率的に改善したい人にとって最適な治療法ですが、すべての人に適しているわけではありません。

ここでは、部分矯正が向いている人と向いていない人の特徴をまとめました。

8-1.部分矯正が向いている人

前歯の見た目だけを整えたい人:

部分矯正は、前歯の軽度な歯並びの乱れをピンポイントで改善することが目的です。奥歯に問題がない場合や、噛み合わせの調整が不要な場合に適しています。

 

軽度な歯並びの問題を持っている人:

軽度のすきっ歯、軽度のガタつき、軽度の出っ歯や受け口など、歯並びの乱れが比較的少ない場合に、部分矯正は効果的です。

 

短期間で矯正を終えたい人:

イベントや特別な予定に向けて早急に歯並びを整えたい方にとって、部分矯正は最適です。最短で数ヶ月で結果が得られる場合もあり、短期間で治療を完了したい人に向いています。

 

治療費を抑えたい人:

全体矯正に比べて部分矯正は費用が低いため、コストを重視して治療を行いたい方にもおすすめです。特に前歯だけの問題をリーズナブルに改善したい人に適しています。

8-2.部分矯正が向いていない人

噛み合わせの問題がある人

噛み合わせに問題がある場合、部分矯正では対応できません。噛み合わせのバランスを整えるには、全体矯正が必要になります。

 

重度の歯並びの乱れがある人

大きな歯並びの乱れや骨格的な問題がある場合には、部分矯正では十分な効果が期待できません。骨格矯正や外科的手術が必要なケースも考えられます。

 

抜歯が必要なケース

歯を動かすスペースが足りない場合には、抜歯が必要となることがあります。抜歯を伴う治療では、全体矯正が適しており、部分矯正では対応できません。

 

Eラインや顔の形の改善を望む人

Eラインの形成や顔全体の輪郭を整えたい場合は、部分矯正ではなく、全体矯正が効果的です。部分矯正では見た目の改善が限られているため、理想の顔立ちを目指すためには全体的な治療が必要です。

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9.部分矯正のリスクと注意点

部分矯正には多くのメリットがある一方で、いくつかのリスクも伴います。治療を始める前にしっかりと理解しておくことが大切です。

9-1.噛み合わせの悪化の可能性

部分矯正は前歯の見た目を中心に整える治療法のため、噛み合わせのバランスが崩れるリスクがあります。

噛み合わせが悪くなると、顎関節症や咀嚼(そしゃく)機能の低下など、他の問題が発生する可能性もあるため、注意が必要です。

9-2.歯根吸収や歯肉退縮が起こることがある

歯を動かす際に過度な力がかかると、歯根吸収(歯の根が短くなる現象)歯肉退縮(歯茎が下がること)が生じることがあります。

歯根吸収は、治療の進行が早すぎる場合や強すぎる力が加わった場合に起こりやすいとされています。

9-3.出っ歯になるリスク

部分矯正で無理に歯を動かすと、歯が前方に押し出され、見た目が出っ歯のようになってしまうことがあります。

これは、歯を並べるスペースが十分に確保できない場合に発生しやすい現象です。

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10.部分矯正を受けるクリニック選びのポイント

部分矯正を受ける際には、信頼できるクリニックを選ぶことがとても重要です。以下のポイントを参考に、自分に合ったクリニックを見つけましょう。

10-1.矯正治療に精通した歯科医師が在籍している

部分矯正は歯を部分的に動かす治療であるため、全体矯正とは異なる技術が必要です。

矯正治療の経験が豊富で、専門的な知識を持つ歯科医師がいるクリニックを選ぶことが重要です。

10-2.丁寧なカウンセリングと説明を行ってくれる

治療を進めるうえで、患者さんが納得できるように丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。

治療内容、メリット・デメリット、費用についてしっかりと説明してくれることで、安心して治療に臨むことができます。

10-3.自分に合った治療プランを提案してくれる

クリニックによっては、提供する治療プランが限られている場合があります。患者さんに最適な治療法を提案してくれる歯科医師がいるクリニックを選びましょう。

矯正装置の種類や治療の選択肢が豊富であるほど、希望に合った治療を受けられる可能性が高まります。

10-4.費用と治療期間が明確に提示される

治療費用や治療にかかる期間を事前にしっかり提示してくれるクリニックを選ぶことも大切です。

治療の途中で追加料金が発生することがないように、明確な料金体系を確認しましょう。

10-5.通いやすい立地と診療時間

クリニックの立地や診療時間も重要なポイントです。

仕事帰りや学校帰りに通いやすい場所や、土日診療を行っているクリニックを選ぶと、通院の負担を減らすことができます。

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11.部分矯正に関するよくある質問

部分矯正に関するよくある質問を以下にまとめました。

11-1.部分矯正の効果はどのくらいで実感できますか?

部分矯正の効果は、症例によって異なりますが、軽度の歯並びの乱れであれば、早ければ1ヶ月程度で変化を感じられることが多いです。複雑なケースの場合、数ヶ月から1年程度の時間が必要です。

11-2.部分矯正でEラインを整えることはできますか?

部分矯正では、主に前歯の見た目の改善に焦点を当てているためEライン(横顔の美しいライン)を整えることは難しいです。

顔の形や噛み合わせに影響を与える全体的な改善を希望する場合は、全体矯正が必要です。

11-3.部分矯正から全体矯正に切り替えることはできますか?

治療の進行中や仕上がりに満足できない場合、部分矯正から全体矯正に切り替えることは可能です。

ただし、切り替えのタイミングや方法は、歯科医師と相談のうえで決定する必要があります。

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12.まとめ

部分矯正は、気になる部分だけを集中的に治療できる方法として人気がありますが、すべてのケースに適応できるわけではありません。

部分矯正が適しているかどうかを正確に知るためには、歯科医師による精密検査と診断が必要です。

 

クリニックによっては、初回相談や検査が無料で受けられるところもありますので、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。信頼できる歯科医師と相談しながら、自分に合った治療法を見つけましょう。

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