
- この記事の監修者
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歯科医師。医療法人社団ピュアスマイル理事長。インビザライン ブラックダイヤモンドドクター。インビザライン世界サミット23万人いるインビザラインドクターの中からトッププロバイダーの1人に選出。
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「マウスピース矯正中にアイコスを吸っても大丈夫?」
矯正治療を始めたばかりの方や、これから始めようとしている喫煙者の方から、よく寄せられる疑問のひとつです。
紙巻きタバコよりはマシだろうと思いつつも、アイコスの煙や熱が装置や歯に悪影響を与えないか不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マウスピース矯正中における加熱式タバコ(アイコスなど)のリスクや、吸う際の注意点、装置への影響、治療への悪影響などをわかりやすく解説します。
禁煙が難しいと感じる方にも配慮しながら、治療中に気をつけたいポイントを丁寧にまとめています。喫煙習慣を続けながら、できるだけ良い結果を得たい方に向けた、現実的なアドバイスをお届けします。
- 1. アイコスならOK?加熱式タバコのリスクを整理
- 1-1. アイコスと紙タバコの違い
- 1-2. アイコスでも注意すべき点(熱・ヤニ・臭い)
- 1-3. 装着中に吸うと起こるトラブルとは?
- 2. マウスピース矯正中に喫煙してもいいの?
- 2-1. そもそも装着中の飲食・喫煙はNG
- 2-2. タバコの成分が与える影響とは
- 3. 喫煙習慣がある方へのアドバイス
- 3-1. 吸うときは必ずマウスピースを外す
- 3-2. 外している時間と治療効果の関係
- 3-3. 禁煙が難しい人への現実的な対策
- 4. 歯科医から見た“理想的な過ごし方”とは
- 4-1. 治療中のベストは禁煙だが…
- 4-2. 喫煙を続けたい人のための注意点
- 5. まとめ|アイコスだからといって油断しないで
1. アイコスならOK?加熱式タバコのリスクを整理

紙巻きタバコよりも“ニオイや煙が少ない”と言われる加熱式タバコ(アイコスなど)。
ですが、マウスピース矯正中に吸っても問題ないのでしょうか?
ここでは、加熱式タバコに潜むリスクについて詳しく解説します。
1-1. アイコスと紙タバコの違い
アイコスは火を使わず、専用のタバコスティックを加熱してニコチンなどを発生させる加熱式タバコです。煙が出ず、タールも少ないとされるため「体への影響が少ない」と思われがちですが、有害物質がゼロになるわけではありません。
また、歯や装置への影響という観点では、紙巻きタバコほどではないにしても、色素沈着・ニオイ・成分残留のリスクは存在します。
1-2. アイコスでも注意すべき点(熱・ヤニ・臭い)
加熱式とはいえ、タバコ葉を200℃程度に加熱することでニコチンを含む蒸気が発生します。その熱によるマウスピースの変形リスクや、蒸気に含まれる粒子による表面の着色・ニオイ移りも無視できません。
とくにマウスピースは透明で目立ちやすいため、ヤニ汚れが蓄積すると見た目の清潔感が損なわれるだけでなく、交換頻度が早まり追加費用がかかる可能性もあります。
1-3. 装着中に吸うと起こるトラブルとは?
マウスピースを装着したまま喫煙をすると、以下のような問題が起きる可能性があります。
・マウスピースが変形・溶ける
・内側にニコチンや臭いが染み込み、清掃しても取れない
・歯や歯茎が高温の蒸気にさらされ、炎症の原因になる
装着したままの喫煙は、矯正装置そのものを傷めるだけでなく、治療の質を下げる結果にもつながります。
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2. マウスピース矯正中に喫煙してもいいの?

加熱式タバコであっても、マウスピース矯正中の喫煙には注意が必要です。
ここでは、喫煙そのものが矯正治療に与える一般的なリスクや、装着時の喫煙がなぜ避けるべきなのかを詳しく解説します。
2-1. そもそも装着中の飲食・喫煙はNG
マウスピース矯正では、装着中の飲食や喫煙は基本的にNGとされています。これは、飲食物やタバコの熱や成分によって、装置が変形したり劣化したりするリスクがあるからです。
また、装着したまま喫煙することでマウスピース内部にヤニやニオイがこもり、清掃しても取り除けない汚れが残ることがあります。これが見た目の悪化や雑菌の繁殖につながり、口内環境の悪化を招く原因にもなります。
2-2. タバコの成分が与える影響とは
タバコに含まれるニコチンや有害物質は、歯ぐきや歯の健康にも悪影響を及ぼします。血流が悪くなり、炎症が起こりやすくなったり、治癒力が下がることで歯ぐきの回復が遅れる可能性もあります。
これは、矯正治療において非常に重要な「歯が動きやすい環境」に逆行することになります。つまり、喫煙を続けることで、治療が計画通りに進まなくなるリスクもあるのです。
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3. 喫煙習慣がある方へのアドバイス

喫煙習慣がある人にとって、矯正中に完全にやめるのは簡単なことではありません。
ここでは、矯正への悪影響を最小限に抑えながら喫煙と付き合っていくための現実的なアドバイスを紹介します。
3-1. 吸うときは必ずマウスピースを外す
もっとも基本的かつ重要なのは、「喫煙する時は必ずマウスピースを外す」ことです。装着したままの喫煙は、装置に熱や有害物質が直接触れ、変形や変色の原因になるだけでなく、口腔内環境の悪化にもつながります。
喫煙前に取り外し、吸い終わったあとは口をしっかりゆすぎ、マウスピースを清潔な状態で再装着するよう心がけましょう。
3-2. 外している時間と治療効果の関係
マウスピース矯正では、1日20〜22時間以上の装着が推奨されています。喫煙のたびに装置を外していると、装着時間が不足し、歯の移動が遅れてしまうリスクがあります。
たとえば、1日に5回喫煙し、毎回15分ずつ外していた場合、合計で1時間以上のロスになります。これが積み重なると、治療計画通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまう原因となるため注意が必要です。
3-3. 禁煙が難しい人への現実的な対策
「どうしてもやめられない」という方も少なくありません。
そうした場合は、以下のような工夫でリスクを軽減することが可能です。
・喫煙回数を減らす(回数を決めて管理する)
・喫煙後は必ずうがいや歯みがきを行う
・マウスピースはこまめに洗浄・交換する
また、担当の矯正歯科医に「喫煙習慣がある」ことを伝えておくことで、より適切な指導や配慮を受けることができるでしょう。
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4. 歯科医から見た“理想的な過ごし方”とは

マウスピース矯正中に喫煙を続けることは、やはり望ましいことではありません。
とはいえ、完全な禁煙が難しい方にとって、どのように過ごせば治療への影響を最小限にできるのか、歯科医の視点から現実的なポイントをご紹介します。
4-1. 治療中のベストは禁煙だが…
歯科医の立場からすれば、マウスピース矯正中は「禁煙がベスト」です。喫煙は歯ぐきの血流を妨げ、歯の動きを鈍らせたり、口腔環境を悪化させる原因となります。
また、装置への着色や破損リスクを考慮しても、タバコを完全に控えることで治療効果がより高まり、期間も短縮される可能性があります。
4-2. 喫煙を続けたい人のための注意点
完全にやめられない場合は、以下の点に気をつけて過ごすことが大切です。
・喫煙のタイミングはなるべくまとめ、装着外す回数を減らす
・喫煙後のケアを徹底する(歯みがき・マウスウォッシュ)
・汚れが気になるときはマウスピースを早めに交換する
・喫煙による影響が出ていないか、定期検診で医師と共有する
矯正治療は長期にわたるため、「完璧」を目指すよりも「継続できる現実的なケア」を心がけることで、ストレスを減らしつつ良好な結果を目指せます。
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5. まとめ|アイコスだからといって油断しないで

アイコスは紙タバコよりも害が少ないとされますが、装置への熱や汚れ、治療計画の遅れといったデメリットは避けられません。
矯正中は、「装着中は吸わない」「必ず外す」「ケアを怠らない」など、自分に合ったスタイルで喫煙習慣と向き合うことが大切です。
完璧を目指すよりも、“できる範囲で意識して行動する”ことが、治療成功のカギとなります。どうしても不安な場合は、信頼できる矯正歯科医に相談することをおすすめします。
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